第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

トーホーグループは1947年の創業以来、「食を通して社会に貢献する」の経営理念のもと、「美味しさ」そして「安心・安全、健康、環境」を経営のキーワードに「食」の様々なシーンを支え続ける企業グループとして、外食事業者の皆様のお役に立つ商品やサービスの提供に努め、「外食ビジネスをトータルにサポート」できる国内でも稀有な企業グループとして事業を拡大しております。

人と食との関わりの中で、経営理念、経営のキーワードを基本とした価値ある商品やサービスを提供し、お客様満足度を高めていくこと、さらには株主様、お客様、取引先様、社員・従業員、そして地域社会といったあらゆるステークホルダーから信頼され必要とされる経営を実践することが、会社の利益(=株主様の利益)を増大させると考えております。

トーホーグループではこうした基本的な考え方のもと、持続的成長と収益力の向上、組織の活性化と人材の活性化、顧客・現場視点の経営、コンプライアンスと適時情報開示、スピード経営を経営方針とし、企業価値を高める経営を進めてまいる所存であります。

 

(2) 経営環境

2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、一時期は大恐慌以来最悪と言われる景気の落ち込みを記録したものの、現在は世界中でアフターコロナに向けた動きが加速し、景気は緩やかな回復基調で推移しております。一方、不安定な国際情勢、食品・エネルギー価格の高騰など、景気減退への懸念は予断を許さない状況が継続しております。

日本経済においても、アフターコロナに向けた動きが本格化し、足元ではコロナ禍以前の経済・社会活動に戻りつつあります。一方、中長期的には、人口の減少や高齢化の進行による経済成長の停滞など、日本経済を取り巻く環境の厳しさは継続しております。

このような状況のなか、当社グループの主な販売先である外食産業においては、コロナ禍に伴う行動規制の解除後は徐々に人流が戻り、業績は回復傾向が継続したことで、当社グループの業績も堅調に推移しております。

 

ディストリビューター(業務用食品卸売)事業は、業務用食品専業卸の業界最大手として、外食産業のお客様に貢献しております。事業活動の歴史が長く基盤が充実している西日本に対し、関東地区と海外は新たな成長領域として事業基盤の強化を推進しております。そのための戦略として、近年はM&Aに注力し、関東地区は13社、海外は3ヵ国11社がグループ入りいたしました。今後も関東地区と海外の事業基盤の強化を進めるとともに、M&Aやアライアンスを活用した未開拓エリアへの進出も検討してまいります。

 

キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業は、中小飲食店の毎日の仕入れにお役立ていただく、プロの食材の店「A-プライス」などの業務用食品を販売する店舗を関東以西に91店舗展開しております。顧客ニーズに対応した食材提案や店舗の出店・改装などを通し、引き続き中小飲食店の発展に貢献いたします。一方、近年は「A-プライスオンラインショップ」やフランチャイズ1号店を開店するなど、新たな収益の柱の育成を図っております。

 

食品スーパー事業は、兵庫県南部で地域密着型の食品スーパー「トーホーストア」を34店舗展開しております。なお、同事業は本年5月末までに株式会社コノミヤへの譲渡を予定しております。譲渡理由につきまして、近年は競争激化に伴い業績の低迷が続くなかで、今後も当社グループで事業を継続することは困難と判断する一方、従業員の雇用の維持、地域の食のインフラである店舗の存続、加えてトーホーストアの再生を実現できる先に株式を譲渡することが最善であると判断した結果となります。

 

フードソリューション事業は品質管理、業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工など「外食ビジネスをトータルにサポートする」様々なソリューションの提供を引き続き強化しております。特に近年は飲食店運営の深刻な課題である人手不足解決のため、省力化や時短が図れる業務用調理機器や、受注や損益管理などの店舗運営の効率化を図る業務支援システムの提案に注力しております。

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的成長と収益力の向上を通じて、企業価値を継続的に高めていくことを経営目標の一つとしております。具体的には事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「営業利益」、また最終的に事業のリスクを負担する株主様からお預かりしている資金に対しそのリスクに見合う利回りが確保されているかという観点から「ROE」を中長期的な指標としております。

 

<売上高>

回次

第66期

第67期

第68期

第69期

第70期

決算年月

2019年1月

2020年1月

2021年1月

2022年1月

2023年1月

売上高前期比(%)

