第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新が速く活発なエレクトロニクス産業の中で、半導体製造装置及びFPD製造装置のリーディングサプライヤーとして、ビジネスを積極的に展開しております。

 

① 経営方針

 当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能をもつメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、事業環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く応えることにより、世界の市場に高い付加価値をもつ製品・サービスを提供してまいりました。また、当社は、半導体製造装置やその関連分野を中心に、技術革新が新たな価値を生み、高付加価値かつ高収益を期待できる事業領域において、独創的な技術で時代をリードすることを通じて成長を続けてきました。

 当社の原動力は、業界のリーディングカンパニーとして育んだ豊かな技術力、確かな技術サービスに基づく顧客からの信頼、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員と、そのチャレンジ精神です。

 今後も技術革新による価値創出が見込まれるエレクトロニクス技術を基盤とした成長分野において、当社のもつ最先端技術を活かして事業を推進し、ワールドクラスの高収益企業を目指してまいります。

 

② ビジョン

 当社グループは、「革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニー」を目指しております。

 

③ 事業環境

IoT(Internet of Things)、次世代通信規格(5G)、人工知能(AI)などの普及に伴うビッグデータ時代への移行が加速しています。また、昨今、テレワーク、オンライン授業、遠隔医療などの積極的な利用が進み、データ通信量は世界中で拡大基調にあります。ビッグデータ時代には、大量かつ多様な半導体の需要が高まることに加え、さらに高い性能の半導体が求められます。大容量、高速、高信頼性、そして低消費電力など、半導体の技術革新への要求と用途はますます拡大していきます。トランジスタの誕生から約70年が経ち、半導体デバイス市場は2018年に4,688億ドルという規模まで拡大しましたが、2030年には、1兆ドルを超えると予想されています。データ社会への移行が加速するなか、半導体は、いわば第4次産業革命の「コメ」として、中心的役割を担っていきます。また、フラットパネルディスプレイにおいても、デザインの先進性はもとより、サイズの大型化、高精細化、材質の変化に伴う、より薄くフレキシブルな形状の実現など、半導体と同様、その用途は拡大しております。

今後も半導体及びフラットパネルディスプレイの技術革新は止まることはなく、当社グループが参入する両事業は、夢のある社会の発展に向け重要性が増すとともに、さらに大きく成長し拡大していくものと予想しております。

 

④ 中長期的な成長を見据えた取り組み

前述のような将来の成長ポテンシャルを踏まえ、2019年5月に中期経営計画を策定しました。向こう5年以内で、市場規模別に売上高、営業利益率、自己資本利益率(ROE)の関係を示す目指すべき財務モデルを定めたもので、売上高2兆円、営業利益率30%以上、ROE30%以上、というモデルをその中核目標に掲げました。この目標を実現すべく、「メーカー」である当社グループは、引き続きベストプロダクト、ベストサービスを追求してまいります。

・将来顧客が必要とする最先端技術製品や世界一の性能をもつ製品を競合他社より常に一歩先行して創出し、最良の技術サービスを提供することを目指します。

・ベストプロダクトの創出に向け、当社が得意とする分野、蓄積された技術、経営ノウハウが活きる分野でビジネスを展開します。

・世界をリードする技術革新力を維持向上させるため、中期経営計画で公表しているとおり、3年間で約4,000億円の研究開発費を投入することとしております。将来の成長を見据え、強い財務基盤を活かした積極的な投資を継続してまいります。

・サービスの分野につきましても、当社がこれまで出荷した業界最多となる72,000台以上の半導体・FPD製造装置をもとに、パーツ販売、装置のアップグレード改造、装置の稼働率向上や顧客が生産するデバイスの歩留まり向上など、高度なフィールドソリューションの提供を通じ、アフターマーケットにおける収益拡大を図ります。加えて、やがて10万台以上となる装置サポートに備え、遠隔保守などのスマートカスタマーサポートや装置の稼働データやAIの活用などによる予知保全など、高効率、高付加価値サービスの構築にも注力してまいります。

