第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行や入国制限の緩和により、社会活動が正常化し、回復基調に転じております。一方で、ウクライナ情勢の長期化による不安材料に加え、急激な為替の変動や資源高が進行するなど景気への悪影響が懸念される状況が続きました。個人消費においても、行動制限等の緩和とそれに伴う観光サービス業等の需要に回復の動きがみられたものの、インフレからの物価上昇懸念による節約意識が高まるなど、先行き不透明感が強まりました。

 当社グループの主要販路である百貨店・量販店・直営店においては、外出機運や消費意欲の高まりから入店客数が増加したこと、各種イベントの再開によって需要が盛り上がったこともあり、一部の店舗ではコロナ禍前の売上高に近づくなど、市況は徐々に回復基調に転じております。また、インバウンド需要も順調に回復し、リベンジ消費に期待が持てる機運に好転いたしました。

 

 このような状況下、当社グループにおいては、生活様式や働き方など様々な価値観の変化、デジタル化の加速によるEC拡大や非対面、非接触でのサービスなどの拡大、社会面では環境問題、少子高齢化や物価高など、様々な今後の課題に対処するために三か年計画「中期経営計画2023NEXT」を策定し、今期よりスタートいたしました。

 当社グループは生産の川上から販売のリテールまでのサプライチェーン、いわゆる垂直型が強みです。それを活かし、生産性の向上、コスト削減による収益確保、さらに新たにグループ全体で取り組むオリジナルブランド強化に努め、企業価値向上と顧客満足度向上、資産価値の形成に努める目標を掲げて、1年目のフェーズに臨んで参りました。

 

 その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高57億28百万円(前年同期比103.5%)、営業損失90百万円(前年同期営業損失2億20百万円)、経常損失46百万円(前年同期経常損失1億82百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失73百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失1億99百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

身の回り品事業

 当第2四半期連結累計期間の身の回り事業全体としては、経済活動の正常化に伴い市場はリアル店舗を中心に回復基調に転じました。

 ハンカチーフにつきましては、前期に引き続き新規取引先の積極的な開拓や百貨店平場以外でのイベント開催等による新しい売上を構築できたことに加え、シェニール織企画の高級品素材によるタオルハンカチーフやラルフローレンブランドのエコバッグ等単価アップ施策に繋がる商材が引き続き好調に推移したことや、新たな戦略として打ち出したキャラクター商材が市場で評価いただいたこと、そして大判プリントハンカチーフを中心に訪日外国人観光客需要を取り込むことができた結果、売上は前年比110.3%となりました。

トピックスとしまして、元プロ野球選手斎藤佑樹氏とのプロジェクト「斎藤ハンカチ店」のお披露目を2023年9月8日に行い、同日より当社ECで販売開始となり、大きな反響もいただきました。

 

 スカーフ・マフラーにつきましては、第2四半期開始当初はシルクスカーフや当社におけるスカーフカテゴリーに分類されるニコライバーグマン晴雨兼用傘が昨年に引き続き好調に推移しました。また、秋物市場の立ち上がりに関しましても、ファッショントレンドの回復によりシルクスカーフや薄手カシミヤストール、無染色カシミヤシリーズ、敬老の日向け商品など新作が順調に推移した結果、売上は前年比112.5%となりました。

 タオル・雑貨につきましては、この数年間成長し続けたテレビ通販部門のタオル関連商材が外出機運の高まりで売上が大きく鈍化したことと、昨年大きく伸長したプール関連商品のラップタオルによる売上が前年を下回る結果となったことにより売上は前年比74.8%となりました。

 この結果、身の回り品事業での売上は、前年比101.4%となりました。

 

フレグランス事業

 当第2四半期連結累計期間のフレグランス事業につきましては、主力販路である百貨店を中心にイベントの開催、及び新規導入ブランド「CREED」の取扱いが8月より開始など新しい戦略が実を結び、売上は前年比114.7%となりました。

 フレグランス市場全体では、ウィメンズ、メンズ、ボーダーレスで広がりを見せており、新しい戦略商品だけでなく、既存フレグランスブランドも確実に成長を遂げております。

 その結果、2010年1月より開始したフレグランス事業が当第2四半期累計期間の段階にて初の黒字化を達成することができました。

 

 全事業といたしましては、苦戦するアイテムはあったものの、主軸アイテムであるハンカチーフが前年比110.3%、フレグランスが前年比114.7%となり、前年同期と比べ、売上高の増加が実現できました。

  また、コスト環境は為替や原油高等の影響により、前年度に増して厳しい状況の中、数十年変化のなかったハンカチーフ商品の価格値上げ、その他の商品も価格見直しを行った結果、売上にマイナス影響が出ることがなかったこと及びインバウンド需要も順調に回復した結果、売上総利益は前年度と比較し、20.5%と大幅に上回ることもでき、売上総利益の増加となりました。

  一方で販売費及び一般管理費が増加した結果となりました。これは創業100周年事業開催の費用と新規案件に対しての先行投資によるもので一時的な拠出となりますが、売上総利益の増加により営業利益、経常利益は共に前年同期と比べ大幅に改善いたしました。また、積極的な営業活動を行う過程で発生した未実現利益の消去や法人税等の増加があったものの、売上総利益の大幅な改善が利益構築を牽引し、親会社株主に帰属する四半期純利益も同様に大幅な改善となりました。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)
 当第2四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、66億24百万円(前連結会計年度末は、71億60百万円)となり、5億36百万円減少いたしました。現金及び預金の減少(15億85百万円から14億74百万円へ1億10百万円減)、受取手形及び売掛金の減少(23億60百万円から16億4百万円へ7億56百万円減)、商品及び製品の増加(28億11百万円から30億61百万円へ2億50百万円増)が主な要因です。

(固定資産)
 当第2四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、50億72百万円(前連結会計年度末は、50億28百万円)となり、44百万円増加いたしました。投資有価証券の増加(6億73百万円から7億74百万円へ1億1百万円増)、建物(純額)の減少(7億40百万円から7億33百万円へ6百万円減)、投資不動産(純額)の減少(15億67百万円から15億59百万円へ8百万円減)が主な要因です。

(流動負債)
 当第2四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、43億61百万円(前連結会計年度末は、47億40百万円)となり、3億79百万円減少いたしました。支払手形及び買掛金の減少(18億28百万円から17億38百万円へ89百万円減)、短期借入金の減少(20億98百万円から20億27百万円へ71百万円減)、未払法人税等の減少(1億19百万円から42百万円へ77百万円減)が主な要因です。

 

(固定負債)
 当第2四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、9億45百万円(前連結会計年度末は、10億40百万円)となり、94百万円減少いたしました。長期借入金の減少(4億86百万円から3億88百万円へ97百万円減)が主な要因です。

(純資産)
 当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、63億89百万円(前連結会計年度末は、64億7百万円)となり、17百万円減少いたしました。利益剰余金の減少(28億14百万円から27億12百万円へ1億1百万円減)、その他有価証券評価差額金の増加(1億17百万円から1億78百万円へ60百万円増)、繰延ヘッジ損益の増加(△11百万円から1百万円へ12百万円増)が主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前年同四半期に比べ3億2百万円増加し、14億74百万円となりました。
 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

     (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、1億57百万円(前年同期は3億89百万円の増加)となりました。これは主に棚卸資産の増加、売上債権の減少額、仕入債務の減少等であります。

     (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、69百万円(前年同期は11百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出、保険積立金の解約による収入、預り保証金の受入による収入等であります。

     (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、1億99百万円(前年同期は5億13百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出等であります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

特記すべき事項はありません。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。