当社の当連結会計年度(海外連結会社:2016年1月1日~2016年12月31日、国内連結会社:2016年4月1日~2017年3月31日)における海外事業は、引き続き欧米及び南米での商品ライセンス収入の減少が響き東南アジア、東アジア、中国市場のロイヤリティ収入増ではカバーしきれず、前期を下回りました。また、国内事業も天候不順に加え4月の中国政府による関税引き上げによる影響を受け、前期のインバウンドによる小売市場での活況の反動による減収が続きました。加えて、『モノ』から『コト』への消費動向が一層消費の先行き不透明感を与えております。
このような状況において、国内は好調な『コト』事業である多摩市のテーマパークやソーシャルネットワーク(SNS)、コミック、アニメーション、スマホアプリゲームを活用した『サンリオ男子』『ぐでたま』『アグレッシブ烈子』『SHOW BY ROCK!!』等の新分野へのキャラクター展開に加え、サンリオキャラクターの人気投票(第31回サンリオキャラクター大賞)で2年連続1位の『ポムポムプリン』、今期デビュー15周年を迎える『シナモロール』が人気を博し、収益に貢献しました。その結果、売上高は626億円(前期比13.5%減)、営業利益は69億円(同45.5%減)、経常利益は72億円(同44.9%減)と利益率の高い商品ライセンスの減少が響き減収減益となりました。税金等調整前当期純利益は、投資有価証券売却益6億円弱に加え新株予約権未行使による戻入益が1億円あり、79億円(同42.8%減)となりました。過年度所得に対する更正の決定により法人税等還付税額11億円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は64億円(同32.6%減)となりました。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当連結会計年度の対象期間は、2016年1月~12月であります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①日本:売上高461億円(前期比7.7%減)、営業利益54億円(同37.5%減)
前期の物販事業は、都心・首都圏における海外観光客の「爆買い」により好調に推移しましたが、昨年の4月8日の中国政府による関税の引き上げを契機に、海外観光客数は関西地域を中心に増加したにもかかわらず、客単価が低下し百貨店を始めとする小売業界の低迷を招きました。年明け以降はインバウンドによる消費が戻りつつある一方で、日本人による消費は長引く不景気感からの節約志向に加え『モノ』から『コト』への消費動向の変動が顕著に表れ減少傾向が続いております。このような状況下、国内全体ではテーマパークは活況でしたが、欧米子会社からのマスターライセンス料の減少や国内ライセンス事業の低迷もあり、減収減益となりました。
国内物販事業は、慢性的な節約志向による消費マインド低下の中、購買客数、購買額の減少が継続し、店頭販売は苦戦しました。本年15周年を迎えた『シナモロール』の記念商品や、「ゴディバ」「ルピシア」等のブランドコラボレーション商品、『おそ松さん』とのキャラクターコラボレーション商品が若年層に好評に受け入れられる等ヒット商品はありましたが、既存店店頭売上(直営店及び百貨店の当社直営ショップベース)は、前期比94.5%でした。店頭においては、お客さまへの商品特性の説明等丁寧な接客を促進しました。
国内ライセンス事業も、天候不順による衣料関係の低迷や、インバウンドの消費行動の変化による小売店や量販店、観光地でのお土産品の販売不調によるライセンシーの出荷の減速に加え、デジタルコンテンツの一服感により減収減益となりました。キャラクターでは『I'm Doraemon』『リトルフォレストフェロォ(愛称めろぉ)』『リルリルフェアリル』等の、新キャラクターや、『ポチャッコ』『タキシードサム』等の復刻キャラクター、『シナモロール』の15周年デザインを投入しました。商品ではカシオ計算機株式会社のBABY-Gや、江崎グリコ株式会社等、大手取引先菓子メーカーとのイースター企画が好調でした。加えて『おそ松さん』とのコラボレーション商品やキャラクターカフェ、イベントが収益に貢献しました。ライセンス商品では、フマキラー株式会社の虫除け商品、株式会社ディーエイチシーのサプリメントや化粧品、花王株式会社の生理用品等化粧品・医療品の好調に加え、新分野でのキャラクターライセンスとして、三井不動産リアルティ株式会社「三井のリパーク」の駐車場、個人向け貸倉庫業エリアリンク株式会社のコンテナ、川崎市バスや、株式会社はとバス等施設の空間、交通関係等新しい分野でのキャラクター利用による実績を重ねており、次期以降の市場の拡大により収益の改善に努めてまいります。