 

 人材に関する取り組み

「企業の成長は人。社員は価値創造の源泉」という考えのもと、会社の将来に対する期待と夢がもてる中期目標の設定、その達成に向けた成長投資に伴う様々な活動やキャリア機会、成果に見合う競争力のある公正な報酬、社員と経営層の積極的な対話を通じ、社員のやる気と会社へのエンゲージメントを重視した夢と活力のある会社の維持向上に努めております。

当社は、社員自身の意欲と自己啓発を重視し、能力開発のための種々の教育の場を提供するとともに、適材適所の人材配置と公正な能力評価をおこなうことにより、社員が仕事に能力を最大限発揮できる環境を整えております。また、社員が躍動する夢と活力のある会社を目指し、グローバル共通の人事制度を導入しております。加えて、エンゲージメント・サーベイを定期的に実施し、社員の働きがいや意欲の向上につなげており、本年1月には、外部機関より公表された「仕事にやりがいを感じる企業ランキング」(※)で、当社は精密機器業界の中で第一位の評価を得ることができました。

また、当社の持続的成長を支える次世代の経営執行を担う人材を育成するため、「TELサクセッションプラン」に基づき後継候補者の育成をおこなっております。指名委員会はその育成状況を分析、精査の上、取締役会に報告するとともに、取締役会は後継候補者育成プランが適切に実行されるよう監督しております。

(※)グローバルウェイ社が2020年1月に発表

 

■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組み

当社は、半導体製造装置及びFPD製造装置のリーディングカンパニーとして、高性能・高品質の製品やサービスの継続的な提供を通じ、より高い利益をあげて経済価値を高めるとともに、持続可能な社会の発展に貢献し社会価値を高めることで経営基盤を強化し、企業価値の向上を図ります。

環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に対応した活動テーマを設定し、事業活動を通じて産業や社会の課題解決と発展に寄与し、ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めます。

とりわけ環境面においては、具体的なターゲットとして2030年に向けた「環境中期目標」を設定しました。これは、当社製品におけるウェーハ1枚当たりのCO2排出量を2013年比で30%削減すること、及び当社の各事業所におけるCO2総排出量を2018年比で20%削減するというものです。例えば、装置サイズの縮小は、顧客の量産ラインの省スペース化の実現によるエネルギー効率向上でウェーハ1枚当たりのCO2排出量を削減するとともに、トラックや航空機輸送、梱包などのロジスティクス、また当社事業所における工場の製造スペースや倉庫スペースの効率化により、CO2排出量削減に直結するものです。持続可能で豊かな社会の発展のため、こうした事業活動を通じた環境負荷低減の実現に、グループ全体で積極的に取り組んでまいります。

昨今、世界は新型コロナウイルス感染症の脅威に打ち勝つため、様々な対策に取り組んでいます。このような状況の中、当社は、半導体が通信や医療などにおいて重要な役割を果たすという認識のもと、これからも最先端の半導体製造技術と確かなサービスを持続的に提供していくことで、夢のある社会の発展に貢献してまいります。

 

⑤ 資本政策

当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。具体的には、営業利益率、資産効率をさらに高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、持続的な成長を目指し、ROE向上など高い資本効率を追求します。

当社の配当政策につきましては、業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。また、自己株式の取得については、機動的に実施を検討することとしております。こうした方針のもと、当事業年度においては、年間配当588円とし、自己株式取得約1,500億円を実施しました。

当社グループは、以上のような取り組みを実行することで中期経営計画を達成し、さらなる持続的成長と企業価値の向上を通じて、世の中になくてはならない会社として、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念の実現を目指してまいります。

 

⑥ 目標とする経営指標

 当社グループは、2019年5月27日に財務モデルを改定いたしました。売上高2兆円、営業利益率30%以上を目指すモデルを新たに追加するとともに、ROEは30%以上を目指すものとし、実現時期を5年以内としております。

