(1) 業績
当連結会計年度につきましては、中国をはじめとするアジア新興国の景気減速や原油安の影響等により先行きの不透明感が強まりをみせています。一部には弱さがみられるものの、世界経済は総じて緩やかな回復を示しております。
エレクトロニクス産業におきましては、モバイル端末の高性能化に伴う端末1台当たりの半導体搭載量の増加やデータセンター向けサーバー需要が拡大をみせたものの、スマートフォンやパソコン販売の伸び鈍化により需要は力強さを欠き、電子部品市場は伸び悩みました。当社グループの参画しております半導体製造装置市場は、期後半より半導体メーカーによる先端投資が回復を示し、総じて堅調に推移しております。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高は6,639億4千8百万円(前連結会計年度比8.3%増)、営業利益は1,167億8千8百万円(前連結会計年度比32.5%増)、経常利益は1,193億9千9百万円(前連結会計年度比28.5%増)となりました。特別損益に関しましては、TEL FSI, Inc.の事業計画を見直したことによる固定資産の減損等を計上した結果、129億3千2百万円の損失(前連結会計年度は61億2千1百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は778億9千1百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度から、事業撤退を発表しております「PV(太陽光パネル)製造装置」事業につきましては、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」に定める重要性を満たさなくなったため、報告セグメントから除外し、「その他」の区分に含めて記載する方法に変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
① 半導体製造装置
スマートフォン等の高機能化に伴う端末1台当たりの半導体搭載量の増加や、ビックデータ活用の拡がりを受けて伸長するデータセンター向けサーバー需要を背景に、DRAM及びNANDフラッシュメモリー需要は底堅く推移しました。このような市場環境のなか、メモリーメーカーにおいて増産を主な目的とした投資が進められました。また、ロジック系半導体に関しても、旺盛なサーバー需要により先端技術に対する設備投資等が続いております。この結果、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、6,130億3千2百万円(前連結会計年度比6.4%増)、セグメント利益は、1,231億6千2百万円(前連結会計年度比9.4%減)となりました。
なお、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に先端パッケージング技術対応塗布現像装置「CLEAN TRACK™ LITHIUS Pro™ AP」、先端パッケージング向け高効率めっき装置「Stratus™ P300」、高温プロセスによる微細化対応枚葉成膜装置「Triase+™ EX-II™ TiN Plus HT」などの新製品をリリースしました。
② FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
中国における大型液晶パネル向け設備投資に加え、モバイル端末向けの中小型液晶パネル需要も伸長し、FPD製造装置市場は堅調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、446億8千7百万円(前連結会計年度比36.6%増)、セグメント利益は、47億4千7百万円(前連結会計年度は13億1千2百万円のセグメント損失)となりました。
また、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に高精細フラットパネルディスプレイ向けドライエッチング装置「Impressio™1800 PICP™」を市場に投入いたしました。
③ その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、178億2千万円(前連結会計年度比14.1%増)、セグメント利益は20億3千5百万円(前連結会計年度は76億1千9百万円のセグメント損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ2,219億9千3百万円減少し、956億3千8百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ810億9百万円減少し、2,366億7千3百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動により獲得したキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ24億8百万円減少の693億9千8百万円となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益1,064億6千6百万円、減価償却費192億5千7百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、たな卸資産の増加235億3千5百万円、法人税等の支払額153億5千6百万円、前受金の減少150億3百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として短期投資の増加による支出1,159億9千8百万円、有形固定資産の取得による支出112億9千4百万円により、前連結会計年度の1,557億3千7百万円の収入に対し1,500億1千3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に自己株式の取得による支出1,055億3千2百万円、配当金の支払330億1千3百万円により、前連結会計年度の182億1千3百万円の支出に対し1,386億円の支出となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体製造装置 |
