当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国の経済は、個人消費や企業の設備投資に持ち直しが見られましたが、金融市場の変動や金利政策の不確実性から、経済活動は先行きが不透明な状況が続いております。世界経済については、金融引き締めによる景気減速から回復に向かっておりますが、欧米における高い金利水準の継続や地政学的リスク等に対する懸念が残ります。中国では不動産開発投資の低迷が続き、企業の設備投資も低迷しております。アメリカでは、個人消費・設備投資の増加が見られました。
当社グループの関連しております産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界におきましては、市況低迷による設備投資の減少や手配調整が続いておりましたが、一部の業界から需要に回復が見られました。また、人手不足の対策や省人化を目的とする設備投資は、今後も拡大が続くと期待されます。
このような環境の中で当中間連結会計期間の業績は、売上高694億26百万円(前年同期比21.9%減)、営業利益16億50百万円(前年同期比52.1%減)、経常利益16億81百万円(前年同期比54.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益12億71百万円(前年同期比58.7%減)となりました。
部門別の業績は次のとおりであります。
[電機部門]
電機部門では、自動車関連(EV)業界向けの制御機器(制御盤)の販売が増加いたしましたが、FA業界向けの制御機器(制御盤)、太陽光関連業界向けの電機品(サーボモータ、スカラロボット)の販売が減少いたしました。この結果、当部門の売上高は149億3百万円(前年同期比20.8%減)となりました。
[電子部門]
電子部門では、自動車関連業界向けの電子部品(光学ユニット)の販売が増加いたしましたが、FA業界向けの電子機器(産業用PC)及び電子部品(ケーブル、コネクタ等)の販売が減少いたしました。この結果、当部門の売上高は483億87百万円(前年同期比23.3%減)となりました。
[機械部門]
機械部門では、半導体製造装置業界向けの設備機器(除振台)の販売が減少いたしました。この結果、当部門の売上高は61億35百万円(前年同期比11.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、売上高については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
① 日本
国内では、自動車関連(EV)業界向けの制御機器(制御盤)及び自動車関連業界向けの電子部品(光学ユニット)の販売が増加いたしましたが、FA業界向けの制御機器(制御盤)、電子機器(産業用PC)及び電子部品(ケーブル、コネクタ等)、半導体製造装置業界向けの設備機器(除振台)の販売が減少いたしました。この結果、売上高500億79百万円(前年同期比17.3%減)、営業利益10億29百万円(前年同期比50.7%減)となりました。
② アジア
アジア地域では、太陽光関連業界向けの電機品(サーボモータ、スカラロボット)、FA業界向けの電子部品(コネクタ、端子台等)及び電子機器(ティーチングペンダント)、半導体製造装置業界向けの電子機器(産業用PC)の販売が減少いたしました。この結果、売上高232億51百万円(前年同期比31.9%減)、営業利益5億9百万円(前年同期比61.0%減)となりました。
③ 欧米
欧米では、自動車関連業界向け及び生活用品業界向けの産業用ロボットの販売が増加いたしましたが、FA業界向けの電子部品(ファンモータ、コネクタ等)の販売が減少いたしました。この結果、売上高33億49百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益54百万円(前年同期比59.5%減)となりました。
④ その他
売上高は4億42百万円(前年同期比62.1%増)、営業利益11百万円(前年同期は営業損失19百万円)となりました。
当中間連結会計期間における財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は、956億16百万円となり前連結会計年度末に比べ30億90百万円減少しました。受取手形、売掛金及び契約資産の減少が主な要因であります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、460億21百万円となり前連結会計年度末に比べ47億18百万円減少しました。電子記録債務の減少が主な要因であります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、495億95百万円となり前連結会計年度末に比べ16億28百万円増加しました。為替換算調整勘定の増加が主な要因であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ43億31百万円増加し、229億29百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億59百万円(前年同期は8億68百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益(18億48百万円)、売上債権の減少(51億15百万円)、棚卸資産の減少(30億10百万円)等による増加がある一方で、仕入債務の減少(41億15百万円)、法人税等の支払(8億89百万円)等により一部減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は95百万円(前年同期比87.3%減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入(1億85百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は21億61百万円(前年同期は5億27百万円の取得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額(13億51百万円)、配当金の支払(7億55百万円)等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当社は、2024年10月30日開催の取締役会において、株主還元方針の変更を決議し、株主還元の指標を連結配当性向からDOE(株主資本配当率)に変更いたしました。
株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置づけ、継続的かつ安定的な配当を実施してまいりましたが、今般、株主・投資家の皆様へ安定的に株主還元を行い、企業の成長に応じて増配を行う姿勢をより明確にする為に、株主還元の指標を連結配当性向からDOE(株主資本配当率)に変更いたしました。
変更内容は下記となります。
(変更前)
・業績連動利益配分の指標として連結配当性向25~35%を目標として実施してまいります。
(変更後)
・毎年の配当金につきましては、DOE(連結株主資本配当率)4.0%以上を目途に、継続的かつ安定的な配当
を行うことを目標に実施してまいります。
変更後の株主還元方針は、2025年3月期より適用いたします。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
2024年9月30日現在の従業員数は1,109人であります。
