第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当中間連結会計期間(2025年2月1日~2025年7月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の下、緩やかな回復基調が続いたものの、米国の通商政策の動向や、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れ懸念など、先行き不透明な状況が継続いたしました。

当社グループが属する業務用食品卸売業界におきましては、大阪・関西万博(期間:2025年4月13日~10月13日)の開催効果や好調なインバウンド需要などが主要マーケットである外食市場全体を押し上げ、堅調に推移いたしました。一方で、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりや、人手不足の深刻化、物流費をはじめとする諸経費の上昇など、予断を許さない状況が継続いたしました。

このような中、当社グループは中期経営計画(3ヵ年計画)「SHIFT-UP 2027」(期間:2025年1月期~2027年1月期)の2年目として、3つの重点施策である「新たな成長ステージへの変革」「サステナビリティ経営の推進」「企業認知度の向上と株主還元の継続」に沿った具体的な取り組みを継続して推進いたしました。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、前期に食品スーパー事業から撤退した影響がありましたが、国内での外食産業向け業務用食品の販売が堅調に推移し、売上高は1,230億92百万円前年同期比1.6%増)となりました。営業利益は、食品スーパー事業の撤退が増益に寄与した一方、シンガポール子会社における売上総利益率の低下や既存事業の物流費の上昇などがあり、34億54百万円同0.5%減)、経常利益は34億87百万円同3.9%減)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、海外子会社ののれんの減損損失や事業所の新築移転に伴う固定資産除却損の計上などにより17億93百万円同21.4%減)となりました。

 

セグメント別の概況につきましては、次のとおりであります。

 

[売上高の内訳]

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自 2024年2月1日

至 2024年7月31日

当中間連結会計期間

(自 2025年2月1日

至 2025年7月31日

増減

ディストリビューター

(業務用食品卸売)事業部門

89,250

94,585

+5,335

キャッシュアンドキャリー

(業務用食品現金卸売)事業部門

21,396

22,054

+658

フードソリューション事業部門

6,664

6,454

△210

食品スーパー事業部門

3,886

△3,886

合計

121,196

123,092

+1,896

 

 

 

[営業利益又は営業損失(△)の内訳]

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自 2024年2月1日

至 2024年7月31日

当中間連結会計期間

(自 2025年2月1日

至 2025年7月31日

増減

ディストリビューター

(業務用食品卸売)事業部門

3,027

2,534

△493

キャッシュアンドキャリー

(業務用食品現金卸売)事業部門

788

653

△135

フードソリューション事業部門

152

267

+115

食品スーパー事業部門

△496

+496

合計

3,471

3,454

△17

 

 

※2025年5月29日付「報告セグメントの変更に関するお知らせ」において公表の通り、前期に、事業ポートフォリオの見直しをしたことに伴い、当中間連結会計期間より、従来の報告セグメントから「食品スーパー事業」を抹消しております。

 

<ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門>

当事業部門の主要マーケットである国内外食業界は、好調なインバウンド需要の下支えなどにより、市場環境は堅調に推移いたしましたが、一方で、食材コストの上昇や人手不足への対応などは継続的な課題となっております。

このような中、当事業部門では、中期経営計画の取り組みテーマの一つである「エリア毎の市場環境に沿った事業展開へのシフト」を実行しつつ、既存得意先の深耕と新規得意先の開拓を進め、更なるシェア拡大を図りました。株式会社トーホーフードサービスでは、国内最大市場の首都圏において、前期に拠点再編を行い、2月に本格稼働した横浜支店横浜DCを活用し、活発な営業活動を開始した他、大阪・関西万博の開催や各エリアの商業施設開発などに伴う新たな需要に対し、積極的な営業活動を展開いたしました。また、全国7会場で総合展示商談会を開催し、外食業界の課題解決につながる提案を実施いたしました。

商品面では、味や品質、使い勝手にこだわったプライベートブランド商品を中心に、人手不足に対応できる商品や高付加価値を訴求できる商品などの提案を強化いたしました。また、サステナブルフードの取り扱いを強化すべく、5月に持続可能な漁業、養殖場の国際的な認証である「MSC(海洋管理協議会)」及び「ASC(水産養殖管理協議会)」の「CoC(Chain of Custody)認証」を当社グループの25拠点で取得し、環境に配慮した水産物をお届けできる体制を構築いたしました。更に、自社焙煎コーヒー「toho coffee」におけるフェアトレード認証コーヒーの取り扱いを強化し、開発途上国の生産者支援等に更に貢献していくため、6月には認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンとの間で国内上場企業では初めてフェアトレード認証コーヒーの戦略的パートナーシップを締結いたしました。

設備面では、各地域で最適な事業所体制を構築するため、3月には株式会社トーホー・北関東「茨城西支店」を新設し、既存2拠点を移転統合するとともに、4月には株式会社トーホーフードサービス「京都支店」を新築移転いたしました。