592,230 |
5.8 |
|
FPD製造装置 |
50,944 |
53.3 |
|
その他 |
5,124 |
46.9 |
|
合計 |
648,299 |
8.7 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 「PV製造装置」事業につきましては、当連結会計年度から「セグメント情報等の開示に関する会計基準」に定める重要性を満たさなくなったため、報告セグメントから除外し、「その他」の区分に含めて記載する方法に変更しております。「その他」の前年同期比については、前年同期の生産高に「PV製造装置」事業の生産実績を含めて算出しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体製造装置 |
622,935 |
0.3 |
263,288 |
3.9 |
|
FPD製造装置 |
50,503 |
43.1 |
37,428 |
18.4 |
|
その他 |
2,541 |
- |
4 |
△99.9 |
|
合計 |
675,980 |
3.2 |
300,721 |
4.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 「PV製造装置」事業につきましては、当連結会計年度から「セグメント情報等の開示に関する会計基準」に定める重要性を満たさなくなったため、報告セグメントから除外し、「その他」の区分に含めて記載する方法に変更しております。「その他」の前年同期比については、前年同期の受注高及び受注残高に「PV製造装置」事業の受注実績を含めて算出しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体製造装置 |
613,032 |
6.4 |
|
FPD製造装置 |
44,687 |
36.6 |
|
その他 |
6,228 |
49.3 |
|
合計 |
663,948 |
8.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 「PV製造装置」事業につきましては、当連結会計年度から「セグメント情報等の開示に関する会計基準」に定める重要性を満たさなくなったため、報告セグメントから除外し、「その他」の区分に含めて記載する方法に変更しております。「その他」の前年同期比については、前年同期の販売高に「PV製造装置」事業の販売実績を含めて算出しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
前連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
|
相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Intel Corporation |
78,601 |
12.8 |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
70,315 |
11.5 |
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
|
相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. |
70,550 |
10.6 |
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新の激しいエレクトロニクス産業のなかで、半導体及びFPD製造装置のリーディングサプライヤーとして、ビジネスを積極的に展開しております。
① 長期的な経営方針
当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能を持つメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、環境の変化をいち早く捉え、大胆に自らを変えて適応していくことにより、世界の市場に高い付加価値を提供してまいりました。また、当社は、半導体製造装置やその関連分野など、技術革新が新たな価値を生み、かつ高収益を期待できる事業分野において、独創的な技術で時代をリードすることにより成長を続けてきました。
当社の原動力は、創立時から継承されている徹底した顧客第一主義、技術革新を実現できる高い技術力、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員のチャレンジ精神です。
今後も技術革新による価値創出が見込まれる既存の事業分野を含め、エレクトロニクス技術を基盤とした成長分野において、当社で培った最先端技術を応用して事業創出に取り組み、ワールドクラスの高収益企業を目指してまいります。
② 中期経営計画