 なお、当社グループが示す財務モデルは、将来の売上高規模の予想ではなく、売上高規模ごとに目指すべき経営の効率性を示したものであります。これらの財務モデルの実現を通して、当社グループはワールドクラスの営業利益率とROEを目指してまいります。

 

 売上高

15,000億円

17,000億円

20,000億円

 営業利益率

26.5%

28.0%

30.0%以上

 ROE(自己資本利益率)

30.0%以上

 

 なお、文中の将来に関する記述は、本有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報をもとに、当社グループが合理的であると判断した一定の前提に基づいており、当社グループとしてその実現を約束する趣旨のものではありません。

 

2 【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、これらの記載は、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された項目以外のリスクも存在します。

 また、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 半導体市場変動

半導体市場は、世界経済の動向や最終製品の需要、貿易・関税政策、地政学的要因等の様々な影響を受け、その結果、需給バランスが崩れ短期的に大きく変動することがあります。半導体市場の予期せぬ急激な縮小が生じた場合には、受注取消、過剰生産能力の発生、不良在庫の増加、顧客の財務状況悪化による貸倒損失など、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、想定を超える急激な需要の増加に対応できなかった場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できず、売上の機会損失が生じるなど、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

中長期的には、IoT(Internet of Things)、次世代通信規格(5G)や人工知能(AI)等の普及により、技術革新が続き、半導体市場規模は拡大していくものと予想されております。しかしながら、短期的に発生しうる市場変動に対応するため、当社グループでは、市場環境や受注状況を取締役会等の重要会議において定期的にレビューするなど、常に最新の市場動向を予測した上で、設備投資や人員・在庫等の適正化を図っております。また、当社は多様な半導体デバイスの半導体製造工程において幅広い製品ラインナップを有しており、それぞれが高いシェアを獲得し、各製品群が補完関係にあることで、市場変動への対応力を高めています。

 

(2) 特定顧客への取引集中

当社グループの売上高は、最先端の大手半導体メーカー向けが大きな割合を占めており、その主要顧客による投資動向の影響を受けやすい傾向にあります。主要顧客の設備投資が縮小した場合には、一時的に当該顧客への売上高が減少すること、また主要顧客の財務状況悪化により支払いが滞った場合には、売上債権が早期に回収できないこと等が考えられ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

半導体市場規模は、中長期的には拡大していくものと予想されております。当社グループは、アカウントセールス本部を設置し、主要顧客と緊密な連携を図り、顧客の投資動向をいち早く把握することに努めるとともに、グローバルセールス本部を設置し、幅広い顧客ニーズに対応し、半導体需要の拡大に伴う新規顧客を開拓するなど、販売体制及び顧客基盤の強化と拡大に努めております。

 

(3) 研究開発

当社グループは、最先端技術について継続的な研究開発投資を実施し、当該技術を搭載した新製品を早期に市場投入することによって、各製品分野における高い市場シェアの獲得と高利益率の実現に成功してきました。しかしながら、顧客の技術要求に応える新製品をタイムリーに投入できない場合、また、開発した新製品が顧客要求に合致しなかった場合や競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、製品競争力を失い、開発コストを回収できず、高利益率の維持が困難となるなど、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、コーポレートイノベーション本部を設置し、革新的な技術開発と各開発本部が持つ製品・技術を融合した独創的な技術提案を行うための全社的な開発体制を構築するとともに、最先端顧客との間で、複数世代にわたる技術ロードマップを共有することで、将来のニーズに対応した強いネクストジェネレーションプロダクトを常に競合に先立ち提供する体制を整えております。

 

