第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営理念

当社グループは、「人間貢献・社会貢献」の経営理念のもと、「食を通じて人を幸せにすること」を経営ビジョンとして、「おいしさ、安全、健康」にこだわった商品を「真心と笑顔のサービス」とともに提供することに取り組んでいます。同時に、創業の心として「感謝される仕事をしよう」を掲げ、お客様、そして株主の皆様の信頼と期待にお応えするように努めています。これらの実現に向けて、商品開発、店作り、サービスの一層の充実、新業態の開発などによるチェーン基盤の強化と、当社グループならではの独自性の確立に向け、努力を続けております。

 

(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略

社会経済活動はアフターコロナに向けて回復に向かいつつありますが、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰や急速な円安の進行など、外食産業にとっては依然として厳しい事業環境が続きました。

このような状況の中で当社グループは、アフターコロナを見据えた新たな中期経営計画「Challenge & Support」への取り組みを当期より開始しました。

国内モスバーガー事業では、期中に54店舗の積極出店を実施したほか、既存店においてもテイクアウトやデリバリーの強化に加え、様々なマーケティング施策を推進してきたことが奏功し、売上状況は好調でした。一方で、想定を超える仕入価格の上昇や物流費の高騰などにより、商品やサービスの品質を維持するためにやむを得ず、二度にわたって商品の価格改定を実施させていただきました。海外事業では、主に売上規模の大きい台湾やシンガポールなどでコロナ禍による厳しい状況が続き、目標未達となりました。12月末時点での海外店舗数は前年同期比5店舗増の455店舗となりました。

これらの結果、2022年度の連結経営成績は、売上高が850億59百万円(前期比8.4%増)、営業利益は41百万円(前期比98.8%減)となりました。様々な施策や積極出店などの施策により売上高は増加しましたが、各種コストの想定を超える上昇により、営業利益は大幅に減少しました。最終損益は海外事業での減損損失などにより3億17百万円の純損失となりました。

国内モスバーガー事業では、「お店をもっと近くに」「もっと愛されるお店に」を目指し、お客様それぞれに合った、モスらしい、わくわくする感動体験をお届けする活動に取り組んでいます。今後は店内飲食の需要も回復してくるとの見込みから、年間50店規模の積極出店を継続するほか、セットメニューの強化による収益の確保、夕食需要にお応えするための「夜モス」メニューの拡充などに努めています。また、都心部一等地に向けた新業態としてチーズバーガー専門店もオープンしました。

このほか、ネット注文やSNSを活用したデジタル接点の強化、分身ロボット「OriHime」による接客など、人手不足の解消にもつながるテクノロジーを活用しながら、時代に合ったモスらしいホスピタリティの形を追求しています。モスブランドの活用に向けては、昨年7月にECサイト「モス公式オンラインショップ~Life with MOS~」をオープンし、食品のほか自然や環境を意識したオリジナル商品を販売しています。また、引き続きモスブランドを活かした他社企業や団体とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいきます。

海外事業は現在、アジアを中心とする9つの国と地域において、日本の食文化を大切にしつつ、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地域に根差した店舗展開を進めています。海外でも日本と同様にコロナ禍による厳しい事業環境が続きましたが、今後はアフターコロナに向け、成長エリア・成長市場を見極め、着実に事業を拡大するため資源の最適化を図り、業績の回復に向けて取り組んでいきます。

その他飲食事業では、既存事業の収益性改善と新たな付加価値の創造に取り組んでおり、コロナ禍で厳しい状況が続いていた店内飲食にも回復の兆しが見えてきました。紅茶専門店の「マザーリーフ」及び国内モスバーガー店舗で使用している紅茶の茶葉をスリランカから直輸入する事業も順調に推移しており、他社への卸売販売も開始するなど、新たな収益源として育てていきたいと考えています。

サステナビリティへの取り組みにも注力しており、昨年5月には全社的な検討・推進組織として「サステナビリティ委員会」を設置しました。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進します。

 

① 中期経営方針

当社グループでは、2022年度を初年度とする3か年の中期経営計画を開始しました。計画の指針となる中長期ビジョンに「『心のやすらぎ』『ほのぼのとした暖かさ』をお届けし、世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業へ」を掲げ、「Challenge & Support」をスローガンに取り組んでまいります。

