文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは社是である「信用」「信念」「信実」を基本理念として掲げ、お客様ならびに仕入先に対し幅広いソリューションを提供することでエレクトロニクスの総合商社としての存在価値を発揮し、「選ばれる商社」となることを目指しております。
デバイス事業においては、家電・自動車・産業機器メーカー等のお客様各社のグローバル化を支えるため、海外現地法人を展開し、商品やサービスの提供に努めるとともに、豊富な品揃えと仕入先製品の応用技術力によって、お客様と仕入先のコーディネーターとしての役割を担ってまいりました。また、ソリューション事業においては、情報通信ネットワークを核に、システムインテグレーターとしてお客様の事業発展に寄与してまいりました。今後もお客様ならびに仕入先に対する当社グループの存在価値向上に努めてまいります。
また、事業経営にあたっては、多様な人材の活躍を促進する体制の整備や、環境負荷軽減への継続的取り組みなどを通じて、企業市民としての使命を積極的に果たしてまいります。
(2)目標とする経営指標
自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標として捉え、その向上に努めてまいります。
(3)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置づけております。配当につきましては、連結配当性向50%を目処とし、株主の皆様への利益還元、成長機会獲得のための投資、持続的な成長を可能とする内部留保、資本効率の向上、これらのバランスを考慮して決定することを基本方針としております。
(4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等
デバイス事業では、長年主要な仕入先であったルネサスエレクトロニクス株式会社の商流喪失による影響をカバーし、安定した収益基盤と持続的な成長を目指すために、海外メーカーを中心とした仕入先の商流拡大に加え、新たなビジネスモデル構築に向けた取り組みを進めてまいります。ソリューション事業では、企業や自治体におけるDX(Digital Transformation)に向けた投資需要が高まるとともに、クラウドサービスの利用も活発化しています。この機会を追い風とするため自社のノウハウの活用に加えパートナー協業も強化してソリューションサービスのメニューの拡充に注力してまいります。これらの事業課題に加え、当社グループ全体としてサステナビリティをめぐる気候変動や人的資本等の企業課題に対しても積極的に取り組みます。
以上を踏まえ、当社グループでは当社第73期(2024年3月期)を最終年度とするV73中期経営計画(以下、「V73」という)を策定し、現在実行中です。以下の施策に鋭意取り組むことで、V73期間中における「自己資本当期純利益率(ROE)6%以上の維持」を目指すとともに、次期中計に向けた基盤固めに努めてまいります。
①事業構造改革による収益力向上と成長市場での事業拡大
(デバイス事業)
ⅰ)既存事業の拡大と収益性の改善
半導体/電子部品の販売を主力とした既存事業については、海外メーカー製品を中心に商品ラインナップの拡充および商流の拡大に取り組むことで収益基盤の拡大を図ります。併せて営業活動インフラの整備や販売オペレーションの見直し、人員の最適化を通じて業務効率を向上させ、収益性の改善に注力してまいります。
ⅱ)新しい収益基盤の確立
製造/インフラ市場を主要対象としたAI/IoTソリューションビジネスの拡大、部品/モジュールや完成品販売を足掛かりとしたロボティクス市場への拡販を継続して強化してまいります。また、高い収益性が見込まれるシステム提案型ビジネスの構築を視野に、パートナーとの連携強化やターゲット分野に精通したエキスパートの採用等を進めるなど、新しい収益基盤の確立に向けた取り組みを加速してまいります。
(ソリューション事業)
ⅰ)サービス提供型ビジネスの拡大
クラウドプラットフォームの提供体制を強化するとともに、併せて提供するアプリケーションサービスのメニューを充実させることで、オンプレミスからクラウドへの置き換えニーズを取り込み、サービス提供型ビジネスの拡大に注力してまいります。
ⅱ)デジタル技術力の拡充
DX進展に伴う商機を確実に捉えられるよう、コンサルティング機能の向上に向けた取り組みを強化してまいります。仮想化やセキュリティ、通信技術(SD-WAN、Wi-Fi 6、プライベートLTE等)をはじめ、デジタル技術力の拡充に注力してまいります。
ⅲ)顧客基盤の拡大
販売推進部門の拡充や外部コンサルティング機関の活用により、プリセールスやマーケティング機能の強化に取り組むとともに、社内クロスセルの推進やパートナーとの連携強化にも並行して取り組み、顧客基盤の拡大に注力してまいります。
②資本効率の向上
収益拡大と並行して注力した自己資本の適正化に向けた取り組みは、ROE向上に寄与することができました。今後は、現在の自己資本の規模においても取引先からの与信に必要な財務の健全性を維持し、安定的な取引を継続することで収益を拡大できるよう取り組みを強化し、資本効率の更なる向上に努めてまいります。取引条件の改善や債権の流動化、政策保有株式の売却等を通じて早期資金化に努めるとともに保有在庫の適正化を図るなど総資産の圧縮に取り組み、資本効率の向上と財務の健全性維持の両立に努めてまいります。また、資金調達の機動性と安定性を担保するため、既に契約を締結した取引先金融機関とのコミットメントライン契約を含め必要な取り組みにも注力してまいります。
③コーポレート・ガバナンスの強化
ⅰ)サステナビリティを巡る課題への取り組み強化