当社は、産業界と社会への貢献を通じ、利益を得て、企業価値を向上させることにより、「当社を信頼して投資していただいた株主の皆さまへの還元」と「社員とその家族を豊かにすること」ができると考えております。そのための具体的な成果目標として、当社は平成27年7月10日に、平成32年3月期までの中期経営計画を公表いたしました。
中期ビジョン
革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体産業とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニー
ファイナンシャルモデル
半導体前工程製造装置の市場規模370億米ドルを前提とする、新たなファイナンシャルモデルを設定し、平成32年3月期までに達成することを目標としています。
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半導体前工程製造装置市場規模 |
370億米ドル |
|
売上高 |
9,000億円 |
|
営業利益率 |
25% |
|
ROE(自己資本利益率) |
20% |
なお、半導体業界特有の景気循環変動の大きい市場特性に鑑み、仮に市場規模を300億米ドルとした場合においても、売上高7,200億円、営業利益率20%、ROE15%を達成できる経営体質を築いてまいります。
中期経営計画実現のための課題
IoT時代を近未来に迎え、半導体の需要は今後益々高まると考えられます。他方、半導体の微細化は10ナノメートル以下の領域に入ろうとしておりますが、これは原子を数十個並べた程度の大きさに相当し、まさに究極の微細加工領域への挑戦を意味します。半導体技術は変換点を迎えていると言われていますが、半導体デバイスの性能向上への要求は止まりません。これからも当社グループは、更なる微細加工技術を追求するとともに、新構造や新材料技術の導入、新たなパッケージ技術などの研究開発を同時進行的に進めます。顧客の技術要求水準が高くなることは、多様な技術を保有する当社グループにとって、事業拡大のチャンスです。今後益々、製造装置メーカーとしての当社の総合力が必要とされる時代になっていくことから、当社グループの持てる力を結集し、顧客に対して革新的なソリューションを提案できる技術集団として、業界を牽引していきたいと考えております。
このような状況のもと、新生東京エレクトロンは、半導体製造装置事業及びFPD製造装置事業に集中し、次に掲げる3つの強化項目に取り組んでおります。
|
3つの強化項目 ・製品競争力強化 ・顧客対応力強化 ・利益体質強化 |
顧客の最先端技術ニーズに応えるためには、強い次世代製品を継続的に創出することが肝要と考えております。製品ごとに構成するビジネスユニットを基軸にしていた開発部隊を、開発・生産本部長の元に集約、一元化することにより、個々の工場、ビジネスユニットが持つ多様な技術を結集し、開発力・技術提案力を高めます。また、この一元化は、開発加速が必要なエリアへ重点的に人材を投入するなど、開発費とリソースの最適化や、新規製品の投入検討等、エンジニアが能力をいかんなく発揮できる機会の増加につながり、成長を実現することができると考えます。
また、顧客の寡占化が進行するなかで、顧客ごとに営業と技術それぞれの総合窓口を設けました。顧客とのコミュニケーションの密度を上げることで、顧客対応のスピードと精度を高めます。また、コミュニケーションの充実は市場環境変化や真の顧客ニーズへの理解を深めることにつながります。それを当社の開発戦略へ落とし込むことにより、顧客の期待以上のものを提案・提供する「顧客ニーズ創造型企業」を目指します。これらにより、とくに今後大きな市場成長及び当社製品による付加価値の増大が見込まれる分野であるエッチング、成膜、塗布・洗浄事業における、シェアと利益の拡大に努めます。
さらに、IoT時代を迎えると半導体用途が大幅に拡がり、汎用デバイスの需要も飛躍的に拡大すると考えられます。このような環境下においては、当社グループが持つ世界最大の納入済み装置実績は、フィールドソリューション事業の基盤となり、改造、パーツ、認定中古装置などの販売促進につながることが期待できます。
以上のような事業の成長計画の実現に取り組む一方で、ITシステムを強化し、ヒト・モノ・カネのリソースや、事業進捗の一元管理を進め、あらゆるリソースの重複や無駄を排除します。また、投資と抑制、効率化など、メリハリをつけてコントロールすることで、グローバル水準の収益力獲得を目指します。
当社グループは、社員がワクワクして躍動する夢と活力のある会社を目指しています。半導体製造装置及びFPD製造装置事業において、革新的新製品を継続的に創出すべく、成長に向けて新たなチャレンジを続けることができる会社、そして成果が出た際は公正な報酬を得ることができること、これが夢と活力のある会社の姿であると考えています。その実現のための基盤として、国境を問わない流動的な人材活用を実現し、職責と役割に応じた新しい報酬制度を構築します。
③ 資本政策の基本的な方針
上述の経営戦略や経営計画を踏まえ、資本政策の基本方針について、当社グループは以下のように考えております。
資本効率についての考え方
成長投資に必要な資金を確保しつつ、適切なバランスシート・マネジメントに基づき積極的な株主還元に努めてまいります。また、上述の中期経営計画に掲げるファイナンシャルモデルの実現に向け、主として営業利益率、総資産回転率を重視し、ROE(自己資本利益率)の向上を図ります。
株主還元策
・当社の配当政策は、業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。ただし、一株当たりの年間配当金は150円※を下回らないこととします。
|
※ |
