文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
社是「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」に基づく経営理念のもとに、独立系技術商社として市場動向を的確に捉え、グローバルネットワークを活用して顧客への「最新の情報」「価値を生む商品」そして「安全安心を保証するサービス」を提供し続け、提携メーカーとの協業により、産業の振興、社会の繁栄に奉仕してまいります。
(2)経営戦略等
顧客密着型の営業戦略をさらに進化させるために国内外の組織体制を見直すとともに、以下の戦略を実行することによって収益力の向上を図ってまいります。
・商品戦略:仕入先メーカーと戦略的パートナーシップを深め、積極的な拡販活動に取り組みます。
・技術戦略:独自技術を有する企業とのアライアンスを通じて、高付加価値の新商品の開発と拡販を進めます。
・海外戦略:インド等へ生産移管を進める顧客への支援体制を整え、現地代理店としての営業基盤を確立します。
また、「SDX(サンワDX)」の策定と推進により業務の効率化を図り、業況の早期回復と収益性の拡大に向けた体制を構築し、さらに、脱炭素化を目指す世界的な課題に対しては、当社の「Mission GX」の推進を通じて、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2028年3月期営業利益100億円達成を前提とし、2023年3月期から2025年3月期までの3ヶ年を対象とする第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」の最終年度営業利益70億円達成を経営目標としておりますが、顧客の在庫過多による手配調整が継続されること、中国経済の景気減速や地政学的リスクの不透明感が残る状況より、2025年3月期の連結業績予想(営業利益)は30億80百万円を見込んでおります。
(4)経営環境
世界経済及び当社グループの関連している産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界は、今後とも先行き不透明な状況が続くものと予測されるなか、さまざまな産業分野で技術の多様化とグローバル化が急速に進展する時代の変化に対応してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、業容の拡大及び収益性の向上に加え、グローバルな独立系技術商社として、昨今の厳しい経営環境下でも、その環境に即応できる人材の育成と組織の構築が重要課題と認識しております。
収益性の向上につきましては、お取引先様の信頼と満足を得られるよう、国内外の子会社とのネットワークを駆使するとともに、技術力・提案力を活かし、高品質・高付加価値の商品と技術そしてソリューションを提供すること、更に、DXの活用で業務の効率化を図り、コスト削減を推進するなど、徹底して収益力の強化を進めてまいります。
また、人材育成につきましては、人事制度及び教育制度の更なる充実を図り、価値観の多様化に対応できる自立型人材及び海外事業の展開に対応する人材の育成を推進してまいります。加えて、CSR(企業の社会的責任)を強く意識し、社会や地球環境との調和に努め、コンプライアンスの徹底をはじめ内部統制システムを更に推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティ基本方針
私たちサンワテクノスグループは社業を通じて社員の育成を図るとともに、地球環境や、社会課題への対応を経営方針の最重要事項のひとつとして捉え、「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」の社是のもと、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値の向上」の2つのサステナビリティの実現を目指します。
2.サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)
当社ではSDGsの目標達成に貢献することに重点をおいたマテリアリティを特定していましたが、サステナビリティの視点で見直しを行い経営戦略との連動を図っております。
<サステナビリティ5つの重要課題>
(1)社会を支えるテクノロジーとエンジニアリングの提供
(2)地球環境の保全
(3)健康で安心・安全な暮らしへの貢献
(4)多様な人材の育成と活躍推進
(5)持続的成長を支える経営基盤の更なる強化
3.ガバナンス
当社では、サステナビリティに関連する重要事項等の検討・審議については取締役会の諮問機関として代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会にて行い、オブザーバーとして監査等委員及び社外取締役が出席しております。
また、サステナビリティ推進体制として、サステナビリティに関連する重要なリスク・機会を特定し、解決に向けた取り組みを管理・推進する専任組織として経営管理部内にサステナビリティ推進課を設置しております。サステナビリティ基本方針と各部門の事業戦略の整合を確認し、サステナビリティ委員会へ報告する体制としております。
4.戦略
(1)社会を支えるテクノロジーとエンジニアリングの提供
現在、当社は、2023年3月期から2025年3月期までの3ヶ年を対象とする第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」を進めています。
「イノベーションが求められる成長分野への注力」「より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供」「サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献」を基本方針に掲げ、グローバルサプライチェーンのプロフェッショナルとして“つながり”と“信頼”でものづくりの未来を支えます。グローバルネットワークを活かし、最新の技術提案と最適な製品の提供で持続可能な社会の発展に力強く貢献してまいります。
「社会を支えるテクノロジーとエンジニアリングの提供」に関する当社取り組みの詳細につきましては、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.sunwa.co.jp/sustainability/service.html
