当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
宝飾品を通じて、人類の高い文化生活に貢献するために、広く世界に市場を求め、人間性豊かな理想の会社を築き、永遠の繁栄を図ることを経営の理念としております。
また、社業を通じて、株主・取引先・社員の最大多数の最大幸福の実現を目指し、社員一人一人が誠実に働くことを経営の基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
グループ内事業部門単位別損益管理制度のもと、常に収益力、キャッシュ・フローの改善、資産の効率運用を第一義的に考えており、効率性を計る指標としてフリー・キャッシュ・フロー及び売上高経常利益率を重視して、安定した収益確保により株主価値の向上を目指しております。
(3)経営環境
現在の経済環境としては、我が国経済は、インバウンド需要の増加や好調な企業業績などに支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、円安の長期化等による物価高や地政学的なリスク懸念の高まりに加えアメリカの政策動向による影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループのおかれたジュエリー業界におきましても、個人消費の回復やインバウンド需要の増加などの動きがみられました。一方、物価高、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等に加えアメリカの政策動向のジュエリー商品への影響など、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループは、富裕層マーケットをコアとする販売チャネルや商品ブランドに重点的に経営資源を投下する「選択と集中」の方針のもと、収益性の向上や社員の生産性を高め、各経営指標を改善し、財務基盤の安定化とキャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。
(4)経営戦略
10年後のビジョン
「ジュエリー業界のリーディングカンパニーとしてのポジションを確固たるものとする」
グループビジョン
(ⅰ)既存事業の持続的成長と収益力の向上に取り組み、健全な財務基盤を実現する
(ⅱ)社業の持続的な発展のための新市場の開拓に果敢に挑戦する
(ⅲ)「社員のモチベーション向上」⇒「業績の向上」⇒「社員の処遇向上」⇒「社員のモチベーション向上」を繰り返す好循環の輪を実現し、すべての社員にとって働き甲斐のある企業集団を目指す
(ⅳ)株主価値の向上を図るとともに、ステークホルダーの満足向上を目指す
グループビジョンの実現に向けて、営業戦略としては、持続的成長と収益性向上に向けた販売チャネルの再構築のため、既存チャネル(百貨店・卸売)の梃入れと新市場(ダイレクトマーケットや富裕層マーケット、海外市場)の開拓を進めます。また、商品戦略としては、自社ブランドの育成と競争力強化に向けて、NADIA、DAVID MORRIS、SCAVIAのラグジュアリー基幹3ブランドへの注力と育成を図り、事業ブランドとしての『NAGAHORI』確立に向け始動します。また、営業戦略、商品戦略の一貫性を重視し、市場および販売チャネルに合わせた商品並びに販売方法を展開してまいります。また、人材戦略としては、一層働き甲斐のある企業グループへの進化を目指し、人材採用の多様化を図り、組織の見直しと適材適所に向けた配置・異動を行い、人材育成の見直しを進めることで好循環の輪の実現(社員のモチベーション向上)を図ります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
景気は緩やかな伸びが期待できる一方で、インフレ動向や地政学的なリスク、アメリカの政策動向による影響への懸念等、先行きの不透明な状況が続いており、予断を許さない経営環境が続くものと思われます。
この様な状況を踏まえ、今期スタートを切った中期経営計画『Beyond Growth』~成長のその先へ~の営業戦略・商品戦略に基づき、百貨店等の富裕層向け商品の充実を図るとともに、ナガホリグループ販売商品の内製化により収益力の強化を図ってまいります。また、卸売・小売を展開するナガホリグループ各社において、自社商品のブランド力、直営店による販売、卸売やOEM(Original Equipment Manufacturing)販売の強化とともに、販管費等の効率化による収益力向上に取り組んでまいります。
また、中期経営計画において掲げております『ラグジュアリー基幹3ブランドへの注力と育成』につきましては、令和5年4月にグランドオープンいたしました当社の旗艦店「メゾン ド ナディア」と同年5月に帝国ホテル東京本館1階にオープンしたイタリア・ミラノのオートクチュールジュエリーブランド「スカヴィア」の日本における旗艦店「スカヴィア本店」に加え、令和6年9月に当社が日本における総代理店契約を締結した「デヴィッド・モリス」の日本における第一号店を令和7年3月に髙島屋大阪店にオープンし、ブランド認知度向上、販売強化を推し進めてまいります。
また、社内においては新基幹システムの稼働を今期中に見据えており、既存業務フロー見直しと改善、新体制の構築を図ることで、業務の平準化、標準化を進め、生産性の向上を図ります。
