第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①財政状態

当中間連結会計期間末の総資産は1,717億円で前連結会計年度末比156億円増加しました。資産の部の主な増加項目は現金及び預金96億円売掛金25億円商品及び製品9億円未収入金8億円、有形固定資産その他(純額)3億円退職給付に係る資産5億円繰延税金資産8億円です。

負債の部は870億円で前連結会計年度末比40億円減少しました。主な増加項目は支払手形及び買掛金13億円、契約負債12億円賞与引当金2億円、減少項目は長短借入金及び社債(1年内償還予定社債を含む)41億円、流動負債のその他9億円未払法人税等2億円、固定負債のその他16億円です。

純資産の部につきましては、846億円と前連結会計年度末比で197億円増加しました。主な増加項目は利益剰余金156億円為替換算調整勘定41億円です。

自己資本比率は49.0%で前連結会計年度末比7.6ポイント増加しました。

 

②経営成績

当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善に加えインバウンド需要の高まりにより、一部に足踏みが残るものの緩やかに回復いたしました。一方で、世界的な金融引き締めによる景気への影響や中国経済の先行き懸念、中東情勢の緊迫化など、依然として先行きが不透明な状況が継続しております。

このような状況のなか、当社グループは3ヵ年の中期経営計画「不確実な成長から、安定・永続成長へ」(2025年3月期~2027年3月期)につき、「マーケティング・営業戦略の見直しによるグローバルでEvergreenなIP化」「グローバル成長基盤の構築」「IPポートフォリオ拡充とマネタイズの多層化」を3本の矢と称し、各々の主要施策を推し進めております。

国内の店舗・テーマパークは、50周年を迎える『ハローキティ』の様々な施策や、人気投票イベント「2024年サンリオキャラクター大賞」が過去最多となる5,707万票を集めるなど話題を集め、国内客および外国人観光客が大幅に増加し、売上高を押し上げました。また、国内外のライセンス事業は複数キャラクター戦略の好調継続により、既存ライセンシーの商品展開が増加するなど売上高の伸長に寄与いたしました。重点地域と位置づけている北米と中国は各種施策が好調に推移し大幅増収・増益となりました。

なお、サンリオグループ共通の会員サービス「Sanrio+」の会員数は2024年9月末現在で約224万人となりました。

連結営業損益に関しては、増収に加え、ライセンス事業の売上構成比の増加による収益性の向上、そして販売費及び一般管理費が当初計画を下回ったこと等により、大幅増益となりました。

以上の結果、売上高は628億円(前年同期比43.0%増)営業利益は235億円(前年同期比77.3%増)、経常利益は241億円(前年同期比70.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は190億円(前年同期比81.6%増)となりました。

なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当中間連結会計期間の対象期間は、2024年1月~6月であります。

 

ⅰ.日本:売上高387億円(前年同期比22.1%増)営業利益165億円(前年同期比72.0%増)

1.物販事業・ライセンス事業

物販事業は、店舗運営、卸売などの各販路の客数増が売上高の増加に寄与いたしました。特に、インバウンド需要の高まりをうけ、海外からのお客様が増加しており、店舗における外国人観光客の売上高シェアが大きく伸長いたしました。50周年で注目を集める『ハローキティ』だけでなく、『クロミ』や『マイメロディ』、『シナモロール』など複数のキャラクターが人気を博し、ぬいぐるみやマスコットホルダー、キーホルダーなどの自家需要が増加しております。また、国内のお客様も増加しており、人気投票イベント「2024年サンリオキャラクター大賞」(4/11~5/26)は、総得票数が過去最多となる5,707万票を記録いたしました。なお、大幅に増えた客数に対応するため、レジ台数を増設するなど利便性向上にも務めております。

