以下の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社は、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の計測ソリューションをあらゆる産業分野に提供しています。当社は3つの企業理念に基づいて事業活動を推進し、さまざまな研究開発分野で最先端の計測技術を提供する「計測ソリューションプロバイダー」として、すべてのステークホルダーとともに発展を目指します。また、持続可能な社会の実現と環境の保全は企業の使命であり、当社の事業を通じて責任を果たしてまいります。
<企業理念>
“はかる”技術で未来を創る
はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献する
テクノロジーインターフェース
最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する
企業価値の向上
計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす
当社グループは、2030年に目指す姿として「BreakThrough600」(連結売上高600億円、連結営業利益75億円、ROE15.0%)を掲げています。現在、2030年までの中間地点である2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”(2025年9月期~2027年9月期)を推進しており、同計画では連結売上高450億円、連結営業利益45億円、ROE11.0%を最終年度に達成すべき経営指標として定めております。
事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ経営の3本柱を軸に成長戦略を実行し、持続的に企業価値を向上させてまいります。
事業戦略としては、主に先進モビリティや脱炭素/エネルギー、防衛といった分野に注力して事業拡大を図ってまいります。また、当社が扱う製品・サービスの一層の高付加価値化、差別化を図るべく、継続的に安定した収益が期待できるリカーリングビジネスの推進や自社開発製品による独自ソリューションの提供を拡大してまいります。さらに、新拠点の設立も含め海外での事業展開を強化するとともに、当社グループの成長戦略を加速させるためのM&Aについても、引き続き積極的にチャレンジしてまいります。
財務・資本戦略では、営業キャッシュ・フローおよび資産売却や銀行借入による資金調達を原資とし、その50%以上をM&A含む成長投資へ活用する方針です。経営基盤強化のための人的資本投資や設備投資、DX/AI投資も積極的に進め、事業成長と資本収益性の向上を図ってまいります。
株主還元については戦略的かつ安定的に配分するため、配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上として継続的な増配を目指してまいります。また、自己株式の取得については、直近では2024年8月8日から2024年10月3日までの期間、93万6,600株、14億9千9百万円の自己株式取得を実施しており、今後も成長投資とのバランスを見ながら適宜取得を検討してまいります。
サステナビリティ経営については、当社の企業理念に基づいた事業活動そのものがサステナビリティ推進に直結するという意識を全社で共有し、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から当社が注力すべき5つの優先課題を設定して諸施策に取り組んでいます。中期経営計画“TY2027”では取り組みをさらに加速するため、特に注力する項目をサステナビリティ中期計画“STY2027”として設定し、「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の各重点課題に全社一丸となって取り組んでまいります。具体的には、先進モビリティ開発や脱炭素社会の実現に貢献するソリューションの売上拡大、女性管理職比率の向上、健康経営優良法人の取得などを目標に掲げています。今後もSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を推進し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。
当社グループを取り巻く環境は、急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化と為替の乱高下、地球温暖化に伴う自然災害の深刻化、東アジアにおける地政学リスクの高まり、ウクライナや中東情勢の長期化といった不安定な状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。そのような状況下において、対処すべき課題を次のように捉えて取り組んでまいります。
当社グループは“はかる” 技術のリーディングカンパニーとして、各産業における技術革新に貢献しています。その事業分野は、脱炭素/エネルギー、先進モビリティ、情報通信、EMC(電磁環境両立性)、ソフトウェア開発、防衛、サイバーセキュリティなど多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発も推進しています。
この独自のビジネスモデルによる優位性を活かして、以下の事業戦略を実行することにより、持続的な成長を実現してまいります。
① 製品戦略
既存事業のオーガニック成長に加え、積極的なM&A等の事業投資、自社開発製品や新技術分野への投資を積極的に行います。国内外の研究機関・大学・企業と協力してオープンイノベーションを推進することで、付加価値の高い独自の製品・ソリューションを開発し、成長が見込める新事業の確立を目指します。
② 市場戦略