テーマパーク事業は、大分県のハーモニーランドでは、昨年4月14日に発生した熊本地震とその長引く余震の影響から県外客を中心に入園者数は減少しました。夏季には「ふっこう割」・「九州周遊ドライブパス」効果に加えプール人気により昨年実績を上回りましたが、上半期累計では前年を51千人(前年同期比19.7%減)下回る208千人でした。下期ではハロウィンイベント、サンリオサンクスパーティ等のイベントや、福利厚生企画商品等が奏功し、前年の集客を6千人上回り堅調に回復の傾向にあります。その結果、通期の入園者数は421千人と前期比で44千人減少(前期比9.5%減)となりました。営業損益は販売促進費、宣伝費等の減少はあったものの、入園者の減少に伴う売上高の減収により減益でした。
東京都多摩市のサンリオピューロランドは、前期スタートした男性出演者によるミュージカル「ちっちゃな英雄」や、パレード「ミラクルギフトパレード」が好評を継続し、リピーターが増加しております。この効果により年間パスポート売上が前期比20.8%増加しております。また、ハロウィン等の若者向けイベント効果もあり、学生のネット割引を利用した入園者が増加(前期比30.9%増)しました。その結果、入園者数は前期比151千人増加の1,204千人(前期比14.4%増)でした。営業損益は、開園時間の延長による経費増に加え、前期のパレード新作等の減価償却費、屋根の補修等の修繕関係費用の発生がありましたが、入園者の増加によるチケット、商品、飲食の各部門が2桁増収となりピューロランド単体で黒字(10期ぶり)に転換しました。
その結果、国内テーマパーク事業全体では、売上高は76億円(前期比5.1%増)、営業損失は2億円(同90百万円改善)でした。
②欧州:売上高29億円(前期比48.1%減)、営業損失3億円(前期は営業利益11億円)
欧州は、消費環境が厳しく減収減益となりました。ライセンス収入は主力のアパレル、玩具のカテゴリーが苦戦しましたが企業プロモーションは伸長しました。ロシア、中央アジア等一部の地域では増収となりましたが、欧州地域で主力の英国、フランス、ベネルクス3国、スペインで減収となりました。欧州市場は、依然としてテロの脅威や政治的な混乱による消費の低迷が続いておりますが、当社のアジア地域においての成功モデルであるキャラクターカフェや、企業販促にキャラクターを使用する広告化権ライセンス(企業プロモーションライセンス)によりキャラクター露出の促進を進める一方、ライセンシーと交渉するエージェントと戦略会議を欧州拠点で開催し、『ぐでたま』『ミスターメン リトルミス』を含めたキャラクターの多様化やブランド強化の戦略を共有しております。加えて欧州各地で開催されたコミックコンベンションに参加しキャラクターの認知を図りました。また、前期から欠員となっておりました現地ライセンス事業のCOOの後任者を採用し、来期の底打ち業績回復を目指します。
③北米:売上高40億円(前期比32.2%減)、営業損失5億円(前期は営業利益96百万円)
米国では、Eコマース拡大の一方でリアル店舗への来客が減少し店舗の退店が相次いでいる中、大手小売量販店における『ハローキティ』ライセンス商品の減少が続き減収減益となりました。ヤングアダルトをターゲットとしたブランド化粧品は好調でしたが、販売単価の高い大手量販店のキッズ向けアパレル、玩具、アクセサリーが低迷しました。『ハローキティ』に続くキャラクターとして『ぐでたま』が専門店で好評を得て、新たに専門店数社が商品の取り扱いを開始しましたが、本格的な商品の投入は2017年以降ということもあり『ハローキティ』の売上減少をカバーするまでには至りませんでした。P&GやOPI等のライセンス商品やハローキティ・カフェトラック、寿司チェーン等広告化権ライセンスが好評を得ております。また、『アグレッシブ烈子』が欧米のメディアで取り上げられ、サンリオキャラクターへの関心向上に寄与しております。今後、ミックスキャラクターブランド『hello sanrio』の推進により『ハローキティ』を含む『マイメロディ』『バットばつ丸』等の主力キャラクターの露出を増やすと同時に、『アグレッシブ烈子』『ぐでたま』のコンテンツを梃に収益の改善を図ります。
④南米:売上高9億円(前期比28.2%減)、営業利益1億円(同32.1%減)
南米地域は、主力地域であるメキシコ、ブラジルのアパレル、アクセサリー、バッグのカテゴリーが低調に推移し、家庭用品の伸長はあったものの減収減益となりました。国別では、アルゼンチンは2014年7月の国債デフォルト(債務不履行)による海外送金停止処置に伴い、現地エージェントとの取引を停止しておりましたが、一部エージェントとの取引再開によりペルーとともに伸長しました。一方、ベネズエラでは経済・政治環境の悪化に伴い現地ビジネスを停止しました。カテゴリーでは、家庭用品、家電が伸長しました。6月には中南米15か国でのマクドナルド社ハッピーミールを展開し前年比295%と好評でした。ブラジルでは大手通信教育業者の販促キャンペーンに4キャラクター『ハローキティ』『けろけろけろっぴ』『チョコキャット』『バッドばつ丸』が採用され認知度アップに貢献しました。懸案である『ハローキティ』以外のキャラクターの認知度アップには、12月にブラジルサンパウロで開催のコミックコンベンション等イベントへの参加やブラジルやメキシコのHello Kitty Channel、Gudetama Brasil等YouTube、InstagramのSNS活用によるキャラクター認知の拡大により有力ライセンシーを獲得し収益の改善を図ります。