+4.8

+6.2

△19.5

+1.3

+14.3

 

 

<営業利益>

回次

第66期

第67期

第68期

第69期

第70期

決算年月

2019年1月

2020年1月

2021年1月

2022年1月

2023年1月

営業利益前期比(%)

△11.0

△12.5

売上高営業利益率(%)

0.8

0.6

1.7

 

(注)売上高営業利益率 =(営業利益)÷(売上高)

(注)第68期、第69期および第70期の営業利益前期比並びに第68期および第69期の売上高営業利益率は、営業損失を計上しているため記載しておりません。

 

<ROE(自己資本当期純利益率)>

回次

第66期

第67期

第68期

第69期

第70期

決算年月

2019年1月

2020年1月

2021年1月

2022年1月

2023年1月

ROE(%)

3.5

2.0

1.7

4.8

 

 (注)ROE =(親会社株主に帰属する当期純利益)÷((期首自己資本+期末自己資本)÷2)

    自己資本 = 純資産合計-新株予約権-非支配株主持分

(注)第68期のROEは、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。

 

 

(4) 中期経営計画

当社グループは第8次中期経営計画(3ヵ年計画)「SHIFT UP 2023」(2022年1月期(2021年度)~2024年1月期(2023年度))のもと、新たな環境に適合し、成長し続ける筋肉質な企業グループへの変革を目指し、次に掲げる5つの重点施策に引き続き取り組んでまいります。

 

○5つの重点施策

   1.コア事業の更なる強化

    ・未開拓業態・顧客層の開拓

    ・顧客・現場視点でのPB商品の開発・販売強化

    ・グループシナジーの更なる発揮

    ・M&A、アライアンスを活用した未開拓エリア等への進出

   2.新たなサービスの開発

    ・変化する顧客ニーズに即した商品、サービスの開発

    ・新たな経営環境に即した販売・店舗モデルへの挑戦(ニューノーマルな社会への対応、

     持続可能な社会への貢献)

   3.損益分岐点の引き下げ

    ・聖域なきコスト・コントロールの継続

    ・働き方の更なる改革による生産性向上

    ・業務のシステム化推進

   4.資産回転期間の改善

    ・メリハリのある投資とPDCA

   5.次代を担う人材の育成

    ・教育研修の更なる充実

    ・ジョブローテーションの活性化

    ・女性活躍の推進

 ○タイトル

  「SHIFT UP 2023」

   ギアを上げて変革に取り組み、トーホーグループを新たなステージへ

    Speed UP  ・・・ 速度を上げる

    Heat UP  ・・・ (仕事で)熱くなる

    Image UP  ・・・ イメージ・ブランド力を上げる

    Follow UP ・・・ どこまでも追求する

    Turn UP  ・・・ 上向く

 

(5) 優先的に対処すべき事業上、財務上の課題

当期は第8次中期経営計画(3ヵ年計画)「SHIFT UP 2023」(2022年1月期(2021年度)~2024年1月期(2023年度))の2年目として、5つの重点施策に沿って事業上および財務上の課題に取り組むなかで、当社グループの業績に甚大な影響を及ぼしていた新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に減退していき、世界中でアフターコロナに向けた動きが加速していきました。このような環境のもと、売上高が回復したことに加え、筋肉質な企業体質を維持できたことで、営業利益は3期ぶりに黒字転換、更に創業来の最高益を達成いたしました。

今後はコロナ禍の影響が更に軽微となり、社会全体がコロナ禍以前の生活に近づくものと想定し、飲食店や観光地への人流は継続して改善すると考えております。一方、今後も多品目に渡る食品価格の高騰に加え、人件費や水道光熱費の上昇など予断を許さない状況は継続するものと思われます。

このような状況のなか、第8次中期経営計画の最終年度として、「食を通して社会に貢献する」の経営理念のもと、社会から信頼され必要とされる会社となるため、新たな環境に適合し、成長し続ける筋肉質な企業グループへの変革を目指し、引き続き5つの重点施策に取り組んでまいります。

なお、最終年度(2024年1月期)の財務目標として、連結売上高2,140億円、連結営業利益38億円を計画しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、当連結会計年度末現在においては予見できないリスク、または重要と見なされていないリスクの影響を受ける可能性があります。

当社グループではこれらのリスクの影響を最小にするための様々な取り組みを行ってまいります。

 

