当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新が速く活発なエレクトロニクス産業の中で、半導体製造装置及びFPD製造装置のリーディングサプライヤーとして、ビジネスを積極的に展開しております。
① 経営方針
当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能をもつメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、事業環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く応えることにより、世界の市場に高い付加価値をもつ製品・サービスを提供してまいりました。また、当社は、半導体製造装置やその関連分野を中心に、技術革新が新たな価値を生み、高付加価値かつ高収益を期待できる事業領域において、独創的な技術で時代をリードすることを通じて成長を続けてきました。
当社の原動力は、業界のリーディングカンパニーとして育んだ豊かな技術力、確かな技術サービスに基づく顧客からの信頼、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員と、そのチャレンジ精神です。
今後も技術革新による価値創出が見込まれるエレクトロニクス技術を基盤とした成長分野において、当社のもつ最先端技術を活かして事業を推進し、ワールドクラスの高収益企業を目指してまいります。
② ビジョン
当社グループは、「革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニー」を目指しております。
③ 事業環境
ICT(情報通信技術)の普及、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展、そして脱炭素の実現を目指す動きなど、世界は今、“デジタル×グリーン社会”の構築に向けて様々な取り組みがおこなわれています。そして、それを支えるのが半導体の技術革新です。大容量、高速、高信頼性、低消費電力など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。トランジスタの誕生から約70年。これまで半導体デバイス市場は着実な成長を遂げ、2020年に約4,400億ドルになりましたが、2030年頃には、現在の2倍以上となる1兆ドルに到達するなど高い伸びが予想されています。また、人とICTをつなぐインターフェイスとして、FPDも新たな進化が求められ、技術革新が続いています。有機ELの普及に伴い、高精細化、低消費電力化、薄くフレキシブルな特性を活かした大型化やデザイン性の向上など、用途はさらに拡大していきます。データ社会への移行が加速するなか、当社グループが参入する両事業は、社会の重要インフラである半導体とFPDを支え、夢のある社会の発展に向け、今後も大きく成長していくものと予想しております。
④ 中長期的な成長を見据えた取り組み
前述のような将来の成長ポテンシャルを踏まえ、2019年5月に中期経営計画を策定しました。売上高の規模別に営業利益率、自己資本利益率(ROE)の関係を示す目指すべき財務モデルを定めたもので、2024年度までに売上高2兆円、営業利益率30%以上、ROE30%以上、というモデルをその中核目標に掲げました。この目標を実現すべく、「メーカー」である当社グループは、引き続きベストプロダクト、ベストテクニカルサービスを追求してまいります。
・将来、顧客が必要とする高付加価値の最先端技術製品をいち早く市場に投入するとともに最良の技術サービスを提供してまいります。
・ベストプロダクトの創出に向け、当社が得意とする分野、蓄積された技術、経営ノウハウが活きる分野でビジネスを展開してまいります。
・世界をリードする技術革新力を維持向上させるため、2022年度においても1,600億円の研究開発費を投入する予定にしており、中期経営計画で公表している3年間で約4,000億円の研究開発費の投入を計画通り推進しております。将来の成長を見据え、強い財務基盤を活かした積極的な投資を継続してまいります。
・サービスの分野につきましても、当社がこれまで出荷した業界最多となる76,000台以上の半導体及びFPD製造装置をもとに、パーツ販売、装置のアップグレード改造、装置の稼動率向上や顧客が生産するデバイスの歩留まり向上などの課題解決に努めるとともに、これら高度なフィールドソリューションの提供を通じて、アフターマーケットにおける収益拡大を図ります。加えて、やがて10万台以上となる装置サポートに備え、遠隔保守などのスマートカスタマーサポートや装置の稼動データやAIの活用などによる予知保全など、高効率、高付加価値サービスの構築にも注力してまいります。
■ 人材に関する取り組み
「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という考えのもと、会社の将来に対する期待と夢がもてる経営目標の設定、その達成に向けた成長投資に伴う様々な活動やキャリア機会、成果に見合う競争力のある公正な報酬、社員と経営層の積極的な対話を通じ、社員のやる気と会社へのエンゲージメントを重視した夢と活力のある会社の維持向上に努めております。
また、当社グループは、事業に関わるすべての人々の安全と健康を最優先することを経営理念で明示しておりますが、経済産業省と日本健康会議が共同で認定する健康経営優良法人「ホワイト500」に3年連続で選ばれております。社員がもてる力を最大限に発揮するために、社員の心身の健康保持・増進をサポートしています。