(4) 生産・供給

当社グループは、主要な生産拠点を日本国内に有し、国内外の顧客に製品を供給しております。そのため、国内において地震等の自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力による被害が生じ、生産が一時的に停止、復旧に時間を要する場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できない可能性があります。また、円滑な製品製造にはサプライヤーによる安定供給が欠かせません。災害リスクに加え、サプライヤーの経営状態悪化等により、部品の調達が滞った場合にも、顧客に製品をタイムリーに供給できなくなり、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的にそのレビューを行うとともに、代替生産体制の確立、重要部品のマルチソース化、生産棟の耐震強化、情報システムのバックアップ体制整備、適切な在庫コントロール等を通じ、製品の安定供給体制の確立に取り組んでおります。

 

(5) 安全

当社グループの製品に関連する安全性等の問題により、顧客への損害発生、受注取消等が発生した場合、損害賠償責任や売上高の減少、また、当社グループに対する信頼性の低下につながるなど、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、開発・製造・販売・サービス・管理等の各業務の遂行において安全や健康に対する配慮を常に念頭において行動する「Safety First」という考えのもと、製品開発段階における安全設計の徹底、安全教育の推進や事故報告システムの整備など、製品の安全性向上や健康への影響排除のための取り組みを積極的かつ継続的に推進しております。

 

(6) 品質

当社グループの製品は、多くの最先端技術が統合・最適化された製品であり、予期せぬ不具合品が発生した場合は、リコール等の製造物・品質責任に基づく損害賠償責任や不具合対策費用の発生、売上高の減少、また、当社グループに対する信頼性の低下につながるなど、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、全社統一の品質方針のもと、社員及びサプライヤーに対して品質教育を推進し、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制や最高水準のサービス体制の確立に努め、製品の開発、設計の初期段階から顧客と連携することで、顧客の課題解決を図っております。また、不具合発生時においても根本原因を究明したのち再発防止・未然防止策の実施・徹底をすすめております。さらに、調達部品における品質向上の観点においても、サプライヤー品質を常に把握し、規程に基づきサプライヤーに向けた監査、改善支援等を実施しております。

 

(7) 法令・規制

当社グループは、グローバルに事業を展開する上で、各国・各地域において、輸出入、環境、競争法、労働、汚職・贈賄防止、移転価格税制を含む様々な分野の法令、規制による制約を受けており、その遵守に努めています。しかしながら、各種法令、規制に抵触した場合には、社会的信用の低下、課徴金・損害賠償の発生、事業の制限等により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来において予期せぬ法令改正、規制の強化が生じた際に適切に対応できなかった場合には、その対応に要する費用負担や事業の制限等により当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、チーフ・コンプライアンス・オフィサーのもと、国内外主要拠点におけるコンプライアンスに関する活動状況を把握する体制を構築しております。また、コンプライアンスに関するアセスメントを実施し、抽出された課題は、CEO、取締役会及び監査役会に報告され、迅速かつ効果的な対策を実施できる体制を整備しております。

 

(8) 知的財産

当社グループの製品は、多くの最先端技術が統合・最適化された製品であり、当社グループの知的財産権の権利化と第三者による権利侵害の防止は、製品の差別化と競争力強化の上で重要な要素となります。また、第三者が保有する知的財産権を侵害した場合には、当社グループ製品の生産・販売が制約され、損害賠償金の支払が発生すること等が考えられ、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、研究開発戦略を事業戦略及び知的財産戦略と三位一体で推進することにより、適切な知的財産権ポートフォリオを構築し、多くの独自技術の専有化を図り、各製品分野における高い市場シェアと利益率の確保を実現しております。

 

(9) 情報セキュリティ

当社グループは、事業活動を通じて、機密情報、顧客情報、個人情報等を取得・保有し、これらを利用しております。こうした情報が意図せず流出した場合、社会的信用の低下や、損害賠償の発生、製品競争力の低下等により、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、情報システム及び情報ネットワークを駆使しながら事業活動を行っております。サイバー攻撃、不正アクセス、自然災害、停電、機器類の故障、人為的ミスなどにより障害等が発生した場合には、業務の停滞や信用の低下が生じることが考えられます。