ライセンス事業は、複数キャラクター戦略が好調に推移し、既存ライセンシーのリピート率向上や展開増に加え、新規ライセンシーの獲得も進み、全カテゴリーが前年実績を大きく上回りました。50周年を迎える『ハローキティ』の売上高が前年2倍以上となるとともに、『シナモロール』や『クロミ』などの他キャラクターによる案件獲得も増加いたしました。商品別でみると、インバウンド需要の高いお土産品や和柄物、幅広い世代に人気のカプセルトイに加え、他社人気キャラクターとコラボし大手アパレルブランドで販売したTシャツが話題を集めました。また、大手外食チェーンや食品メーカー、商業施設などのプロモーションとしてもご活用いただきました。

営業損益は、売上高の大幅増により大きく伸長いたしました。

 

2.テーマパーク

サンリオピューロランド(東京都多摩市)は、今年7月にニューオープンしたシアターアトラクション「シナモロールの小さな大冒険」や昨年6月に3年ぶりに再開した同施設最大の人気エンターテイメント「Miracle Gift Parade」などが注目を集め、国内外からの来園客数が増加し売上高を押し上げました。また、新規イベント「PUROSPRINGPARTY」(4/12~6/4)や6年ぶりに再開した七夕イベント「Mignon fuwafuwa matsuri」(6/7~7/9)などのシーズンイベントが人気を博すとともに、これらのイベントと連動した限定商品や食事メニューも好調に推移いたしました。50周年の『ハローキティ』関連の商品も引き続き人気を集め、売上高の増加に貢献いたしました。

営業損益は、売上高の増加、販売費及び一般管理費の抑制によりに大幅増益となりました。

ハーモニーランド(大分県)は、新規イベント「Heartful spring Days」(3/22~6/4)や「nakayoku birthday ハローキティとjoin hands」(7/1~)などが集客に貢献し、これらのイベント関連商品が人気を博しました。一方で、地震や台風10号などの自然災害や長引く猛暑の影響で7~8月の入園客数が落ち込みました。

営業損益は、自然災害などにより売上高の伸びが鈍化し、不足していた人員体制の強化や修繕などにより販売費及び一般管理費が増加したことで減益となりました。

 

ⅱ.欧州:売上高19億円(前年同期比76.2%増)営業利益4億円(前年同期比158.8%増)

ライセンス事業は、イギリスや東欧の大手ファストファッションブランドとの取り組みが継続したアパレルカテゴリー、グローバル展開のブランドと引き続きコラボレーションしたフットウエアカテゴリーが好調に推移いたしました。玩具カテゴリーは、EMEA全域で展開したコレクタブルな商品が人気を博しました。また、アクセサリーカテゴリーも好調に推移するなど様々なカテゴリーが前年実績を上回りました。

営業損益は、売上高の増加に伴い営業利益も拡大いたしました。

 

ⅲ.北米:売上高98億円(前年同期比139.9%増)営業利益21億円(前年同期比71.1%増)

ライセンス事業において、アパレル、玩具、ヘルス&ビューティーカテゴリーが売上高の増加に貢献いたしました。アパレルカテゴリーは、既存ライセンシーとの取り組みによりスペシャリティストア(専門店)での複数のキャラクター展開が増加するとともに、50周年を迎える『ハローキティ』をフックにマス市場(量販店など)での取り扱いが拡大いたしました。玩具カテゴリーは、大手玩具メーカーとの取り組みにより、人気継続中のぬいぐるみに加えフィギュアやキーチェーンなども好調に推移し売上高を押し上げました。ヘルス&ビューティーカテゴリーは、人気ブランドとの取り組み継続により伸長いたしました。また、デジタルカテゴリーは、大手プラットフォームのゲームコンテンツにて、定期的にイベントを行うことでコンテンツを活性化させ、アクセス数を伸ばすなどサンリオファンの裾野を広げております。

その他にもYouTubeでのオリジナルアニメーションの配信やプロスポーツリーグのMLB(野球)などとの協業イベントの実施、『ぐでたま』カフェや『ハローキティ』カフェオープンなどによる顧客接点強化に努めております。