加えて、持続的成長を支える次世代の経営執行を担う人材を育成するため、「TELサクセッションプラン」に基づき後継候補者の育成をおこなっております。指名委員会はその育成状況を分析、精査の上、取締役会に報告するとともに、取締役会は後継候補者育成プランが適切に実行されるよう監督しております。
■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組み
当社グループは、半導体製造装置及びFPD製造装置のリーディングカンパニーとして、高性能・高品質の製品やサービスの継続的な提供を通じ、より高い利益をあげて経済価値を高めるとともに、持続可能な社会の発展に貢献し社会価値を高めることで経営基盤を強化し、企業価値の向上を図ります。
環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に対応した活動テーマを設定し、事業活動を通じて産業や社会の課題解決と発展に寄与し、ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めます。
とりわけ環境面においては、昨年12月に、2030年に向けた「中期環境目標」を改定しました。これは、当社製品におけるウェーハ1枚当たりのCO2排出量を2018年比で30%削減すること、及び当社グループの各事業所におけるCO2総排出量を2018年比で70%削減するというものです。例えば、装置サイズの縮小は、顧客の量産ラインの省スペース化の実現によるエネルギー効率向上でウェーハ1枚当たりのCO2排出量を削減するとともに、トラックや航空機輸送、梱包などのロジスティクス、製造及び倉庫スペースの効率化により、CO2排出量削減に直結するものです。持続可能で豊かな社会の発展のため、事業活動を通じた環境負荷低減の実現に、グループ全体で積極的に取り組んでまいります。
このような当社グループの取り組みは、外部からも高い評価を受けており、日本経済新聞社とQUICK ESG研究所が実施した「第2回ROESGランキング(2020年度版)」にて国内首位を獲得しました。「ROESG」は、資本効率性を表すROEと持続可能性を表す非財務指標であるESGを統合した指標として考案され、今回初めて国内ランキングの発表があり、当社グループの資本効率の高さや積極的なESGへの取り組みが評価されました。これからも中長期的な企業価値の向上を追求していきます。
⑤ 資本政策
当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。具体的には、営業利益率、資産効率をさらに高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、持続的な成長を目指し、ROE向上など高い資本効率を追求します。
当社の配当政策につきましては、業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。また、自己株式の取得については、機動的に実施を検討することとしております。この方針に基づき、当事業年度においては、年間配当781円を実施しました。
当社グループは、以上のような取り組みを実行することで中期経営計画を達成し、さらなる持続的成長と企業価値の向上を通じて、世の中になくてはならない会社として、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念の実現を目指してまいります。
⑥ 目標とする経営指標
当社グループは、2019年5月27日に財務モデルを改定いたしました。売上高2兆円、営業利益率30%以上を目指すモデルを新たに追加するとともに、ROEは30%以上を目指すものとし、実現時期を5年以内としております。
なお、当社グループが示す財務モデルは、将来の売上高規模の予想ではなく、売上高規模ごとに目指すべき経営の効率性を示したものであります。これらの財務モデルの実現を通して、当社グループはワールドクラスの営業利益率とROEを目指してまいります。
|
売上高 |
15,000億円 |
17,000億円 |
20,000億円 |
|
営業利益率 |
26.5% |
28.0% |
30.0%以上 |
|
ROE(自己資本利益率) |
30.0%以上 |
||
なお、文中の将来に関する記述は、本有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報をもとに、当社グループが合理的であると判断した一定の前提に基づいており、当社グループとしてその実現を約束する趣旨のものではありません。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、これらの記載は、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された項目以外のリスクも存在します。
また、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場変動
