当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新の激しいエレクトロニクス産業のなかで、半導体及びFPD製造装置のリーディングサプライヤーとして、ビジネスを積極的に展開しております。
① 経営方針
当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能を持つメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く対応していくことにより、世界の市場に高い付加価値を持つ製品・サービスを提供してまいりました。また、当社は、半導体製造装置やその関連分野などの、技術革新が新たな価値を生み、かつ高収益を期待できる事業分野において、独創的な技術で時代をリードすることを通じて成長を続けてきました。
当社の原動力は、創業時から継承してきた徹底した顧客第一主義、技術革新を実現できる高い技術力、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員のチャレンジ精神です。
今後も技術革新による価値創出が見込まれるエレクトロニクス技術を基盤とした成長分野において、当社で培った最先端技術を応用して事業創出に取り組み、ワールドクラスの高収益企業を目指してまいります。
② 中期ビジョン
当社グループは、革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体産業とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニーを目指しております。
中期ビジョン実現のための施策
市場環境
IoTの進展によりインターネットにつながるモノの数は2020年には現在の倍近い300億台を突破し、データ通信量も年率24%平均で成長すると予想されています。これにともない、ビッグデータという概念や仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)などのアプリケーションが登場しています。これに人工知能(AI)が加わりビジネスモデルやライフスタイルの展開が期待されています。また、既に広く普及している電子商取引やシェアリングエコノミーに加え、さらには医療、自動運転など、様々な展開が見込まれます。加えて、今年の後半からは次世代通信規格(5G)の基地局建設も予定されており、IoT、ビッグデータ時代に向けてのインフラが整備されつつあります。これら社会の進化を支える主役はまさに半導体です。
半導体デバイスに期待される大容量、高速、高信頼性、高度センシング技術、そして低消費電力の実現のため、半導体製造装置にも究極の加工精度が求められ、新しい構造や材料、新メモリなど次世代デバイスへの対応が期待されています。PCや携帯電話という個別製品に牽引される以前の市場モデルとは異なり、半導体製造装置市場は、サーバやネットワーク上にあるビッグデータを中心とした新たな社会を支えるべく、需要と技術革新の両面で一段上の成長フェーズに入ったと考えています。また、ディスプレイ装置市場においても、大型化、高解像度化、有機ELの普及が市場を牽引しており、これにともなうデザイン性、応用領域の広がりなど、技術の変化とともに事業機会が拡大しています。
顧客の状況
デバイスに期待される技術要求レベルの高度化を背景に、製造装置メーカーである当社グループへの顧客からの期待はますます高まりをみせています。市場をリードする顧客からは、3世代先までの開発計画の共有や、開発初期からの協業により、要求性能を踏まえた開発を行うことが求められています。また、顧客の傍で開発を行うことにより、開発から量産までの開発期間短縮が期待されています。加えて、生産コスト低減のため、以下が顧客の重要な関心事項となっています。
・装置を長く使用するためのアップグレードの実施
・装置の稼働率、究極の加工精度実現に向けた人工知能(AI)やビッグデータを活用したモデルの構築
ビジネス戦略
一段上の成長フェーズにより顧客の要求が高まりをみせるなか、当社グループは、一層の価値創出を図り、業界におけるグローバルリーディングカンパニーを目指しておりますが、以下3つの強化項目を念頭に、強固な成長基盤の構築に努める所存です。
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3つの強化項目 ・製品競争力強化・・・付加価値の高い次世代製品の創出 ・顧客対応力強化・・・顧客にとって当社が唯一無二の戦略的パートナーとなる ・生産性向上・・・経営効率向上の継続的な追求 |
製品競争力強化には、付加価値の高い次世代製品の継続的な創出が不可欠です。製造装置の開発においては、開発初期からの最先端の技術を持つ顧客との協業により、最も効率的なマーケティングが実現できることに加え、早い段階で顧客工程への装置採用を受けられることや、最終段階での顧客仕様織り込みによる設計変更回避、また、エンジニアの評価時間確保と開発期間短縮が実現できます。次世代デバイスに対する当社グループが取り組むべき課題を明確化し、顧客に対する提案力、対応力を強化することで、顧客との連携を深め、唯一無二の戦略的パートナーとしての位置づけを確保するよう努めます。
また、シンガポール・東南アジア地域におけるビジネスに関しましては、これまで当社は、HERMES-Epitek Singapore社を代理店とする事業形態としておりましたが、顧客サポート体制をより一層充実させるため、同地域における装置セールスサポート、パーツセールス及びサービス業務を当社現地法人が継承し、顧客に対する直接取引を行う体制に変更いたしました。従来以上にスピーディできめ細やかな顧客サポートを実現することで、顧客満足のさらなる向上に取り組んでまいります。
他方、当社グループ内のIT基盤を整備し、ヒト・モノ・カネのリソースや事業進捗の一元管理を進めておりますが、これによりリソースの重複や無駄を排除し、生産性の向上を図ります。また、常に選択と集中を続け、経営リソースの重点配分分野を継続的に見直し、利益率向上につなげてまいります。