各種社会課題の解決に向け、主要産業において官民での取り組みが進められております。自動車業界においても、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)などの普及や自動運転の実現に向け、さまざまな性能評価の需要があり、当社グループではあらゆる側面からのニーズに応える先進ソリューションの提供に注力しております。
当期においては、当社が自社開発した「DMTS(Driving & Motion Test System)」を自動車の試験研究機関である一般財団法人日本自動車研究所に納入し、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発設備として運用を開始していますが、DMTSの主要構成品であるハブダイナモメーターはスウェーデン子会社のRototest International ABの製品であり、国内外の大手自動車メーカーや研究機関での導入が順調に進んでいます。
今後もAD/ADAS開発に向けた上記ソリューションをはじめ、脱炭素に不可欠な電動車や燃料電池車開発向けのソリューション等を提供し、国内外で先進モビリティビジネスを加速してまいります。
③ サステナビリティ・マネジメント
持続可能な社会の実現は世界共通の最優先課題であり、経営上最も配慮すべき課題です。この点については、当社の企業理念に基づいて事業を進めることがサステナブルな未来創りにつながると確信しています。サステナビリティへの取り組みとして、技術革新と産業発展への貢献、環境保全の推進を目標に掲げ、「脱炭素社会の推進」「循環型社会の実現」「安心・安全で豊かな暮らしの実現」「多彩な人財の育成と活躍」「健全で強固な経営基盤の確立」を5つの優先課題に設定しています。これらの課題を社員一丸となって推進し、常にコンプライアンスに注意を払いながら公正で透明な会社経営によって社会的な責任を果たしてまいります。
当社のサステナビリティの取り組みは、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」 の構成銘柄への選定やCDP気候変動レポートでのBスコア獲得など、外部評価機関から評価を得ており、今後も取り組みを一層推進していくことで、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
④ 人材戦略
当社グループにとって人材こそが最大の財産であり、社員の能力向上が当社グループの成長や業績に直結します。そのため、社員のキャリアアップ支援と評価制度の充実、グローバルに活躍できる人材の育成に投資していきます。働き方改革も積極的に推進しており、フレックス制度、テレワーク勤務制度と併せてマイスター/シニアマイスター制度(注)などの導入により、社員のモチベーションと生産性の向上、公平で働きやすい勤務体制・職場環境の整備にも取り組んでおります。また、多様性の観点から女性や外国人の活躍推進、障がいを持つ方の職場環境の整備による雇用率向上にも努めています。
(注)マイスター/シニアマイスター制度:
社員の70歳までの就業を確保し、高年齢者の就労意欲向上と生活の安定を図ることを目的とした制度
当社のサステナビリティ全般に関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、サステナビリティに関しては、当社のホームページにも記載しております。ホームページアドレスは次のとおりであります。(https://www.toyo.co.jp/sustainability/)
当社は、持続可能な未来を創る“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、社会課題の解決につながる新たな価値創造を 目指しており、サステナビリティ方針を定めております。
<企業理念>
“はかる”技術で未来を創る
はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献する
テクノロジーインターフェース
最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する
企業価値の向上
計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす
このサステナビリティ方針の実現に向け、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から5つの優先課題を設定しました。各優先課題に活動目標を設定し、取り組んでおります。
5つの優先課題

当社は、持続的な企業価値向上と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進するために、サステナビリティ委員会を設置しております。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長、取締役を副委員長、営業・技術・コーポレート部門の責任者を委員とし、当社のサステナビリティ施策の推進と進捗状況のモニタリングを行い、継続的な改善を図っています。サステナビリティ委員会は活動状況や計画などについて執行会議に定期的な報告を行い、執行会議はサステナビリティに関する重要課題の協議・決定及び進捗状況のモニタリングを実施しています。
取締役会は、執行会議が決定した重要課題について定期的な報告を受け、指示・監督を行っています。
サステナビリティ推進体制図

第72期 サステナビリティ委員会の開催実績と主な討議内容
<戦略>
当社は最先端の計測ソリューションを幅広い分野に提供することで、多様な産業でのイノベーションの創出を支えています。事業そのものが持続可能な未来づくりに貢献するものであると認識し、サステナビリティへの取り組みを経営の最重要課題の一つとして位置付けています。