(2)地球環境の保全
当社は、独立系技術商社としてお客様の環境に関するニーズを的確につかみ、環境にやさしい商品を優先的に販売します。また、省エネルギー、省資源および廃棄物の低減に積極的に取り組み、地球温暖化防止に貢献します。
<TCFD提言に基づく開示>
当社は、2022年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアムに参画いたしました。
TCFD提言に沿った情報はウェブサイトにて開示しております。今後も、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、開示の質と量の充実を図ってまいります。
「地球環境の保全」に関する当社取り組みの詳細につきましては、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.sunwa.co.jp/sustainability/environment.html
(3)健康で安心・安全な暮らしへの貢献
当社は、人類がいきいきと健全に活躍していくことが企業の発展につながるものと考え、「健康づくり」を推進し、豊かな社会づくりに貢献します。
<社内環境整備方針>
当社は、社員が心身ともに健康であることこそが会社の発展、社会貢献につながるものと認識しております。ワークライフバランスを推進し、社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、快適に働くことができる職場環境の整備に取り組んでいます。
「健康で安心・安全な暮らしへの貢献」に関する当社取り組みの詳細につきましては、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.sunwa.co.jp/sustainability/contribution.html
(4)多様な人材の育成と活躍推進
当社は、女性・外国人・中途採用者の管理職の登用等、多様な価値観の中核人材の存在は、会社の持続的な成長を確保する上で強みとなると認識しております。中長期的な企業価値の向上にむけ、性別、国籍等の属性に依ることなく採用及び登用を今後も継続的に進めてまいります。
<人材育成方針>
サンワテクノスの財産は「人材」に尽きます。「自らチャレンジし、自己実現に向けて努力する社員」を育成します。多様な人材の活躍を支援し、働き方改革を推進するとともに社員一人ひとりの個性を尊重し強みを活かすことができる環境づくりに取り組んでいます。
「多様な人材の育成と活躍推進」に関する当社取り組みの詳細につきましては、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.sunwa.co.jp/sustainability/employee.html
(5)持続的成長を支える経営基盤の更なる強化
当社は、コーポレートガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底を図りながら迅速かつ適切で公平な情報開示を継続して行うことで、健全性・効率性・透明性の高い経営の実践に努め、企業価値の向上と社会の発展に貢献できる企業を目指しております。
「持続的成長を支える経営基盤の更なる強化」に関する当社取り組みの詳細につきましては、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.sunwa.co.jp/sustainability/governance.html
5.リスク管理
当社では、リスク管理を経営の重要課題の一つと捉え強化に取り組んでおり、リスク管理全般に関わる重要事項を検討する機関としてサステナビリティ委員会を設置しております。当委員会は原則年2回開催し、シナリオ分析を行い、リスクを定性・定量の両面で総合的に評価し、優先順位の高いリスクを選定しております。重要リスクについては、取締役会に報告し重要リスクの状況や見直しを審議し、最終的なマテリアリティ(重要課題)としております。
マテリアリティ(重要課題)については、取締役会にて、現在の対応状況の進捗確認や見直し等を行い、適切にリスクを管理することで、全社的なリスク管理体制の構築、維持、向上を図っております。
6.指標と目標
(1)第11次中期経営計画(2022年度~2024年度)
当社は、第11次中期経営計画より最重要経営指標を「連結営業利益」とし、2024年度の連結営業利益目標を70億円としております。
■連結営業利益目標の進捗
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2022年度 |
2023年度 |
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目標値:2024年度までに連結営業利益70億円 |
76億円 |
62億円 |
(2)「環境負荷低減」と「販売を通じた環境貢献」
当社は、気候変動が及ぼす当社事業への影響を評価・管理するために、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を指標として、2030年度までに20%削減(2020年度比)することを目標に設定しております。
また、「脱炭素社会へのアプローチ(Sunwa Decarbonized society Approach) 」の取り組みにより、環境にやさしい商品の販売を通じて2050年度までに当社温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)の100倍以上(2020年度比)の排出削減効果をもたらすことを目指し、リスクの低減とともに機会の最大化に向けた活動を推進しております。
■削減目標の進捗
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(ご参考) |
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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Scope1+2 2020年度排出量 (t-CO2e)