具体的には、国内モスバーガー事業においては積極的な投資を行い、収益力の向上を図ってまいります。また、そのほかの事業については適正規模の投資を行う事で成長を促進させ、収益の多様化を目指してまいります。これら、モスグループの多種多様なビジネスを支えていくためのグローカル事業プラットフォームを構築し、既存事業の収益力向上、新事業展開、M&A・アライアンスによる事業拡大を実現するため、グループ経営体制の整備を進めてまいります。

② 中期経営目標

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業利益率、ROEであります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。

 

2024年度 連結財務数値

 

売上高

1,000億円

営業利益

50億円

親会社株主に帰属する当期純利益

35億円

営業利益率

5.0%

ROE

6.6%

 

(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

③ セグメントごとの中期計画

<国内モスバーガー事業>

中期方針「お客様との接点の量と質を徹底的に強化する」

a.お店をもっと近くに

・多様な立地に適応する店舗

・積極的な出店

b.もっと愛されるお店に

・利用シーンの創出

・ファン層の拡大

c.モスブランドを活用した新たな事業の展開(マーチャンダイジング事業)

・商品開発

・チャネル開発

<海外事業>

中期方針「国際フランチャイズビジネスモデルの創出」

a.BtoC事業:成長市場に経営資源を集中

・既存国の成長と見極め

・新規事業・新規国へのトライ

b.BtoB事業:グローバルで最適な食材供給ネットワークを構築

・トレーディング部門設立

・製造拠点の拡大

<その他飲食事業>

中期方針「既存事業の収益性改善と新たな付加価値の創造」

a.既存事業の磨き上げと成長

b.紅茶事業の構築

<全社横断テーマ>

・デジタル活用で推進するCX(お客様の体験価値)とEX(社員や店舗スタッフの働きがい)

中期方針「"食を通じて人を幸せにすること"をITで支える」

a.デジタル接点の強化

b.店舗体験価値の向上

c.店舗業務の負荷軽減

・SDGs(持続可能な開発目標)の推進

中期方針「モスらしい先進性を発揮し、社会と共創する」

a.SDGsの重点項目

2050年カーボンニュートラルを目指して、モスグループとして貢献できることを積極的に推進

b.地域社会とのコミュニケーションと発信

c.SDGsとESGの重点項目の実現

・人材育成

中期方針「多様な人それぞれの成長と活躍をサポート」

a.一人ひとりの成長と活躍の場づくり

b.働きやすい職場の実現

c.業務のスリム化

d.ベトナム人材の育成・採用プログラム

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和や世界経済の回復などにより、景気は持ち直しの動きが見られたものの、原材料費の高騰、国際的な政治情勢の変化などの影響で、依然として先行き不透明な状況が続いております。厳しい経営環境下ではありますが、「中期経営計画(2022-2024)」をもとに、お客様の生活様式の変化に対応しつつ、ブランド価値及び業績のさらなる向上を目指し、以下の取り組みを実施してまいります。

 

①国内モスバーガー事業(マーチャンダイジング事業を含む)

お客様のニーズを起点とするマーケティングをもとにオリジナルな差別化商品を開発し、SNSなどのデジタル施策のさらなる強化やスタッフの高いホスピタリティによって、お客様の身近な存在となり、新たなファンや利用機会の創出を図ります。また、商圏や立地、客層、多様化するニーズに合わせて柔軟に商品やサービス、店舗形態を変えていく取り組みを推進するほか、出店増による成長とIT技術の活用などによる既存店の運営力向上を図ってまいります。また、マーチャンダイジング事業では、当社のブランドを活かした商品展開やビジネス領域の拡大を通じて収益基盤を築いてまいります。

②海外事業

コロナ禍からの回復が遅れている海外事業においては、成長市場に経営資源を集中させるため、不採算店舗を見極めて資源の最適配分に取り組むとともに、今後も日本発の外食チェーンとしてモスブランドの定着を図ってまいります。

③その他飲食事業

商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの強化によって、収益力の改善に努めてまいります。また、紅茶などの外販も強化してまいります。

④SDGsの推進

経営理念に基づき、事業活動を通じて社会課題の解決と価値の創造に取り組み、当社の基本方針にある「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」を世界の人々に広げていくことを目指します。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当社では、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクに対し、経営に関する重要事項について十分に審議のうえ、的確かつ迅速な意思決定ができるよう、原則として月1回開催の取締役会のほか、取締役を中心とした経営会議を毎週1回以上行っています。