当社グループでは、情報管理に関する諸規程を制定し、適切な情報管理体制を構築していることに加え、情報システム・情報ネットワークのセキュリティ体制については、セキュリティ・アセスメントを実施するなど、セキュリティの安全性を確認し、さらなる体制強化を図っております。

 

(10) 人材確保

当社グループがグローバルな事業展開をすすめるなか、イノベーションを創出し成長を続けるためには、国内外で人材を確保し、育成することが重要となります。しかしながら、必要な人材を継続的に採用・維持することができない場合や重要人材を喪失した場合には、人材不足による製品開発力の低下や顧客サポートの質の低下を招き、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、社員は持続的な価値創造の源泉であり、社員のエンゲージメントを高めることは企業価値向上において最も重要な要素と考えております。具体的にはグローバル共通の人事制度や中期業績に連動したインセンティブプランの導入、長時間労働・ハラスメントの防止を含めた労働環境の継続的な改善や健康経営の推進等に取り組んでおります。

 

(11) 環境対応

当社グループを取り巻くステークホルダーからの環境負荷低減に関する要請が高まっております。こうしたなか、環境法令や業界行動規範、顧客ニーズ等に適切に対応できなかった場合には、対応費用の発生や製品競争力の低下、社会的信用の低下等により、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、環境法令や業界行動規範を遵守することに加え、中長期環境目標を自ら定め、製品使用時の温室効果ガス排出量削減や事業所におけるエネルギー使用量低減に努めております。そのほか、半導体の低消費電力化に寄与する技術の提供や中古装置・中古パーツビジネスの推進、装置サイズの縮小やスループット改善による生産性の向上等、事業活動を通じて地球の環境保全に取り組んでおります。

 

(12) 新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの製造・販売活動等の事業継続に影響を与える可能性があることに加え、世界的にヒトやモノの移動が制限され、世界経済の状況が悪化するなど、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループにおいては、CEOを本部長とする緊急対策本部を設置し、感染リスクの高い国や地域への渡航制限、サプライチェーンの維持、事業所における感染予防策の徹底等の対策を講じております。

 

(13) その他

当社グループが事業を遂行するにあたっては、世界及び各地域における経済環境、金融・株式市場、商品・不動産市況、外国為替変動、企業買収の成否、重要な訴訟、標準規格化競争等の影響を受け、場合によっては当社グループ業績に悪影響を及ぼすことが想定されますが、それぞれのリスクに対し適切な対策を講じております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績及び財政状態の状況

 当連結会計年度の世界経済につきましては、米国をはじめとして総じて堅調に推移してきたものの、新型コロナウイルスの感染が広がり、その先行きには不透明感が出てきております。

 当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、次世代通信規格(5G)対応のスマートフォンの本格的な普及を見据えた高性能プロセッサの需要増に加え、データセンター向けのメモリ投資も回復傾向にあり、半導体製造装置市場は拡大基調に転じております。今後とも新型コロナウイルスの影響を注視する必要はありますが、半導体製造装置市場は引き続き成長が見込まれております。

 このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。

 当連結会計年度の売上高は1兆1,272億8千6百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。国内売上高が1,618億1千2百万円(前連結会計年度比22.5%減)、海外売上高が9,654億7千4百万円(前連結会計年度比9.7%減)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては85.6%となりました。

 売上原価は6,753億4千4百万円(前連結会計年度比10.2%減)、売上総利益は4,519億4千1百万円(前連結会計年度比14.1%減)となり、売上総利益率は40.1%(前連結会計年度比1.1ポイント減)となりました。

 販売費及び一般管理費は2,146億4千9百万円(前連結会計年度比0.4%減)となり、連結売上高に対する比率は19.1%(前連結会計年度比2.2ポイント増)となりました。

