第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

 

(1)経営方針

当社グループは、「高い企業倫理観のもとで、真に社会に貢献できる企業となることを目指す」とする当社グループの経営理念に沿って、長年培ってきた独自のコア技術を更に強化するとともに、これら技術を総合的に活用して独自の事業領域を構築し、顧客に存在価値を認められる開発型企業としての位置づけを更に高めてまいります。

また、グローバルに通用する企業品質を心がけ、将来に向けた成長分野と市場で重点的な事業展開を行うとともに、未来を切り拓く次世代技術にも積極的にチャレンジしてまいります。

 

(2)経営戦略等

当社グループが長年関わってきた電子回路基板や自動車電装部品、更にはデジタル光学機器部品などを中心とするエレクトロニクス関連分野は、当社グループ独自のコア技術が特に活用でき、今後も成長が見込まれる重要分野と位置づけており、市場の拡大が期待できる海外新興市場や堅調な成長が続く北米市場などでの事業活動を積極的に推進するとともに、事業領域を拡げる新たな市場の開発や技術開発にも果敢にチャレンジして、共同開発やOEM製品の提供、更には受託製造といった「テクノロジーパートナー」としての存在価値を高め、企業の社会的責任を果たしてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な企業価値の増大を最も重要な経営課題として認識し、売上高営業利益率や総資産経常利益率といった事業や資本の効率性の指標を重視しながら、営業利益等の各利益金額の増加及びキャッシュ・フローの創出等を重要な経営指標として掲げております。

 

高付加価値製品の拡販や新製品の開発などを進展させつつ、グローバル展開を更に強化し、海外地域における事業活動を活発化させることで、今後とも経営指標の向上に向けて諸施策を実施して、業績の拡大及び企業価値の増大を図ってまいります。

 

(重視する経営指標等)

 

達成目標

当連結会計年度

(実績)

前連結会計年度

(実績)

売上高営業利益率

4.0%

4.6%

2.8%

総資産経常利益率(ROA)

5.0%

5.1%

3.2%

自己資本比率

60.0%

58.8%

59.3%

海外地域売上比率

20.0%

18.3%

16.8%

 

(4)経営環境

中国をはじめとする海外新興市場の景気の持ち直しや、堅調な景気が続く米国経済を背景として、わが国では輸出や設備投資が回復し始め、また、政府の継続した経済対策や日銀の金融緩和政策とも相まって、わが国経済は緩やかな回復基調を維持しております。

しかし一方では、米国トランプ政権の政策運営に象徴されるような保護主義的な経済政策などで、世界経済の縮小懸念が強まり、これに加えて、引き続く中東や東アジアにおける地政学リスクの高まりなどで、世界経済の先行きには不確実性が増し、予断を許さない状況となっております。

当社グループが関わる業界は、人々の暮らしに直結する幅広い業界に及んでおりますが、なかでも、スマートフォンやデジタルカメラといった端末情報機器で代表されるエレクトロニクス関係業界や、益々IT化が進む自動車関係業界、更には製紙や食品といった業界などに、当社グループは深く関わってまいりました。かかる業界では、経済のグローバル化の進展やわが国の少子高齢化を背景とした国内需要の縮小などから、事業の軸足を海外市場へと移行させております。これに加えて、とりわけ、エレクトロニクスや自動車の業界では、人々の価値観の多様化が進むとともに、関連する製商品やサービスに対するニーズが複雑化・高度化し、かつ、その変化のスピードが一段と速まっており、その結果として、競合各社間の競争が益々激しさを増す厳しい経営環境となっております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、業績の持続的な向上と社会への更なる貢献を目指して、社会が求める課題の解決や新たな価値の創造に取り組み、長年培ってきた経営資源をベースにして、事業の重点化と他社との差別化を重視した事業運営を積極的に推進してまいりました。

今後は引き続き、当社グループの経営方針に沿って、当社グループ独自の技術や情報を総合的に活用し、国内市場はもとより、グローバルな成長市場で積極的な事業展開を推進してまいります。とりわけ次に記載する事項は、当社グループが次のステージへと飛躍するために取り組むべき重要な課題と認識し、スピーディーな経営判断と各施策の着実な実施を通して成果を積み重ねながら、企業価値の向上に努めてまいります。