グループ戦略については、中期経営計画に掲げた『グループビジョン』の基に、グループ会社各社がそれぞれの収益性指標及び生産性指標を定め、各社の特性・強みを活かした営業戦略を確実に実行してまいります。具体的には、製造から販売までの機能を持つナガホリグループ各社の強みを生かし、販売商品の内製化や事業提携先との取引深耕をさらに進めることで、魅力ある商品をより効率的に提供できるよう、体制強化を図ってまいります。また、グループ内で企業活動に適応した人員政策を戦略的に展開します。併せて安定的な収益を目指した貸ビル事業の強化を図り、グループの持続的成長を可能とする事業基盤の強化を進めてまいります。
これら各種施策・計画を継続的に実施することで、企業価値の向上及び持続的な成長、株主利益の確保・向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティをめぐる課題を極めて重要な経営課題と認識しております。
取締役会において決定した令和7年度からの中期経営計画では、当社のサステナビリティに関する取組みや、グループビジョンとして、既存事業の持続的な成長と収益性の向上、新市場の開拓、すべての社員にとって働き甲斐のある企業集団となること、株主価値の向上を図るとともにステークホルダーの満足度向上を掲げております。
中期経営計画に基づき毎年度の執行計画を策定の上、その進捗状況については、定例的な取締役会への報告、当社の子会社の代表者も出席するグループ社長会等を通じて確認し、実効的な監督を行ってまいります。
(2)戦略
環境問題
当社主要3拠点で使用する電力は、実質的に再生可能エネルギーで賄っております。関係会社において平成26年1月より開始した太陽光発電事業は一般家庭の300戸分に相当する発電能力があり、グループ主要3拠点で使用する電気量を上回るボリュームになっております。引き続き、自然エネルギーの利用・普及を促進してまいります。
人材の多様性・育成
お取引先様より支持される存在を目指し、各事業分野で専門性の高い人材の発掘・育成を念頭に入れた起用を柔軟に行います。また、仕事と子育ての両立を図るべく、育休等の取得推進かつ育休復職者に対する時短勤務等の運用が柔軟に行える社内環境に整備し、人材の多様性、女性活躍の機会を積極的に進めてまいります。
人権尊重・腐敗防止
透明なダイヤモンド取引の世界的な枠組み「SoW(システム・オブ・ワランティ)」の推進に賛同しております。当社は、TDE(東京ダイヤモンドエクスチェンジ)に加盟する企業として、WDC(ワールドダイヤモンドカウンシル)が推進するSoWに賛同しています。当社商品に使用するダイヤモンドは、紛争への資金提供などに関与しない供給先より購入しています(キンバリープロセスの遵守)。
また、SDG’sで定められている17の目標に沿って、WDCではSoWをアップデートする形で、紛争ダイヤモンド問題だけでなく、人権と労働者の権利、腐敗防止、アンチマネーロンダリング、ジェンダー平等、差別の廃止などの原則に従って取り扱われたダイヤモンドであることを保証する新たな連鎖の仕組みSoW 2nd Editionが提唱され、ダイヤモンドを取り扱う業界の全てのステージに対して推進することになり、当社での推進に賛同し、実践に努めております。
(3)リスク管理
環境問題や多様性におけるリスクや機会について、事業上の問題や課題に対して取締役会での協議、また、ステークホルダーから要望・期待等を踏まえ、適切に判断して参ります。なお、当社はリスク管理を経営上の重要な活動と認識、各種のリスクに対応すべくリスク管理規定に基づき、リスク管理体制を整備しております。緊急事態が発生した場合又は発生が予想される場合は必要に応じて緊急事態対策本部を設置し、対応に努めます。
(4)指標及び目標
当社としては、サステナビリティへの取組み及び人的資本や知的財産への投資等は、持続的な成長・企業価値向上のために重要であるとの認識のもと、引続き、積極的・能動的に取組んでまいります。
女性社員数の多い当社としては、女性が管理職として活躍できる雇用環境の整備を行うため、定期的なフォローアップや研修等による意識改革、適材適所となり得る配置替え等も行い、グループ全体の本部・店舗マネジメントに従事する者の内、女性労働者の割合を現在34.0%から40%以上への引上げを目標に掲げております。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業内容について
当社グループ売上高の約99%を占める宝飾事業においては、激しい企業間競争の事業環境の中、個人消費の回復やインバウンド需要の増加などの動きが見られたものの、円安の長期化等による物価高や地政学的なリスク、アメリカの政策動向による影響への懸念等、先行きの不透明な状況が続いており、予断を許さない事業環境となっております。
当社グループは、様々な年齢層にマッチしたジュエリーを提供し、かつ、販売形態も百貨店向け卸売事業、従来型卸売事業、直営小売事業、あるいは他社のOEM生産等多岐に亘っており、外部経済環境、宝飾品業界の動向および顧客の嗜好等の外的要因の短期的な変化にも即応すべく顧客満足度の高い自社商品やブランドの開発により優位性を高め、グループ事業全体のシナジー効果を生かし、あらゆる角度から売上増大、収益の確保に努めております。