特にサステナビリティに関しては、SDGsが目指す2030年の未来の姿になぞらえ、17のゴールと同時に目指すモスグループのありたい姿を「『心のやすらぎ』『ほのぼのとした暖かさ』を世界の人々に」としました。

この実現のため、またさまざまな社会課題を解決し持続可能な経営を一層進めることを目的にサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は、取締役会による監督のもと、サステナビリティに関する取り組みの意思決定機関として、取締役社長が委員長となり、取締役5名、上席執行役員1名の委員とともに、全社方針や目標の策定、マテリアリティのモニタリングなどを通じ、グループ全体におけるサステナビリティ推進状況の審議・検討を行っています。

 

<ガバナンス体制図>


 

(2)戦略

当社グループは、理念体系「モスの心」を指針に、モスを取り巻くすべてのステークホルダーの皆さまとの価値共有を通じ、経営品質の向上を目指しています。2019年度にこれらの取り組みをあらためて社会的要請に照らし、本業を通じて社会課題の解決に貢献するため、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から事業におけるマテリアリティ(重要課題)を特定しました。以来、経営品質の向上と改善を図り事業を通じた新たな価値創造に取り組んでいくことで、サステナブルな企業であり続けることを目指してきましたが、この度3年が経過したことを受け、2022年度にサステナビリティ委員会での審議・検討を経て見直しを行いました。

新たなマテリアリティは、4つのテーマ(食と健康、店舗と地域コミュニティ、人材育成と支援、地球環境)と16の具体的な取り組みで構成され、それぞれが主に関連するSDGsゴールをターゲットレベルで相関させるとともに、事業部門の業務分掌とも連動しており、事業上の責任範囲を明確にしています。

 

 

<モスグループのマテリアリティ>


 

この中で、人的資本経営に関しては「人材育成と支援」をマテリアリティに位置付け、以下の方針のもと「人材育成」「健康経営」「ダイバーシティの推進」に取り組んでいます。

 

<人材育成方針>

当社グループでは、社員の成長の積み重ねが組織の成長へ繋がると考え、社員が自律的に今後のキャリアを考え、そのために必要なスキルを身に着けられるよう、教育機会を選択できる環境を整えております。また、アントレプレナーシップを持った人間の集団になるため、挑戦のチャンスを増やし、やり切った人がフェアに評価される人事制度を整えるとともに、企業の永続的な発展を目指し、後継者育成計画を策定しております。

 

<社内環境整備方針>

当社グループでは、多様な視点を活かし機能させる組織風土を醸成することにより新たな価値創造を生み出すことができると考え、ダイバーシティを推進しています。また、メンバー及びその家族の健康が最も大切な財産であり、すべてのメンバーが、心身ともに健康で、個性と能力を発揮しながら働くことができるように積極的にサポートしております。

 

<人的資本経営に関する取り組み>

人材育成は「一人ひとりの成長と活躍の場づくり」を目指し、「多様なキャリアパスの整備」「新人事制度のブラッシュアップ」「教育制度の充実」を進めています。キャリアパスと社員に求められる能力の提示、階層・職種別研修及び自己啓発制度の整備・拡充を行い、自身のキャリアイメージが具体化できる環境づくりに取り組んでいます。2022年度は新たに2つの制度をスタートしました。1つ目は、国際大学のMBA1年制プログラムへの派遣です。経営全般の見識を身に着け、異文化多国籍な環境における実践的コミュニケーション能力とグローバルリーダーシップを持った人材を育成することを目的にしています。2022年度は2名の社員を派遣いたしました。2つ目は、海外インターンシップ制度の導入です。モスグループの海外拠点にて1年間の就業体験をし、様々な文化的背景やバックグラウンドを持つ仲間と一緒に仕事をする体験を通して、更なる自己成長の機会とすることを目的としています。2022年度は3つの国と地域に1名ずつ社員を派遣いたしました。

 

健康経営は戦略的な施策の一つとして位置づけ、2022年度には「健康宣言」「戦略マップ」を策定・公表し、社員の健康を推進するために様々な取り組みを行っています。社員やその家族の相談窓口として、保健師による「健康相談室」、外部委託による「メンタル相談窓口」を開設しています。ストレスチェックも積極的に活用しております。ストレスが高い部門においては、産業カウンセラーによる個人ヒアリングを実施し、その結果に基づく改善活動を行っています。運動習慣対策のため、オフィス勤務者は平日15時に体操(モスレッシュ体操)をしています。また、店舗を含めて会社全体で残業時間数のモニタリングを毎月行い、過度の超過勤務とならないよう指導しています。社員の健康への意識も高まっており、健康診断受診率の2022年度実績は99.5%でした。こうした取り組みが評価され、4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。