 

① 市場変化への機敏な対応と経営資源の有効活用

当社グループの事業セグメントの中でも、特に重要なセグメントである高機能材料事業では、スマートフォンやデジタル光学機器、あるいは自動車電装部品といった関係業界向けに、コーティング製品や高機能樹脂製品、更には電子材料といった当社グループの特長ある機能性化学材料を長年に亘って提供し、人々の暮らしの豊かさや、安全・安心を支える社会的インフラ機能の向上に貢献してまいりました。

こうした業界では、人々のライフスタイルや価値観の変化に伴って、市場ニーズの多様化と高度化が一段と進展し、そうした変化への機敏な対応が強く求められています。

そのため、特に高機能材料事業では、グローバルな成長市場を視野に入れながら、関係市場の変化に伴って生ずる新たなニーズを深く洞察し、自社の技術に捉われることなく、社外の最新技術も積極的に取り入れながら、かかる新たなニーズに応えるための効果的提案ができるよう、スピーディーな経営判断と経営資源の有効活用に努めてまいります。

とりわけ、当社グループの優れた取引先企業との連携や産学連携などには引き続き積極的に取り組み、当社グループの特長や強みを生かした成果を生み出せるよう、最善の努力をしてまいります。

 

② 独自の経営基盤に立脚した新たな事業領域の創出

当社グループの収益を高め、持続的に成長させていくためには、強みを生かした既存事業の強化を図っていくとともに、新たな特長ある事業領域の開拓が不可欠です。

当社グループはこれまで、高機能材料事業を中心に、環境材料事業や食品材料事業といった幅広い分野で、独自の事業領域を開拓し、積極的な事業活動を展開してまいりました。そうした過程で培った経営基盤や情報ネットワークを引き続き有効に活用し、社会が求める新たな課題解決に向けた積極的な提案などを通して、独自の新たな事業領域を創出していくことがなによりも必要となります。

そのためには、次代を担う人材をグローバルに登用・育成し、人材面からの課題解決能力を一段と強化するとともに、社内の経営資源に頼ることなく、他企業との連携やM&Aなど、様々な選択肢も視野に入れながら、多面的にその可能性を追求し努力してまいります。

 

③ 当社グループの発展につながる斬新なガバナンス体制への進化

コーポレートガバナンス・コードが政府の成長戦略の一環として策定され、平成27年6月から上場企業に適用されて以来、企業のガバナンス体制の重要性が広く社会にも認識されるようになっています。しかしながら、企業の不祥事は様々な形で相変わらず後を絶たない状況にあります。企業の存立は、企業の様々なステークホルダーとの信頼の上に成り立っており、かかる認識に立脚した企業経営が益々求められています。

わが国企業の最近の不祥事発生事例では、企業規模の大小を問わず不祥事が発生しており、とりわけ、経営の目が届きにくい海外子会社での不祥事発生が注目されています。

グローバルな拠点で事業を展開している当社グループとしましては、こうした状況に鑑み、引き続きグローバルな視点でガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。

当社グループは、長年培ってきた良き経営理念に沿って、役員自ら率先垂範してその経営理念を生かした行動を実践し、当社グループのあるべき姿と価値観を全社員が共有して行動できるよう、経営者による様々なコミュニケーションに努めています。

引き続き当社グループは、社外取締役や社外監査役といった独立性の高い社外役員による経営監視のもとで、コーポレートガバナンス・コードが求めるガバナンスの指針を生かしつつ、当社グループの持続的発展につながる斬新なガバナンス体制の在り方を継続して検討しながら、必要な改善を行うなど、最善の努力を行ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。それ故当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に鋭意努めてまいります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

 

(1)全般的事項

当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品・食品素材等の仕入販売に係る業務を行っております。

製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の購入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合わせてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化した場合、仕入先と販売先が直取引を行った場合等には、販売数量の減少及び販売価格の下落により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、自然災害や火災等の災害、環境・リサイクル・食品の安全性等に関わる当社グループの取扱製品・商品への規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)債権の回収可能性について