 これらの結果、営業利益は2,372億9千2百万円(前連結会計年度比23.6%減)となり、営業利益率は21.0%(前連結会計年度比3.3ポイント減)となりました。経常利益は、営業外収益84億5千2百万円、営業外費用7億6千5百万円を加減し2,449億7千9百万円(前連結会計年度比23.8%減)となりました。

 税金等調整前当期純利益は2,446億2千6百万円(前連結会計年度比23.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,852億6百万円(前連結会計年度比25.4%減)となりました。

 この結果、1株当たり当期純利益は1,170円57銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は1,513円58銭)となりました。

 

 当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。

 

・半導体製造装置

 ロジック/ファウンドリ系半導体に対する設備投資は、最先端世代への移行に伴い活発におこなわれ好調に推移しました。また、一時的な調整局面にあったNANDフラッシュメモリ、DRAMについては、期の後半から需給バランスの改善が見られるなど、回復基調に転じており、半導体製造装置市場は堅調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は1兆609億9千7百万円(前連結会計年度比9.1%減)、セグメント利益は2,704億9千6百万円(前連結会計年度比17.2%減)となりました。

 

・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置

 テレビ用大型液晶パネル向けの設備投資は継続しておこなわれたものの、モバイル用中小型有機ELパネル向け設備投資においては投資調整が見られるなど、一時的な調整局面にありますが、今後は回復基調に転じるものと見込んでおります。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は660億9千2百万円(前連結会計年度比40.6%減)、セグメント利益は105億8千9百万円(前連結会計年度比56.3%減)となりました。

 

・その他

 当セグメントの当連結会計年度における売上高は194億8千9百万円(前連結会計年度比2.0%増)、セグメント利益は8億5千2百万円(前連結会計年度比17.7%減)となりました。

 

また、当連結会計年度末の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ204億1千2百万円減少し、9,624億8千4百万円となりました。主な内容は、現金及び預金の減少277億2千8百万円、有価証券に含まれる短期投資の減少265億円、たな卸資産の増加378億4千5百万円によるものであります。

有形固定資産は、前連結会計年度末から255億1千万円増加し、1,755億8千万円となりました。

無形固定資産は、前連結会計年度末から18億6千7百万円増加し、109億2千1百万円となりました。

投資その他の資産は、前連結会計年度末から139億2百万円増加し、1,295億9百万円となりました。

これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から208億6千7百万円増加し、1兆2,784億9千5百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ776億9千6百万円増加し、3,825億7千8百万円となりました。主として、前受金の増加580億7千8百万円、支払手形及び買掛金の増加204億8千9百万円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ15億9千6百万円増加し、662億2千4百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ584億2千4百万円減少し、8,296億9千2百万円となりました。主として、自己株式の取得1,540億9千6百万円による減少、前期の期末配当及び当期の中間配当955億1千3百万円の実施による減少、親会社株主に帰属する当期純利益1,852億6百万円を計上したことによる増加によるものであります。この結果、自己資本比率は64.1%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ153億2千4百万円増加し、2,479億5千9百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資904億4千7百万円を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ542億2千8百万円減少し、3,384億6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ635億4千5百万円増加の2,531億1千7百万円の収入となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益2,446億2千6百万円、前受金の増加586億3千万円、減価償却費291億7百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、たな卸資産の増加440億6千5百万円、法人税等の支払額418億8千8百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として短期投資の減少による収入800億円、有形固定資産の取得による支出493億6千9百万円、定期預金の増加による支出104億4千9百万円により、前連結会計年度の840億3千3百万円の支出に対し159億5千1百万円の収入となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に自己株式の取得による支出1,540億9千6百万円、配当金の支払955億1千3百万円により、前連結会計年度の1,297億6千1百万円の支出に対し2,503億7千4百万円の支出となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。

 

なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

相手先

販売高

(百万円)

割合

(%)

Intel Corporation

199,594

15.6

Samsung Electronics Co., Ltd.

175,315

13.7

SK hynix Inc.

174,468

13.6

Micron Technology, Inc.