市場規模拡大及びシェア向上のための設備投資としては、投資対効果を慎重に精査した上で、実施してまいります。当連結会計年度に実施または決定した主な設備投資としましては、以下のとおりです。市場が拡大しているエッチング装置の製造・開発を担う東京エレクトロン宮城㈱におきまして、リードタイム短縮による生産能力拡大のため、物流棟を建設しました。また、同社は、技術開発力強化のため、開発棟の建設に着工しております。加えて、市場成長が見込まれる成膜装置の製造・開発を担う東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱におきましては、山梨事業所(藤井地区)及び東北事業所内に新棟(生産棟)を建設することを決定しました。これらの設備投資の実施により、市場の需要に迅速に対応してまいります。
環境マネジメント
2015年、国連で2030年に向けた社会の維持発展のための持続可能な開発目標(SDGs)がグローバルな開発目標として採択されました。当社グループは、環境や省エネルギーに向けた世界的な取り組みも踏まえて製品戦略を決定し、環境インパクトを低減する製品、技術の創出を強化することにより、環境対応で時代に先行してまいります。
人材に対する取り組み
当社グループはグローバルに事業展開しており、海外売上高比率は8割を超えています。そのようなグローバルな市場で事業を展開し、グローバルリーディングカンパニーを目指すには、何よりも人材が重要であると考えています。当社グループのコアとなる人材を維持・獲得し、フェアに評価し、自らの成長を促すことができる、グローバル人事制度を導入しております。
③ 資本政策
上述の経営戦略や事業戦略を踏まえ、資本政策の基本方針について、当社グループは次のように考えております。
資本効率についての考え方
成長投資に必要な資金を確保し、積極的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めてまいります。具体的には、営業利益率、資産効率をさらに高め、キャッシュ・フローの拡大に努め、ROE(自己資本利益率)の向上を図ります。
株主還元策
当社の配当政策は業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。ただし、1株当たりの年間配当金は150円を下回らないこととします。なお、2期連続で当期利益を生まなかった場合は、配当金の見直しを検討します。
また、自己株式の取得については、機動的に実施を検討します。
以上の様々な取り組みを通じて、当社グループは、革新的な技術力と多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体産業とFPD産業に高い付加価値を生み出してまいります。
④ 目標とする経営指標
当社グループは、2018年5月29日に新たな中期経営計画を策定いたしました。2021年3月期を想定した新財務モデルは以下のとおりです。
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半導体前工程製造装置 市場規模 |
550億米ドル |
620億米ドル |
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売上高 |
15,000億円 |
17,000億円 |
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営業利益率 |
26.5% |
28% |
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ROE(自己資本利益率) |
30%~35% |
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また、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
本「有価証券報告書」に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 半導体市場変動による影響
当社グループは、技術革新が激しく自らの強みを発揮できる半導体製造装置等のハイテク分野に資源を集中させることにより、高い利益率を獲得してきました。半導体市場は技術の変化により大幅に成長する反面、需給バランスが崩れることによって市場規模が一時的に縮小することがあるため、当社グループはこのような局面においても利益を生み出せるように構造改革にも積極的に取り組んできました。しかしながら、予期せぬ市場規模の大幅な縮小によって、受注取消、過剰設備・人員、在庫増加、顧客の財務状況悪化による貸倒損失、仕入先の経営状態悪化による供給不足等が発生する場合には、当社グループ業績に少なからず悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定顧客への取引集中による影響
当社グループは、優れた最先端技術を搭載した製品及び顧客満足度の高いサービス体制を通じて、国内の大手半導体メーカーを含む、世界中の主要な大手半導体メーカーとの取引拡大に成功してきました。大手半導体メーカーの大規模設備投資のタイミングによっては売上高が特定の顧客に一時的に集中することがあり、販売競争の激化によって当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発による影響
当社グループは、微細加工技術、真空技術、プラズマ技術、熱処理技術、塗布・現像技術、洗浄技術、ウェーハ搬送技術、クリーン化技術等の最先端技術について積極的な研究開発投資及び研究開発活動を継続的に実施することにより、最先端の技術を創造するとともに、当該技術を搭載した新製品を早期市場投入することによって当社グループが参入する各製品分野において上位の市場シェアと高い利益率の獲得に成功してきました。しかしながら、新製品投入タイミングのずれ等の影響により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 安全に関する影響
当社グループは、開発・製造・販売・サービス・管理等の各種業務の遂行において安全や健康に対する配慮を常に念頭において行動するという基本理念のもと、当社グループ製品の安全性向上や健康影響排除のために積極的かつ継続的に努力しております。しかしながら、当社グループ製品に関連する安全性等の問題により、顧客への損害発生、受注取消等が発生した場合、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 品質に関する影響