将来の労働力不足を見据えたダイバーシティの確保や人的資本に対する投資に向け、女性や外国人、中途採用者の積極的な管理職登用や教育・研修制度の充実、働きやすい職場環境整備等に注力してまいります。また、当社の取引先を含め幅広い業界、業種に大きな影響を及ぼす気候変動問題に対しては、必要に応じてプロジェクトの設置や外部リソースの活用を通じて審議を深めながら経営戦略を構築するとともに、TCFDの要求項目に沿った開示を目指してまいります。
ⅱ)取締役会の機能強化
上記①~③の施策の実行にあたり取締役会が中心的な役割を果たせるよう、業務執行に関わる重要事項の的確な意思決定および業務執行の監督に必要なスキルを明確化し、そのスキルをバランスよく確保した経営体制の構築に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
※記載順は、重要度の高い順に記載しております。
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リスク分類 |
リスクの説明 |
対策 |
区分 |
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自然災害や感染症拡大のリスク |
当社グループは、地震、台風等の自然災害や感染症の蔓延、テロ攻撃や戦争等により財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を受ける可能性があります。 新型コロナウィルスの相次ぐ変異株の感染再拡大による影響が長期化し、引き続き感染予防策を講じながらの経済活動が余儀なくされ、先行き不透明な状況です。 感染拡大に伴い、仕入先工場の稼働率低下や物流網の中断による供給遅延リスク、得意先の生産及び販売の減少による需要減少リスク等により売上高や利益が減少する可能性があります。 また、感染対策としての都市封鎖(ロックダウン)が実施された場合、事業所の閉鎖等により事業運営に支障をきたす恐れがあります。 |
当社グループでは、「リスク管理規程」に基づき、総合リスク対策委員会を設置し、リスクの洗い出し、未然の予防、リスクが発生した場合の迅速な対応を行い、定期的に取締役会へリスク管理状況を報告しております。 総合リスク対策委員会では、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、対策委員会を立ち上げ、得意先、仕入先、従業員、関係当局等の情報収集、分析、報告を行い、顧客サービス維持のための対策を講じております。 また、従業員の行動基準として「新型コロナウィルス対策ガイドライン」を制定し、リモートワークの実施、出張制限等により感染防止に適時適切に対応しております。 |
全社 |
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主要仕入先への依存リスク |
デバイス事業の仕入先のうち上位3社及びそれぞれのグループ会社からの仕入高の構成比は、当連結会計年度において約70%を占めております。 このため上位仕入先における製品戦略や生産方針、販売店政策の変更、また当仕入先での企業再編等が行われた場合、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
デバイス事業では、海外メーカー製品の商品ラインナップ拡充による売上拡大に注力しております。また、AI/IoTソリューションの販売やロボティクス市場における部品、モジュール、完成品販売と関連サービスの提供を図るなど、高利益率の新規事業を開拓することで事業ポートフォリオ改革を進めております。 このような取り組みを通じて顧客及びマーケット、ならびに仕入先の拡大を図ることで、外部の環境変化に強い収益基盤ならびに持続可能な成長基盤の構築を目指しております。 |
デバイス事業 |
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主要得意先への依存リスク |
デバイス事業における大口顧客の多くは、家電やゲーム、モバイルをはじめとした民生用機器メーカーとなっており、特定の分野の比重が高くなっております。 また、デバイス事業の得意先のうち上位4社及びそれぞれのグループ会社に対する売上高の構成比は、当連結会計年度において約40%を占めております。 このため、景気動向に加え、大口顧客において製品戦略や調達方針の変更、また当販売先での企業再編等が行われた場合、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
デバイス事業 |
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ソリューション事業においても、大口顧客の売上割合が高い収益構造になっております。 このため、大口顧客において製品戦略や調達方針の変更、また当販売先での企業再編等が行われた場合、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
ソリューション事業では、顧客基盤の拡大に向けた、人員増強による拡販強化や仕入先との連携強化、クラウドサービスを中心とした新たなサービスメニューの投入、展示会やセミナーなどによるプロモーションを通じた新規顧客の発掘に努めております。 |
ソリューション事業 |
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半導体の需給逼迫リスク |
デバイス事業における主要取扱商品である半導体の需給が逼迫する状況にあります。半導体の需給が逼迫した状況が続くと、得意先の納期までに商品を調達できないリスクや得意先であるセットメーカーが必要な部品を調達することができず減産を行うリスクにより、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、ソリューション事業においては、半導体の需給逼迫がパソコンやサーバー、ネットワーク機器といった電子機器の調達に影響し、納期の遅延や注文のキャンセルにより、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