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Scope1+2 (t-CO2e) |
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<目標値> 2030年度までに20%削減 |
4.2%増加 |
2.9%削減 |
6.7%削減 |
■商品の販売を通じた排出削減効果目標の進捗
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(ご参考) |
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2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
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Scope1+2+3 2020年度排出量 (t-CO2e)
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削減貢献量 (t-CO2e) |
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<目標値> 2050年度までに100倍 |
0.86倍 |
1.50倍 |
1.94倍 |
(3)女性管理職割合
当社は、女性社員の管理職・役員への登用を目指し、教育研修制度を拡充することで女性社員の育成を行っております。女性管理職割合については、2030年度までに10%以上にすることを目標としております。
■
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2022年4月時点 |
2023年4月時点 |
2024年4月時点 |
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目標値: |
7.1% |
8.3% |
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(1)当社のリスクマネジメント体制
当社では、リスク管理を経営の重要課題の一つとして捉え強化に取り組んでおり、サステナビリティ委員会にてシナリオ分析を行い、リスクを定性・定量の両面で総合的に評価し、優先順位の高いリスクを選定しております。重要リスクについては、取締役会に報告し重要リスクの状況や見直しを審議し、全社的なリスク管理体制の構築、維持、向上を図っております。
(2)事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経済動向・市場環境
当社グループは、半導体及び液晶製造装置等に使用されるサーボモータ、リニアモータなどのメカトロ製品を販売する電機部門、自動車関連・デジタル家電・パソコン・携帯情報端末等の分野に使用される電子部品を販売する電子部門、半導体関連製造設備・液晶検査装置・クリーンロボット及び産業用ロボットを販売する機械部門から成る独立系技術商社であります。その需要先は主に産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界であるため、当社グループの業績は、この業界の需要動向、並びに設備投資動向に影響を受けます。
当社グループでは、第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」の最終年度を迎えております。最終年度である2025年3月期は営業利益70億円の達成を目標としておりますが、顧客の在庫過多による手配調整が継続されていること、また、中国経済の景気減速や地政学的リスクの不透明感から2025年3月期の営業利益は30億80百万円と、営業利益目標である70億円を39億20百万円下回る見込みです。
このような状況を踏まえて、顧客密着型の営業戦略をさらに進化させるために国内外の組織体制を見直すとともに、商品戦略・技術戦略・海外戦略の3つの戦略を実行することによって収益力の向上を図ってまいります。
②主要な取引先との関係
当社グループの仕入先は多岐にわたっておりますが、主要な仕入先である株式会社安川電機からの連結ベースによる仕入高割合は、2022年3月期において9.4%、2023年3月期において8.8%、2024年3月期において6.6%となっております。したがって、株式会社安川電機の経営方針及び販売政策に変更等があった場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、引き続き主要仕入先との取引関係維持・強化を図り、パートナー企業として協業し、顧客へ安全・安心のサービスを提供してまいります。
(単位:百万円)
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仕入品目 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
|||
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金額 |
割合 |
金額 |
割合 |
金額 |
割合 |
||
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㈱安川電機 |
制御機器、各種モータ、 サーボ機器、各種ロボット |
13,119 |
% 9.4 |
14,428 |
% 8.8 |
9,506 |
% 6.6 |
③為替・金利変動
当社グループは、グローバルに事業を展開し、外貨による取引が含まれております。今後も海外シェア拡大を進めており、大幅な為替レートの変動があった場合は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、運転資金につきましても一部を金融機関から調達しており、金融機関からの調達金利が上昇した場合は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、為替予約や金利スワップ等を利用してリスクを低減するように努めております。
④人材確保・育成