必要十分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上又は貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)退職給付債務について

当社は、従業員に対して確定給付型の退職給付制度を設けております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

なお、当社がこれまで加入してきた日本電子回路厚生年金基金(総合型)は、平成29年3月31日付で厚生労働大臣より解散の認可を受けました。これに伴い、当社は当該制度に代えて、独自に確定拠出年金制度(企業型)を新たに導入し、同年7月1日よりその運用を開始しました。

 

(4)特定の取引先への依存について

当社グループは、仕入販売に係る製紙用化学品(とりわけ紙塗工用バインダー)や回路基板材料用の電子材料及び機能性樹脂の一定割合を、特定の取引先から購入しております。

当社グループとこれらの特定の取引先とは、これまで長年に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)保有する有価証券の価格変動について

当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しており、株式市場の動向や投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度のわが国経済は、海外経済の復調を背景に輸出や設備投資が持ち直し、加えて、国内の雇用や所得環境の継続した改善で個人消費にも明るさが見られるなど、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移しました。しかし一方では、米国をはじめとする保護主義的な経済政策や、中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりが続いたことから、世界経済の不確実性が増しており、わが国経済の先行きは依然として不透明感を強めております。

こうした状況下で当社グループは、引き続き差別化製商品を主体とした販売政策など、当社グループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、国内市場をはじめとして、海外では、中国・アジアの成長市場や米国及びその周辺市場など、幅広いグローバル市場で拡販に努めるとともに、顧客ニーズの更なる深耕と新規市場の開拓にも鋭意取り組んでまいりました。かかる施策により、特長ある自社製品群の販売が国内外の市場で好調に推移し、当社グループの業績を牽引しました。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が225億1千4百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益が10億2千7百万円(前年同期比76.9%増)、経常利益が10億4百万円(前年同期比69.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益が9億1千1百万円(前年同期比78.2%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

[高機能材料事業]

スマートフォンなどの電子機器業界向け関連製商品の販売では、とりわけ上半期における関係業界の活発な需要を背景に主要顧客への販売が好調に推移し、また、新たな顧客開拓による新規の販売も加わって、コーティング製品など独自の差別化製品の販売が増加しました。また、自動車部品業界向け関連製商品の販売も、国内外の自動車生産が堅調に推移したことを受けて、高機能樹脂製品の販売が増加し、電子材料や機能性樹脂の関係商品の販売も増加しました。その結果、当事業全体の売上高は172億5百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は12億2千5百万円(前年同期比72.0%増)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

スマートフォンや光学機器向け電子部品・部材製造用のコーティング製品が関係業界の好調な需要や新規顧客の開拓などで販売が増加し、その他フィルム表面加工製品も販売が伸長して、22.8%の増収となりました。

高機能樹脂製品

自動車部品業界向け電気絶縁用樹脂製品や電気・電子機器のセンサー用樹脂製品の販売などが国内外の市場で堅調に推移し、10.3%の増収となりました。

電子材料

スマートフォンや自動車向け回路基板材料は他社との厳しい競合下で鋭意拡販に努めたことで販売が増加し、また、自動車・重電向け絶縁材料などの販売も堅調に推移して、4.9%の増収となりました。

機能性樹脂

回路基板向け熱硬化性樹脂や自動車向け熱可塑性樹脂の販売は増加しましたが、樹脂用添加剤の販売が前年度で終売となった影響で大きく減少したため、2.3%の減収となりました。

 

[環境材料事業]

主要な販売先である製紙業界を中心に、差別化製商品の拡販と新たな用途や市場の開拓などに鋭意取り組んでまいりましたが、引き続き競合他社との激しい競争にさらされ、厳しい状況が続きました。とりわけ自社製品に係るファインケミカルズの販売では、歩留り向上剤などの製紙用ケミカルズ製品が他社との厳しい競争下で販売が大きく減少しました。一方、仕入商品に係る製紙用化学品の販売では、製紙関連ケミカルズ商品が新たな顧客層への拡販も浸透して増収となり、また、紙塗工用バインダーは原材料価格の上昇に伴う販売価格の値上げなどで販売が増加しました。その結果、当事業全体の売上高は42億3千2百万円(前年同期比2.7%増)となりましたが、営業損失が1千7百万円(前年同期は営業利益4千7百万円)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