デバイス事業では、早期から得意先の生産計画を入手し、仕入先のリードタイムを考慮した上で発注管理を行っております。 得意先及び仕入先と連携し、精度の高い生産計画に基づき、早期から発注を行うことで商品の確保に努めております。 また、得意先の販売計画に変更がある場合には、早期に情報を入手し、仕入先と対応を協議しております。 ソリューション事業では、仕入先と連携し、在庫状況や納期状況等の情報交換を緊密に行い、早期から発注を行うことで商品の確保に努めております。 |
デバイス事業/ソリューション事業 |
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保守・サポートビジネスの減少リスク |
ソリューション事業においては、システムを販売した後の保守・サポートビジネスで収益を獲得するビジネスモデルを収益の柱としてきました。しかしながら、このビジネスモデルは、サーバーやデータベースなどの情報システムを自社内の設備で運用する形態から、インターネットを経由したクラウドサービスへ置き換えが進むことで、漸減していくことが予想され、売上高や利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
ソリューション事業では、クラウドプラットフォームの提供体制を強化するとともに、併せて提供するアプリケーションサービスのメニューを充実させることで、オンプレミスからクラウドへの置き換えニーズを取り込み、サービス提供型ビジネスの拡大に注力しております。 |
ソリューション事業 |
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在庫の陳腐化リスク |
半導体商社の重要な機能として、得意先への安定供給とリードタイムの短縮を目的に、一定水準の在庫を保有しております。 得意先の生産計画の変更や中止等により、当該在庫が陳腐化し、商品評価損が計上されることで、利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社では、在庫委員会を設置し、グループ全体の適正な在庫水準の維持と滞留在庫の防止に努めております。 得意先の生産計画に変更がある場合には、早期に情報を入手し、仕入先と対応を協議しております。 なお、在庫の評価につきましては、将来の販売可能性等を考慮し、適切に評価した上で商品評価損を計上しております。 |
デバイス事業 |
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投資損失リスク |
当社グループでは、将来の成長に向けて新規商材や新規仕入先の開拓のために、ビジネスパートナーへ投資を行うことがあります。 企業への投資は、不確実性が高く、当初の事業計画通りに事業が進まず投資損失を計上することで、利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社では、投資委員会を設置し、投資する前に投資先の財政状態、戦略の実現可能性、投資リターン等を慎重に判断して投資可否の意思決定を行っております。 また、投資後におきましても投資先のモニタリングを行い、定期的に取締役会へ報告を行っております。 なお、投資先の評価につきましては、投資先の事業計画と実績に大幅な乖離が生じた場合、実質価額まで評価を下げ、投資有価証券評価損を計上しております。 |
全社 |
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債権回収不能リスク |
当社グループでは、得意先の売上債権回収期間と仕入先の仕入債務支払期間の差を埋める金融機能が重要な役割となっております。 当社グループの売上債権回転期間は、約3.5ヶ月となっており、得意先の財政状態に問題が起きた場合、回収不能となるリスクがあります。 なお、当連結会計年度末の売上債権額は358億円となっております。 |
当社では、債権管理委員会を設置し、グループ全体の与信管理、債権事故の防止に努めております。 得意先の信用状況に懸念が生じた場合は、信用保険やファクタリング等のリスクヘッジ策を講じております。 なお、債権の評価につきましては、回収懸念のある債権は回収不能見込額を適切に見積もった上で貸倒引当金を設定しております。 |
全社 |
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借入金の増加リスク |
当社グループでは、売上債権の回収期間と比較して仕入債務の支払期間が短くなっております。 そのため、売上の増加に伴い運転資金の需要が発生することから、この運転資金を金融機関等外部から調達する財政構造となっております。 この結果、借入金の増加や金利の上昇は支払利息の増加となり、利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、借入金の増加は自己資本比率の押し下げ要因となることから、機動的な資本政策の実施を阻害する可能性があります。 なお、当連結会計年度末における借入金額は244億円であり、自己資本比率は42.1%となっております。 |
当社グループでは、主に銀行から借入金により資金調達を行っており、資金余剰時に機動的に借入金を返済できるように返済期日を分散して管理しております。また、収支管理を徹底し、借入額の極小化に努めております。 金利上昇時には長期固定金利の借入金や金利デリバティブ等を活用し、リスクヘッジに努めております。 また、必要な資金を確保できるように複数の金融機関と借入枠の契約を締結しております。 さらに、債権流動化等により売上債権の早期資金化を行うことで借入金の増加を抑えております。 |
全社 |
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為替の変動リスク |
