(1) 業績
当連結会計年度につきましては、米国景気が緩やかな拡大を続けるなか、中国景気にも持ち直しの兆しがみられ、世界経済は総じて緩やかな回復傾向にあります。
当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、IoTの進展にともなうデータ通信の増加・大容量化によるデータセンター向けサーバー需要増、また中国製スマートフォンの高機能化や、販売台数の伸び等を背景に、半導体メーカーが設備投資を活発に行っており、半導体製造装置市場は好調に推移いたしました。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高は7,997億1千9百万円(前連結会計年度比20.4%増)、営業利益は1,556億9千7百万円(前連結会計年度比33.3%増)、経常利益は1,575億4千9百万円(前連結会計年度比32.0%増)となりました。特別損益に関しましては、熊本地震の影響による特別損失の計上等により、84億3千3百万円の損失(前連結会計年度は129億3千2百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,152億8百万円(前連結会計年度比47.9%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
① 半導体製造装置
データセンター向けサーバーの需要拡大に加えて、スマートフォンメーカーがメモリー搭載量の増加を加速させたことにより、3次元構造のNANDフラッシュメモリーやDRAMの需要が盛り上がりをみせました。このような市場環境のなか、メモリーメーカーによる生産力拡大を図るための設備投資が継続されました。また、ロジック系半導体メーカーについても、半導体の高機能化に向けた先端技術に対する設備投資が積極的になされました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、7,498億9千3百万円(前連結会計年度比22.3%増)、セグメント利益は、1,827億9百万円(前連結会計年度比48.3%増)となりました。
② FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
モバイル端末用の中小型液晶パネル向け設備投資が伸長しており、加えて中国における大型液晶パネル向け設備投資も後押ししたことから、FPD製造装置市場は堅調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、493億8千7百万円(前連結会計年度比10.5%増)、セグメント利益は、46億1千8百万円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。
③ その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、148億1千万円(前連結会計年度比16.9%減)、セグメント利益は8千2百万円(前連結会計年度比96.0%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ687億2千8百万円増加し、1,643億6千6百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ786億9千3百万円増加し、3,153億6千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動により獲得したキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ675億5千万円増加の1,369億4千8百万円となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益1,491億1千6百万円、減価償却費178億7千2百万円、前受金の増加344億4千4百万円、仕入債務の増加240億5千3百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、たな卸資産の増加441億2百万円、法人税等の支払額326億2千2百万円、売上債権の増加174億1千1百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出175億5千7百万円、定期預金及び短期投資の増加による支出99億6千7百万円により、前連結会計年度の1,500億1千3百万円の支出に対し288億9千3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払393億7千1百万円により、前連結会計年度の1,386億円の支出に対し393億8千万円の支出となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体製造装置 |
758,348 |
28.0 |
|
FPD製造装置 |
45,344 |
△11.0 |
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その他 |
- |
△100.0 |
|
合計 |
803,693 |
24.0 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体製造装置 |
950,784 |
52.6 |
464,179 |
76.3 |
|
FPD製造装置 |
85,657 |
69.6 |
73,698 |
96.9 |
|
その他 |
442 |
△82.6 |
8 |
73.3 |
|
合計 |
1,036,883 |
53.4 |
537,885 |
78.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
半導体製造装置 |
749,893 |
22.3 |
|
FPD製造装置 |
49,387 |
10.5 |
|
その他 |
438 |
△93.0 |
|
合計 |
799,719 |
20.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