(1)消費者や得意先のニーズへの対応遅れ

当社グループは外食産業や一般消費者に食品と様々なサービスをお届けしておりますが、外食市場の動向や一般消費者の嗜好の変化などに対する情報収集とその対応が遅れることで、当社の品揃えやサービスが市場に受け入れられず、市場シェアを落とすリスクがあります。

こうしたリスクを避けるためグループ各社では、日々の営業活動を通じてお客様ニーズの把握に努めるとともに、メーカーや仕入先など様々な取引先とのコミュニケーションを密にし、業界・顧客動向に関する情報を入手し、得た情報を分析し、共有して様々なニーズの変化に対応しております。

 

(2)品質および衛生管理上の事故

当社グループの主要取扱品は食品であり、万が一、品質管理や衛生管理、表示上の不備による事故等が発生した場合、販売の大幅な減少や当社事業への信用失墜など長期的なリスクにつながる可能性があります。

当社グループは品質・衛生管理を専門に行う部署(品質保証部)を置いており、各事業所への定期的な品質・衛生検査、表示チェックを実施し、改善すべき点があれば改善指導を行っております。一方、当社グループのプライベートブランド商品につきましては、商品開発時に品質保証部が製造工場の検査を実施しております。また、あらゆる機会をとらえて品質管理や衛生管理等について従業員向けの教育を実施し、意識の向上に努めております。

 

(3)海外からの商品調達の停滞等

当社グループが取り扱う商品はその原料や商品自体を海外の産地や工場からの輸入に頼っているものがあります。万が一、産地などで事故や紛争などにより生産が止まった場合や輸送時の事故等により輸入が止まった場合、当社の販売に大きな支障を来すリスクがあります。また輸入に伴う為替変動により、原価が上昇し利益を圧迫するリスクがあります。

こうしたリスクへの対応として、海外の社会情勢や業界の変化に常に注意し、影響を及ぼすと考えられる情報に対しては国内と現地で情報共有し、対応するようにしております。また、可能な限り複数の仕入先を通じた調達原産国の複数化による持続可能な調達を行っております。また、当社が直接輸入する商品は可能な限り円による決済とすることで為替リスクを抑えております。

 

(4)海外でのカントリーリスクや紛争

当社グループはシンガポール、マレーシア、香港で子会社が事業を展開しております。各国での重大な法改正や諸制度の変更による大幅なコスト上昇や新たな制約により、また政変、テロ等の発生により、現地子会社の事業の継続に支障を来すリスクがあります。

当社グループでは、常日頃から現地との緊密な情報交換を行うとともに、現地政府機関、日本大使館、および外務省からの発信情報に常に注意し、留意すべき情報に対しては、まずは従業員の安全確保を最優先に考えたうえでの諸施策を講じることとしております。

 

(5)人材確保の計画未達

当社グループの事業では配送や店頭販売などに多くの従業員が従事しております。国内の少子高齢化の進展が今後も進み、人材獲得競争激化の結果、人材の確保が計画通りに進まなかった場合、従来通りの事業運営に支障が出たり、大幅にコストが上昇したりするリスクがあります。

当社グループでは「企業は人である」の考えのもと、従業員満足を高めるための諸施策の継続的実施や健康経営の実践により従業員の離職防止に努めております。また、ITを活用した生産性向上、業務効率化による働き方改革を継続しております。一方、採用面では多様な人材から選ばれる会社となるための人事・給与制度改革の継続、教育体系の整備を継続的に行っております。また、多様な人材(女性、障がい者、高齢者等)の活躍推進にも取り組んでおります。

 

 

(6)資金調達の計画未達

当社グループが事業を展開するために必要な資金が金融市場の激変や当社の業績悪化により計画通り進まなくなり、事業運営に支障を来すリスクがあります。

こうしたリスクに対して、当社グループでは調達先および調達方法が限定的になることを避け、適度に分散させることで資金調達の多様性を保っております。調達は保守的に計画することで、金融市場の悪化に対しても一定の余裕をもって対応しております。また、不測の事態に備えて複数行とコミットメントライン契約を締結しております。

 

(7)急激な金利の上昇

当社グループは事業運営に必要な資金の一部に借入金を利用しております。借入金の財務リスクはネットDEレシオ等の指標に基づき管理しておりますが、経済情勢の変化などにより、調達金利が急激に上昇した場合、当社の業績に影響を与えるリスクがあります。