以上の結果、当事業部門の売上高は945億85百万円前年同期比6.0%増)、営業利益はシンガポール子会社の売上総利益率の低下や物流費の上昇などが影響し、25億34百万円同16.3%減)となりました。

なお、2025年6月12日付で「三協流通グループの新設合併会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」を公表しておりましたが、2025年9月4日付で当該新設合併会社である「株式会社三協食鳥」の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。

 

 

<キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門>

当事業部門におきましては、プロの食材の店「A-プライス」を中心に、主要顧客である中小飲食店に対し、毎日の仕入れへのサポート力を高めるべく、新商品やおすすめ・こだわり商品、メニュー提案といった情報提供の強化を図りました。

店舗では季節ごとの販促企画を行い、旬の食材や新メニューの提案を強化したほか、差別化商品であるプライベートブランド商品につきましても、専任担当者を全店に配置し、試食販売を強化いたしました。また、新たな取り組みとして一部エリアで市場開拓専門の担当者を配置し、新規顧客開拓と既存顧客の深耕を強化したほか、5月にはA-プライス4店舗でクイックコマースサービス(即時配達サービス)を導入し、店舗周辺の飲食店への利便性向上を図りました。

各地で開催する展示商談会につきましては5会場で実施し、地産地消商品やテイクアウト・デリバリーメニューなどの提案を行ったほか、小規模のエリアミニ提案会も実施し、提案機会の拡大を図りました。

一方、店舗につきましてはA-プライス3店舗(3月小倉北店、5月新金岡店、6月佐賀店)の改装を実施いたしました。

以上の結果、当事業部門の売上高は220億54百万円前年同期比3.1%増)、営業利益は人件費やPOSレジの入替に伴う減価償却費の増加などにより6億53百万円同17.1%減)となりました。

 

<フードソリューション事業部門>

当事業部門につきましては、品質・衛生管理サービス、外食企業向け業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工など「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能の提案を引き続き強化するとともに、グループ各社の展示商談会に積極的に出展するなどグループシナジーの更なる発揮に努めました。

なお、品質・衛生管理サービスを提供する株式会社トーホービジネスサービスでは、首都圏での活動を強化するため、5月に東京オフィスを開設いたしました。

以上の結果、当事業部門の売上高は建設部門の期中完工が前年同期と比較し少なかったことが影響し、64億54百万円前年同期比3.2%減)、営業利益は前期に本社改修費用を計上していた反動などにより2億67百万円同75.4%増)となりました。

 

 ②財政状態の状況

・総資産

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ41億9百万円増加し、924億29百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が22億32百万円、棚卸資産が12億86百万円増加したことなどによるものであります。

・負債

当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ38億82百万円増加し、610億84百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が23億5百万円1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金あわせて12億14百万円増加したことなどによるものであります。

なお、当中間連結会計期間末の借入金の総額は197億18百万円(前連結会計年度末185億4百万円)となりました。

・純資産

当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億27百万円増加し、313億45百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益17億93百万円の計上及び配当金7億55百万円の支払いにより、利益剰余金が10億38百万円増加した一方、自己株式の増加及び為替換算調整勘定の減少などによるものであります。自己資本比率については負債の増加により、33.8%と前連結会計年度末の34.8%に比べ1.0ポイント低下いたしました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、31億37百万円の収入(前年同期18億55百万円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前中間純利益による増加30億27百万円(前年同期38億27百万円の税金等調整前中間純利益)、減価償却費11億36百万円(前年同期9億83百万円)、仕入債務の増加23億24百万円(前年同期18億78百万円の増加)に対して、売上債権の増加23億13百万円(前年同期14億70百万円の増加)、棚卸資産の増加13億29百万円(前年同期13億76百万円の増加)などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、13億80百万円の支出(前年同期5億59百万円の支出)となりました。

これは主に、店舗の改装・移転に向けた固定資産の取得による支出15億4百万円(前年同期14億58百万円の支出)に対して、移転に伴う土地等の固定資産の売却による収入6億31百万円(前年同期5億72百万円の収入)などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、4億8百万円の支出(前年同期17億18百万円の支出)となりました。

これは主に、長期借入れによる収入60億円(前年同期40億円の収入)に対して、長期借入金の返済による支出47億86百万円(前年同期48億72百万円の支出)、配当金の支払額7億37百万円(前年同期5億89百万円の支出)などによるものであります。

以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、12億71百万円増加し、103億81百万円となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

特記すべき事項はありません。

 

(7) 主要な設備

当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変動はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2025年6月12日開催の当社取締役会において、三協流通グループ6社の合併を目的として設立される新設会社(以下「新設合併会社」という。)について、当該合併が完了した後、新設合併会社の全株式を当社が取得、子会社化することを決議し、2025年6月13日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、本件に伴う株式の取得は、2025年9月4日付で実行いたしました。

詳細は「第4[経理の状況] 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。