当社では、外貨建ての輸出取引に加え、国内取引においても外貨建て決済の取引があり、売上高の約70%は米ドル建て取引となっております。仕入につきましても外貨建ての輸入取引に加え、外貨建て決済の取引があり、仕入高の約80%は米ドル建て取引となっております。 為替相場が変動した場合、外貨建て資産及び負債の決済時や評価時に為替差損が発生する可能性があります。 また、当社グループは、アジアを中心に海外に子会社を設立し、事業を展開しております。 連結財務諸表の作成にあたっては、在外子会社の外貨建て財務諸表を円換算することから、為替相場が変動した場合、連結業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、為替相場の変動による損益への影響を軽減するために為替予約や為替マリー、外貨建て借入金等を活用し、リスクヘッジに努めております。 |
デバイス事業 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を経過的な取扱いに従って適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の相次ぐ変異株の感染再拡大により各国の経済活動が停滞したほか、原材料価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻等の影響も加わるなど、厳しい状況となりました。
当社グループの事業領域であるエレクトロニクス業界におきましては、半導体や電子部品の需給が逼迫する状況が続き、その向け先となる自動車や電子機器等の生産に影響を及ぼしました。一方、国内のICT業界におきましては、半導体の需給逼迫に起因した製品の納期遅延問題が顕在化したものの、DX(Digital Transformation)関連投資が総じて堅調に推移しました。
このようななか、当社グループにおきましては、デバイス事業では既存ビジネスの収益性向上と高利益率の新規事業の開拓によるポートフォリオ改革、ソリューション事業ではサービス提供型のビジネスモデルの構築や最新デジタル技術力の拡充、顧客の増大に努めました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は1,235億83百万円(前期比9.6%増)となり、損益面につきましてもデバイス事業の好調を受けた結果、営業利益は42億9百万円(前期比94.2%増)、経常利益は35億60百万円(前期比89.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は25億24百万円(前期比53.4%増)、自己資本当期純利益率(ROE)は6.8%(前期は3.9%)となりました。
なお、セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
(デバイス事業)
デバイス事業におきましては、主にエレクトロニクスメーカー向けに半導体(システムLSI、マイコン、液晶ディスプレイドライバIC、メモリ等)や電子部品(コネクタ、コンデンサ、液晶パネル等)の販売に加え、ソフト開発やモジュール開発等の技術サポートを行っております。
当連結会計年度におきましては、ルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約を前年度6月に解消したことから同社製品の販売が減少したものの、海外半導体メーカー製品の伸長や既存仕入先の商権拡大、新規仕入先の商権獲得などにより総じて販売は好調に推移しました。また、半導体等の需給逼迫を含む一時的な要因も加わった結果、売上高は1,105億22百万円(前期比11.7%増)、セグメント利益は21億88百万円(前期比1,168.0%増)となりました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業では、ネットワークシステム機器やセキュリティ製品、基幹系業務システム、クラウドやデータセンター等を活用し、お客様毎に最適なICTインフラを提供しております。また、AI/IoT等の革新的な技術やクラウドの発展に伴うテクノロジーの進化にも対応し、設計や構築、運用保守まで一貫して行っております。
当連結会計年度におきましては、映像分野は好調に推移したものの、その他の分野は半導体の需給逼迫に起因した製品の納期遅延等により、総じて販売が低迷しました。この結果、売上高は130億61百万円(前期比5.4%減)となりました。また、売上高総利益率は前期並みを維持したものの、売上高の減少や人員増強による販管費増加の影響が大きく、セグメント利益は13億72百万円(前期比19.6%減)となりました。
(注)各事業のセグメント損益は経常損益ベースの数値であります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて117億93百万円減少し、728億9百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少162億36百万円、未収消費税等の減少37億円、商品の増加53億98百万円等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて7億33百万円増加し、421億25百万円となりました。これは主に仕入債務の増加13億51百万円、未払法人税等の増加3億14百万円、短期借入金の減少9億24百万円等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて125億26百万円減少し、306億83百万円となりました。