前連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
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相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. |
70,550 |
10.6 |
当連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
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相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. |
127,157 |
15.9 |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
92,225 |
11.5 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新の激しいエレクトロニクス産業のなかで、半導体及びFPD製造装置のリーディングサプライヤーとして、ビジネスを積極的に展開しております。
① 経営方針
当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能を持つメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く対応していくことにより、世界の市場に高い付加価値を提供してまいりました。また、当社は、半導体製造装置やその関連分野など、技術革新が新たな価値を生み、かつ高収益を期待できる事業分野において、独創的な技術で時代をリードすることにより成長を続けてきました。
当社の原動力は、創業時から継承されている徹底した顧客第一主義、技術革新を実現できる高い技術力、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員のチャレンジ精神です。
今後も技術革新による価値創出が見込まれる既存の事業分野を含め、エレクトロニクス技術を基盤とした成長分野において、当社で培った最先端技術を応用して事業創出に取り組み、ワールドクラスの高収益企業を目指してまいります。
② 中期ビジョン
当社グループは、革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体産業とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニーを目指しております。
中期ビジョン実現のための施策
IoT時代を迎え、インターネットにつながるモノの台数は飛躍的に伸び、データ通信の情報量は年率22%で成長すると見込まれています。自動車の自動運転や、リモートヘルスケアなどの高信頼かつ待ち時間のない次世代通信規格(5G)への移行や、仮想現実(AR、VR)、人工知能などの新しいアプリケーションの組み合わせによる高度ネットワーク社会が構築されようとしております。
これに伴い、半導体の用途は多様化、拡大基調にあり、大容量、高速、高信頼性、低消費電力など、デバイス性能向上のニーズが高まっております。このような環境を受け、微細化、新構造、新材料、新メモリー、新パッケージ技術など、顧客の技術要求も益々高度化しております。
また、ディスプレイにおいても、超高精細、低消費電力、大型化、加工自由度の高さなどの性能が求められ、有機ELディスプレイの急成長が市場を牽引していることもあり、FPD製造装置市場は再び1兆円を超えることが見込まれます。
このように、半導体・FPD産業の成長が次のフェーズに入っており、技術革新に対する期待が益々高まっている状況です。
上述の事業環境を背景に当社の業績も着実に向上しておりますが、当社が理想とする目標に向け、一昨年より掲げてきた、以下の3つの強化項目を念頭に、強固な成長基盤の構築に努める所存です。
|
3つの強化項目 ・製品競争力強化・・・付加価値の高い次世代製品の創出 ・顧客対応力強化・・・顧客にとって当社が唯一無二の戦略パートナーとなる ・利益体質強化・・・オペレーションの効率を追求 |
昨年1月、顧客対応力強化に向け、顧客ごとに営業と技術それぞれの担当ジェネラルマネージャーを設け、当社内の体制を強化いたしました。また、開発グループ内にプロセスインテグレーションセンターを設立し、豊富な製品ラインナップを有する当社の優位性を活かし、顧客ニーズ創造型の提案ができるよう体制を整えました。このような体制のもと、顧客の最先端開発部門と定期的な開発会議を開催し、次世代デバイスにおける課題の明確化と、それに対する当社の提案で、早期に顧客との連携を深め、唯一無二の戦略パートナーとしての位置づけを確保するよう努めます。
そのためには、当社内の効率化が必要であるため、半導体製造装置のプロダクトBUを6つから4つに再編し、とくに市場の拡大が見込まれる成膜部門では、東京エレクトロン山梨㈱と東京エレクトロン東北㈱の統合を決定し、開発リソース等の効率化を図る取り組みを行っております。また、昨年来の開発一元化のコンセプトは維持しつつ、市場規模が拡大していることから4つの開発生産本部に再編し、各戦略セグメントにおける機動性の向上と付加価値の高い製品の創出に努めます。
さらに、IoT時代には、半導体用途が大幅に拡がり、最先端のデバイスだけでなく汎用デバイスの需要も飛躍的に拡大すると考えられます。このように多世代の半導体デバイスが同居する環境下において、当社の6万台を超える世界最大の出荷実績を活かし、フィールドソリューションビジネスを積極的に推進しております。また、装置の機能向上・改造ビジネスに加え、創業当時から培ってきた当社の誇りでもある、品質の高いサービスを広く展開し、更なる利益の創出に努めてまいります。
他方で、当社グループ内のIT基盤を整備し、ヒト・モノ・カネのリソースや事業進捗の一元管理を進めることで、リソースの重複や無駄を排除し、生産性の向上を図ります。また、経営リソースは無限ではないことから、常に選択と集中を続けることが利益率向上には重要であり、経営リソースの重点配分分野は継続的に見直しを行います。一方で、市場規模やシェア拡大に伴う設備投資につきましては、投資対効果を慎重に精査した上で、成長に向けた投資を継続してまいります。このような取り組みを通じ、当社はグローバルレベルの利益水準を目指し、一時的な景気変動がおきても、安定的な成長投資が出来る環境を作ってまいります。