⑤アジア:売上高87億円(前期比9.9%減)、営業利益30億円(同8.5%減)
香港・東南アジアでは、前年第2四半期より日本企画商品の売上が本社扱いへ移管されたことに加え、米国、中東への輸出の減少や大陸からの観光客のビザ発給制限により香港経済が低迷し物販売上は減収となりました。一方、ライセンス売上は食品、コスメ・化粧品、家庭用品等のカテゴリーがタイ、シンガポール、マレーシアで伸長しましたが、地域全体では減収減益となりました。しかし香港、タイで大手コンビニエンスストアでのキャンペーンに『ぐでたま』を採用した広告化権ライセンスが貢献しました。11月にはシンガポールで、ぐでたまカフェのオープンに始まり、冠キャラクターのマラソン大会をシンガポール、香港、インドネシアで開催し認知度の向上に寄与しました。また、世界初となる期間限定の『ハローキティ』のスーパーマーケットがYATAスーパーマーケットとしてオープンし好評を得ております。
韓国では、経済不況による消費環境の悪化に加え、ディストリビューターとの契約終了による売上の減少が響き減収となりました。カテゴリーでは、大手化粧品会社との『ぐでたま』のライセンス契約が貢献しコスメ・化粧品が3倍強の増加と好調でした。この好調を受け、『ぐでたま』のライセンス契約は北米を始めとした地域に拡大しております。加えてゲーム・ソフトウェアが好調な一方で、装飾品、文具、アパレルが不調でした。営業利益は、ライセンス営業体制の増員・事務所面積の増床やライセンスカンファレンス費用により販管費(人件費、使用資産費)が増加し減益となりました。『ぐでたま』の認知強化策として広告化権ライセンスの大手外食産業でのハッピーミールプロモーションが貢献しました。済州島のアミューズメントパーク「Hello Kitty Island」がオープン以来最高の入場者数を記録したことから、2号店をソウル市の人気観光施設 N Seoul tower内にオープンし好評を博しております。
台湾では、『ぐでたま』のライセンス収入が前期比50%増加し収益に貢献しました。商品化ライセンスに加え、台湾鉄道の車内広告や高雄での展示会等、広告化権ライセンスも好調でした。カテゴリーでは文具、アクセサリー、靴が低迷しましたが、アパレル、企業プロモーション、コスメ・化粧品が好調に推移しました。8年ぶりの政権交代により中国本土からの観光客の減少で景気に減速感もありますが、『ぐでたま』を中心に、コンビニエンスストア等流通系でのキャンペーン、前期の「ぐでたま展」に続く「ポムポムプリン展」、台南市の「ぐでたま田んぼアート」等のイベントや他社キャラクターとのコラボレーション、個性的な新キャラクター『アグレッシブ烈子』を発信し、常に話題を提供し飽きさせないことで収益の拡大を目指します。
中国では、政府の政策と金価格の上昇による宝石・金業界の低迷により、KTL社(香港法人 KT Licensing Ltd.及び中国法人 KT Licensing(Shanghai) Ltd. 以下「KTL社」)からのアクセサリーカテゴリーやアパレル、食品、企業特販の商品ライセンスが減少しましたが、家庭用品、靴、コスメ・化粧品、文具、家電は2桁の増収となりました。前年3月から世界最大の白物家電メーカーのライセンス商品が発売開始され、家電カテゴリーのライセンス収入が5割増しする等、カテゴリーの拡大に努めております。これらの結果、現地通貨ベースで増収増益を確保しました。また、懸案事項でした、KTL社とのマスターライセンス契約の再契約(2021年末まで)が締結に至りました。加えて、台湾、香港で人気の『ぐでたま』も、KTL社により中国本土で商品化ライセンスを今春より開始します。現地子会社、ディストリビューターそれぞれが中国本土での安定的な市場拡大を進めてまいります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より89億円増の300億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フローは、70億円の収入(前期比29億円の収入減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が79億円(前期比59億円減)、減価償却費が16億円、売上債権の減少額が13億円(前期比7億円の収入減)、法人税等の還付額が11億円であった一方、仕入債務の減少額が10億円(前期は2億円増)、法人税等の支払額が27億円(前期比25億円の支出減)であったこと等によるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フローは、87億円の収入(前期は63億円の支出)となりました。