当社グループでは、常日頃から金利情勢に影響を与えるであろうと思われるマクロ経済等の定期的なモニタリングを行っております。また実際の調達金利の動向を注視して資金を調達しております。金利情勢によっては金利をヘッジする手段を機動的に運用しております。

 

(8)コンピューター基幹システムのダウン

当社グループでは得意先からの受注、在庫管理、仕入先への発注など営業活動全般の他、経理・人事等の事務処理、そして社内の情報共有等あらゆる面でコンピューターを利用しており、これが事故や災害、ウイルス感染により使えなくなることで事業が停滞するリスクがあります。

災害や事故発生時に重要データが滅失しないように、災害対策が施された外部のデータセンターに保管するとともに、定期的にバックアップデータを遠隔地へ運搬し、保管しております。

一方、コンピューターウイルスに対しては、外部からの不正侵入を防ぐ機器(ファイアウォール)に加えて、ウイルス対策ソフトウェアを導入しております。また、ウイルス感染による事業活動への影響やそれを防ぐための対策、また疑わしい現象への対応について社内教育を継続的に実施しております。

 

(9)伝染病等の拡大

2023年1月期はウイズコロナのもと行動制限の緩和などにより経済・社会活動の正常化が進み、当社業績も堅調に推移いたしましたが、今後も予期せぬ伝染病等の感染拡大により、従業員の健康が害されるリスク、外食需要の急減により事業に多大な影響を及ぼすリスクがあります。

当社グループでは、従来から毎月14日を「食の安心・安全の日」と定め、品質保証部を中心にウイルスや病原菌などに対する様々な情報の発信を行い全従業員の意識向上を図っております。新型コロナウイルス感染症拡大の事態に対しては、グループを横断した方針や対策を立案実施する委員会をいち早く立ち上げ対応してまいりました。今後もこの経験・ノウハウを活かしてまいります。また、営業面では飲食店、宿泊施設、病院・介護施設、リゾート施設など多岐にわたる取引業態への影響に常に注意を払い、リスクの小さい業態の強化など柔軟に対応しております。

 

(10)大規模な自然災害の発生

当社グループは国内各地および海外ではシンガポール他2か国を合わせて200を超える拠点を構え、営業を行っております。こうした拠点やその周辺で大規模な地震や風水害などが発生した場合、各拠点での事業運営に支障を来すリスクがあります。

自然災害は防ぐことはできませんが、災害発生時には安否確認システムを利用し、従業員の安全確認を行い、被災等がある場合は早期に総力をあげて対応できるよう緊急連絡網を整備しております。また事業所ごとに緊急避難場所や災害発生時の行動指針を掲出し、日ごろから安全意識の向上を図っております。また、各地域の主要拠点にはマスクや水などの緊急物資を備蓄しております。こうした常日頃からの準備を怠らないことで、災害発生時の早期復旧に備えております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

1.経営成績等の状況の概要

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年2月1日から2023年1月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大は継続しているものの、ウィズコロナのもと行動制限の緩和などにより経済・社会活動の正常化が進み、さらに10月からは政府による観光支援策の効果もあり、個人消費の持ち直しをはじめ景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、ウクライナ情勢の長期化をはじめ、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の進行など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況のなか、当社グループは第8次中期経営計画(3ヵ年計画)「SHIFT UP 2023」(2022年1月期(2021年度)~2024年1月期(2023年度))の2年目として、新たな環境に適合し、成長し続ける筋肉質な企業グループへの変革を図るべく、5つの重点施策に沿った取り組みを引き続き推進いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2,155億72百万円(前期比14.3%増)と増収となりました。増収による売上総利益額の増加に加え、コスト・コントロールの継続による損益分岐点の引き下げの効果により、営業利益は36億49百万円(前期は4億46百万円の営業損失)と3期ぶりに黒字転換し、経常利益は38億77百万円(前期は1億78百万円の経常利益)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社である㈱トーホーストアの株式譲渡損失や、海外子会社ののれんの減損損失などの特別損失を31億90百万円計上したことで、10億6百万円(前期比200.0%増)となりました。

 

セグメント別の概況につきましては、次のとおりであります。

 

[売上高の内訳]