当社グループはグローバルに事業展開しており、海外売上高比率は8割を超え、海外拠点で働く社員の比率は約4割となっています。このため、人材マネジメント・システムをグローバル共通の考え方として構築するため、新しい等級制度・評価制度を導入し、フレキシブルな人材活用と職責と貢献度に適う人事・報酬制度を構築してまいります。当社グループは、社員がワクワクして躍動する夢と活力のある会社を目指しています。半導体製造装置及びFPD製造装置事業において、革新的新製品を継続的に創出し、成長に向けて新たなチャレンジを続けることができる会社、そして成果に対して公正な報酬を得ることができる会社、これが夢と活力のある会社の姿であると考えています。
③ 資本政策
上述の経営戦略や事業戦略を踏まえ、資本政策の基本方針について、当社グループは次のように考えております。
資本効率についての考え方
成長投資に必要な資金を確保・創出しつつ、積極的な株主還元にも対処し、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めてまいります。具体的には、営業利益率、総資産回転率を向上させ、引き続きキャッシュ・フローの創出に努め、ROE(自己資本利益率)の向上を図ります。
株主還元策
当社の配当政策は業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。ただし、1株当たりの年間配当金は150円を下回らないこととします。なお、2期連続で当期利益を生まなかった場合は、配当金の見直しを検討します。
また、自己株式の取得については、機動的に実施を検討します。
④ 企業の社会的責任に関する取り組み
当社グループが持続的な成長と中長期的な企業価値を創出するためには、株主、顧客、取引先及び地域社会などステークホルダーの皆さまと良好な関係を構築することが重要であると考えております。平成25年に制定したCSR方針のもと、法令及び社会規範の遵守はもとより、地球温暖化防止活動、生物多様性の保全活動、人権尊重などグローバルな視点で様々な社会的課題に本業を通じて取り組んでおります。加えて、当社グループでは、顧客における環境負荷を低減すべく、製品の省エネルギー化に取り組んでいます。
以上の様々な取組みを通して、当社グループは、革新的な技術力と多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体産業とFPD産業に高い付加価値を生み出してまいります。
⑤ 目標とする経営指標
当社グループは、平成29年5月31日に新たな中期経営計画を策定いたしました。平成32年3月期までの達成を目指す経営指標は以下のとおりです。
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半導体前工程製造装置※ 市場規模 |
420億米ドル |
450億米ドル |
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売上高 |
10,500億円 |
12,000億円 |
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営業利益率 |
24% |
26% |
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ROE(自己資本利益率) |
20%~25% |
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※半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、チップごとに切断・組立・検査をする後工程があります。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置であり、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含んでいます。
また、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
本「有価証券報告書」に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 半導体市場変動による影響
当社グループは、技術革新が激しく自らの強みを発揮できる半導体製造装置等のハイテク分野に資源を集中させることにより、高い利益率を獲得してきました。半導体市場は技術の変化により大幅に成長する反面、需給バランスが崩れることによって市場規模が一時的に縮小することがあるため、当社グループはこのような局面においても利益を生み出せるように構造改革にも積極的に取り組んできました。しかしながら、予期せぬ市場規模の大幅な縮小によって、受注取消、過剰設備・人員、在庫増加、顧客の財務状況悪化による貸倒損失、仕入先の経営状態悪化による供給不足等が発生する場合には、当社グループ業績に少なからず悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定顧客への取引集中による影響
当社グループは、優れた最先端技術を搭載した製品及び顧客満足度の高いサービス体制を通じて、国内の大手半導体メーカーを含む、世界中の主要な大手半導体メーカーとの取引拡大に成功してきました。大手半導体メーカーの大規模設備投資のタイミングによっては売上高が特定の顧客に一時的に集中することがあり、販売競争の激化によって当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発による影響
当社グループは、微細加工技術、真空技術、プラズマ技術、熱処理技術、塗布・現像技術、洗浄技術、ウェーハ搬送技術、クリーン化技術等の最先端技術について積極的な研究開発投資及び研究開発活動を継続的に実施することにより、最先端の技術を創造するとともに、当該技術を搭載した新製品を早期市場投入することによって当社グループが参入する各製品分野において上位の市場シェアと高い利益率の獲得に成功してきました。しかしながら、新製品投入タイミングのずれ等の影響により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 安全に関する影響