これは主に定期預金の預入払戻による差である75億円の収入(前期は39億円の支出)、投資活動その他の収支による16億円の収入(前期比6億円の収入増)に対し、固定資産の取得による支出11億円(前期比8億円の支出減)等によるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フローは61億円の支出(前期比134億円の支出減)となりました。これは主に、長・短借入金の借入返済の差額15億円の収入(前期は38億円の支出)に対し、配当金の支払額67億円(前期比微減)、社債の発行と償還の差額5億円の支出(前期比9億円の支出減)等によるものです。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
46,104 |
△7.7 |
|
欧州 |
2,917 |
△48.1 |
|
北米 |
4,025 |
△32.2 |
|
南米 |
912 |
△28.2 |
|
アジア |
8,736 |
△9.9 |
|
計(百万円) |
62,695 |
△13.5 |
(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サンリオの経営の基本方針
人間にとり最高の幸せの一つは「心から話し合える仲間をもつこと」です。仲間とは、親子、兄弟、夫婦、友人、恋人といった身近な存在から、学校や会社の同僚、そして世界中の人々にまで広がっております。それらの人々と仲良くしていくために大切なのは、相手を、信じ、尊敬し、愛する、そうした気持ちをまず自分から表現することだと思っております。これがサンリオを支える基本理念「ソーシャル・コミュニケーション」です。
サンリオは、これまで子供たちを始めとする世界中の全ての人々に“仲良し”の輪を広めようと考え「スモールギフト、ビッグスマイル」を合言葉にソーシャル・コミュニケーション事業を推進してきております。それは、思いやりの心を伝えるキャラクターの創出、それを活かしたギフト商品の企画・開発、及びコミュニケーション創造の場としてのテーマパークから成り立っております。とくに、テーマパークは、サンリオにとって、一番大切な当社の企業理念の具現化の場であり、キャラクターの世界観作りの場として、そして、商品・キャラクターの開発力の源泉としての経営の根幹を成しております。
これからもサンリオは、夢を感じる商品、友情を育てる空間、愛情溢れる人材を大切にし、誰にでも安心して喜んでいただく、豊かなコミュニケーションの世界を創り続けて行きます。
人々をつないで仲間をつくるため、子供から大人まで楽しめ人々の心を豊かにする商品・サービスを企画し、安全で高品質そして環境に優しいものを適切な価格でお客様に提供するように、徹底した管理体制を整備すること、これらを持続させることを通してサンリオは社会に貢献したいと考えます。
世界中の人々の人権を尊重して、反社会的な力に屈することなく、平和を愛しみんな仲良く幸せになれるような社会づくりに向け、お客様はじめステークホルダーの皆様と一緒になり役職員一同全力を尽くして努めてまいります。それが、世界中の誰もが認める「オンリーワン」の存在へとサンリオを導く道と信じます。
(2)目標とする経営指標と中期的な会社の経営戦略
①目標とする経営指標
当社はDOE10%以上を経営指標としております。
②中期経営計画について
前中期経営計画「新Project2015」の最終年度より2年間、中期経営計画の外部発表を行っておりませんでした。現在、中国におけるKTL社との5年間(2017年2月1日から2021年12月31日)のマスターライセンス契約を締結しましたので、欧州、北米地域における収益の下落の下げ止まりを以って新たな中期経営計画を発表する予定です。
(3)会社の対処すべき課題
長期的な成長視点に立って経営課題は以下のとおりであります。
①長期成長可能な事業の確立