2024年10月にスタートした新たな3か年中期経営計画“TY2027”では、サステナビリティに関する項目についてサステナビリティ中期計画“STY2027”を設定。サステナビリティ委員会において「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の三つを重点課題として特定し、全部門が重点課題に関連した具体的活動計画と目標を設定して、その実現を目指しています。
<リスク管理>
当社のサステナビリティに関するリスクはサステナビリティ委員会が管理しています。気候変動、サプライチェーン、人権等のサステナビリティに係る政策や規制等の動向について、定期的に情報収集を行い、それらの外部課題を基に、サプライチェーン及びバリューチェーン上の各段階で想定されるリスクを特定しております。その後、財務影響が大きいリスクや機会については執行会議および取締役会に報告し、全社的なリスク管理の観点から適切な対策を審議し決定することで、リスクの最小化のための管理や機会の最大化のための戦略を推進しています。
事業活動全般にわたり生じるさまざまなリスクは
<指標および目標>



当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、提言に基づく気候関連情報の開示を実施しております。
当社は、環境保全の推進をサステナビリティ優先課題の一つとして設定し、サステナビリティ委員会が気候変動に関する取り組みを担当しています。同委員会や取り組み推進体制の詳細については、「(2)サステナビリティに関する取組<ガバナンス>」に記載のとおりです。
<戦略>
当社は、気候変動課題が企業の持続可能性を揺るがすリスクであり、事業の拡大につながる重要な機会でもあると認識しております。
気候変動が当社にもたらすリスクと機会を把握した上で、影響のある項目についてのインパクト分析を行い、そのシナリオに対応した戦略を検討し、レジリエンスを検証しました。
なお、事業に及ぼす財務影響度については、現時点では定量評価が難しいため「大」「中」「小」の三段階で、定性的に把握しています。今後は継続的にシナリオ分析を進めることで財務影響度の精度を高めながら 気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、サステナビリティ経営のレベルアップに努めてまいります。
<リスク管理>
当社は気候変動に関連するさまざまな外部環境の変化に対応するために、サステナビリティ委員会にてリスクと機会が与える財務影響を「大」「中」「小」の3段階で定性的に分析・評価し、対策案を検討しています。財務影響が大きいリスクや機会については執行会議および取締役会に報告し、全社的なリスク管理の観点から適切な対策を審議し決定することで、リスクの最小化のための管理や機会の最大化のための戦略を推進しています。今後も引き続き、気候変動におけるさらなるガバナンスおよびリスク管理の強化を進めていきます。
気候関連のリスクおよび機会、当社事業への財務影響

採用シナリオ:
4℃シナリオ:IPCC/RCP8.5、IEA
1.5/2℃シナリオ:IPCC/RCP2.6、IEA
時間軸の定義:
短期:3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年
リスクへの対応策

当社は、Scope1、2に関する温室効果ガス排出量削減目標として、2030年度に2013年度比で46%削減することを掲げるとともに、日本政府が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」等に基づき、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指しています。

温室効果ガス排出量:Scope1,2,3 ※1
※1:温室効果ガス排出量は株式会社日本環境認証機構による第三者保証を取得しています。また、第三者検証の結果、過年度数値の一部を遡及修正しています。
※2:カテゴリ11、12に関して、輸出入(外国間取引を含む)および国内取引の他、多くの種類の商品を取り扱うため、全ての商品について算定する体制がまだ整っていません。
当社が最も大切にしている財産は人です。社員の優れた技術力と発想で新たな価値を創造し続けることが、当社の企業価値そのものです。人的資本(人財)を最大化すべく、社員の挑戦を後押しするための環境づくりとして、「人財育成」および「社内環境整備」を次のとおり推進しております。
技術革新に貢献する企業として、専門性の高い技術力や柔軟な発想力を持つ人財の確保と育成は、当社の持続的な企業活動の根幹です。
当社では教育中期計画を掲げ、個人の能力や強みを伸ばすことができるようなキャリアアップ支援と評価制度の拡充を推進しています。また、一人ひとりが自発的に能力開発できる環境を整え、自己啓発を推進しています。
・社員の育成―配置―評価のサイクルを機能させることにより、キャリアアップを図っています。
・人材育成委員会を設けて、社員教育の4本柱(階層別教育、職能別教育、語学研修、全社共通研修)を基軸とした社内教育を推進するとともに、育成―配置―評価の運用状況モニタリングを行っています。
・社内公募制度、新卒入社3年目社員異動希望実現プログラムを設けて、社員のキャリアアップ意欲に積極的に対応しています。
当社は全社方針実現に向けた優先課題の一つに「多彩な人財の育成と活躍」を掲げており、具体的に以下の取り組みを行っております。
性別、国籍、経験、年齢、性的指向、障がいの有無に関わらずすべての社員が自分らしく働くための組織づくりを、制度と風土の両面から推進しています。
視点の多様性が意思決定の質を高め、新たな発想を生み、当社の目指す「新たな価値の創造」へと繋がる大きな原動力となります。
・女性の活躍
女性の活躍促進のため、女性管理職比率向上の目標を定め、積極採用、育成および活躍を支援する職場環境づくりに努めています。また、従業員における女性採用比率も高まってきています。
・外国人の活躍
外国籍の社員も多数活躍しており、国籍に関わらず優秀な社員には重要なポジションを担ってもらっています。今後も当社の成長を支える原動力として、外国籍社員の採用を継続します。