当社グループは、開発・製造・販売・サービス・管理等の各種業務の遂行において安全や健康に対する配慮を常に念頭において行動するという基本理念のもと、当社グループ製品の安全性向上や健康影響排除のために積極的かつ継続的に努力しております。しかしながら、当社グループ製品に関連する安全性等の問題により、顧客への損害発生、受注取消等が発生した場合、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 品質に関する影響
当社グループは、優れた最先端技術を積極的に開発し新製品に搭載し早期に市場に投入すると同時に、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の確立、及びレベルの高いサービス体制の確立にも努め、その結果、当社グループの製品を多くの顧客に採用していただくことができました。しかしながら、当社グループの製品が最先端技術製品である等の原因によって、未知の分野の開発技術も多く存在し、予期せぬ不具合品の発生等により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権に関する影響
当社グループは、製品の差別化と競争力強化のために、最先端技術早期開発のための研究開発戦略を事業戦略及び知的財産戦略と三位一体で推進することにより、多くの独自技術の専有化を可能とし、各製品分野における高い市場シェアと利益率の確保に成功してきました。しかしながら、当社グループの製品は多くの最先端技術が統合・最適化された製品であることもあり、第三者の技術や特許その他の知的財産権を使用する上で制約される場合等があるため、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 外国為替変動による影響
当社グループは、事業の積極的な海外展開に成功したことにより、海外への売上高比率が高くなっております。当社グループの輸出は為替リスクを回避するために円建て取引にて行うことを原則としておりますが、一部外貨建て輸出も存在し、その場合には受注時の先物為替予約等によって為替リスクヘッジに努めております。しかしながら、急激な為替変動によって価格の変動が生じ為替リスクとなることがあり、当社グループ業績に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 企業買収による影響
当社グループは、事業戦略の一環として、新たな事業領域への進出、新技術・ビジネス基盤の獲得、既存事業の競争力強化などを目的とした企業買収を実施することがあります。具体的な実施にあたっては入念な調査・検討を行っております。しかしながら、買収後に当初期待した成果が十分に得られなかった場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 重要な訴訟等に関するリスク
当社グループは、現在においてその業績に重要な影響を与えうる訴訟等に関与しておりませんが、当社グループの事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となり、その結果によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) その他リスク
当社グループは、新たな高成長・高収益事業の創出、既存事業における更なる高収益の追求、市場規模縮小時においても利益を生み出すことのできる体質への改善に積極的に取り組むとともに、環境保全活動の推進、コンプライアンスやリスク管理体制及び情報セキュリティ管理体制の再整備にも取り組んできました。しかしながら、当社グループが事業を遂行する限りにおいては、同業他社及び他業種企業と同様に、世界及び各地域における経済環境、自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力、金融・株式市場、政府等による規制、仕入先の供給体制、商品・不動産市況、国内外での人材確保、標準規格化競争、重要人材の喪失等の影響を受け、場合によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼすことが想定されます。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、半導体製造装置、FPD製造装置及び報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、838億円(前連結会計年度比9.8%増)であり、連結売上高に対する比率は10.5%(前連結会計年度比1.0ポイント減)であります。報告セグメントごとの研究開発費は、半導体製造装置事業が614億7千万円(前連結会計年度比4.9%増)、FPD製造装置事業が32億3千3百万円(前連結会計年度比69.2%増)であります。また、報告セグメントに帰属しない研究開発費は190億9千5百万円(前連結会計年度比20.9%増)であります。
半導体製造装置事業では、多様化する製造技術へ対応すべく、新製品開発の強化に引き続き努めております。具体的には、コータ/デベロッパ、プラズマエッチング装置、熱処理成膜装置、枚葉成膜装置、洗浄装置、先端パッケージ向けプロセス装置、ウェーハプローバ等の装置開発として、次世代デバイスから要求される装置・プロセス開発、プロセスの高精度化、装置の高信頼性化、量産化・コスト低減等の開発、装置仕様の標準化、部品・ソフトウエア共通化等の技術開発を推進しております。同時に、省エネルギー化の要求に対応するため、装置の省電力化技術等、環境に配慮した技術開発にも注力しております。また、次世代の新メモリー製造に必要なプロセス装置群の開発を進め、新市場の拡大に対応できる体制を整えております。微細化加工技術開発の一環として、マルチパターニング工程開発が益々重要となっており、プロセスインテグレーションを含めた統合評価を強化しています。当社の各開発拠点を活用したプロセス開発とインテグレーション評価を行うことで、より付加価値の高い技術を開発、提案しております。