競合他社との厳しい競争が続くなか、歩留り向上剤などの製紙用ケミカルズ製品の販売が大きく減少し、また、工業用殺菌剤の販売も減少したため、20.3%の減収となりました。

製紙用化学品

製紙関連ケミカルズ商品の販売がきめ細かな拡販施策の浸透で増加し、紙塗工用バインダーの販売も値上げの要因などで増加したため、11.3%の増収となりました。

 

[食品材料事業]

食品材料事業では、健康に優しく特長ある天然の食品素材を主要な取り扱い商品としており、関係する食品業界などへ、的を絞った施策の下に、これらの商品の販売を積極的に行っております。これに加えて更に、これまでの営業活動を通して蓄積した食品に関わる様々な情報や技術を活用して、新たな商材の発掘や市場の開拓、更には、独自性のある新規複合食品素材の開発といった新たなテーマにも積極的に取り組んでおります。当期におきましては、天然の増粘安定剤は、素材の特長を生かしたマーケティングの推進や販売価格の上昇も加わって増収となりました。また、乾燥野菜も積極的な拡販に取り組んだことで増収となりました。その結果、当事業全体の売上高は10億2千2百万円(前年同期比11.2%増)となりましたが、円安や産地の天候不順などの要因で現地価格が高騰し輸入コストが上昇したことに対して、価格転嫁が難航したため、営業利益は1億1百万円(前年同期比12.8%減)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

食品素材等

増粘安定剤は、天然の特長を生かした販売政策の推進と需給要因での値上げの浸透で販売増となり、乾燥野菜も販売が増加して、全体では11.2%の増収となりました

 

[その他の事業]

当社グループの成長を支える新たな事業領域を開発・育成すべく取り組んでいる「その他の事業」では、新たなビジネスチャンスの可能性を追求するため、市場開発用に新たな商材などを導入し、試販等による事業化への検討を行っております。当期におきましてはまだ試販の段階ではありますが、売上高は5千4百万円(前年同期比303.1%増)、営業利益は4百万円(前年同期は営業損失7百万円)となりました。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入れによって資金を調達しております。また、営業活動、設備投資、借入金の返済等の資金需要に備えて、十分な資金を確保するために、資金調達及び資金の流動性の確保に努めております。

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して5億5千3百万円増加して、46億4千1百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、9億2千万円の資金増加(前連結会計年度は10億4千4百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億5百万円、減価償却費3億3千9百万円、仕入債務の増加6億3百万円等の資金増加要因が、売上債権の増加7億1千9百万円、たな卸資産の増加3億2千9百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、2億5千万円の資金減少(前連結会計年度は2億1百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出を2億2千6百万円計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、6千2百万円の資金減少(前連結会計年度は4億1百万円の資金減少)となりました。これは主に、配当金の支払額5千7百万円によるものであります。

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

5,335,083

109.0

環境材料事業(千円)

693,174

92.0

食品材料事業(千円)

8,003

報告セグメント計(千円)

6,036,261

106.9

その他の事業(千円)

合計(千円)

6,036,261

106.9

(注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より製品・商品区分を一部見直したことに伴い、前期同期比については前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しおります。

 

(2)仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

8,539,114

105.5

環境材料事業(千円)

3,261,411

112.0

食品材料事業(千円)

920,237

134.4

報告セグメント計(千円)

12,720,763

108.8

その他の事業(千円)

35,994

426.0

合計(千円)

12,756,758

109.0

(注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より製品・商品区分を一部見直したことに伴い、前期同期比については前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しおります。

 

(3)受注実績

当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

17,205,437

108.3

環境材料事業(千円)

4,232,174

102.7

食品材料事業(千円)