当社は、スモールギフトビッグスマイルを標語としたギフト商品の企画・製造・販売を行ない利益を上げていくことが事業の柱であります。また、『ハローキティ』をはじめとしたキャラクターをブランドとして育て、他社にライセンスすることで事業を拡大してまいりました。その主たる要因は商品化権ビジネス、いわゆるプロダクトライセンスであり、キャラクターは『ハローキティ』、地域は欧米地域が中心でした。しかしながら、欧州は経済危機以降減収が続き、北米も急激な『ハローキティ』の拡大の反動により低迷しております。一方、アジアは緩やかではありますが成長を続けております。これは、アジアの収益は商品化権ビジネス(プロダクトライセンス)以外に広告化権ビジネス(企業向けプロモーションライセンス、カフェ、カラオケ店舗や航空機等のスペースデザインライセンス)とフランチャイズ化権ビジネス(店舗ライセンス)、興行権ビジネス(遊園地、水族館、劇場、テーマパーク等のエンターテイメントライセンス)が並立し、キャラクターも『ハローキティ』を始めとした主要な10キャラクターに加え、前期より『ぐでたま』が大人市場・男性市場にも浸透し、競合・補完し合っているからです。また、マーケットを熟知した優秀な現地マネージメントが常に市場の変化に合わせた経営を行っていることによります。したがって、アフリカ、ロシア、インド、アセアン、南米等のこれから開拓すべき市場と欧米市場の再成長は、サンリオのキャラクターライセンスビジネスを理解し、市場の変化にチャレンジできる現地マネジメントの採用が長期成長を確実なものにすると確信しております。
②ダイバーシティ・マネジメントの活用
当社は130の国と地域にキャラクタービジネスを展開しており、今後ますます地域が広がっていくと予想しております。また、キャラクタービジネスがお子様からお年寄りまで年齢に関係なくマーケットが広がっております。このような状況では、ダイバーシティの考えに根差した商品開発と企業との密接な協業が必須となる一方で、各地域、文化、思想で分断された戦略ではグローバルな人材と商品の流れ、流行への迅速な対応が困難です。そこで、グローバルに一体化した情報管理システムとダイバーシティ・マネジメントによるグローバルなマーケティング体制と連結グループ経営の確立が必須と認識しております。
③キャラクターポートフォリオの構築
キャラクターの開発、育成は、当社の根幹の課題であると認識しております。長期成長には『ハローキティ』『マイメロディ』『リトルツインスターズ』等主要なキャラクターに続く誰からも支持される長寿キャラクターの開発が重要である一方で、『ぐでたま』『KIRIMIちゃん.』『SHOW BY ROCK!!』に続く、新たな顧客の獲得に向けたチャレンジとしてSNSやメディア、ゲームを通じたキャラクター『アグレッシブ烈子』『サンリオ男子』の開発や、男性向けキャラクターの開発、そして『ミスターメン リトルミス』等のM&Aによるキャラクターミックスの適正な構築が必須であると確信しております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。なお、当該リスク情報につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループの事業上のリスクを全て網羅するものではありません。
(1)市場リスク
当社グループは、グローバルに事業展開していることから、当社商品を販売している各国、各地域の経済状況の影響を受けます。顧客にとって当社商品は、日常生活において必ずしも必要不可欠のものではないので、様々な市場の影響を受けて売上高につながらないことがあります。
(2)為替リスク
当社は、中国を中心として海外に7割程度の商品を発注しております。一方、海外売上高比率は約3割となり、営業利益の3割近くが海外地域で発生しております。そのほとんどは海外子会社におけるライセンス事業によるもので、その海外子会社の連結決算過程、またその他本社の外貨建て収支計上において為替変動の影響を受けております。このため外貨収支予測をして債権債務のポジション調整をしておりますが、これにより為替リスクを完全に回避できるとは限らず、また連結財務諸表の作成にあたって適用される為替換算レートにより、海外連結子会社の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費等連結財務諸表の各項目について、換算上の影響が生じます。そのことにより、業績に影響を与える可能性があります。
(3)新キャラクター開発力及び人材の確保等事業リスク
当社グループの売上高の大半はキャラクターが関与しております。当社は、キャラクターの開発、育成にあたって、短期の爆発的な人気を追うことよりも、長期安定的な人気を得る方針で、経営を行っております。また、常に新キャラクターの開発の努力を重ねております。しかしながら、各キャラクターの人気には移り変わりがあり、そのことにより業績が影響を受ける可能性があります。
当社のキャラクター開発は、原則として社員が担当しております。そして、開発されたキャラクターは、当社各部門の協力を得て市場に出ることとなります。この場合、著作権は全て当社に帰属します。なお、キャラクター開発部門の重要な人材の安定的な雇用につきましては、各種の動機付けを行う等万全を期しておりますが、雇用を長期に亘って持続できるとは限りません。そのことにより、当社のキャラクター開発力が低下する可能性があります。また、さらに従業員の他社移籍により、他社との開発競争に不利な影響を及ぼす可能性があります。