半導体市場は、IoT、AI、5G等の情報通信技術の用途の拡がりやDXの進展、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)への対応を背景としたデータ社会への移行が加速するなか、技術革新が続くことで中長期的にはさらなる成長が見込まれています。しかしながら、世界経済の動向や最終製品の需要、貿易・関税政策、地政学的要因等により、短期的には需給バランスが崩れ市場規模が大きく変動することがあります。半導体市場が急激に縮小した場合には、過剰生産、不良在庫の増加、顧客の財務状況悪化による貸倒損失など、一方、急激な需要の増加に対応できなかった場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できず、機会損失が生じるなど、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうした市場変動に対応するため、市場環境や受注状況を取締役会等の重要会議において定期的にレビューするなど、常に最新の市場動向を把握した上で、設備投資や人員・在庫計画等の適正化を図っております。
また、当社グループの売上高は、最先端の大手半導体メーカー向けが大きな割合を占めており、その主要顧客による投資動向の影響を受けやすい傾向にあります。
当社グループは、アカウントセールス本部を設置し、主要顧客と緊密な連携を図り、顧客の投資動向をいち早く把握することに努めるとともに、グローバルセールス本部を設置し、世界中の幅広い顧客ニーズに対応し、半導体需要の拡大に伴う新規顧客を開拓するなど、販売体制及び顧客基盤の強化と拡大に努めております。
(2) 地政学
当社グループは、売上高に占める海外売上高の比率が高く、様々な国、地域において事業を展開しております。半導体への注目が国際的に高まるなか、各国・各地域が産業政策、安全保障及び環境政策等の観点から、半導体関連事業の国産化、自国製品の優先政策、輸出規制、環境法規制の強化等を進める動きがみられ、その結果、当社の事業活動に制約が生じる場合には、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各国の政策・外交動向を注視することにより、製品の輸出入や技術開発に関する規制導入の動きを把握し、政策や規制が導入された際の影響を予測し対応策を検討するとともに、半導体産業の健全な発展のためパブリックコメント等の手段を通じて政策当局に意見を伝えるなど、リスクの早期発見に加え、リスク発現時の迅速かつ適切な対応に努めております。
(3) 研究開発
当社グループは、最先端技術について継続的な研究開発投資を実施し、当該技術を搭載した新製品を早期に市場投入することによって、各製品分野における高い市場シェアの獲得と高利益率の実現に成功してきました。しかしながら、顧客の技術要求に応える新製品をタイムリーに投入できない場合、また、開発した新製品が顧客要求に合致しなかった場合や競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、製品競争力を失い、開発コストの回収が困難となるなど、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コーポレートイノベーション本部を設置し、革新的な技術開発と各開発本部が持つ製品・技術を融合した独創的な技術提案を行うための全社的な開発体制を構築するとともに、グローバルに展開している研究機関との共同研究や最先端顧客との間で複数世代にわたる技術ロードマップを共有するなど、将来のニーズに対応した強いネクストジェネレーションプロダクトを常に競合に先立ち提供する体制を整えております。
(4) 調達・生産・供給
当社グループは、主要な生産拠点を日本国内に有し、国内外の顧客に製品を供給しております。そのため、国内において地震や水害等の自然災害、テロ、感染症等の不可抗力による被害や事故等が生じ、生産が停止、復旧に時間を要する場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できない可能性があります。また、安定した製品の製造にはサプライヤーによる部品等の安定供給が欠かせません。災害や事故等のリスクに加え、サプライヤーの経営状態悪化、半導体市場の拡大に伴う供給能力を上回る需要等により、部品の調達が滞った場合には、顧客に製品をタイムリーに供給できなくなり、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的にそのレビューを行うとともに、代替生産体制の確立、重要部品のマルチソース化、生産棟の耐震強化、情報システムのバックアップ体制整備等を進めております。また、顧客の投資計画に加え、半導体の需要予測も踏まえたフォーキャストをサプライヤーと共有することで部品の早期調達を図り、生産を平準化するなど製品の安定供給体制の確立に取り組んでおります。
(5) 安全
当社グループの製品の安全性に関する問題が発生した場合、顧客の損害、受注取消、損害賠償責任の発生や当社グループに対する信頼の低下など、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、開発・製造・販売・サービス・管理等の各業務の遂行において安全や健康に対する配慮を常に念頭において行動する「Safety First」という考えのもと、製品開発段階における安全設計の徹底、安全教育の推進、事故発生時の報告システムの整備など、製品の安全性向上のための取り組みを継続的に推進しております。
(6) 品質