1,022,721

111.2

報告セグメント計(千円)

22,460,333

107.3

その他の事業(千円)

54,180

403.1

合計(千円)

22,514,514

107.5

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

② 貸倒引当金の計上基準

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

③ 退職給付債務について

当社は、従業員に対して確定給付型の退職給付制度を設けております。退職給付債務及び退職給付に係る負債並びに退職給付に係る資産の計算における年金資産については、割引率・長期期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は225億1千4百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は10億2千7百万円(前年同期比76.9%増)、経常利益は10億4百万円(前年同期比69.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千1百万円(前年同期比78.2%増)となりました。

 

① 売上高の分析

海外経済の復調を背景に輸出や設備投資が持ち直し、加えて、国内の雇用や所得環境の継続した改善で個人消費にも明るさが見られるなど、景気は引き続き緩やかな回復基調で推移しました。しかし一方では、米国をはじめとする保護主義的な経済政策や、中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりが続いたことから、世界経済の不確実性が増しており、わが国経済の先行きは依然として不透明感を強めております。

こうした状況下で当社グループは、引き続き差別化製商品を主体とした販売政策など、当社グループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、国内市場をはじめとして、海外では、中国・アジアの成長市場や米国及びその周辺市場など、幅広いグローバル市場で拡販に努めるとともに、顧客ニーズの更なる深耕と新規市場の開拓にも鋭意取り組んでまいりました。かかる施策により、特長ある自社製品群の販売が国内外の市場で好調に推移し、当社グループの業績を牽引しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は225億1千4百万円(前年同期比7.5%増)となりました。

 

② 販売費及び一般管理費の分析

当社グループ全体において、国内外の市場における販売が好調に推移したことによる発送配達費の増加や人件費の上昇等により、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は29億7千5百万円(前年同期比5.3%増)となりました。

③ 営業外損益及び特別損益の分析

営業外収益は前連結会計年度から5千1百万円増加して8千万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に、効率的な資金運用による受取利息等の増加によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から3千8百万円増加して1億3百万円(前年同期比60.4%増)となりました。これは主に、貸倒引当金繰入額の増加によるものであります。

特別利益は当連結会計年度において固定資産売却益の1百万円を計上いたしました。また、特別損失は前連結会計年度から1百万円減少して0百万円(前年同期比72.0%減)となりました。これは、主に固定資産売却損を計上したことと、前連結会計年度においてゴルフ会員権売却損を計上していたことによるものであります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

世界経済においては、とりわけ米国のトランプ政権に象徴される保護主義的な経済政策などから、世界経済の縮小懸念が強まり、更には、引き続く中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりなどから、グローバル経済の先行きは不確実性を増しており、かかる状況下での様々な変化が、為替の大きな変動なども伴って当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼすことが予想されます。

当社グループを取り巻くこうした予測の難しい経営環境のなかで、当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、当社グループが関係する市場や販売先では近年特に競争が激しさを増しており、そのため当社グループの経営環境は一段と厳しい状況となっております。

製造販売については、製品の販売先の動向や、その販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった関係業界の動向、更には、販売先が関係業界で占める位置づけなどが、当社グループの販売数量及び販売価格に大きく影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外での廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の上昇などで原材料価格が上昇して製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

仕入販売については、製紙業界やIT関連業界、更には食品業界といった当社グループの販売先業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

(4)戦略的現状と見通し

当社グループは、事業の重点化と他社との差別化を重要な戦略と位置づけて、引き続きグローバルな視野に立って将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ、経営資源を重点的に集中させ、研究開発資源の有効かつ効率的な活用と「経営環境の変化に対するスピーディーな対応」で、ビジネスの強化と事業領域の拡大に努めてまいります。

具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品、更にはデジタル光学機器といった業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略、付加価値の高い新規開発製品の市場投入などで拡販と事業領域の拡大を図り、また、仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに的確に応えるための仕入先との共同開発その他の協働、更には、新規商権の獲得などにも注力してまいります。