 

「ダイバーシティの推進」のための取り組みとして、仕事と育児や介護の両立を支援する制度の整備を進めており、2022年度は育児短時間勤務制度の利用対象を拡大しました。新卒採用や経験者採用においては、留学生や外国籍人材の採用が増えています。また、特定技能制度を活用した「ベトナム カゾク」によるベトナム人社員も増えてきており、社内の様々な場所で、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍するようになってきました。

 

また、気候変動に関しては「地球環境」をマテリアリティに位置付け、TCFDへの賛同表明とともに、以下の方針のもと戦略に関する設定と開示を行っています。

 

<モスグループ環境方針>

当社グループでは、事業活動がもつ環境影響を認識して、循環型社会の実現と社会の持続的発展に向け、「コンプライアンスの順守」「環境負荷の低減」「社員の責任と自覚」「地域社会との共創」に取り組んでおります。

 

<気候変動に関する戦略>

当社グループでは、気候変動シナリオ分析を実施し、事業活動に影響を及ぼすリスク・機会の重要度を評価した結果、(1)炭素税の導入に伴う原材料価格の上昇、(2)プラスチックの代替素材への変更に伴うコストの増加、(3)消費者の行動の変化、(4)異常気象の頻発化・激甚化、の4項目を事業に大きく影響を及ぼす可能性がある重要なリスク・機会として判断しました。

これらの気候変動の重要なリスク・機会は、事業の戦略や財務に影響を及ぼすため、当社の戦略レジリエンス(強靭性)に組み込んでいきます。

※シナリオ分析の詳細は当社の企業サイト(https://www.mos.co.jp/company/)で開示しています。

 

(3)リスク管理

当社は、全社的な内部統制システムの整備、気候変動関連も含めたリスク及びクライシスのマネジメント、ならびにコンプライアンス体制を推進する実働組織として、リスク・コンプライアンス委員会を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、取締役社長を最高責任者、担当取締役を統括責任者とし、主要リスクを主管する各部門の部門長及び子会社の社長を委員に、リスク情報を管理している部門の部門長をオブザーバーに加え、リスクマネジメント部門の部門長を委員長として構成し、毎月1回開催し、その内容は取締役会に報告しています。

また、特にマテリアリティに関するリスクと機会については、サステナビリティ委員会において審議・検討のうえ、担当執行役員を通じて各事業部門の施策として戦略的に推進する仕組みを構築しています。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、マテリアリティの4つのテーマごとに、2030年度を目標年度とするKPIを設定しております。このうち特に「人材育成と支援」及び「地球環境」の指標と目標は以下のとおりです。なお、「人材育成と支援」に関する指標と目標に関しては当社の数値を記載しております。

 

<マテリアリティ「人材育成と支援」>

女性活躍の一つの指標である当社の男女の賃金の差異は全労働者で60.1%(正規雇用労働者で77.2%)となっています。当社の人事制度では、性別による賃金の差は設けておりません。男女の賃金の差異は、全従業員における女性のパート・有期労働者の比率が当社グループにおいて展開する飲食店では非常に高くなっていることなどによる影響と考えております。男女の賃金の差異を解消するために、女性が働き続けやすい職場環境や人事制度の整備を進め、女性活躍推進の取り組みを継続してまいります。

 

当社における女性管理職比率は2030年度の目標値として30%を掲げており、前年度実績は、当社で管理職33名、管理職全体の20.5%です (2023年3月31日現在)。

近年の経験者採用の男女比はほぼ同率で推移しています。産休・育休後の復職率も100%をキープしており、そのメンバーが昇格していくことで、さらにジェンダー格差の縮小につながると考えています。

 

また、育児短時間勤務制度の改正やテレワークの推進により、個々の事情に応じた柔軟な勤務体系を選択できる環境整備をしており、男性労働者の育児休業取得者も年々高まっています。