当社グループの製品は、多くの最先端技術が統合された製品であり、不具合が発生した場合には、リコール等の製品の回収、品質責任に基づく損害賠償責任や不具合対策費用の発生、また、当社グループに対する信頼性の低下につながるなど、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、全社統一の品質方針のもと、社員及びサプライヤーに対して品質教育を推進し、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制や最高水準のサービス体制の確立に常に取り組んでいます。開発においては、設計の初期段階から営業、サービス部門と連携し、技術的な課題解決を図り、さらにシミュレーション技術を使用した検証を徹底するなど、リスク軽減、解消に取り組んでいます。また、不具合発生時においては、根本原因を究明した後、再発防止・類似不具合の未然防止策の実施・徹底をすすめております。調達部品の品質管理においても同様に、常にサプライヤーの品質状態を把握し、監査、改善支援等を実施しております。
(7) 法令・規制
当社グループは、グローバルに事業を展開する上で、各国・各地域において、輸出入規制、環境法、競争法、労働法、汚職・贈賄、移転価格税制を含む様々な分野の法令、規制による制約を受けており、その遵守に努めています。しかしながら、各種法令、規制に抵触した場合には、社会的信用の低下、課徴金・損害賠償の発生、事業の制限など、また、各国の安全保障上の政策や将来において予期せぬ法令改正、規制の強化が生じた際に適切に対応できなかった場合には、その対応に要する費用負担や事業の制限等により当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、チーフ・コンプライアンス・オフィサーのもと、国内外主要拠点それぞれにおいてコンプライアンスに関する活動状況を把握する体制を構築しております。また、外部専門家によるコンプライアンスに関するアセスメントを実施し、抽出された課題は、CEO、取締役会及び監査役会に報告され、迅速かつ効果的な対策及びさらなる体制強化をすすめております。
(8) 知的財産
当社グループの製品は、多くの最先端技術が統合された製品であり、知的財産権の権利化と第三者による権利侵害の防止は、製品の差別化と競争力強化の上で重要な要素となります。第三者が保有する知的財産権を侵害した場合には、当社グループ製品の生産・販売が制約され、損害賠償金の支払が発生すること等が考えられ、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、研究開発戦略を事業戦略及び知的財産戦略と三位一体で推進することにより、適切な知的財産権ポートフォリオを構築し、多くの独自技術の専有化を図り、各製品分野における高い市場シェアと利益率の確保を実現しております。
(9) 情報セキュリティ
当社グループは、事業活動を通じて、機密情報、顧客情報、個人情報等を取得・保有し、これらを利用することがあります。サイバー攻撃等による不正アクセスや不正操作、人為的ミス、自然災害等により、情報漏洩やサービス停止等が発生した場合には、社会的信用の低下や損害賠償の発生等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティ委員会を中心に専任組織を立ち上げるなど組織的強化を図るとともに、外部専門家によるセキュリティ・アセスメントを行うなどし、世界基準に準拠した情報セキュリティ体制を構築しています。また、インシデントが発生した場合に備えた異常検知システム導入といった技術面はもとより、グローバル統一の情報管理に関する諸規程や発生時の対応ガイドラインを展開するなど、運用面においても対策を講じております。
(10) 人材
当社グループがグローバルな事業展開をすすめるなか、イノベーションを創出し成長を続けるためには、国内外で多様な人材を確保し育成することやダイバーシティ&インクルージョンを実践することが重要となります。しかしながら、必要な人材を継続的に採用・維持することができない場合、また、多様な価値観・専門性を持った人材が個性を発揮して活躍できる環境が整備できない場合には、製品開発力の低下や顧客サポートの質の低下を招き、競争優位性のある組織が実現できないなど、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、社員は持続的な価値創出の源泉であり、社員のエンゲージメントを高めることは企業価値向上において最も重要な要素と考えております。具体的には当社トップによる定期的な社員集会を通じた方向性の共有、今後を担う人材を継続的に輩出するための育成計画の構築、社員のキャリアパスの見える化、魅力的な報酬・福利厚生の提供、長時間労働・ハラスメントの防止を含めた労働環境の継続的な改善や健康経営の推進等に取り組んでおります。
(11) 環境対応
当社グループを取り巻くステークホルダーをはじめ、世界全体でサステナビリティに関する社会的要請が高まっております。こうしたなか、脱炭素社会への移行に伴う各国の気候変動政策、環境法令や業界行動規範、技術革新や顧客ニーズ等に適切に対応できなかった場合には、新規製品の開発、仕様変更、改造等の追加対応の費用発生、製品競争力の低下、社会的信用の低下等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、環境法令や業界行動規範を遵守するとともに、業界をリードする中長期環境目標を策定し、製品使用時の温室効果ガス排出量削減や事業所における再生可能エネルギーの使用比率の向上及びエネルギー使用量低減に努めております。そのほか、半導体の低消費電力化に寄与する技術の提供や中古装置・中古パーツビジネスの推進、装置サイズの縮小やスループット改善による生産性の向上、梱包材の見直し、モーダルシフトの推進など、事業活動を通じて地球の環境保全に取り組んでおります。