(2)販売費及び一般管理費について
ジュエリーの販売活動においては、ある程度の販売費(広告宣伝費、催事の会場費・マネキン費、ライセンスブランド商品のロイヤリティー等)が売上獲得のために必要でありますが、販売費と売上高の適正なバランスを維持し、利益率向上のために、販売費及び一般管理費の効率的な支出となるよう取り組んでおります。
(3)貸倒債権の発生リスクについて
安定的な収益確保のためには、売上高の増大、販管費の節減のほかに貸倒債権発生の防止が重要な要素となっており、取引分散度を高めるとともに、与信管理の徹底に取り組んでおります。
(4)為替相場、地金相場の変動リスクについて
当社グループの取引高の内、約36億円が輸出入取引(ダイヤモンド、色石等)となっており、通貨はUSドル建、ユーロ建です。
(5)有利子負債依存度について
当社グループは、営業活動の運転資金につき、一部は自己資本で賄っており、残りは銀行借入等により調達しております。総資産額に占める有利子負債の割合は、直近では約39.9%となっており、当社グループの経営成績は将来の金利変動により影響を受ける可能性があります。
有利子負債依存の状況は、次のとおりであります。
|
|
令和5年3月期 |
令和6年3月期 |
令和7年3月期 |
|
総資産(百万円) |
24,174 |
25,474 |
26,243 |
|
有利子負債(百万円) |
9,433 |
9,940 |
10,459 |
|
有利子負債依存度(%) |
39.0 |
39.0 |
39.9 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、インバウンド需要の増加や好調な企業業績などに支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、円安の長期化等による物価高や地政学的なリスク懸念の高まりに加えアメリカの政策動向による影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
ジュエリー業界におきましても、個人消費の回復やインバウンド需要の増加などの動きがみられました。一方、物価高、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等に加えアメリカ政策動向のジュエリー商品への影響など、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループは、富裕層マーケットをコアとする販売チャネルや商品ブランドに重点的に経営資源を投下する「選択と集中」の方針のもと、自社催事や顧客催事等の販売活動に取り組みました。銀座の百貨店店舗の開設や、海外の有力ブランドの販売店舗を開設し商品力・販売力強化を進めました。また、財務の安定のため当座貸越契約を継続し、販売増につながる商品仕入や自社ブランドの広告等の販売促進策を図りました。もう一方で、海外需要への対応強化、グループ内での販売商品の製造による収益力向上、地金製品販売の好調な推移、小売店舗販売による収益確保などグループ子会社各社においても収益確保に取り組みました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は228億91百万円(前年同期比4.9%増加)、営業利益は7億23百万円(同29.3%減少)、経常利益は6億50百万円(同34.8%減少)となりましたが、リ・ジェネレーション株式会社その他の複数の株主らが、ほぼ同時期に当社株式を急速かつ大量に買い集めている状況に関連する株主対応等に係るアドバイザリー費用1億70百万円を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益4億6百万円(同21.8%減少)となりました。
セグメント別に見ますと、宝飾事業におきましては売上高は227億68百万円(前年同期比5.0%増加)、セグメント利益6億58百万円(同29.9%減少)となりました。貸ビル事業におきましては売上高(外部顧客)は74百万円(同6.2%減少)、セグメント利益54百万円(同7.9%減少)となりました。太陽光発電事業の売上高は47百万円(同3.4%減少)、セグメント利益10百万円(同58.0%減少)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7億69百万円増加し、262億43百万円となりました。このうち、流動資産は7億70百万円増加し、190億31百万円になり、固定資産は1百万円減少し、72億11百万円になりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億94百万円増加し、132億43百万円となりました。