これは主に自己株式の消却による資本剰余金の減少53億29百万円及び利益剰余金の減少104億51百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、自己株式の取得等により支出が増加したため、前連結会計年度末に比べて162億36百万円減少し、93億7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上及び未収消費税等の減少による収入が棚卸資産の増加等による支出を上回り、21億89百万円の収入となりました。その結果、前連結会計年度が16億86百万円の支出であったことから、収入が38億76百万円増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得及びソフトウエアの取得による支出等により、1億49百万円の支出となり、前連結会計年度に比べて支出が2億30百万円減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済及び自己株式の取得による支出等により185億84百万円の支出となりました。その結果、前連結会計年度が89億25百万円の収入であったことから、275億10百万円の支出増となりました。
④仕入、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前期比(%) |
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デバイス事業 |
103,624 |
16.8 |
|
ソリューション事業 |
9,033 |
△3.4 |
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合計 |
112,657 |
14.9 |
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
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デバイス事業 |
146,553 |
30.7 |
70,628 |
104.0 |
|
ソリューション事業 |
13,773 |
2.1 |
5,530 |
14.8 |
|
合計 |
160,326 |
27.6 |
76,158 |
93.1 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
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デバイス事業 |
110,522 |
11.7 |
|
ソリューション事業 |
13,061 |
△5.4 |
|
合計 |
123,583 |
9.6 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、総販売高の100分の10以上を占める相手先がないため記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績の分析
当社グループでは、当社第73期(2024年3月期)を最終年度とするV73中期経営計画(V73)を策定し、その
定量目標として「自己資本当期純利益率(ROE)5%」の早期達成を目指すとともに、最終年度での「経常利益25億円以上」「親会社株主に帰属する当期純利益18億円以上」を掲げておりました。このうちROEの目標値に関しては、2022年3月期に実施した自己株式の公開買付けをはじめとする株主還元の強化策を通じて自己資本の適正化が順調に進捗したことを受けて、当社グループの自己資本コストをターゲットにすることとし、V73の定量目標を「V73期間中におけるROE6%以上の維持」に変更いたしました。
イ.定量目標(連結基準)
当社は、ROEと経常利益を重要な経営指標と捉え、V73期間中のROE6%以上の維持を目指してまいります。
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2022年3月期実績 |
2023年3月期予想 |
2024年3月期目標 |
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ROE |
6.8% |
6.7% |
6%以上 |
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経常利益 |
3,560百万円 |
2,900百万円 |
2,500百万円以上 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,524百万円 |
2,100百万円 |
1,800百万円以上 |
ロ.重要な経営指標向上に向けた課題
・事業構造改革による収益力向上と成長市場での事業拡大
・資本効率の向上
・コーポレート・ガバナンスの強化
ハ.上記課題における施策
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、営業取引から生じる運転資金であります。運転資金につきましては、金融機関等からの短期借入により資金調達を行うことを基本としております。なお、不測の事態に備え、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、取引金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、246億4百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は93億7百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(提出会社)
販売等の提携
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提携先 |
取扱商品 |
契約の種類 |
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日本電気株式会社 |
電子機器 |
販売特約店契約 |
該当事項はありません。