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

至 2023年1月31日

前連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日

増減

ディストリビューター

(業務用食品卸売)事業部門

148,283

123,475

+24,808

キャッシュアンドキャリー

(業務用食品現金卸売)事業部門

38,644

35,870

+2,773

食品スーパー事業部門

16,145

17,568

△1,422

フードソリューション事業部門

12,499

11,653

+845

合計

215,572

188,567

+27,005

 

※キャッシュアンドキャリー事業部門においては当連結会計年度の収益認識会計基準等適用の影響を除くと以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

至 2023年1月31日

前連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日

増減

キャッシュアンドキャリー

(業務用食品現金卸売)事業部門

39,142

35,870

+3,272

 

 

[営業利益又は営業損失(△)の内訳]

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

至 2023年1月31日

前連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日

増減

ディストリビューター

(業務用食品卸売)事業部門

2,809

△1,011

+3,820

キャッシュアンドキャリー

(業務用食品現金卸売)事業部門

953

551

+401

食品スーパー事業部門

△728

△384

△343

フードソリューション事業部門

615

397

+217

合計

3,649

△446

+4,096

 

 

 

<ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門>

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う全国的なまん延防止等重点措置が3月に解除されて以降、飲食店や観光地への人流が回復するなど、個人消費の持ち直しの動きが継続したことに加え、10月から始まった政府による観光支援策の効果や外国人観光客の受け入れ再開などもあり、外食事業者を主な販売先とする当事業部門の販売も堅調に推移いたしました。

このような状況のなか、各地で開業したホテルや商業施設のほか、チェーン店などの新規顧客の獲得を継続的に強化いたしました。また、㈱トーホーフードサービスでは、コロナ禍でも需要が安定しているケアフードや中食業態にも注力し、順調に成果に結びついております。加えて、同社では全国規模で開催する業界最大級の総合展示商談会を3年ぶりにリアル開催し、当期は全国6会場で活発な商談を行うとともに、グループ各社でも展示商談会を各地で再開し、積極的な商品提案を実施いたしました。また、2015年に独自開発したweb受発注システム「TOP(toho Order Pro)」では、顧客が拠点在庫を直接閲覧してオーダーできる機能を新たに搭載し、新規受注の拡大に寄与いたしました。

海外事業については、進出している3ヵ国(シンガポール・マレーシア・香港)でもウィズコロナの生活が定着していくなかで、日本国内と同様に外食産業への販売が堅調に推移し、増収となりました。

以上の結果、当事業部門の売上高は、既存顧客の売上回復に加えて新規顧客の獲得が奏功し1,482億83百万円(前期比20.1%増)、営業利益は増収による売上総利益額の増加、コスト・コントロールの効果により、28億9百万円(前期は10億11百万円の営業損失)と3期ぶりに黒字転換いたしました。

 

<キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門>

当事業部門においても行動制限の解除以降は主要顧客である中小飲食店へ徐々に人流が回復し、㈱トーホーキャッシュアンドキャリーが運営するプロの食材の店「A-プライス」などの店舗販売が堅調に推移いたしました。

ウィズコロナにおける飲食店の課題解決に貢献すべく、人気企画の「北海道フェア」をはじめ全店統一フェアを実施するとともに、プライベートブランド商品や産直食材、専門食材、調理機器など飲食店のメニュー開発に役立つ商品の提案を強化いたしました。さらに、約2年半ぶりとなるリアル展示商談会を全国8会場で開催し、4,000名を超える飲食店顧客にご来場いただきました。また、前年に開設した「A-プライスオンラインショップ」は、9月にサイトを一部リニューアルするとともに、送料の見直しも実施し、顧客の利便性向上を図りました。事業基盤の強化については、フランチャイズ1号店となる名古屋店(名古屋市中区)を5月に開店し、4店舗(7月:宇部店(山口県宇部市)、9月:唐津店(佐賀県唐津市)、11月:浦添店(沖縄県浦添市)、こまつや卸団地店(静岡県駿東郡))を改装いたしました。

以上の結果、当事業部門の売上高は前期および当期に実施した閉店の影響があったものの、中小飲食店への販売を強化したことで386億44百万円(前期比7.7%増)、営業利益は増収による売上総利益額の増加、販促方法の見直しなどによるコスト・コントロールの結果、9億53百万円(同72.9%増)となりました。

 