(8)仕入、受注及び販売の実績
①商品仕入実績
当中間連結会計期間の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
38,941 |
76.9 |
|
アジア(百万円) |
16,670 |
62.0 |
|
欧米(百万円) |
1,968 |
115.3 |
|
報告セグメント計(百万円) |
57,581 |
72.7 |
|
その他(百万円) |
303 |
148.7 |
|
合計(百万円) |
57,884 |
72.9 |
②受注実績
当中間連結会計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
41,142 |
96.1 |
32,212 |
69.8 |
|
アジア |
19,678 |
67.1 |
12,715 |
63.6 |
|
欧米 |
2,778 |
84.1 |
1,788 |
81.4 |
|
報告セグメント計 |
63,599 |
84.3 |
46,717 |
68.4 |
|
その他 |
427 |
92.6 |
247 |
80.7 |
|
合計 |
64,027 |
84.4 |
46,964 |
68.4 |
③販売実績
当中間連結会計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
45,106 |
83.5 |
|
アジア(百万円) |
20,940 |
66.1 |
|
欧米(百万円) |
2,957 |
101.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
69,004 |
77.9 |
|
その他(百万円) |
422 |
162.3 |
|
合計(百万円) |
69,426 |
78.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(9)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。
(10)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、半導体及び液晶製造装置等に使用されるサーボモータ、リニアモータなどのメカトロ製品を販売する電機部門、自動車関連・デジタル家電・パソコン・携帯情報端末等の分野に使用される電子部品を販売する電子部門、半導体関連製造設備・液晶検査装置・クリーンロボット及び産業用ロボットを販売する機械部門から成る独立系技術商社であります。その需要先は主に産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界であるため、当社グループの業績は、この業界の需要動向、並びに設備投資動向に影響を受けます。
当社グループでは、第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」の最終年度を迎えております。最終年度である2025年3月期は営業利益70億円の達成を目標としておりますが、顧客の在庫過多による手配調整が継続されていること、中国経済の景気減速や地政学的リスクの不透明感から、2025年3月期の営業利益予想は30億80百万円と、営業利益目標である70億円を39億20百万円下回る見込みです。
このような状況を踏まえて、顧客密着型の営業戦略をさらに進化させるために国内外の組織体制を見直すとともに、業界別顧客セグメント戦略を中心に商品戦略・技術戦略・海外戦略を実行することによって収益力の向上を図ってまいります。
また、「SDX(サンワDX)」の策定と推進により業務の効率化を図り、業況の早期回復と収益性の拡大に向けた体制を構築し、さらに、脱炭素化を目指す世界的な課題に対しては、当社の「Mission GX」の推進を通じて、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。
(11)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、仕入債務の減少41億15百万円、法人税等の支払8億89百万円等による資金の減少がありましたが、税金等調整前中間純利益18億48百万円、売上債権の減少51億15百万円、棚卸資産の減少30億10百万円等により営業活動によるキャッシュ・フローは55億59百万円の取得となりました。また、短期借入金の純減額13億51百万円、配当金の支払7億55百万円等により財務活動によるキャッシュ・フローは21億61百万円の使用となりました。これらの結果、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ、43億31百万円増加し、当中間連結会計期間末には229億29百万円となりました。
(12)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、社是「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」に基づく経営理念のもとに、独立系技術商社として市場動向を的確に捉え、グローバルネットワークを活用して顧客への「最新の情報」「価値を生む商品」そして「安全安心を保証するサービス」を提供し続け、提携メーカーとの協業により、産業の振興、社会の繁栄に奉仕してまいります。また、長期経営ビジョン「Sun-Wa Vision 2030」の実現に向け、株主・投資家の皆様、取引先様、従業員など、さまざまなステークホルダーの信頼と期待にこたえられる経営を推進しております。そのために、コーポレートガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底を図りながら迅速かつ適切で公平な情報開示を継続して行うことで、健全性・効率性・透明性の高い経営の実践に努め、企業価値の向上と社会の発展に貢献できる企業を目指しております。
当社グループは、PBR(株価純資産倍率)が1.0倍を下回っており、収益性に対して株価は割安な水準で推移していることを問題と位置付けております。資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、以下の3つを課題と認識しております。
・当社の持続的成長に向けた事業戦略・成長戦略が、投資家の皆様から十分な理解を得られていないこと
・株式の流動性が低いこと
・時価総額が小さく機関投資家の投資対象になりにくいこと
上記課題に対して、最重要経営指標である連結営業利益の最大化を通じて、高水準のROE(自己資本利益率)の維持を目指すことで対応してまいります。
① 第11次中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」の着実な実行による収益性の向上
1.営業戦略:組織体制を改編し顧客密着型営業戦略、顧客セグメント戦略を強化する
2.商品戦略:環境にやさしい商品の拡販を全社で取り組み、GXの推進を行う
3.技術戦略:独自技術を有する企業と協業し、高付加価値を提供する自社パッケージ商品の開発と拡販を進める
4.海外戦略:アジア、インド等へ生産移管を進める顧客への支援体制を整え、現地代理店の基盤を確立する
5.DX戦略:DXの推進で業務の効率化を図り、収益性の拡大に向けた体制を構築する
② 株主還元の充実
③ IR・SR活動の拡充
(13)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。