当社グループは、優れた最先端技術を積極的に開発し新製品に搭載し早期に市場に投入すると同時に、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の確立、及びレベルの高いサービス体制の確立にも努め、その結果、当社グループの製品を多くの顧客に採用していただくことができました。しかしながら、当社グループの製品が最先端技術製品である等の原因によって、未知の分野の開発技術も多く存在し、予期せぬ不具合品の発生等により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権に関する影響
当社グループは、製品の差別化と競争力強化のために、最先端技術早期開発のための研究開発戦略を事業戦略及び知的財産戦略と三位一体で推進することにより、多くの独自技術の専有化を可能とし、各製品分野における高い市場シェアと利益率の確保に成功してきました。しかしながら、当社グループの製品は多くの最先端技術が統合・最適化された製品であることもあり、第三者の技術や特許その他の知的財産権を使用する上で制約される場合等があるため、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 外国為替変動による影響
当社グループは、事業の積極的な海外展開に成功したことにより、海外への売上高比率が高くなっております。当社グループの輸出は為替リスクを回避するために円建て取引にて行うことを原則としておりますが、一部外貨建て輸出も存在し、その場合には受注時の先物為替予約等によって為替リスクヘッジに努めております。しかしながら、急激な為替変動によって価格の変動が生じ為替リスクとなることがあり、当社グループ業績に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 企業買収による影響
当社グループは、事業戦略の一環として、新たな事業領域への進出、新技術・ビジネス基盤の獲得、既存事業の競争力強化などを目的とした企業買収を実施することがあります。具体的な実施にあたっては入念な調査・検討を行っております。しかしながら、買収後に当初期待した成果が十分に得られなかった場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 重要な訴訟等に関するリスク
当社グループは、現在においてその業績に重要な影響を与えうる訴訟等に関与しておりませんが、当社グループの事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となり、その結果によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法令、規制に関する影響
当社グループは、グローバルに事業を展開する上で、各国・各地域において、輸出入規制、環境規制、移転価格税制といった各種法令、規制の制約を受けており、その遵守に努めています。しかしながら、予期せぬ法令、規制の強化、改正が生じたこと等により、適切な対応ができなかった場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) その他リスク
当社グループは、新たな高成長・高収益事業の創出、既存事業における更なる高収益の追求、市場規模縮小時においても利益を生み出すことのできる体質への改善に積極的に取り組むとともに、環境保全活動の推進、コンプライアンスやリスク管理体制及び情報セキュリティ管理体制の再整備にも取り組んできました。しかしながら、当社グループが事業を遂行する限りにおいては、同業他社及び他業種企業と同様に、世界及び各地域における経済環境、自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力、金融・株式市場、政府等による規制、仕入先の供給体制、商品・不動産市況、国内外での人材確保、標準規格化競争、重要人材の喪失等の影響を受け、場合によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼすことが想定されます。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度につきましては、米国や欧州の景気回復が着実に進むなか、中国をはじめアジア地域においても景気は底堅く、世界経済は総じて堅調に推移しました。
当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、動画配信など、各種クラウドサービスを通じた大容量データ通信が増大するなか、データセンター向けの投資が引き続き活発に行われ、メモリの需要が大幅に拡大しました。加えて、自動車や産業機器向けの需要も拡大するなど、旺盛な半導体需要を背景に、半導体・電子部品の市況は好調に推移いたしました。
このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は1兆1,307億2千8百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。国内売上高が1,487億6千万円(前連結会計年度比47.1%増)、海外売上高が9,819億6千7百万円(前連結会計年度比40.6%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては86.8%となりました。
売上原価は6,556億9千5百万円(前連結会計年度比37.3%増)、売上総利益は4,750億3千2百万円(前連結会計年度比47.4%増)となり、売上総利益率は42.0%(前連結会計年度比1.7ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は1,938億6千万円(前連結会計年度比16.4%増)となり、連結売上高に対する比率は17.1%(前連結会計年度比3.7ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は2,811億7千2百万円(前連結会計年度比80.6%増)となり、営業利益率は24.9%(前連結会計年度比5.4ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益27億5千8百万円、営業外費用31億9千3百万円を加減し2,807億3千7百万円(前連結会計年度比78.2%増)となりました。