(12) 新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの製造・販売活動等の事業継続に影響を与える可能性があることに加え、世界的にヒトやモノの移動が制限され、世界経済の状況が悪化するなど、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、CEOを本部長とする緊急対策本部を中心に、感染リスクの高い国や地域への渡航制限、サプライチェーンの維持、事業所における感染予防策の徹底等の対策を講じております。
(13) その他
当社グループが事業を遂行するにあたっては、世界各国及び各地域における政治情勢や治安の状況、経済環境、金融・株式市場、商品・不動産市況、外国為替変動、企業買収の成否、重要な訴訟、標準規格化競争等の影響を受け、場合によっては当社グループ業績に影響を及ぼすことが想定されますが、それぞれのリスクに対し必要な対策をおこなっています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の世界経済につきましては、新型コロナウイルスの感染蔓延による影響はみられたものの、各国の経済政策の実行等により、プラス成長に転じる兆しが見えてきました。
当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、IoT、AI、5G等の情報通信技術の用途の拡がりによるデータ社会への移行を背景とした半導体需要の高まりに伴い、半導体製造装置市場は拡大しております。今後も新型コロナウイルスの影響を注視する必要はありますが、半導体製造装置市場は、さらなる成長が見込まれております。
このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は1兆3,991億2百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。国内売上高が1,975億6千6百万円(前連結会計年度比22.1%増)、海外売上高が1兆2,015億3千5百万円(前連結会計年度比24.5%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては85.9%となりました。
売上原価は8,341億5千7百万円(前連結会計年度比23.5%増)、売上総利益は5,649億4千5百万円(前連結会計年度比25.0%増)となり、売上総利益率は40.4%(前連結会計年度比0.3ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は2,442億5千9百万円(前連結会計年度比13.8%増)となり、連結売上高に対する比率は17.5%(前連結会計年度比1.6ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は3,206億8千5百万円(前連結会計年度比35.1%増)となり、営業利益率は22.9%(前連結会計年度比1.9ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益54億9千2百万円、営業外費用40億7千4百万円を加減し3,221億3百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。
税金等調整前当期純利益は3,170億3千8百万円(前連結会計年度比29.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,429億4千1百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は1,562円20銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は1,170円57銭)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
前述の情報通信技術の用途の拡がりによって、ロジック/ファウンドリ向け半導体に対する設備投資は、最先端から成熟世代まで、広い範囲での投資が堅調に推移しました。加えて、データ社会への移行を背景に、NANDフラッシュメモリ向け設備投資は、当年度において大きく増加しました。また、調整されていたDRAM向け設備投資においても、当年度後半にかけて需給バランスの改善により回復に転じました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は1兆3,152億円(前連結会計年度比24.0%増)、セグメント利益は3,625億2千6百万円(前連結会計年度比34.0%増)となりました。
・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
テレビ用大型液晶パネル向けの設備投資は堅調に推移し、モバイル用中小型有機ELパネル向けの設備投資も増加したことで、FPD製造装置市場は前年度比でプラス成長となりました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は837億7千2百万円(前連結会計年度比26.8%増)、セグメント利益は88億2千3百万円(前連結会計年度比16.7%減)となりました。