2022年度における当社の男性労働者の育児休業取得者は3名(2021年度は7名)、いずれも1か月以上取得しています(3か月取得者1名、6か月取得者2名)。当社の男性労働者の育児休業取得率は50.0%(2021年度は58.3%)です。定期的な制度の周知を行うとともに、子供の誕生した社員には個別で育児休業取得を勧めております。また、2022年10月より新設された出生時育児休業中の就業を認める労使協定を締結し、男性労働者が業務の引き継ぎなどで完全な休業が難しい場合でも育児休業を取得しやすくしました。また、男性労働者の育児休暇推進のための研修や父親学級を実施しました。当社における男性労働者の育児休業取得率の2030年度の目標値は85%としております。

 

<マテリアリティ「地球環境」>

TCFDへの賛同に基づき、温室効果ガス排出量削減とプラスチック対策を指標及び目標に設定しています。

具体的には、まず中期的な温室効果ガス排出量削減目標として、スコープ1及び2の排出量を2030年度までに46%削減(2013年度比)することを目指していきます。2050年度にはカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指します。温室効果ガス排出量削減の取り組みとして、電気やガスなどの店舗のエネルギー使用量の把握や照明や空調、冷凍・冷蔵庫などの定期清掃や点検に加え、再生可能エネルギー電気の直営店における試験導入、ノンフロン厨房機器の更なる導入を進めていきます。また、モスバーガー独自の取り組みとして店舗への「グリーンカーテン」の設置を継続して促進しています。加えて2022年度は直営店3店舗の電力を再生可能エネルギー100%に切り替えたほか、本社オフィスの電気使用量に相当する32万kWh分の非化石証書を購入しました。2022年度までの進捗状況は35.7%削減(2013年度比)しております。

プラスチック対策は、2030年度までにお客様に提供する使い捨て製品における環境配慮型製品比率を100%にすることを目標にしています。従来、店内飲食でのリユース食器の使用や、テイクアウト用容器包装類の一部において石油由来のプラスチック使用量の削減に取り組んできましたが、今後より一層の規制強化が見込まれる環境法規制への対応を進めるため、使い捨てプラスチック製品における「環境配慮設計の促進」及び「使用の合理化」を強化していきます。2022年度にはテイクアウト用スプーンとフォークを国産の非食用米から作られたバイオマスプラスチックであるライスレジン製の製品に変更し、環境配慮型製品比率は64.1%となりました。さらに2023年度にはプラスチック製透明カップを紙製コールドカップに変更することで、環境対策を一層推進してまいります。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとそのマネジメント体制等については、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) リスクマネジメント体制

①背景と基本的考え方

大規模自然災害の増加や国際的な政治情勢の変化、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰等、当社グループを取り巻く事業環境の不確実性(リスク)は増大しており、当社ではリスクマネジメントの重要性はますます高まっているものと認識しております。

当社グループは、リスクマネジメントについて、これを資本・リスク・収益のバランスを取りながら、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る一連の経営管理プロセスと位置付けており、リスクを損失や脅威(マイナスの面)として捉えるだけでなく、その機会の面(プラスの面)にも着目し、損失の回避・低減を図りつつ、リターンの最大化(リスクテイク)を追求してまいります。

②取締役会によるリスクマネジメント

取締役会は、全社的な内部統制システムの整備の推進及び緊急時(重大なコンプライアンス違反、重大な食品事故、甚大な被害が生じた災害等)の危機対応を行います。

また、重要な投融資、新規事業投資等については、取締役社長及び常務・上席執行役員で構成する経営会議の下に設置した管理部門確認会及びスクリーニング会議において、事前に資本・リスク・収益のバランスに関する分析を行ったうえで取締役会に付議する体制を構築しており、これによって財務リスクのマネジメントを行っております。具体的には、取締役会の付議書には、資本コストと比較した投資額とその回収期間、想定されるリスクとその対処方法を明記することになっており、取締役会はリスク選好とリスク許容度(許容可能なリスクの特定とその水準)を明確にしたうえで付議議案を決裁することにより経営リスク及び戦略リスクのマネジメントを行っております。

 

③委員会によるリスクマネジメント

オペレーショナルリスク、クライシスのマネジメント及びコンプライアンス体制の推進等に関しては、リスク・コンプライアンス委員会を、ディスクロージャーの信頼性リスク(財務報告リスク)のマネジメントに関しては内部統制委員会を設置し、両委員会で緊密に連携しながらこれらについて全社横断的に対応しております。