2期連続で当期利益を生まなかった場合は、配当金の見直しを検討します。 |
・自己株式の取得については、機動的に実施を検討します。
④ 企業の社会的責任としての取り組み
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値を創出することが、株主及び顧客、取引先、地域社会をはじめとするステークホルダーに対する社会的責任であると考え、平成25年に制定したCSR方針のもと、専任組織を中心に重点課題を設定し、進捗のモニタリングを実施しております。
また、当社グループは、平成27年6月に電子産業サプライチェーンの労働・安全・環境・倫理の行動規範を定めるCSRアライアンスであるEICC®(Electronic Industry Citizenship Coalition®)に加盟しました。EICC®加盟にあたり、改めて当社グループ内への同規範の積極的な展開と浸透を目指すとともに、取引先と共同で業界全体のCSRを推進していきます。
加えて、当社グループでは、顧客工場における製品使用時の環境負荷を低減すべく、製品の省エネルギー化に取り組んでいます。平成26年度には今後5年間でエネルギー及び純水の使用量を10%削減するという目標を設定し、削減に努めております。
当社グループは、革新的な技術力と多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体産業とFPD産業に高い付加価値を生み出してまいります。その結果として顧客から世界ナンバーワンの評価を受け、株主や社員をはじめとする全てのステークホルダーに還元し、産業界に貢献していきたいと考えております。
本「有価証券報告書」に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 半導体市場変動による影響
当社グループは、技術革新が激しく自らの強みを発揮できる半導体製造装置等のハイテク分野に資源を集中させることにより、高い利益率を獲得してきました。半導体市場は技術の変化により大幅に成長する反面、需給バランスが崩れることによって市場規模が一時的に縮小することがあるため、当社グループはこのような局面においても利益を生み出せるように構造改革にも積極的に取り組んできました。しかしながら、予期せぬ市場規模の大幅な縮小によって、受注取消、過剰設備・人員、在庫増加、顧客の財務状況悪化による貸倒損失、仕入先の経営状態悪化による供給不足等が発生する場合には、当社グループ業績に少なからず悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定顧客への取引集中による影響
当社グループは、優れた最先端技術を搭載した製品及び顧客満足度の高いサービス体制を通じて、国内の大手半導体メーカーを含む、世界中の主要な大手半導体メーカーとの取引拡大に成功してきました。大手半導体メーカーの大規模設備投資のタイミングによっては売上高が特定の顧客に一時的に集中することがあり、販売競争の激化によって当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発による影響
当社グループは、微細加工技術、真空技術、プラズマ技術、熱処理技術、塗布・現像技術、洗浄技術、ウェーハ搬送技術、クリーン化技術等の最先端技術について積極的な研究開発投資及び研究開発活動を継続的に実施することにより、最先端の技術を創造するとともに、当該技術を搭載した新製品を早期市場投入することによって当社グループが参入する各製品分野において上位の市場シェアと高い利益率の獲得に成功してきました。しかしながら、新製品投入タイミングのずれ等の影響により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 安全に関する影響
当社グループは、開発・製造・販売・サービス・管理等の各種業務の遂行において安全や健康に対する配慮を常に念頭において行動するという基本理念のもと、当社グループ製品の安全性向上や健康影響排除のために積極的かつ継続的に努力しております。しかしながら、当社グループ製品に関連する安全性等の問題により、顧客への損害発生、受注取消等が発生した場合、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 品質に関する影響
当社グループは、優れた最先端技術を積極的に開発し新製品に搭載し早期に市場に投入すると同時に、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の確立、及びレベルの高いサービス体制の確立にも努め、その結果、当社グループの製品を多くの顧客に採用していただくことができました。しかしながら、当社グループの製品が最先端技術製品である等の原因によって、未知の分野の開発技術も多く存在し、予期せぬ不具合品が発生する等により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権に関する影響
当社グループは、製品の差別化と競争力強化のために、最先端技術早期開発のための研究開発戦略を事業戦略及び知的財産戦略と三位一体で推進することにより、多くの独自技術の専有化を可能とし、各製品分野における高い市場シェアと利益率の確保に成功してきました。しかしながら、当社グループの製品は多くの最先端技術が統合・最適化された製品であることもあり、第三者の技術や特許その他の知的財産権を使用する上で制約される場合等があるため、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 外国為替変動による影響