<食品スーパー事業部門>

㈱トーホーストアでは、相次ぐ食料品価格の値上げによるお客様の節約意識の高まりや業界や地域の垣根を越えた競争激化が継続する状況のなか、コンセプトである「健康で安心な地域の冷蔵庫」「あなたの街の食品スーパー」「毎日のおかずを提供する店」の実践に向けた取り組みを継続いたしました。

売上対策として客数増加を目的に全店舗で欠品対策を徹底するとともに、新たなサービスとして、9月からはQR・バーコード決済の全店導入、10月からはポイントサービスの交換比率の改善を行い、お客様の利便性向上を図りました。

以上の結果、当事業部門の売上高は徐々に回復基調で推移したものの、競争激化の継続に加えて前期に2店舗を閉店した影響もあり、161億45百万円(前期比8.1%減)、営業損失は相次ぐ食品価格の値上げをカバーできず、7億28百万円(前期は3億84百万円の営業損失)となりました。

 

<フードソリューション事業部門>

当事業部門では、食品の品質管理、業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工などの「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能について引き続き提案を強化し、グループシナジーの最大化を図りました。

特に今期は需要が急回復する一方で人手不足が深刻な課題となっている外食産業に向けて、業務用調理機器を取り扱う㈱エフ・エム・アイでは、省力化が図れる機器の提案を強化するとともに、外食産業向け業務支援システムを提供する㈱アスピットでは、「AI顔認証タイムレコーダー」や「電子請求書システム」などの新たなサービスを実装し、飲食店のデジタル化の推進に注力いたしました。加えて、両社ともグループ内の展示商談会に積極的に出展するなど、グループシナジーを発揮した外食事業者の課題解決に繋がる提案を強化いたしました。

 

以上の結果、外食産業への業務用調理機器やシステム販売が回復したこともあり、当事業部門の売上高は124億99百万円(前期比7.3%増)、営業利益は6億15百万円(同54.7%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

(総資産)

当期末の総資産は前期末に比べ46億49百万円増加し、873億52百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加31億85百万円(前期は受取手形及び売掛金)、棚卸資産の増加17億46百万円、繰延税金資産の増加16億8百万円に対し、のれんの減少14億31百万円などによるものであります。

(負債)

当期末の負債は前期末に比べ21億35百万円増加し、645億99百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加27億44百万円、事業整理損失引当金の増加15億43百万円、未払金などを含むその他の流動負債の増加9億58百万円に対し、長期借入金の減少33億51百万円などによるものであります。なお、借入金の総額は268億27百万円(前期末307億28百万円)となりました。

(純資産)

当期末の純資産は前期末に比べ25億14百万円増加し、227億52百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加10億6百万円、為替換算調整勘定の増加12億28百万円によるものであります。自己資本比率については当期末25.7%と前連結会計年度末の24.1%に比べ1.6ポイント上昇いたしました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(金額表示:百万円未満切捨て)

 

当期

前期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,110

3,547

562

投資活動によるキャッシュ・フロー

△931

2,078

△3,010

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,477

△4,003

△473

現金及び現金同等物期末残高

7,511

8,596

△1,084

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、41億10百万円の収入(前期35億47百万円の収入)となりました。

主な収入は税金等調整前当期純利益による増加7億2百万円(前期11億47百万円)、減価償却費20億60百万円(前期21億97百万円)、のれん償却費8億86百万円(前期8億60百万円)、仕入債務の増加26億65百万円(前期26億61百万円の増加)、その他債務の増加5億85百万円(前期7億67百万円の減少)などに対し、主な支出は売上債権の増加29億86百万円(前期3億75百万円の増加)、棚卸資産の増加16億58百万円(前期5億8百万円の増加)、法人税等の支払額10億41百万円(前期は5億56百万円)などであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、9億31百万円の支出(前期20億78百万円の収入)となりました。

これは主に、キャッシュアンドキャリー事業の店舗の改装、食品スーパー事業の店舗の改装など固定資産の取得による支出11億8百万円(前期10億15百万円の支出)などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、44億77百万円の支出(前期40億3百万円の支出)となりました。

これは主に、長期借入れによる収入82億円(前期96億50百万円の収入)に対し、長期借入金の返済による支出126億円(前期125億53百万円の支出)などによるものであります。

以上の結果、当期末の連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、10億84百万円減少し、75億11百万円となりました。

 