リスク・コンプライアンス委員会は、取締役社長を最高責任者、担当取締役を統括責任者とし、主要リスクを主管する各部門の部門長及び子会社の社長を委員に、リスク情報を管理している部門の部門長をオブザーバーに加え、リスクマネジメント部門の部門長を委員長として構成しております。内部統制委員会は、財務報告において実務的役割を担う部署の責任者を委員に、内部監査部門の部門長を委員長として構成しております。なお、内部監査部門は、独立的かつ客観的な立場から内部監査を行うため、取締役社長直轄の独立部門として組織されております。

 


 

(2) 主要リスク・重大リスクの評価プロセスとマネジメントサイクル

①定義

当社は、当社グループの「事業に影響を及ぼす可能性があるリスク」を「主要リスク」と定義し、各事業の抱える多様なリスクを網羅的に把握・特定したうえで、リスク・コンプライアンス委員会が一連のサイクルを循環させることによって、継続的な改善活動を展開しております。主要リスクのうち「全社的に優先対応すべきリスク」を「重大リスク」と定義し、リスクマネジメント部門を中心に部門横断的に対策を実施し、当社グループ全体で重大リスクのマネジメントを推進しております。

 

②リスク評価プロセス

リスク・コンプライアンス委員会は、中期経営計画の策定サイクルに合わせて主要リスクを主管する各部門の部門長等にリスク調査票を配布し、部門長は新たなリスクや既存のリスクの大きさと変化がある場合はその変化量を報告します。これにより把握・特定されたリスクについて、リスク・コンプライアンス委員会内のリスク評価会議においてその影響度と発生可能性に関して協議し、リスクの大きさを決定しております。リスクの影響度については、定量的な評価(売上・資産の減少、損害賠償等の経済的損失)と定性的な評価(社会的評価、ブランドイメージの下落等)の両面からアプローチして評価を行っております。

リスクマネジメント部門は、主要リスクに対し、顕在化のスピード、そのリスクを主管する部門で取られている対策の有効性についての評価も加えた総合的なリスク評価によってこれを絞り込み、取締役社長と担当取締役との協議により順位付けを行ったうえで今期の重大リスクを決定しております。

 

影響度(a)

発生

可能性

顕在化のスピード

対策の

有効性

 

定量評価

定性評価

 

評価結果

(ア)

(イ)

(ウ)

 

 

売上・資産の損失額

損害賠償額(違約金・補償金等含む)

ブランド評価企業イメージ毀損

(ア)~(ウ)の最大値(a)

(b)

(c)

(d)

最大値(a)×(b)×(c)×(d)

 

 

③リスクマネジメントサイクル

リスク・コンプライアンス委員会の委員長は、各リスクの対応に関する基本方針と年間の活動スケジュールを「コンプライアンス・リスクマネジメント推進プログラム」(以下、推進プログラムという)として取締役会に報告しております。

取締役会は、主要リスクについてダウンサイドだけではなくアップサイドの面にも着目し、グループの成長戦略に反映しております。

リスクマネジメント部門及び主要リスクを主管する各部門は、上記の推進プログラムに基づいてリスク対応を行い、その実施状況について四半期に1回リスク・コンプライアンス委員会に報告し、同委員会では必要に応じリスク対応の変更、施策の追加等について協議し、その結果を当該部門にフィードバックしております。

月次の活動として、リスク対応の実施状況、モニタリングの結果及びフォローアップの状況について、取締役会に報告しております。

 


 

(3) 内部監査部門、監査役との連携

内部監査部門はリスク評価プロセスの検証を行います。具体的には、部門の谷間に落ちて評価の対象となっていないリスクがないか、相互に作用しあう関連する複数のリスクを合わせて評価しているか、対策が部門間のリスク移転になっていないか、固有リスクに対し残余リスクが低く見積もられていないか(対策の有効性が高く評価されすぎていないか)等の視点で、リスクの特定、分析、評価、絞り込みの各プロセス全般を検証しております。また、内部監査部門は、リスクアプローチの考え方を取り入れ、リスク・コンプライアンス委員会によるリスク評価や三様監査ミーティングで共有した監査結果、内部監査で得たリスク情報等に基づき年間の監査計画を策定しております。

監査役との連携については、常勤監査役2名はリスク・コンプライアンス委員会及び内部統制委員会に出席し、独立社外監査役2名はその知識、経験、能力に応じて分担してそれぞれがどちらかの委員会に出席して、必要に応じ意見を述べております。また、監査役会では、重大リスクと監査役監査における主な検討事項との整合性を確認しております。

 