・キャリア採用者の活躍
多様な経験を活かし多くのキャリア採用者が活躍しています。社員構成におけるキャリア採用者の比率は高く、管理職においては50%を超えています。今後も積極的な採用を推進していきます。
・シニア層の活躍
定年後再雇用の年齢を65歳から引き上げ、全社員を対象に希望に応じて70歳まで雇用を行っています。60歳から65歳までの従業員を「マイスター」、65歳以上の社員を「シニアマイスター」と位置づけ、経験や能力を活かしてもらうと共に社員の生活の安定を図っています。
・障がい者採用の推進
多様性のある企業文化を醸成し、一人ひとりがそれぞれの希望やスキルに合った仕事で活躍できる環境を整え、積極的な採用を推進しています。
各種教育・研修を強化するとともに、個人の能力や強みを伸ばすことができるようなキャリアアップ支援と評価制度の拡充を推進しています。
従業員それぞれの役割や専門性に対応した体系的かつ多様な研修プログラムを設けています。
教育体系図

働き方改革のさらなる取り組みにより、社員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスの実現と、心身の健康維持・促進を図ることで、社員全員が安心して働ける職場環境づくりを目指します。
・ワーク・ライフ・バランスの推進
従業員一人ひとりの生産性の向上や働きがいの実感が得られるよう、ワーク・ライフ・バランス推進や生産性向上のための取り組みを実施しています。
当社は1日の所定労働時間を7時間とし、テレワーク制度、フレックスタイム制度、育児・介護両立のための休業や短時間勤務制度等を整えています。
・従業員の心身の健康増進と安全
従業員が心身ともに健康に安心して働くことができる職場環境を整備し、従業員の健康保持・増進に積極的、継続的に取り組んでいます。
産業医面談を通じた就業実態・心身の健康状態の把握と改善、メンタルヘルスに関する研修受講や産業医への相談窓口の設置、人間ドックや婦人科検診受診の促進などに取り組んでおります。
<指標および目標>
社内環境整備に関する指標および目標(2024年10月まで)
社内環境整備に関する指標および目標(2027年10月まで)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、以下の投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、これらリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年12月23日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)自然災害・社会的混乱について
当社グループは、国内及び海外に事業展開しております。大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、テロ、戦争、新型ウイルス等の感染症が発生した場合、企業活動全般や人的資源に重大な影響、損害を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え、安否確認システムの導入やデータセンターの分散化などの対応を講じており、さらなる対策強化のため事業継続計画(BCP)の改善を進めています。
(2)為替レートの変動について
当社グループは、海外から製品を輸入し国内外へ販売しております。従って、為替レートの変動が損益に影響を与える可能性があります。急激な円安・円高に対しては、販売価格の変更や為替予約等により、為替レート変動の影響軽減に努めております。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)プロジェクトの長期化について
当社グループの事業におきましては、案件によっては建設業の許可を要するなど、プロジェクトが大型化する傾向にあります。そのような案件では計測システムの納期や設置が長期化するため、検収遅延発生の要因が増加しております。期中に予定していた検収時期が後ろ倒しとなり、売上計上の期ずれが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)総代理店契約解消について
当社グループと総代理店契約を締結している海外メーカーが、日本法人の設立や他社からの買収によって、当社グループとの総代理店契約を解消する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。海外メーカーへの投資によるパートナーシップの強化や、その競合メーカーを含むより多くの海外メーカーと関係構築することでリスクの軽減に努めております。
(5)金融商品の価格変動について
当社グループが保有する金融商品等については、金融商品に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の時価を算定し推移を確認しておりますが、時価が著しく下落し、当該金融商品等の減損損失等を計上する場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) グループガバナンスについて
当社グループではM&Aによる事業拡大を推進していることから、国内外で子会社が増加しています。そのため、各子会社における法規制の遵守や業務プロセス管理の徹底が不十分だった場合、法令違反や不正・不祥事によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では買収後の経営統合プロセスを適切に進め、リスクの軽減やシナジーの最大化に努めております。
(7) 研究開発について
当社グループでは付加価値の高い自社オリジナルソリューションを提供するため、研究開発活動を強化しております。しかしながら、開発期間の長期化等により開発を断念せざるを得ない場合や市場に投入した製品の販売低迷が続いた場合、研究開発コストを回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材の確保について