・その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は220億8千2百万円(前連結会計年度比13.3%増)、セグメント利益は5億3千4百万円(前連結会計年度比37.2%減)となりました。
また、当連結会計年度末の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ532億1千2百万円増加し、1兆156億9千6百万円となりました。主な内容は、受取手形及び売掛金の増加415億6千6百万円、現金及び預金の増加366億3千2百万円、たな卸資産の増加232億7千9百万円、有価証券に含まれる短期投資の減少634億8千5百万円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から213億8千7百万円増加し、1,969億6千7百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から62億4千1百万円増加し、171億6千3百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から660億2千6百万円増加し、1,955億3千6百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から1,468億6千8百万円増加し、1兆4,253億6千4百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ549億1千7百万円減少し、3,276億6千1百万円となりました。主として、前受金の減少536億3百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ69億1千5百万円増加し、731億4千万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,948億7千万円増加し、1兆245億6千2百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益2,429億4千1百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当1,095億4千2百万円の実施による減少、その他有価証券評価差額金の増加459億9千8百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は71.1%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ180億3千3百万円増加し、2,659億9千3百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資455億5千9百万円を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ268億5千3百万円減少し、3,115億5千3百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ1,072億2千9百万円減少の1,458億8千8百万円の収入となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益3,170億3千8百万円、減価償却費338億4千3百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額877億7千2百万円、前受金の減少548億5千1百万円、売上債権の増加377億3千6百万円、たな卸資産の増加172億2千6百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出538億6百万円、短期投資の減少による収入350億円により、前連結会計年度の159億5千1百万円の収入に対し182億7千4百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払1,095億4千2百万円により、前連結会計年度の2,503億7千4百万円の支出に対し1,145億2千5百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Intel Corporation |
230,340 |
20.4 |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. |
187,890 |
16.7 |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
120,127 |
10.7 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
|
相手先 |
販売高 (百万円) |
割合 (%) |
|
Samsung Electronics Co., Ltd. |
256,656 |
18.3 |
|
Intel Corporation |
193,706 |
13.8 |
|
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. |