営業損益については、売上高の大幅伸長により、大幅増益となりました。

 

ⅳ.南米:売上高億円(前年同期比85.4%増)営業利益2億円(前年同期比164.0%増)

南米全体では、ライセンス事業において、ヘルス&ビューティー、アパレル、文具、企業特販カテゴリーが好調に推移いたしました。

メキシコは、衛生商品が好調のヘルス&ビューティーカテゴリー、通学バッグが人気のバッグカテゴリー、バーガーショップ(2023年12月)やハローキティカフェ(2024年5月)などの新たなタッチポイントが増加した企業特販カテゴリーが好調に推移いたしました。ブラジルは、食品カテゴリーやアパレルカテゴリーなどが好調に推移いたしました。『ハローキティ』の50周年イベントや様々なキャラクターのイベントを行うなど、認知度向上に努めております。ペルーは、通学バッグの需要が増加したバッグカテゴリー、複数のキャラクターがデザインされたデビットカードが好調に推移した企業特販カテゴリーが売上を牽引いたしました。チリはノートなどの文具カテゴリーが注目を集めました。

営業損益については、売上高の大幅伸長により営業利益が増加いたしました。

 

ⅴ.アジア:売上高115億円(前年同期比75.1%増)営業利益52億円(前年同期比83.8%増)

中国は、ライセンス事業において、トイ&ホビー、企業特販、家庭用品カテゴリーが好調に推移いたしました。また、キャラクターワイド展開が奏功しており、『ハローキティ』だけではなく『クロミ』や『シナモロール』などの他キャラクターも売上高を牽引いたしました。リテール事業においては、フランチャイズの新店舗オープンやECの新規チャネル開拓により、顧客とのタッチポイントが増え、売上高の増加に貢献いたしました。

韓国は、ライセンス事業において、新規案件獲得が売上高の増加に寄与いたしました。特に、大手通信会社とコラボした『シナモロール』の子供用携帯電話や『ハローキティ』のコスメが人気を博したヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移いたしました。また、ソウル市内で開催した「ハローキティ50周年展(4/13~8/13)」は、Z世代を中心に連日盛況で、当初想定を大きく上回る約20万人の方にご来場いただきました。

台湾は、ライセンス事業において、玩具、文具、ヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移し、売上高増に貢献いたしました。また、複数キャラクター展開が奏功し、『ハローキティ』以外のキャラクターの売上が増加いたしました。特に『クロミ』の人気が高まり、売上高が大きく伸長いたしました。

香港・マカオ地区は、ライセンス事業において、マカオのリゾート施設との複合的なプロモーションにより、企業特販カテゴリーが売上高を牽引いたしました。

東南アジアは、ライセンス事業において、大手コンビニエンスストアとの取り組みが好調なタイに加え、今期より開拓を強化しているインドネシアが売上高を牽引いたしました。カテゴリー別ではヘルス&ビューティーが売上高の増加に寄与いたしました。

営業損益については、アジア各国における全体的な売上高の伸びが牽引し、増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比191億円増870億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは141億円の収入(前年同期比55億円収入増)となりました。これは、税金等調整前中間純利益241億円(前年同期比94億円増)、減価償却費10億円(前年同期比1億円増)、売上債権の増加額が15億円(前年同期比3億円収入増)、仕入債務の増加額が12億円(前年同期比5億円支出増)、その他の負債の減少額が11億円(前年同期比9億円支出減)、法人税等の支払額88億円(前年同期比64億円支出増)等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは105億円の収入(前年同期は10億円の支出)となりました。これは、定期預金の預入払戻による差である111億円の収入(前年同期は5億円の支出)、有形固定資産の取得売却の差額11億円の支出(前年同期比5億円支出増)、投資有価証券の取得売却の差額10億円の支出(前年同期は8億円の収入)等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは80億円の支出(前年同期は25億円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出39億円(前年同期比3億円支出減)、配当金の支払額34億円(前年同期比18億円支出増)等によるものです。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。