当社グループでは、人材を企業にとって最も重要な財産=“人財”と捉え、持続的成長に向けてさまざまなバックグラウンド、経験、スキルを持つ人材を採用しています。今後、国内の少子高齢化に伴う労働力人口の減少等によって、当社グループが必要とする能力を持つ人材や必要な人員数を確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは業績連動に基づく社員への積極的な利益還元、人事制度の拡充や働き方改革を推し進めることで“人財”の確保や定着を図り、リスクの軽減に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
経営成績の状況
当社は2024年9月期の通期業績予想(売上高345億円、営業利益33.5億円)及び、最終年度を迎えた中期経営計画“TY2024”で掲げてきた経営指標の一つであるROE8.0%以上の達成に向けて、成長戦略を推進してまいりました。
当連結会計年度におきましては、物性/エネルギー事業がカーボンニュートラル分野における研究開発投資の活況を受け、次世代電池やEV向け評価装置の売上が好調に推移しました。また、機械制御/振動騒音事業では米国及び国内においてAD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発向けの大型評価システム案件を計上し、当事業についても大幅に売上が増加しました。これらの結果、連結売上高は過去最高となる350億4千2百万円(前連結会計年度比24.4%増)となりました。この内、国内売上高は316億6千万円(前連結会計年度比22.6%増)、米国や中国向けを中心とした海外売上高は33億8千2百万円(前連結会計年度比43.5%増)でした。
利益面におきましては、売上高の増加による増収効果、事業構成の変化や高利益率の大型案件による売上総利益率の上昇により、営業利益、経常利益、当期純利益ともに大幅に増加しました。営業利益は33億6千6百万円(前連結会計年度比128.6%増)、経常利益は33億7千5百万円(前連結会計年度比87.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億2千2百万円(前連結会計年度比64.4%増)となりました。
なお、ROEについては9.0%となり、前連結会計年度の5.3%から大きく向上しました。
受注高については、機械制御/振動騒音事業が大きく増加したほか、情報通信/情報セキュリティ事業、海洋/特機事業が伸長したことにより、336億2千8百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。一方、受注残高は物性/エネルギー事業などの計上が順調に進み、170億3千2百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
事業セグメントごとの業績は、次のとおりです。
(情報通信/情報セキュリティ)
情報通信/情報セキュリティ事業におきましては、情報通信分野の大手通信事業者向けネットワーク性能試験や新規ビジネスのモービルマッピングシステムが伸長しました。また、サイバーセキュリティ分野のサービスプロバイダー案件が堅調に推移しました。
この結果、売上高は74億8千1百万円(前連結会計年度比12.5%増)、セグメント利益は3億8千8百万円(前連結会計年度比52.6%増)となりました。
(機械制御/振動騒音)
機械制御/振動騒音事業におきましては、AD/ADAS開発向けVILS(実車とシミュレーション環境を連携した評価・試験手法)分野の大型案件を国内外で計上できたほか、振動騒音計測関連も堅調に推移しました。また価格の見直しによる利益率の改善などがあり、売上高、セグメント利益ともに大幅に増加しました。
この結果、売上高は76億6千4百万円(前連結会計年度比63.1%増)、セグメント利益は15億9千5百万円(前連結会計年度比328.6%増)となりました。
(物性/エネルギー)
物性/エネルギー事業におきましては、脱炭素に向けた研究開発プロジェクトを国が支援するグリーンイノベーション基金の追い風により、基礎電気化学測定システムや電池の充放電測定システムが非常に好調に推移しました。また、新たな計測ソリューションとしてエアモビリティ向けの電動推進システム評価ベンチの納入もあり、売上高、セグメント利益ともに大きく増加しました。
この結果、売上高は99億9百万円(前連結会計年度比43.7%増)、セグメント利益は21億6百万円(前連結会計年度比39.1%増)となりました。
(EMC/大型アンテナ)
EMC/大型アンテナ事業におきましては、買収により連結となった東陽EMCエンジニアリング社の売上増はあったものの、国内EMCシステムの大型案件の受注遅れや自社開発製品の販売遅れから、売上高、セグメント利益ともに減少しました。
この結果、売上高は46億8千1百万円(前連結会計年度比13.8%減)、セグメント利益は2億3千7百万円(前連結会計年度比13.4%減)となりました。
(海洋/特機)
海洋/特機事業におきましては、大型案件の計上に加え、その他案件も順調に検収が進んだことで売上高は増加しました。また、円安に対処するための価格見直しによる利益率の改善などによりセグメント利益も増加しました。
この結果、売上高は22億6千1百万円(前連結会計年度比29.7%増)、セグメント利益は4億6千1百万円(前連結会計年度比69.2%増)となりました。
(ソフトウェア開発支援)
ソフトウェア開発支援事業におきましては、ゲーム開発用のバージョン管理ツールなどゲーム関連企業向けの販売が順調だったことにより、売上高は堅調に推移しました。一方、円安の影響により売上総利益率が低下したほか、人員増強に伴って販管費が増加しました。