このうち、流動負債は5億84百万円増加し、119億99百万円になり、固定負債は90百万円減少し、12億44百万円になりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億75百万円増加し、129億99百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、短期借入金の増加による収入や税金等調整前当期純利益5億75百万円(前年同期7億4百万の利益)等の増加要因とともに、棚卸資産の増加、長期借入金の返済及び固定資産の取得による支出等による減少要因があったことにより、前連結会計年度末に比べ5億83百万円減少し、22億87百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は9億72百万円(前期は5億15百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5億75百万円及び減価償却費1億87百万円等の収入があった一方、棚卸資産の増加額9億99百万円、売上債権の増加額4億16百万円及び法人税等の支払額2億25百万円等の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は64百万円(前期は5億31百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入1億52百万円等があった一方、有形固定資産の取得による支出93百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3億14百万円(前期は4億13百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額6億50百万円等の収入があった一方、長期借入金の返済1億15百万円及び配当金の支払額1億99百万円等の支出があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比 (%) |
|
宝飾事業 |
4,683 |
94.1% |
(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比 (%) |
|
宝飾事業 |
1,602 |
104.1% |
(注) 当社グループは見込生産の他、他社よりのOEM受注による生産を行っております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績(外部顧客)をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
売上実績の内訳
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
当連結会計年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) |
増減 |
|||
|
金額 (百万円) |
百分比 (%) |
金額 (百万円) |
百分比 (%) |
金額 (百万円) |
増減比 (%) |
|
|
宝飾事業計 |
21,691 |
99.4 |
22,768 |
99.5 |
1,077 |
5.0 |
|
貸ビル事業 |
79 |
0.4 |
74 |
0.3 |
△4 |
△6.2 |
|
太陽光発電事業 |
49 |
0.2 |
47 |
0.2 |
△1 |
△3.4 |
|
売上高合計 |
21,820 |
100.0 |
22,891 |
100.0 |
1,070 |
4.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
当連結会計年度 (自 令和6年4月1日 至 令和7年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社 ドン・キホーテ |
2,373 |
10.9 |
2,306 |
10.1 |
|
株式会社 ヴァンドームヤマダ |
1,438 |
6.6 |
1,481 |
6.5 |
|
株式会社 そごう・西武 |
1,318 |
6.0 |
1,144 |
5.0 |
|
株式会社 髙島屋 |
964 |
4.4 |
1,090 |
4.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成におきましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 財政状態の分析
過去3期間の連結貸借対照表は下記のとおりとなっております。
|
|
令和5年 3月期 |
令和6年 3月期 |
令和7年 3月期 |
|
|
令和5年 3月期 |
令和6年 3月期 |
令和7年 3月期 |
|
流動資産 (百万円) |
17,222 |
18,260 |
19,031 |
|
流動負債 (百万円) |
10,553 |
11,415 |
11,999 |
|
固定資産 (百万円) |
6,951 |
7,213 |
7,211 |
|
固定負債 (百万円) |
1,492 |
1,334 |
1,244 |
|
繰延資産 (百万円) |
- |
- |
- |
|
純資産合計 (百万円) |
12,128 |
12,724 |
12,999 |
|
合計 |
24,174 |
25,474 |
26,243 |
|
合計 (百万円) |
24,174 |
25,474 |
26,243 |