 

(4) 仕入及び販売の実績
① 仕入の実績

仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

  至 2023年1月31日)

前期比(%)

ディストリビューター事業(百万円)

141,361

118.3

キャッシュアンドキャリー事業(百万円)

9,361

104.2

食品スーパー事業(百万円)

11,405

93.5

フードソリューション事業(百万円)

3,504

105.7

合計(百万円)

165,633

115.0

 

(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。

 

② 販売の実績

販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

  至 2023年1月31日)

前期比(%)

ディストリビューター事業(百万円)

148,283

120.1

キャッシュアンドキャリー事業(百万円)

38,644

107.7

食品スーパー事業(百万円)

16,145

91.9

フードソリューション事業(百万円)

12,499

107.3

合計(百万円)

215,572

114.3

 

(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資の減損、資産除去債務、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付債務及び退職給付費用であり、継続的な評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析

当連結会計年度は、売上高の増加により受取手形、売掛金及び契約資産、棚卸資産などの流動資産と支払手形及び買掛金などの流動負債が増加しました。一方、借入金を圧縮したことにより、固定負債は減少しました。また親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによる純資産の増加で、自己資本比率は25.7%に上昇し、ネットDEレシオについても0.88まで低下するなど財政状態の改善が進みました。

個別の財政状態の分析については、「1 経営成績等の状況の概要(2) 財政状態の状況」をご参照ください。

 

② 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は2,155億72百万円(前期比14.3%増)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大は継続しているものの、ウィズコロナのもと行動制限の緩和などにより経済・社会活動の正常化が進み、当社グループの主要顧客である外食産業へ人流が戻ったことで、ディストリビューター事業の売上が大きく伸長し、全体の増収要因となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は431億50百万円(前期比16.3%増)となりました。増収による売上総利益の増加とともに、ディストリビューター事業の売上総利益率の改善などにより全体の売上総利益率が前期から0.35%上昇したことも寄与いたしました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は36億49百万円(前期は4億46百万円の営業損失)となりました。増収に伴う売上総利益額の増加に加え、引き続きコスト・コントロールを継続したことにより販管費比率が減少したことで、3期ぶりに黒字転換し、さらに創業来の最高益を計上いたしました。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は38億77百万円(前期は1億78百万円の経常利益)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益も創業来の最高益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10億6百万円(前期比200.0%増)となりました。食品スーパー事業の譲渡損失に対する引当金の計上や子会社ののれんの減損損失などにより、特別損失を計上したものの、黒字を確保いたしました。

 

③ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益の計上に加えて減価償却費などにより、営業キャッシュ・フローは41億10百万円のプラスとなりました。投資キャッシュ・フローは、設備投資の実行に伴い9億31百万円のマイナスとなりました。財務キャッシュ・フローは、コロナ禍で増加した長期借入金の返済を進めたことなどにより44億77百万円のマイナスとなり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は75億11百万円となりました。

個別のキャッシュ・フローの分析については、「1 経営成績等の状況の概要(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

a.資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、成長戦略に基づく設備投資やM&A投資などの長期資金需要と商品仕入などの運転資金需要であります。当連結会計年度では店舗の新規出店・改装等10億51百万円の設備投資を実施しております。設備投資については連結会社各社が個別に策定したものについて当社がその投資判断について調整を行っております。

b.財務政策

当社グループは事業活動のための流動性の維持と、適切な財務バランスの実現を方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、主に内部留保や金融機関からの長期借入金により、運転資金需要には主に短期借入金により調達しております。なお、短期流動性を補完する目的でコミットメントライン契約を締結しております。

当連結会計年度につきましては、財務バランスの改善のために長期借入金の圧縮を進めた結果、借入金残高は268億27百万円(前期比39億円減)となっております。

また、グループ内資金の効率化を目的に、当社と主要な子会社での資金一元管理を行っております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「営業利益」、最終的に事業のリスクを負担する株主から預かっている資金に対し、そのリスクに見合う利回りが確保されているかという観点から「ROE」を中長期的な指標として位置付けております。

当連結会計年度における売上高は2,155億72百万円(前期比14.3%増)、営業利益が36億49百万円(前期は営業損失が4億46百万円)となり親会社株主に帰属する当期純利益10億6百万円前期比200.0%増)となったためROEは4.8%に改善しましたが、引続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取組んでまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。