この結果、売上高は21億2千8百万円(前連結会計年度比8.4%増)、セグメント利益は4億6百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。
(ライフサイエンス)
ライフサイエンス事業におきましては、連結子会社のレキシー社における整形外科デジタルプランニングツールの販売が堅調に推移したことにより、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
この結果、売上高は9億1千6百万円(前連結会計年度比16.5%増)、セグメント利益は8千2百万円(前連結会計年度比162.7%増)となりました。
財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、184億2千3百万円(前連結会計年度末は167億1千6百万円)となり、17億7百万円増加しました。これは受取手形、売掛金及び契約資産の増加(45億3千4百万円から62億2千8百万円へ16億9千3百万円増)、前払費用の増加(13億7千3百万円から19億6千6百万円へ5億9千2百万円増)、有価証券の増加(13億6千7百万円から19億4千1百万円へ5億7千4百万円増)、及び流動資産のその他の減少(17億4千9百万円から8億5千7百万円へ8億9千2百万円減)、商品及び製品の減少(45億5千4百万円から39億9千7百万円へ5億5千7百万円減)が主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、207億1千万円(前連結会計年度末は232億3千8百万円)となり、25億2千7百万円減少しました。これはのれんの増加(2億6千7百万円から15億6千1百万円へ12億9千4百万円増)、建設仮勘定の増加(57億1百万円から65億2千9百万円へ8億2千7百万円増)、及び土地の減少(68億8百万円から47億1千4百万円へ20億9千4百万円減)、建物及び構築物(純額)の減少(26億7千9百万円から8億8千9百万円へ17億8千9百万円減)、投資有価証券の減少(35億3千1百万円から24億1千4百万円へ11億1千6百万円減)が主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、98億8千3百万円(前連結会計年度末は108億2千5百万円)となり、9億4千1百万円減少しました。これは短期借入金の増加(20億円増)、流動負債のその他の増加(9億7千7百万円から13億8千6百万円へ4億9百万円増)、賞与引当金の増加(7億7千2百万円から10億9千1百万円へ3億1千8百万円増)、及び前受金の減少(40億6千万円減)が主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、11億2千3百万円(前連結会計年度末は8億1千5百万円)となり、3億7百万円増加しました。これは固定負債のその他の増加(1億4千3百万円から3億1千2百万円へ1億6千9百万円増)、退職給付に係る負債の増加(6億7千2百万円から8億1千万円へ1億3千8百万円増)が主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、281億2千7百万円(前連結会計年度末は283億1千3百万円)となり、1億8千6百万円減少しました。これは利益剰余金の増加(239億9千5百万円から252億4千2百万円へ12億4千7百万円増)、その他有価証券評価差額金の増加(5千3百万円のマイナスから1千7百万円へ7千1百万円増)、非支配株主持分の増加(4千7百万円増)、及び自己株式の増加(44億9千6百万円から58億3千万円へ13億3千3百万円増)、繰延ヘッジ損益の減少(1億2千9百万円から9千4百万円のマイナスへ2億2千4百万円減)が主な要因です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加し、30億9千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益33億2千万円及び棚卸資産の減少額7億1千3百万円です。一方、資金の主な減少要因は、売上債権及び契約資産の増加額13億2千1百万円及び法人税等の支払額7億9百万円です。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは41億1千万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
資金の主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入11億6千8百万円及び有価証券の売却による収入7億6百万円です。一方、資金の主な減少要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出17億2千2百万円及び有形固定資産の取得による支出15億7千4百万円です。
この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは28億9千2百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
資金の主な増加要因は、短期借入金の純増加額19億5千9百万円です。一方、資金の主な減少要因は、自己株式の取得による支出14億2千万円及び配当金の支払額12億7千5百万円です。
この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは7億3千6百万円の減少となりました。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 主な相手先別の売上実績及びその割合については、いずれも売上高の100分の10未満のため、記載を省略
しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、中期経営計画“TY2024”において、2024年9月期の経営指標を連結売上高300億円、連結営業利益35億円、ROE8.0%としております。