当社グループは、事業の積極的な海外展開に成功したことにより、海外への売上高比率が高くなっております。当社グループの輸出は為替リスクを回避するために円建て取引にて行うことを原則としておりますが、一部外貨建て輸出も存在し、その場合には受注時の先物為替予約等によって為替リスクヘッジに努めております。しかしながら、急激な為替変動によって価格の変動が生じ為替リスクとなることがあり、当社グループ業績に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 企業買収による影響
当社グループは、事業戦略の一環として、新たな事業領域への進出、新技術・ビジネス基盤の獲得、既存事業の競争力強化などを目的とした企業買収を実施することがあります。具体的な実施にあたっては入念な調査・検討を行っております。しかしながら、買収後に当初期待した成果が十分に得られなかった場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 重要な訴訟等に関するリスク
当社グループは、現在においてその業績に重要な影響を与えうる訴訟等に関与しておりませんが、当社グループの事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となり、その結果によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) その他リスク
当社グループは、新たな高成長・高収益事業の創出、既存事業における更なる高収益の追求、市場規模縮小時においても利益を生み出すことのできる体質への改善に積極的に取り組むとともに、環境保全活動の推進、コンプライアンスやリスク管理体制及び情報セキュリティ管理体制の再整備にも取り組んできました。しかしながら、当社グループが事業を遂行する限りにおいては、同業他社及び他業種企業と同様に、世界及び各地域における経済環境、自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力、金融・株式市場、政府等による規制、仕入先の供給体制、商品・不動産市況、国内外での人材確保、標準規格化競争、重要人材の喪失等の影響を受け、場合によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼすことが想定されます。
当連結会計年度において締結した重要な契約等は、次のとおりであります。
(当社とアプライド マテリアルズとの経営統合契約の解約)
当社は、Applied Materials, Inc. (以下、アプライド マテリアルズ)との間で、両社対等の経営統合(以下、「本経営統合」)を行うことについて合意し、平成25年9月24日に本経営統合を実行するための経営統合契約(以下、「本統合契約」)を締結しておりました。また、本経営統合の一環として、当社は、平成26年5月14日開催の取締役会の決議に基づき、TELジャパン合同会社との間で、株式交換契約(以下、「本株式交換契約」)を締結しておりました。
しかしながら、平成27年4月27日付(米国時間では平成27年4月26日)で、当社及びアプライド マテリアルズは、本統合契約を解約することについて合意するに至りました。その結果として、本経営統合の一環として締結されていた本株式交換契約についても同日付で解約いたしました。
当社グループの研究開発活動は、半導体製造装置、FPD製造装置及び報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度比6.9%増の762億8千6百万円(連結売上高比11.5%)であります。報告セグメントごとの研究開発費は、半導体製造装置事業が585億8千6百万円、FPD製造装置事業が19億1千1百万円であります。また、報告セグメントに帰属しない研究開発費は157億8千9百万円であります。
半導体製造装置事業では、多様化する製造技術へ対応すべく、新製品開発の強化に引き続き努めております。具体的には、コータ/デベロッパ、プラズマエッチング装置、熱処理成膜装置、枚葉成膜装置、洗浄装置、先端パッケージ向けプロセス装置、ウェーハプローバ等の装置開発として、次世代デバイスから要求される装置・プロセス開発、プロセスの高精度化、装置の高信頼性化、量産化・コスト低減等の開発、装置仕様の標準化、部品・ソフトウエア共通化等の技術開発を推進しております。同時に、省エネルギー化の要求に対応するため、装置の省電力化技術等、環境に配慮した技術開発にも注力しております。また、次世代の新メモリーMRAM(磁気メモリー)製造に必要なプロセス装置群の開発を進め、MRAM市場の拡大に対応できる体制を整えております。微細化加工技術開発の一環として、マルチパターニング工程開発が益々重要となっており、ユニットプロセスのみでなくプロセスインテグレーションを含めた統合評価が求められています。当社の各開発拠点を活用したプロセス開発とインテグレーション評価を行うことで、より付加価値の高い技術を開発、提案しております。
FPD製造装置事業では、インクジェット技術を用いた有機ELディスプレイ製造装置の開発などに注力しております。
基礎・要素研究関連では、微細加工のための新しい各種プロセスの技術開発及び評価、新材料に対応したプロセス技術開発等を行っており、また、これらの開発を支える各種の研究を行っております。具体的には、微細加工に必要なプロセス技術として、マルチパターニングに代表される微細加工技術、各種新材料の成膜技術、熱処理技術、洗浄技術、プラズマプロセス装置に不可欠なプラズマ技術、熱処理装置で重要な熱制御技術、開発効率を向上するシミュレーション技術、パーティクルや不純物汚染等を制御するコンタミネーション制御技術等、重要かつ他社との差別化を図る各種コア技術を研究しております。