131,821

10.3

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

相手先

販売高

(百万円)

割合

(%)

Intel Corporation

230,340

20.4

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.

187,890

16.7

Samsung Electronics Co., Ltd.

120,127

10.7

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

 また、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、たな卸資産の評価や製品保証費用等について、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、新型コロナウィルス感染症が上記の見積りに与える影響は、半導体製造装置市場が拡大基調にあること、生産体制及び部品調達・供給体制等における当社グループの機動的な対応により、現時点においては限定的と認識しています。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績については、拡大を続ける半導体製造装置市場及びFPD製造装置市場において、顧客の設備投資が調整されたことにより、直近2期で連続して過去最高を更新していた売上高は一時的に減少し、1兆1,272億8千6百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。

 営業利益率は、前連結会計年度比3.3ポイント減の21.0%となりました。これは主に、顧客の投資が調整局面にある状況においても、当社グループの将来における成長機会を最大限取り込むため、研究開発等への成長投資を積極的に継続したことで、研究開発費等の対売上比率が上昇したことによるものです。なお、研究開発費の総額は前連結会計年度から62億8千7百万円増加、過去最高の1,202億6千8百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度から1.8ポイント上昇し10.7%となりました。

 営業利益に、営業外損益及び特別損益を反映し、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は1,852億6百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度から3.0ポイント低下し16.4%となりました。

 

 財政状態及びキャッシュ・フローについては、当連結会計年度末における総資産が1兆2,784億9千5百万円(前連結会計年度末から208億6千7百万円増加)となりましたが、これは主に、たな卸資産と有形固定資産の増加によるものです。たな卸資産の増加は、翌連結会計年度の売上に貢献する出荷済み未設置在庫及び仕掛在庫の増加等によるものです。また、有形固定資産の増加は、山梨・東北工場における新生産棟の建設、及び評価用機械装置の取得等によるものです。設備においても研究開発と同様に、将来の市場成長に備えて積極的な投資を継続しましたが、これらの投資は手元資金で賄っております。このような背景により、総資産回転日数(注)は前連結会計年度末の359日から414日へ上昇しました。

 研究開発及び設備等への成長投資を実施したうえで、積極的な株主還元への取り組みとして、業績連動型の配当に加えて、当連結会計年度においては自己株式の取得1,540億9千6百万円を実施しました。その結果、現金及び現金同等物に、満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末から542億2千8百万円減少し、3,384億6百万円となりました。

 なお、上述した、親会社株主に帰属する当期純利益の対売上高比率の低下、及び総資産回転日数の上昇により、ROE(自己資本利益率)は前連結会計年度の30.1%から21.8%へ低下しましたが、引き続き20%を超える高い資本効率を維持しております。

 

(注) 総資産回転日数=当連結会計年度末の総資産÷当連結会計年度の売上高×365

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。

 

 具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑥ 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

 

 

  セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。

 

・半導体製造装置

 当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比9.1%減の1兆609億9千7百万円となりました。過去数年続いたメモリ向け生産能力の増強投資が落ち着いたこと、歩留まり向上による顧客の設備投資の一時的な調整、新型コロナウィルスの影響による売上計上の一部遅延は生じましたが、ロジック/ファウンドリ向け装置の強い引合いから、最終的には期初及び期中に発表した会社計画を達成することができました。また、新規装置市場が前年比で下落するなか、中古装置や改造、パーツ・サービスの売上高は、累積出荷台数の増加と顧客の高い装置稼働に伴い、前連結会計年度から増加するなど堅調に推移しています。

 セグメント利益率については、当連結会計年度は25.5%と、前連結会計年度の28.0%から2.5ポイント低下しました。将来の成長を見据えた開発・生産体制の増強、及び研究開発費の増加が主な要因であります。

 

・FPD製造装置

 当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、中小型有機ELパネル向け投資が一服したことに加え、新型コロナウィルスの影響による売上計上の一部遅延により、前連結会計年度比40.6%減、660億9千2百万円となりました。当セグメントで最も市場が大きい地域は中国であり、半導体製造装置セグメントよりも新型コロナウィルスの影響を大きく受けました。