当社グループは、産業用メカトロニクス・エレクトロニクス業界向けに製品を販売しており、多岐にわたる取引先や取扱商品に関しての様々な知識や豊富な経験を持った人材こそが経営資源であり、その採用や教育を継続的に推進していくことが重要であると認識しております。事業発展のための優秀な人材の確保及び雇用の維持ができなくなった場合には、今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、新卒採用に限らず、中途採用についても採用活動の強化に努めるとともに、人材育成方針に基づき各現場でのOJT教育をはじめ、階層別研修を軸に、グローバル人材の育成、担当業務に応じた技能研修、ビジネススキルアップなど多様な切り口から「人を創る」教育制度の充実を図っております。また、社内環境整備方針に基づき社員一人ひとりの人権を尊重し快適に働くことができる職場環境を整備することで、優秀な人材の確保・育成に取り組んでおります。
⑤コンプライアンス・法規制
当社グループは、事業を遂行する上で各種法令を遵守し、また全社員がコンプライアンスに対する理解度を深め、実践していくため、コンプライアンス委員会を設け内部管理体制の強化を図るとともに、専門分野に精通した弁護士や監査法人のアドバイスを適時受けることで、一層の充実化を図っております。しかしながら、近年、訴訟に対する意識が変化し、世の中の趨勢として訴訟事件も増加してゆく傾向にあると思われ、事業を遂行する上で訴訟を提起されるリスクが考えられます。当社グループが訴訟を提起された場合、また訴訟の結果によっては、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報セキュリティ
当社の事業活動における情報セキュリティリスクとして、システムへの不正アクセス、従業員の操作ミスによる機密情報・個人情報の外部流出、サプライチェーン上の脆弱性をついたサイバー攻撃によるシステムやデータの損傷及び身代金目的による暗号化、マルウェアの侵入、オフィスやデータセンタへの不正侵入や盗難等が生じる可能性があります。
このようなリスクに対し、当社では「情報セキュリティ管理規程」を整備の上、不正アクセス・情報漏洩対策として、ソフトウェアの脆弱性に対する定期的なパッチの適用、信頼性の高いファイアウォールの導入、EDR機能を備えたウイルス対策ソフトの導入と監視体制の整備、適切なアクセス権限の付与・管理、PC内データや通信の暗号化、USBメモリの使用禁止、サーバデータの二重化を行っております。加えて社内教育及び自己点検等を定期的に実施しております。
⑦製造物・品質責任
当社グループでは、仕入先との関係を強化し、品質や信頼性の維持に努めておりますが、当社取り扱い商品の品質不良などにより得意先から求償を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
品質不良については、仕入先を含めた得意先との協議により求償金額の軽減やメーカからの補填を受けるよう努めており、また、海外からの輸入品も含めた商品の欠陥に備えて製造物責任保険(PL保険)に加入し、損失の軽減を図っております。
⑧在庫
当社グループでは、商社の重要な機能として顧客への安定供給を目的とした一定水準の在庫を保有しております。顧客の生産計画の変更、所要見込みの減少により、滞留在庫又は過剰在庫となった場合、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。加えて、棚卸資産の廃棄損や評価損を計上する場合には、業績及び財務状況に影響する可能性があります。
このようなリスクに対して当社では「在庫管理担当部門」を業務本部内に設置し、各部署の「在庫管理専任担当者」と定期的に会議を実施の上、各部署の適正在庫目標を定めて進捗を確認しております。リスク軽減の主な活動として、顧客との取り決め内容の確認や生産計画に変更があった場合は、仕入先への発注数や納期調整の実施又は顧客との交渉により滞留在庫及び過剰在庫防止に取り組んでおります。また、在庫運用スキル向上のため、階層別に「在庫運用教育研修」を実施してリスク軽減に努めております。
⑨気候変動・自然災害
当社グループが置かれた事業環境においても、異常気象の激甚化などの気候変動の影響を受ける可能性、あるいは脱炭素化に関するビジネスへの対応の遅れなどにより業績へ悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、気候変動問題をサステナビリティ経営における重要課題と認識し、サステナビリティ委員会主導で重点的に取り組みを進めており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みをもとに気候変動が当社に与える影響をリスクシナリオ別に定性・定量の両面で総合的に評価し、対策及び情報公開に努めております。また、パリ協定目標にも整合する施策として、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を2030年度までに20%削減(2020年度比)することに加え、脱炭素化をビジネスの機会と捉え、環境にやさしい商品の販売を通じて2050年度までに温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)の100倍以上(2020年度比)の排出削減効果をもたらす取り組み「Sunwa Decarbonized society Approach」を策定し、リスクの低減とともに機会の最大化に向けた活動を推進しております。
⑩カントリーリスク・地政学リスク
当社グループは、国内のみならず海外14法人(34拠点)に事業展開しており、今後においても海外への事業展開を図る方針であります。そのため、関係する諸外国の予期しない政治・経済・社会の変動や法律・税制の改正、テロ等による治安の悪化が起きた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グルーブでは、海外子会社を担当する部門において、現地責任者と連携し、定期的に現地の最新情報を収集しており、テロ等の有事の際には、「危機管理規程」の定めに従って対策本部が設置され、迅速な情報収集と適切な対応が実現できる体制を確立しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、企業の設備投資の増加が見られましたが、個人消費の減少や各国の景気減速により経済成長は鈍化しました。世界経済については、各国の金融引き締めが続いたことや地政学的なリスクの高まりにより、経済成長が減速しております。中国では輸出の減少や不動産市場の低迷により、景気は停滞しました。アメリカでは、設備投資の減少が見られる中で個人消費が堅調に推移し、景気を下支えしました。