164,340 |
11.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、半導体製造装置市場及びFPD製造装置市場のいずれも、顧客による積極的な設備投資を背景に、過去最高となる1兆3,991億2百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。
営業利益も、売上高の大幅な増加に伴い、3,206億8千5百万円(前連結会計年度比35.1%増)となり、営業利益率は前連結会計年度比1.9ポイント増の22.9%となりました。これは主に、注力分野における売上増加に伴う売上総利益率の上昇と、売上増加に伴う販売費及び一般管理費比率の減少によるものです。なお、研究開発費の総額は、中期経営計画で目標としている財務モデルの達成に向けて、また将来の更なる成長を目指して、前連結会計年度から163億8千万円増加(前連結会計年度比13.6%増)し、過去最高の1,366億4千8百万円となりました。
営業利益に、営業外損益及び特別損益を反映し、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は2,429億4千1百万円となり、売上高に対する比率は、前連結会計年度から1.0ポイント上昇し、17.4%となりました。1株当たり当期純利益は、利益増に加えて前連結会計年度において実施した自己株式の取得の影響を受け、1,562円20銭となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。
具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑥ 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比24.0%増の1兆3,152億円となりました。顧客による新規装置への設備投資が積極的に展開される中、注力分野における販売戦略が順調に進捗した結果、ロジック/ファウンドリ、NANDフラッシュメモリ向けを中心に、当連結会計年度の売上高は大きく増加しました。加えて、中古装置や改造、パーツ・サービスの売上高も、累積出荷台数の増加と顧客の高い装置稼動に伴い、着実に成長しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は27.6%と、前連結会計年度の25.5%から2.1ポイント上昇しました。売上高の急激な増加により固定費比率が低下したことが、主な要因であります。
・FPD製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比26.8%増の837億7千2百万円となりました。モバイル用中小型有機ELパネル向け設備投資の増加に加えて、テレビ用大型液晶パネル向けの設備投資も堅調に推移した結果、当セグメントの売上高も大きく伸長しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は10.5%と、前連結会計年度の16.0%から5.5ポイント低下しました。これは主に、一時的に工場稼動率が低下した前連結会計年度において製作された在庫が、当連結会計年度において売上原価として実現したことが要因であります。
② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
財政状態については、当連結会計年度末における総資産が1兆4,253億6千4百万円となり、前連結会計年度末から1,468億6千8百万円増加しました。これは主に、売上債権、たな卸資産、有形固定資産と、投資その他の資産に含まれる投資有価証券の増加によるものです。売上債権は、半導体製造装置市場の急激な成長を背景に、第4四半期において売上が大きく増加したことにより、前連結会計年度末から415億6千6百万円増加し1,917億円となりました。たな卸資産は、翌連結会計年度以降も引き続き装置・パーツの需要が旺盛な状況を反映して、また生産の平準化等の施策も織り込んだ結果、前連結会計年度末から232億7千9百万円増加し4,153億4千4百万円となりました。有形固定資産は、生産能力の増強を目的とした山梨及び東北工場の新棟竣工に加えて、宮城工場において技術革新センターを建設中であること等を反映し、前連結会計年度末から213億8千7百万円増加し1,969億6千7百万円となりました。投資有価証券は、政策的に保有している上場株式の時価評価額が上昇したことにより、前連結会計年度末から666億9千万円増加し1,050億6千5百万円となりました。これらの要因により、総資産は前連結会計年度末から増加しましたが、売上高がそれを上回って増加したことにより、総資産回転日数(注)は前連結会計年度末の414日から372日へ減少し、資産効率は改善しております。
キャッシュ・フローについては、現金及び現金同等物に、満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末から268億5千3百万円減少し、3,115億5千3百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の第4四半期において装置出荷が集中し、当連結会計年度の売上に対応する顧客からの入金の一部が、前連結会計年度末に前受金として計上されていたことによります。