特別損益に関しましては、2018年4月1日付で確定給付企業年金制度の一部を確定拠出企業年金制度へ移行したことにともなう特別損失の計上等により、54億9千5百万円の損失(前連結会計年度は84億3千3百万円の損失)となりました。
税金等調整前当期純利益は2,752億4千2百万円(前連結会計年度比84.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,043億7千1百万円(前連結会計年度比77.4%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は1,245円48銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は702円26銭)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
データセンター向けサーバの好調なメモリ需要にともない、とりわけDRAMの需給が逼迫したことから、DRAMメーカーによる大規模な設備投資が実施されました。また、3次元構造のNANDフラッシュメモリ向けについても、サーバへのSSD(ソリッドステートドライブ)搭載が増加したことなどを背景に、生産拡大を目的とした設備投資が伸長しました。一方、ロジック系半導体についてもサーバ向けの積極的な先端技術への開発投資が進められており、半導体製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、1兆552億3千4百万円(前連結会計年度比40.7%増)、セグメント利益は、3,146億2百万円(前連結会計年度比72.2%増)となりました。
・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
中国においてテレビ用大型液晶パネル向けの設備投資が拡大するとともに、モバイル端末用の中小型液晶パネル向け設備投資も引き続き行われており、FPD製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、750億6千8百万円(前連結会計年度比52.0%増)、セグメント利益は、132億9千9百万円(前連結会計年度比187.9%増)となりました。
また、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に高精細フラットパネルディスプレイ向けドライエッチング装置「BetelexTM 1800 PICPTM」を市場に投入いたしました。
・その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、198億9千4百万円(前連結会計年度比34.3%増)、セグメント損失は5千7百万円(前連結会計年度は8千2百万円のセグメント利益)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,211億6千4百万円増加し、9,971億2百万円となりました。主な内容は、たな卸資産の増加1,078億1千4百万円、有価証券に含まれる短期投資の増加420億円、受取手形及び売掛金の増加257億1千2百万円、現金及び預金の増加165億1千1百万円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から255億1千1百万円増加し、1,259億5千2百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から4億8千万円増加し、158億8千2百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から41億1百万円増加し、697億6千8百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から2,512億5千8百万円増加し、1兆2,087億5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,206億8千2百万円増加し、3,684億5千2百万円となりました。主として、未払法人税等の増加349億7千7百万円、前受金の増加322億3千2百万円、支払手形及び買掛金の増加293億9千万円、賞与引当金の増加126億1千3百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ50億6千5百万円増加し、687億4千2百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,255億9百万円増加し、7,715億9百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益2,043億7千1百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当822億3百万円の実施による減少によるものであります。この結果、自己資本比率は63.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ935億1千1百万円増加し、2,578億7千7百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ585億1千1百万円増加し、3,738億7千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動により獲得したキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ496億3千3百万円増加の1,865億8千2百万円となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益2,752億4千2百万円、前受金の増加316億8千4百万円、仕入債務の増加285億3千5百万円、減価償却費206億1千9百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、たな卸資産の増加1,098億4千6百万円、法人税等の支払額497億7千1百万円、売上債権の増加259億7千1百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出417億5千万円、短期投資の減少による収入350億円により、前連結会計年度の288億9千3百万円の支出に対し118億3千3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払822億3百万円により、前連結会計年度の393億8千万円の支出に対し825億4千9百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