当社グループの関連しております産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界におきましては、再生可能エネルギー関連や省人化を目的とした設備投資が堅調に推移した一方、半導体関連の設備投資は減少しました。また、昨今の需給逼迫状況が解消したことで顧客の在庫過多による手配調整が続き、需要は伸び悩みました。
このような環境の中、当連結会計年度の業績は、売上高1,661億38百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益62億15百万円(前年同期比18.5%減)、経常利益66億31百万円(前年同期比13.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益50億7百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
部門別の業績は次のとおりであります。
[電機部門]
電機部門では、半導体製造装置業界向け及びマウンター業界向けの電機品、太陽光関連業界向けの制御機器(パワーコンディショナ等)の販売が減少しました。この結果、当部門の売上高は333億50百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
[電子部門]
電子部門では、FA業界向けの電子部品及び電子機器、半導体製造装置業界向けの電子部品及び電子機器、自動車関連業界向けの電子部品の販売が減少しました。この結果、当部門の売上高は1,174億49百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
[機械部門]
機械部門では、自動車関連業界向けの設備機器の販売が増加しましたが、半導体製造装置業界向けの搬送装置の販売が減少しました。この結果、当部門の売上高は153億38百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、売上高については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
a.日本
国内では、FA業界向けの電子部品及び電子機器、半導体製造装置業界向けの搬送装置、マウンター業界向けの電機品の販売が減少しました。この結果、売上高1,145億50百万円(前年同期比14.3%減)、営業利益36億38百万円(前年同期比32.0%減)となりました。
b.アジア
アジア地域では、太陽光関連業界向けの電機品(サーボモータ等)の販売が増加しましたが、FA業界向けの電子部品及び電子機器、半導体製造装置業界向けの電子機器の販売が減少しました。この結果、売上高611億94百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益23億44百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
c.欧米
欧米では、アミューズメント関連業界向けの電子部品、自動車関連業界向けの設備機器の販売が減少しました。この結果、売上高69億70百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益1億47百万円(前年同期は営業損失48百万円)となりました。
d.その他
売上高7億73百万円(前年同期比8.7%減)、営業損失10百万円(前年同期は営業損失3百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ49億36百万円増加し、当連結会計年度末には185億97百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は42億26百万円(前年同期は5億45百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(73億41百万円)、売上債権の減少(124億12百万円)等による増加がある一方で、仕入債務の減少(136億14百万円)、法人税等の支払(26億63百万円)等により一部減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は8億83百万円(前年同期は7億31百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入(9億33百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億8百万円(前年同期は9億6百万円の取得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額(6億96百万円)、自己株式の取得による支出(10億円)、配当金の支払(17億63百万円)等による使用がある一方で、長期借入れによる収入(30億円)により一部相殺されたものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
94,205 |
82.4 |
|
アジア(百万円) |
45,590 |
104.4 |
|
欧米(百万円) |
3,977 |
82.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
143,773 |
88.3 |
|
その他(百万円) |
517 |
85.3 |
|
合計(百万円) |
144,291 |
88.3 |
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
81,699 |
66.4 |
36,176 |
63.1 |
|
アジア |
48,058 |
80.4 |
13,977 |
62.5 |
|
欧米 |
6,262 |
103.6 |
1,968 |
109.2 |
|
報告セグメント計 |
136,021 |
72.1 |
52,122 |
64.0 |
|
その他 |