(4) 当社グループの主要リスクは以下のとおりです。

分類

リスク項目

内   容

 

 

 

 

重大リスク

食品事故リスク

危険異物の混入、食中毒の発生、工場等での食品事故により店舗に対し食材を供給できない等

店舗マネジメントリスク

設備に起因する事故、交通事故、お客様及び従業員の個人情報漏えい、その他店舗における事件・事故、トラブル、法令・条例違反、マニュアル・内規違反、店舗が集中している地域での自然災害の発生等

人事労務リスク

労働基準法等の法令・条例違反、ハラスメント、就業規程・社内ルールからの逸脱、人手不足、メンタル疾患、人的損失の発生、業務品質の低下、生産性の低下等

法令違反リスク

経営者や社員による不正行為、法令・条例違反、食品衛生法をはじめとする食品衛生関連のほか、環境関連・設備関連・労働関連等の様々な法規制等が変更または強化された場合の対応等

サプライチェーンリスク

自然災害やパンデミック、政治的不安や地域紛争、原材料や部品の価格高騰や欠品、当社グループや取引先に対するサイバー攻撃やシステム障害等によって、食包材や消耗品・厨房機器・家具・看板等を加盟店に計画どおりに供給できない等

 

情報セキュリティリスク

不測の事件・事故による個人情報や機密情報等の漏えい、情報システムの停止による店舗への食材供給の停止や障害、風評被害等

海外事業リスク

海外店舗における事件・事故、コンプライアンス違反、進出国やその周辺地域における政情・経済・法規制等の各国・地域に特有なカントリーリスク、パートナーリスク等

ガバナンスリスク

不適切な情報、虚偽情報等の発生、不祥事による株主代表訴訟等

FCリスク

本部とFC加盟店及びFC加盟店間のトラブルや摩擦、訴訟、FC加盟店オーナーの高齢化等による経営意欲の減退、事業承継の停滞等

環境リスク

気候変動による調達リスクの増加、多大な食品ロスの発生、環境関連の法令・条例の制定や改正等

新型コロナウイルス等の感染症リスク

店舗閉鎖・休業・営業時間短縮等による業績の悪化、風評被害、罹患、クラスター発生、安全配慮義務の不足、生産性の低下等

 

 

 

(5) 当社グループの重大リスクは以下のとおりです。

①食品事故リスク

<リスクの概要>

店舗の営業において、危険異物の混入や食中毒の発生等の食品事故が発生した場合に、営業停止等の処分を受ける可能性があります。工場等での食品事故により、当社グループが店舗に対し食材を供給できない事態となった場合も含め、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

<脅威と機会>

衛生問題による営業停止、商品供給の停止等が発生した場合は、社会からの信頼喪失と企業価値の低下にもつながりかねません。一方、重点的にリスク対策を行い、発生可能性を継続的に抑制することによって、食の安全・安心ブランドを確立し、競争優位性を確保することもでき、当社グループにおける飲食事業の持続的な成長を支えることが可能となります。当社グループは、「食を通じて人を幸せにする」という経営ビジョンの下、食品の「安全」「安心」を確実なものとするために、持続的な食品安全レベルの向上に取り組んでまいります。

<対応策>

当社グループでは、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理に加え、ISO22000に準拠した独自の「モス食品安全基準」を構築しております。この基準は、農産物の産地選定、製造工場の選定・管理から、物流管理、トレーサビリティ管理、店舗での衛生管理までの一連の流れに加え、店舗の設計、商品開発も含めて幅広くサプライチェーン全体をマネジメントするシステムとなっております。また、「モス食品安全基準」に基づき、年2回の店舗衛生監査の実施、毎週開催の食品安全会議における各専門部署によるモニタリングと改善活動等を行っております。さらに「モス食品安全基準」は毎年見直しを行い、当社グループの事業の多様化や、社会情勢、お客様の価値観の変化等に速やかに対応できる体制も整えております。

②店舗マネジメントリスク

<リスクの概要>

当社グループの店舗において事件・事故、トラブル、コンプライアンス違反等が発生した場合には、お客様と従業員に安全管理上の問題が生じるほか、発生店舗の営業継続が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

<脅威と機会>

営業活動の短縮や停止に至った場合は、風評による影響が懸念される事態も想定されかねません。一方、お客様と従業員の安全管理を徹底し、お客様相談室にて常にお客様の生の声をお聴きしてその声を積極的に活かすことによって、社会から信頼されるブランドとなり、地域社会においてなくてはならない店舗として安定的な事業の基盤を作ることが可能となります。当社グループは、経営理念である「人間貢献・社会貢献」の実現に一貫して取り組んでまいります。