 セグメント利益率については、当連結会計年度は16.0%と、前連結会計年度の21.8%から5.8ポイント低下しました。売上の大幅な減少により固定費比率が上昇したことが主な要因ですが、下方柔軟性への取り組みの成果により、収益性を維持しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、半導体製造装置、FPD製造装置及び報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。

 半導体製造装置事業では、AI、5G、IoT、自動運転などに向けて次世代デバイスの高速化・大容量化・機能統合化が必要になり、それらを具現化する製造技術の高度化へ先行して対応すべく、新製品開発の強化に引き続き努めております。具体的には、コータ/デベロッパ、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、先端パッケージ向けプロセス装置、ウェーハプローバ等の装置開発として、次世代デバイスから要求される装置・プロセス開発、プロセスの高精度化、装置の高信頼性化、高生産性化、コスト低減等の開発、装置仕様の標準化、部品・ソフトウエア共通化等の技術開発を推進しております。同時に、当社のSDGsにおける重要課題の一つである省エネルギー化の要求に対応するため、装置の省電力化技術等、CO2排出量の削減など環境に配慮した技術開発にも注力しております。さらに、次々世代の新デバイス製造に必要な製造装置の開発を進め、新市場の拡大に対応できる体制を整えております。微細化加工技術開発の一環として、EUV露光による超高解像パターニングや3次元積層メモリ等複雑化する構造におけるプロセスの最適化を図るために複数工程開発が益々重要となっており、当社の各開発拠点を活用したプロセス開発とインテグレーション開発を行うことで、より付加価値の高い技術を開発、提案しております。また、近年著しい成長を遂げていますAI技術を駆使した技術開発やAI技術を応用しての生産性向上活動にも注力しております。

 FPD製造装置事業では、主力商品でありますエッチング装置、塗布現像装置の新技術開発は勿論の事、インクジェット技術を用いた有機ELディスプレイ製造装置の開発などに注力しております。

 基礎・要素研究関連では、微細加工のための新しい各種プロセスの技術開発及び評価、10年先を見通しての新しいデバイス構造や新しい材料に対応する為のプロセス技術開発等を進めるとともにこれらの技術開発を支える各種の基礎的な研究を行っております。具体的には、微細加工に必要なプロセス技術として、マルチパターニングに代表される微細加工技術、各種新材料の成膜技術、エッチング技術、熱処理技術、洗浄技術の先行技術開発を進めるとともに、それら装置技術の基礎、基盤となる、プラズマプロセス装置に不可欠なプラズマ技術、熱処理装置で重要な熱制御技術、開発効率を向上するシミュレーション技術、パーティクルや不純物汚染等を制御するコンタミネーション制御技術等、重要かつ他社との差別化を図る各種コア技術の研究にも注力しております。

 これらに加えて、オープンイノベーション型の開発を強化するために、国内外の有力大学・各種研究機関等との共同開発、材料関係のパートナー、重要な部品及びコンポーネント関連のパートナーとの緊密な研究開発を推進しております。また、近年におきましては、最先端のプロセス開発評価を電気的特性データで検証していくことが必要不可欠となって来ており、複数のプロセス工程を統合して評価するプロセスインテグレーションの評価の能力を強化しております。プロセスモジュール(トランジスタ工程から配線工程までの)全体で評価を進める事で、お客様にとってより有益で、価値のあるデータの取得を可能としております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、1,202億6千8百万円(前連結会計年度比5.5%増)であり、連結売上高に対する比率は10.7%(前連結会計年度比1.8ポイント増)であります。

 

 当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

半導体製造装置

95,341

3.8%

FPD製造装置

3,974

△2.7%

全社

20,952

16.3%

合計

120,268

5.5%

(注) 「全社」は報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。