(4)不良品発生リスク
競合他社との価格競争に対抗すべく商品調達コストの削減をめざして、当社グループは、国内のみならず、中国を中心とした海外メーカーに商品を発注しております。各メーカーに対しては、当社指定の品質基準に従って製造・検品を行い、且つ商品部を通しての安全性や品質向上に向けて最善の注意をいたしております。しかし、不測の品質上の問題が発生した場合には、リコール費用やブランド力低下の影響から売上高の減少により、当社グループの財務状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害、事故によるリスク
当社グループは、国内2箇所でテーマパークを営業しており、災害や事故による人身への被害が起こる可能性があります。施設における耐震性確保等安全管理には万全を期しておりますが、予測不能な事態に対しては対応できるとは限りません。その場合において当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権についてのリスク
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また競業他社と差別化を図り優位性を保つため、知的財産権の確保及び保護のための体制を整備しております。しかしながら、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受けたりする可能性は排除できず、このような事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
契約会社名:㈱サンリオ(当社)
|
相手先 |
国名 |
業務提携契約の内容 |
契約期間 |
|
日本ケンタッキー |
日本 |
ケンタッキーフライドチキン店のフランチャイズ権の取得 |
自 平成26年12月1日 (自動更新) |
|
三菱商事㈱ |
日本 |
国内外における映像、アニメーション等のコンテンツの事業化 |
自 平成28年11月18日 (自動更新) |
|
セガサミーホールディングス㈱ |
日本 |
包括的業務提携基本契約 |
自 平成28年4月27日 (自動更新) |
契約会社名:Sanrio,Inc.(在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
業務提携契約の内容 |
契約期間 |
|
Neko World, Inc. |
米国 |
ソーシャル・コミュニケーション商品の製造販売権の再許諾、電算システム・物流システム等の業務受託 |
「毎月自動更新」 |
契約会社名:㈱サンリオファーイースト(国内連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
業務提携契約の内容 |
契約期間 |
|
The Andy Warhol Foundation |
米国 |
「Andy Warhol」の日本・韓国・香港におけるライセンス代理店契約 |
自 平成23年9月1日 |
契約会社名:㈱サンリオ(当社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
モリリン㈱ 他1,026社 |
日本 |
特定の製品等に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の許諾
|
原則として 契約締結日から満1年 (更新可能) |
|
Jean Cultural&Creative CO.,Ltd. 他35社 |
台湾他 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の許諾 |
原則として 契約締結日から満2年 又は満1年 (更新可能) |
契約会社名:Sanrio,Inc. (在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
American Greetings |
米国 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の再許諾 |
原則として 契約締結日から満2年 (更新可能) |
契約会社名:Sanrio Do Brasil Comercio e Representacoes Ltda. (在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
Johnson&Johnson |
ブラジル、チリ他 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の再許諾 |