また、当社グループのグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国やタイ・インドを中心としたアジアの新興市場を事業活動のメインに据え、これに加えて、堅調な景気が続く米国やその周辺市場においても、生産・物流・販売の機能強化と更なる情報収集に努めてまいります。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、米国のトランプ政権に象徴される保護主義的な経済政策の拡がりで世界経済が縮小する懸念や、引き続く中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりなどから、当社グループの経営環境は大きな影響を受けて一段と厳しさを増すことが予想されます。

当社グループとしましては、今後もこの状況を正確かつ的確に把握してグループの総合力を効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな経営判断を心がけ、業績の向上に努めていく方針であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、基盤技術開発分野とともに、高機能材料事業、環境材料事業及び食品材料事業の各分野において、積極的な研究開発活動を行っております。

当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が見込まれる分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力するとともに、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は3億5千3百万円となりました。

なお、事業セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1) 基盤技術開発分野

基盤技術開発分野においては、高耐熱材料に関わる分子設計技術により、世界最高レベルの耐熱性、高透明性などの性能を有した画期的な溶媒可溶型ポリイミド樹脂の開発に成功して、サンプル出荷を開始し、ユーザーから高評価を得ております。高い熱伝導性を付与された可撓性のあるエポキシフィルムや、断熱フィルムなどの開発も行っております。バイオマテリアルに関する開発も成果が出始め、サンプル提供を開始しております。これら、新規技術により開発された製品を市場における評価を受けながら本格的な製品化に向けて取り組んでおります。

基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は1億5千2百万円であります。

 

(2) 高機能材料事業

高機能材料事業の研究開発は、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。

機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーション、フィルムの表面加工(サンドマット加工やプラズマ加工処理)や粘接着樹脂の応用技術といった各種関連技術を複合的に駆使して製品開発を行っており、特に電子回路基板や微細電子部品の製造、光学機器や各種情報通信機器の製造といった分野で、当社の独自技術を活かした製品開発が進んでいます。実績として、電子部品製造工程で使用される特殊基材のメッキマスク用保護フィルムは、市場で高い評価を受け、最新のスマートフォン向け電子製品の製造でも採用されております。また、光学機能特性を高めた独自の遮光フィルムは、最新モデルのデジタル映像機器の付加価値を向上させる重要部材の一つとして位置づけられるに至りました。引き続き、市場ニーズに応える高付加価値製品や市場競争力を一段と高めた差別化製品などの更なる開発・育成に努めてまいります。

また、高機能樹脂に関連した研究開発では、自動車電装部品、小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や防錆材料に関する高機能化のための研究開発や関連設備(粉体塗装機の設計・製作)の開発を始めとして、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発、更には、高熱伝導性接着剤、構造接着剤の研究開発、建築関連部材の防錆用塗料の開発なども行っております

高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は1億5千3百万円であります。

 

(3) 環境材料事業

環境材料事業では、主に製紙及び塗工工程に使用される、歩留・凝結剤、殺菌剤、塗料用流動性改質剤、分散剤等の製品開発に取り組んでおります。特に市場での顧客ニーズが多様化する状況の中で、顧客の課題解決のため、更なる高機能グレードを開発し上市してまいりました。

近年は、製紙業界で培った技術をベースに、製品の他業界への横展開・用途開発を進めるとともに、特長ある優れた化学素材の製造技術を有する企業等と連携し、水処理分野への積極的開発を進めてきたことで、幅広い技術対応が可能となり、新規実績に結びつけております。

環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費1千4百万円であります。

(4) 食品材料事業

食品材料事業では、加工食品、嚥下剤、とろみ剤、高カロリー食品(油脂含量の多い食品)等の使用を目的とした、増粘剤・ゲル化剤などの開発に取り組んでおります。低添加量で、味・風味を損なわず、食感を改善でき、温度変化にも影響を受けにくい増粘効果を発現させ、一部ゼラチンの用途を代替できる増粘剤の開発に成功しました。様々な食品への用途提案を行い、本開発製品の本格販売に向け取り組んでおります。

食品材料事業における当連結会計年度の研究開発費は3千3百万円であります。