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相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Intel Corporation |
143,488 |
17.9 |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. |
127,621 |
16.0 |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
112,151 |
14.0 |
|
Micron Technology, Inc. |
84,111 |
10.5 |
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
|
相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
261,544 |
23.1 |
|
Intel Corporation |
181,053 |
16.0 |
|
SK hynix Inc. |
132,146 |
11.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度より、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含める方法に変更したため、前連結会計年度についても必要な組替えを行っております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、半導体製造装置市場及びFPD製造装置市場における需要が引き続き拡大したことにより、売上高は創業以降初めて1兆円を超え、1兆1,307億2千8百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。主力の半導体製造装置事業においては、半導体の使用用途の広がり、IoT及び次世代技術への活発な投資により市場が大きく拡大しております。そのような状況のもと、顧客の技術課題を解決する付加価値の高い成長分野でのシェアが拡大した結果、市場成長を大きく上回る売上増となりました。
営業利益率は24.9%(前連結会計年度比5.4ポイント増)となり、過去最高を大きく更新いたしました。これは、売上高の増加により研究開発費を含む販売費及び一般管理費、売上原価に含まれる固定費の対売上高比率が低下したこと、主要な戦略プロダクトにおける収益性が向上したこと等によるものであります。なお、研究開発費の売上高に対する比率は前連結会計年度から1.9ポイント低下し8.6%となりましたが、研究開発費の総額は前連結会計年度から133億3百万円増加しており、将来の成長に向けた投資は引き続き強化しております。
財政状態及びキャッシュ・フローについては、事業規模の拡大により、たな卸資産、売上債権等の流動資産、有形固定資産を中心に総資産が増加し、当連結会計年度末における総資産は1兆2,087億5百万円(前連結会計年度末から2,512億5千8百万円増加)となりました。また、資産効率を示す総資産回転日数(注1)は、前連結会計年度末の437日から390日へ改善しました。生産及び売上の増加に伴い、たな卸資産及び売上債権は増加しましたが、たな卸資産回転日数(注2)は前連結会計年度末の108日と同水準の111日を維持、売上債権回転日数(注3)は前連結会計年度末の61日から52日へ改善しました。固定資産については、国内製造拠点における物流棟の建設、開発用クリーンルームの改修、開発棟の着工、及び評価用機械装置の取得等により増加しましたが、これらは、中期経営計画の達成に向け、売上拡大に伴う増産への対応と先端技術開発を加速させるために必要な投資を実施した結果であります。なお、投資に必要な資金は手元資金で賄っております。
過去最高の税金等調整前当期純利益を計上するなかで、資産効率の改善についても継続して取り組み、キャッシュ・フローの拡大に努める一方、成長に必要な投資は積極的に実施しました。その結果、現金及び現金同等物に満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末から585億1千1百万円増加し、3,738億7千7百万円となりました。
なお、上述した営業利益率の改善、及び総資産回転日数等の資産効率の改善の結果として、ROE(自己資本利益率)についても前連結会計年度の19.1%から29.0%へ改善しました。
(注)1 総資産回転日数=当連結会計年度末の総資産÷当連結会計年度の売上高×365
2 たな卸資産回転日数=当連結会計年度末のたな卸資産÷当連結会計年度の売上高×365
3 売上債権回転日数=当連結会計年度末の売上債権÷当連結会計年度の売上高×365
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。2017年5月時点において設定した2020年3月期を想定した各指標のモデルに対する、当連結会計年度の経営成績は次のとおりであり、事業展開は順調に進捗しております。
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2020年3月期 財務モデル (2017年5月公表) |
2018年3月期 実績 |
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半導体前工程製造装置 市場規模 |
420億米ドル |
450億米ドル |
510億米ドル |