873 |
113.4 |
241 |
230.8 |
|
合計 |
136,895 |
72.2 |
52,364 |
64.2 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
102,854 |
88.8 |
|
アジア(百万円) |
56,450 |
96.5 |
|
欧米(百万円) |
6,096 |
104.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
165,401 |
91.8 |
|
その他(百万円) |
736 |
89.3 |
|
合計(百万円) |
166,138 |
91.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績は、売上高1,661億38百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益62億15百万円(前年同期比18.5%減)、経常利益66億31百万円(前年同期比13.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益50億7百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
当社グループでは、2023年3月期から2025年3月期までの3ヵ年を対象とする第11次中期経営計画「SNS2024」を掲げ、最終年度である2025年3月期に営業利益70億円達成を経営目標としております。2年目となる2024年3月期は再生可能エネルギー関連や省人化を目的とした設備投資が堅調に推移した一方、半導体関連の設備投資は減少しました。また、需給逼迫状況が解消したことで顧客の在庫過多による手配調整が続き、需要は伸び悩みました。
第11次中期経営計画「SNS2024」の経営目標に対する当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
(連結) (単位:百万円)
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第11次中期経営計画 「SNS2024」 2025年3月期(2024年度)経営目標 |
2024年3月期 (2023年度) 実績 |
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営業利益 |
7,000 |
6,215 |
部門別の業績は次のとおりであります。
[電機部門]
電機部門では、半導体製造装置業界向け及びマウンター業界向けの電機品、太陽光関連業界向けの制御機器(パワーコンディショナ等)の販売が減少しました。この結果、当部門の売上高は333億50百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
[電子部門]
電子部門では、FA業界向けの電子部品及び電子機器、半導体製造装置業界向けの電子部品及び電子機器、自動車関連業界向けの電子部品の販売が減少しました。この結果、当部門の売上高は1,174億49百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
[機械部門]
機械部門では、自動車関連業界向けの設備機器の販売が増加しましたが、半導体製造装置業界向けの搬送装置の販売が減少しました。この結果、当部門の売上高は153億38百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
当連結会計年度における財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は987億7百万円となり前連結会計年度末に比べ78億74百万円減少しました。受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権の減少が主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は507億40百万円となり前連結会計年度末に比べ113億57百万円減少しました。支払手形及び買掛金、電子記録債務の減少が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は479億66百万円となり前連結会計年度末に比べ34億82百万円増加しました。利益剰余金の増加が主な要因であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は42億26百万円(前年同期は5億45百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(73億41百万円)、売上債権の減少(124億12百万円)等による増加がある一方で、仕入債務の減少(136億14百万円)、法人税等の支払(26億63百万円)等により一部減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は8億83百万円(前年同期は7億31百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入(9億33百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億8百万円(前年同期は9億6百万円の取得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額(6億96百万円)、自己株式の取得による支出(10億円)、配当金の支払(17億63百万円)等による使用がある一方で、長期借入れによる収入(30億円)により一部相殺されたものであります。
当社グループは運転資金については、手元の現金及び現金同等物、営業活動から得た現金を財源としており、不足する場合には、手形割引及び短期借入金にて調達しております。なお、長期運転資金及び設備資金については、手持流動性資金を勘案の上、長期借入金にて調達しております。
当連結会計年度におきましては、手元の現金及び現金同等物、営業活動から得た現金を財源としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。
該当事項はありません。
該当事項はありません。