当連結会計年度は、売上高350億4千2百万円(前連結会計年度比24.4%増)、営業利益は33億6千6百万円(前連結会計年度比128.6%増)、経常利益33億7千5百万円(前連結会計年度比87.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25億2千2百万円(前連結会計年度比64.4%増)、ROE9.0%となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
(ⅰ) 売上高
売上高の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(ⅱ) 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費
売上原価は、198億6千万円(前連結会計年度比19.4%増)、売上総利益は151億8千2百万円(同31.5%増)となりました。販売費及び一般管理費は、従業員給与賞与の増加、賞与引当金繰入の増加、福利厚生費の増加、のれん償却の増加に伴い118億1千6百万円(同17.3%増)となりました。
(ⅲ) 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の3億2千8百万円の利益から、9百万円の利益へ3億1千9百万円減少しました。これは主に、和解金の減少1億1千9百万円、為替差益の減少1億1千万円、為替差損の増加1億6百万円によるものです。
(ⅳ) 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の4億4千1百万円の利益から、5千5百万円の損失へ4億9千6百万円減少しました。これは主に、固定資産売却益の増加34億5千9百万円、固定資産圧縮損の減少39億5千7百万円、及び固定資産権利変換益の減少71億9千9百万円、投資有価証券売却益の減少3億8千6百万円、減損損失の増加3億4百万円によるものです。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループの資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用、各種税金の納付及び配当金の支払です。また、成長戦略として、自社のオリジナル製品・ソリューションの開発投資を積極的に行うとともに、M&Aによる事業拡大を検討しており、有望なM&A案件があれば投資を実行してまいります。これらの必要な資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び銀行借入で賄うことを基本方針としております。
また、株主の皆様への利益還元を重要な経営政策と考えており、安定的かつ積極的な配当を行うとともに、自己株式の取得を適宜検討し機動的に実施してまいります。事業拡大に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加と合わせて、資本効率向上を目指した資金運営を行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する経営者の見積りを必要とします。
経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
2023年11月28日開催の取締役会において当社は、Rototest International ABの全株式を取得し、子会社化することを決議し、同日付で同社の株式を譲り受ける契約を締結し、2023年11月30日付で同社の株式を取得しました。詳細については「第 5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
また、2023年11月8日開催の取締役会において当社は、株式会社トーキンEMCエンジニアリングの全株式を取得し、子会社化することを決議し、2023年12月19日付で同社の株式を譲り受ける契約を締結し、2024年1月1日付で同社の株式を取得し、同社の社名を株式会社東陽EMCエンジニアリングに変更いたしました。詳細については「第 5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
また、2024年3月4日開催の取締役会において当社は、株式会社エル・テールの全株式を取得し、子会社化することを決議し、同日付で同社の株式を譲り受ける契約を締結し、2024年3月29日付で同社の株式を取得しました。詳細については「第 5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
また、2024年9月12日開催の取締役会において、当社連結子会社であるTOYOTech LLCが当社の持分法適用会社であったAeroGT Labs Corporationの第三者割当増資を引き受け、同社を当社の孫会社とすることを決議し、同日付で同社の第三者割当増資を引き受けました。
当社グループは、お客様の技術要求に対応した製品を独自に開発してまいりました。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、各セグメントに配分していない全社費用
セグメント別の研究開発活動を示すと次のとおりです。
(1)情報通信/情報セキュリティ
該当事項はありません。
(2)機械制御/振動騒音
Driving & Motion Test Systemの開発費用等として
(3)物性/エネルギー
有機材料評価システムの開発費用等として
(4)EMC/大型アンテナ
イミュニティ試験ソフトウェア等の開発費用として
(5)海洋/特機
該当事項はありません。
(6)ソフトウェア開発支援
該当事項はありません。
(7)ライフサイエンス
アガロースゲル・マイクロカプセル(AGM)試薬キット等の開発費用として