加えて、国内外の有力大学・各種研究機関等との共同開発、各種材料パートナー、コンポーネントパートナーとのチャレンジングな研究開発を推進しております。近年、最先端のプロセス開発とその性能評価を電気的特性データで検証していくことは必要不可欠となっています。いわゆるプロセスインテグレーション技術として、プロセスモジュール(トランジスタ工程から配線工程まで)の評価を通じて新規プロセス装置評価、新材料の集積可能性検証、将来技術の電気特性データによる開発指針づくり等を行っております。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は6,639億4千8百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。国内売上高が1,218億7百万円(前連結会計年度比28.2%増)、海外売上高が5,421億4千万円(前連結会計年度比4.6%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては81.7%となりました。なお、当連結会計年度の受注高は6,759億8千万円(前連結会計年度比3.2%増)となり、当連結会計年度末の受注残高は3,007億2千1百万円(前連結会計年度末比4.2%増)となりました。
売上原価は3,967億3千8百万円(前連結会計年度比7.1%増)、売上総利益は2,672億9百万円(前連結会計年度比10.1%増)となり、売上総利益率は40.2%(前連結会計年度比0.6ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は1,504億2千万円(前連結会計年度比2.7%減)となり、連結売上高に対する比率は22.6%(前連結会計年度比2.6ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は1,167億8千8百万円(前連結会計年度比32.5%増)となり、営業利益率は17.6%(前連結会計年度比3.2ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益37億9千8百万円、営業外費用11億8千7百万円を加減し1,193億9千9百万円(前連結会計年度比28.5%増)となりました。
特別損益に関しましては、TEL FSI, Inc.の事業計画を見直したことによる固定資産の減損等を計上した結果、129億3千2百万円の損失(前連結会計年度は61億2千1百万円の損失)となりました。
税金等調整前当期純利益は1,064億6千6百万円(前連結会計年度比22.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は778億9千1百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は461円10銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は401円8銭)となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ534億6千6百万円減少し、6,174億1千6百万円となりました。主な内容は、有価証券に含まれる短期投資の減少773億1百万円、現金及び預金の減少37億7百万円、たな卸資産の増加194億9千1百万円、受取手形及び売掛金の増加56億5千8百万円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から105億7千9百万円減少し、963億1千6百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から99億6千3百万円減少し、176億3百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から87億7千5百万円減少し、620億3千1百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から827億8千5百万円減少し、7,933億6千7百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ67億5千1百万円減少し、1,660億6千万円となりました。主として、前受金の減少149億1千9百万円、製品保証引当金の減少17億5千5百万円、支払手形及び買掛金の減少14億2千8百万円、未払法人税等の増加162億6千3百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ8億8千9百万円増加し、630億6千7百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ769億2千3百万円減少し、5,642億3千9百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益778億9千1百万円を計上したことによる増加、自己株式の取得1,058億9百万円による減少、前期の期末配当及び当期の中間配当330億1千3百万円の実施による減少によるものであります。この結果、自己資本比率は70.9%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。