事業の拡大に伴い、たな卸資産の水準が高止まりするなど、必要な運転資本が増加するなか、需要増に備えた生産体制の増強、研究開発等への成長投資を継続しました。一方で、当社グループの株主還元政策である配当性向50%に基づき、1,095億4千2百万円を株主に還元しました。これらは、事業運営を通じて獲得した手元資金によって賄っております。引き続き、高利益率によって作り上げた強固な財務基盤を維持しながら、将来への成長投資と積極的な株主還元に取り組んでまいります。
なお、経営指標の一つであるROE(自己資本利益率)については、親会社株主に帰属する当期純利益の対売上高比率の上昇、及び総資産回転日数の減少により、前連結会計年度の21.8%から26.5%へ上昇し、資本効率は改善する結果となりました。
(注) 総資産回転日数=当連結会計年度末の総資産÷当連結会計年度の売上高×365
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響は、半導体製造装置市場が引き続き拡大基調にあること、生産体制及び部品調達・供給体制等における当社グループの機動的な対応により、現時点においては限定的と認識しています。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、半導体製造装置、FPD製造装置及び報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。
半導体製造装置事業では、AI、5G、IoT、自動運転などに向けて次世代デバイスの高速化・大容量化・機能統合化が必要になり、それらを具現化する製造技術の高度化へ先行して対応すべく、新製品開発の強化に引き続き努めております。具体的には、コータ/デベロッパ、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、先端パッケージ向けプロセス装置、ウェーハプローバ等の装置開発として、次世代デバイスから要求される装置・プロセス開発、プロセスの高精度化、装置の高信頼性化、高生産性化、コスト低減等の開発、装置仕様の標準化、部品・ソフトウエア共通化等の技術開発を推進しております。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した装置性能の向上や開発の効率化、管理部門の生産性の改善にも取り組んでおります。同時に、当社のSDGsにおける重要課題の一つである省エネルギー化の要求に対応するため、装置の省電力化技術等、CO2排出量の削減など環境に配慮した技術開発にも注力しております。さらに、次々世代の新デバイス製造に必要な製造装置の開発を進め、新市場の拡大に対応できる体制を整えております。微細化加工技術開発の一環として、EUV露光による超高解像パターニングや3次元積層メモリ等複雑化する構造におけるプロセスの最適化を図るために複数工程開発が益々重要となっており、当社の各開発拠点を活用したプロセス開発とインテグレーション開発を行うことで、より付加価値の高い技術を開発、提案しております。
FPD製造装置事業では、主力商品でありますエッチング装置、塗布現像装置の新技術開発は勿論の事、インクジェット技術を用いた有機ELディスプレイ製造装置の開発などに注力しております。
基礎・要素研究関連では、微細加工のための新しい各種プロセスの技術開発及び評価、10年先を見通しての新しいデバイス構造や新しい材料に対応する為のプロセス技術開発等を進めるとともにこれらの技術開発を支える各種の基礎的な研究を行っております。具体的には、微細加工に必要なプロセス技術として、高NA(解像度)EUV向けレジスト材料技術、マルチパターニングに代表される微細加工技術、各種新材料の成膜技術、エッチング技術、熱処理技術、洗浄技術の先行技術開発を進めるとともに、それら装置技術の基礎、基盤となる、プラズマプロセス装置に不可欠なプラズマ技術、熱処理装置で重要な熱制御技術、開発効率を向上するシミュレーション技術、パーティクルや不純物汚染等を制御するコンタミネーション制御技術等、重要かつ他社との差別化を図る各種コア技術の研究にも注力しております。
これらに加えて、オープンイノベーション型の開発を強化するために、国内外の有力大学・各種研究機関等との共同開発、材料関係のパートナー、重要な部品及びコンポーネント関連のパートナーとの緊密な研究開発を推進しております。また、近年におきましては、最先端のプロセス開発評価を電気的特性データで検証していくことが必要不可欠となって来ており、複数のプロセス工程を統合して評価するプロセスインテグレーションの評価の能力を強化しております。プロセスモジュール(トランジスタ工程から配線工程までの)全体で評価を進める事で、お客様にとってより有益で、価値のあるデータの取得を可能としております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、1,366億4千8百万円(前連結会計年度比13.6%増)であり、連結売上高に対する比率は9.8%(前連結会計年度比0.9ポイント減)であります。
当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
半導体製造装置 |
|
16.0% |
|
FPD製造装置 |
|
0.2% |
|
全社 |
22,093 |
5.4% |
|
合計 |
|
13.6% |
(注) 「全社」は報告セグメントに帰属しない基礎研究又は要素研究等に関するものであります。