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売上高 |
10,500億円 |
12,000億円 |
11,307億円 |
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営業利益率 |
24% |
26% |
24.9% |
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ROE(自己資本利益率) |
20%~25% |
29.0% |
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このような状況のもと、さらなる市場拡大と当社グループの高い成長機会をベースに、2021年3月期を想定した新しい財務モデルを2018年5月29日に設定しました。具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ④ 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比40.7%増の1兆552億3千4百万円となりました。本体装置の売上高を製品別に見ると、不揮発性メモリ・マルチパターニングによる微細化への投資を背景に、当社グループが注力するエッチング・成膜・洗浄装置の売上が拡大しました。また中古装置や改造、パーツ・サービスの売上高については、顧客の装置稼働率上昇によりパーツ販売を中心に大きく伸長しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は29.8%と、前連結会計年度の24.4%から大幅に改善しました。売上拡大に加え、注力分野において競争力のある高付加価値製品を投入したことが主な要因であります。
その他、当連結会計年度において、開発リソース等の効率化を目的とした東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱の設立、顧客との協業によるプロセスインテグレーションのソリューション開発加速、エッチング装置を開発・製造する東京エレクトロン宮城㈱における新物流棟の稼働及び新開発棟の着工等を実施、これらの施策により、今後の事業拡大に向けた準備を進めております。
・FPD製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比52.0%増の750億6千8百万円となりました。モバイル用途の中小型パネル向け設備投資の継続、投資拡大を見せる第10.5世代製造装置市場において差別化技術によりリーディングポジションを確立したこと、高性能PICPTMエッチング装置の順調な拡販等により、売上高が増加しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は17.7%と、前連結会計年度の9.4%から大幅に改善しました。売上拡大に加え、複数の新製品の拡販が順調に進捗したこと、また第10.5世代向け製造装置市場において高いシェアを獲得したことが主な要因であります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、半導体製造装置、FPD製造装置及び報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、971億3百万円(前連結会計年度比15.9%増)であり、連結売上高に対する比率は8.6%(前連結会計年度比1.9ポイント減)であります。報告セグメントごとの研究開発費は、半導体製造装置事業が693億3千1百万円(前連結会計年度比12.8%増)、FPD製造装置事業が41億7千4百万円(前連結会計年度比29.1%増)であります。また、報告セグメントに帰属しない研究開発費は235億9千7百万円(前連結会計年度比23.6%増)であります。
半導体製造装置事業では、多様化する製造技術へ対応すべく、新製品開発の強化に引き続き努めております。具体的には、コータ/デベロッパ、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、先端パッケージ向けプロセス装置、ウェーハプローバ等の装置開発として、次世代デバイスから要求される装置・プロセス開発、プロセスの高精度化、装置の高信頼性化、量産化・コスト低減等の開発、装置仕様の標準化、部品・ソフトウエア共通化等の技術開発を推進しております。同時に、省エネルギー化の要求に対応するため、装置の省電力化技術等、環境に配慮した技術開発にも注力しております。また、次世代の新メモリー製造に必要なプロセス装置群の開発を進め、新市場の拡大に対応できる体制を整えております。微細化加工技術開発の一環として、パターニングをはじめとする複数工程開発が益々重要となっており、プロセスインテグレーションを含めた統合評価を強化しています。当社の各開発拠点を活用したプロセス開発とインテグレーション評価を行うことで、より付加価値の高い技術を開発、提案しております。
FPD製造装置事業では、インクジェット技術を用いた有機ELディスプレイ製造装置の開発などに注力しております。
基礎・要素研究関連では、微細加工のための新しい各種プロセスの技術開発及び評価、新材料に対応したプロセス技術開発等を行っており、また、これらの開発を支える各種の研究を行っております。具体的には、微細加工に必要なプロセス技術として、マルチパターニングに代表される微細加工技術、各種新材料の成膜技術、熱処理技術、洗浄技術、プラズマプロセス装置に不可欠なプラズマ技術、熱処理装置で重要な熱制御技術、開発効率を向上するシミュレーション技術、パーティクルや不純物汚染等を制御するコンタミネーション制御技術等、重要かつ他社との差別化を図る各種コア技術を研究しております。
加えて、国内外の有力大学・各種研究機関等との共同開発、各種材料パートナー、コンポーネントパートナーとの緊密な研究開発を推進しております。近年、最先端のプロセス開発とその性能評価を電気的特性データで検証していくことは必要不可欠となっています。いわゆるプロセスインテグレーション評価技術として、プロセスモジュール(トランジスタ工程から配線工程まで)の評価を通じて新規プロセス装置評価、新材料の集積可能性検証、将来技術の電気特性データによる開発指針づくり等を行っております。