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は190億31百万円となり、前連結会計年度末と比較し7億70百万円の増加となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が4億19百万円及び商品及び製品が7億68百万円増加し、現金及び預金が5億83百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産残高は72億11百万円となり、前連結会計年度末と比較し1百万円の減少となりました。この主な要因は、有形固定資産が58百万円減少し、投資有価証券が39百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債額は119億99百万円となり、前連結会計年度末と比較し5億84百万円の増加となりました。この主な要因は、短期借入金が6億50百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は12億44百万円となり、前連結会計年度末と比較し90百万円の減少となりました。この主な要因は、長期借入金が1億2百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は129億99百万円となり、前連結会計年度末と比較し2億75百万円の増加となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益4億6百万円及び剰余金の配当1億99百万円によるものであります。
③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営に影響を与える要因としては、景気・世界経済の動向・株式市場といった外部経済環境、宝飾業界の動向、各消費者層の消費動向、消費の多様化の状況、インバウンド需要の動向、為替相場・地金相場の変動が挙げられます。
これらの要因を踏まえ当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」の「①財政状態及び経営成績の状況」及び「③生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、短期借入金の増加による収入や税金等調整前当期純利益5億75百万円(前年同期7億4百万の利益)等の増加要因とともに、棚卸資産の増加、長期借入金の返済及び固定資産の取得による支出等による減少要因があったことにより、前連結会計年度末に比べ5億83百万円減少し、22億87百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は9億72百万円(前期は5億15百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5億75百万円及び減価償却費1億87百万円等の収入があった一方、棚卸資産の増加額9億99百万円、売上債権の増加額4億16百万円及び法人税等の支払額2億25百万円等の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は64百万円(前期は5億31百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入1億52百万円等があった一方、有形固定資産の取得による支出93百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3億14百万円(前期は4億13百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額6億50百万円等の収入があった一方、長期借入金の返済1億15百万円及び配当金の支払額1億99百万円等の支出があったことによるものであります。
(キャッシュ・フローの指標)
|
|
令和5年3月期 |
令和6年3月期 |
令和7年3月期 |
|
自己資本比率 |
50.2% |
50.0% |
49.5% |
|
時価ベースの自己資本比率 |
68.1% |
87.2% |
81.1% |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金及びリース取引で調達しております。
令和7年3月31日現在、借入金の残高は短期借入金101億70百万円、長期借入金の残高は2億31百万円、また、リース債務の残高は57百万円であります。
ブランド使用に関する契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
対象商品 |
契約内容 |
契約期間 |
|
(株)ナガホリ |
(株)TSI |
日本 |
ジュエリー(日本) |
商標権使用許諾 |
令和5年9月1日から 令和8年8月31日まで |
(注)上記については商標権使用料として売上高の一定率を支払っております。
当社グループでは、当社宝飾事業において生産事業部「アトリエ・ド・モバラ」及び連結子会社のソマ(株)が研究開発活動を行なっております。当連結会計年度における主な研究開発活動としては、
①鋳造製品の原型製作の研究開発
②ジュエリー全体のデザインの幅を広げる石留技法の研究開発
③鋳造製品の新規デザイン開発
④デザインネックレス・カットリングの新製品開発
⑤ネックレス留め具の新機構開発
を行いました。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は