FPD製造装置事業では、インクジェット技術を用いた有機ELディスプレイ製造装置の開発などに注力しております。
基礎・要素研究関連では、微細加工のための新しい各種プロセスの技術開発及び評価、新材料に対応したプロセス技術開発等を行っており、また、これらの開発を支える各種の研究を行っております。具体的には、微細加工に必要なプロセス技術として、マルチパターニングに代表される微細加工技術、各種新材料の成膜技術、熱処理技術、洗浄技術、プラズマプロセス装置に不可欠なプラズマ技術、熱処理装置で重要な熱制御技術、開発効率を向上するシミュレーション技術、パーティクルや不純物汚染等を制御するコンタミネーション制御技術等、重要かつ他社との差別化を図る各種コア技術を研究しております。
加えて、国内外の有力大学・各種研究機関等との共同開発、各種材料パートナー、コンポーネントパートナーとのチャレンジングな研究開発を推進しております。近年、最先端のプロセス開発とその性能評価を電気的特性データで検証していくことは必要不可欠となっています。いわゆるプロセスインテグレーション技術として、プロセスモジュール(トランジスタ工程から配線工程まで)の評価を通じて新規プロセス装置評価、新材料の集積可能性検証、将来技術の電気特性データによる開発指針づくり等を行っております。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は7,997億1千9百万円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。国内売上高が1,011億2千2百万円(前連結会計年度比17.0%減)、海外売上高が6,985億9千7百万円(前連結会計年度比28.9%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては87.4%となりました。なお、当連結会計年度の受注高は1兆368億8千3百万円(前連結会計年度比53.4%増)となり、当連結会計年度末の受注残高は5,378億8千5百万円(前連結会計年度末比78.9%増)となりました。
売上原価は4,774億2千7百万円(前連結会計年度比20.3%増)、売上総利益は3,222億9千1百万円(前連結会計年度比20.6%増)となり、売上総利益率は40.3%(前連結会計年度比0.1ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は1,665億9千4百万円(前連結会計年度比10.8%増)となり、連結売上高に対する比率は20.8%(前連結会計年度比1.8ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は1,556億9千7百万円(前連結会計年度比33.3%増)となり、営業利益率は19.5%(前連結会計年度比1.9ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益29億3千1百万円、営業外費用10億7千9百万円を加減し1,575億4千9百万円(前連結会計年度比32.0%増)となりました。
特別損益に関しましては、熊本地震の影響による特別損失の計上等により、84億3千3百万円の損失(前連結会計年度は129億3千2百万円の損失)となりました。
税金等調整前当期純利益は1,491億1千6百万円(前連結会計年度比40.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,152億8百万円(前連結会計年度比47.9%増)となりました。
1株当たり当期純利益は702円26銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は461円10銭)となり、ROE(自己資本利益率)は19.1%(前連結会計年度比6.1ポイント増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,585億2千2百万円増加し、7,759億3千8百万円となりました。主な内容は、有価証券に含まれる短期投資の増加835億円、たな卸資産の増加411億7千6百万円、受取手形及び売掛金の増加173億5千4百万円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から41億2千4百万円増加し、1,004億4千1百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から22億1百万円減少し、154億1百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から36億3千4百万円増加し、656億6千6百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から1,640億7千9百万円増加し、9,574億4千7百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ817億9百万円増加し、2,477億7千万円となりました。主として、前受金の増加344億5千3百万円、支払手形及び買掛金の増加241億6千7百万円、賞与引当金の増加102億3千万円、未払法人税等の増加86億8百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6億9百万円増加し、636億7千7百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ817億6千万円増加し、6,459億9千9百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益1,152億8百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当393億7千1百万円の実施による減少によるものであります。この結果、自己資本比率は67.2%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。