原則として (更新可能) |
契約会社名:Sanrio Wave Hong Kong Co.,Ltd. (在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
Daniel& Co.(Gift)Ltd. |
香港、タイ他 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の再許諾 |
原則として 契約締結日から満1年 (更新可能) |
契約会社名:三麗鴎股イ分有限公司(在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
長榮航空股イ分有限公司 |
台湾 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の再許諾 |
原則として 契約締結日から満1年 (更新可能) |
|
|
契約会社名:Sanrio GmbH (在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
H&M HENNES & MAURITZ GBC ABATT. LICENSSTUDIO |
英国、イタリア他 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の再許諾 |
原則として 契約締結日から満1年 (更新可能) |
契約会社名:三麗鴎上海国際貿易有限公司 (在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
使用許諾契約の内容 |
契約期間 |
|
上海世茂旅游發展有限公司 |
中国 |
特定の製品に対して当社特定デザイン・キャラクターを使用する権利の再許諾 |
原則として 契約締結日から満1年 (更新可能) |
|
KT Licensing Ltd. 及びKT Licensing (Shanghai) Ltd. (平成29年3月31日現在) |
中国 |
サンリオキャラクターのデザインされた商品を中国において製造・販売、及び他社へライセンスする権利の再許諾 |
自 平成29年2月1日 |
契約会社名:Sanrio,Inc. (在外連結子会社)
|
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
Data Safe |
米国 |
オフィス及び倉庫スペースの賃貸 |
契約締結日から満5年から満10年 (更新可能) |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載のとおりですが、特に以下の事項に関する会計方針及び見積りが当社グループの連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
有価証券の減損について
当社グループは継続的な取引関係維持と株主価値向上を目指して、一部のお取引先と株式を相互に保有しております。また、今後の取引の発展性を期待して当社グループが一方的に保有している株式があります。これら全てを投資有価証券勘定において長期目的で保有しておりますが、時価会計適用により、これらの株価の変動が連結貸借対照表の純資産の部に影響を与えます。因みに、当連結会計年度末におけるその他有価証券評価差額金は△1億円です。
その他有価証券の減損処理にあたっては、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合に「著しく下落した」とみなして減損処理を行っております。また、30%以上50%未満の下落については、個別銘柄毎に当期における有価証券の時価の推移、発行会社の財務諸表の検討等を行い、内規に基づき「著しく下落した」と判断した場合には、減損処理を行っております。
当連結会計年度末の総資産は1,013億円で前期末比45億円減少しました。資産の部の主な減少項目は、受取手形及び売掛金17億円、投資その他の資産のその他15億円、繰延税金資産(固定資産)9億円です。負債の部は482億円で前期末比28億円減少しました。主な増加項目は有利子負債10億円です。主な減少項目は、支払手形及び買掛金11億円、退職給付に係る負債23億円でした。純資産の部につきましては、530億円と前期末比で16億円減少しました。主な増加項目は退職給付に係る調整累計額による14億円、主な減少項目は為替換算調整勘定30億円です。また、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益による64億円の増加に対して配当金の67億円の支払いにより3億円減少しました。自己資本比率は52.2%で前期末比0.8ポイント上昇しました。
「1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。