<対応策>

当社グループは、全店での定期的な安全管理検査や店舗従業員へのリスクマネジメント教育の実施等により、お客様と従業員の安全管理を徹底しております。また、自然災害や感染症等の緊急時においては、店舗の営業中止、継続等に関する基準を設定し、迅速に対応できる体制の整備、強化を進めております。

③人事労務リスク

<リスクの概要>

労働基準法等の法令違反、ハラスメント、就業規程、社内ルールからの逸脱等があった場合には、働きがいやモチベーションの低下を招きかねず、労働市場が逼迫する中、それらが起因して優秀な人材の流出や人材確保が困難となる事態に至った場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
<脅威と機会>

人材不足や人件費の高騰、組織力、帰属意識、労働生産性等の低下に陥る場合も想定されかねません。一方、現在、当社グループが取り組んでいる「一人ひとりの成長と活躍の場づくり」を推進することによって、多様性があり健康で安全な職場、働きがいのある会社を実現し、優秀な人材の確保、労働生産性の向上につなげることも可能となります。当社グループは、創業の心である「感謝される仕事をしよう」を念頭に、グループ一丸となってこれを推進してまいります。

 

<対応策>

当社グループは、人事制度の見直しや教育制度の拡充を主要施策とする「一人ひとりの成長と活躍の場づくり」に取り組んでおり、具体的には、女性社員の育児休業復職率100%の継続、男性社員の育児休業取得促進、専門性の高い中途人材の採用、ベトナムからの特定技能資格取得者の受入れ等、多様性を推進してまいりました。また、「モスフードサービス健康宣言」を定め、産業医による健康診断結果報告書の見方・読み方の解説をテーマとした健康関連セミナーを実施するなど健康的で働きがいのある環境整備にも努めております。さらに、社員の成長は組織の成長に繋がり、その積み重ねが未来へと繋がっていくという考えの下、キャリアパスと求められる能力を明確にするとともに、管理職や専門職、店長等の認定制度を整備し、さらに社員のチャレンジをサポートする制度の拡充も図っております。

④法令違反リスク

<リスクの概要>

経営者や社員による不正行為、法令・条例違反等があった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの店舗は食品衛生法をはじめとする食品衛生関連のほか、環境関連、設備関連、労働関連等の様々な法規制等を受けております。これらの法規制等が変更、強化された場合は、その対応のための費用が増加する可能性があります。

<脅威と機会>

万一の事態が発生した場合は、社会的信用の毀損、喪失等も想定されかねません。一方、関連法規制に迅速に対応するだけでなく、それらの法規制の改正を待たずに先行して対応を行うこと等によって社会から信頼されるブランドの確立につなげることも可能となります。

<対応策>

当社グループでは、店舗を含めたグループの社員全員が「モスグループ行動規範」を「読む日」を毎年定め、その周知徹底を図っております。また、役員・社員を対象にコンプライアンス研修を実施し、当連結会計年度では、ハラスメント防止をテーマに、対象者全員が受講しております。同時にコンプライアンスに関する意識調査も行ない、その効果を検証したうえで、翌年度の活動に役立てる仕組みになっております。内部通報制度についてはその周知徹底を継続的に行っており、法令違反や不正等の防止に努めております。

⑤サプライチェーンリスク

<リスクの概要>

当社グループでは、お客様が安心して店舗をご利用いただけるよう、一定レベル以上の基準を設けたうえで、食材をはじめとする店舗の営業に必要な包装資材、消耗品、厨房機器、家具、看板等のほぼ全てを加盟店に供給しております。従って、自然災害やパンデミック、政治的不安や地域紛争、原材料や部品の価格高騰や欠品、当社グループや取引先に対するサイバー攻撃やシステム障害等によってこれらを加盟店に計画どおりに供給できない事態となった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

<脅威と機会>

上記のような事態となった場合は、一部商品の販売停止、店舗の休業、これらによるお客様の利用動機の減少等も想定されかねません。一方、どのような事態でも安定的に供給できる、それができない場合は、最低限の影響にとどめる、または短期間で回復できるレジリエントなサプライチェーンを構築することによって、加盟店に対する供給責任を果たしつつ、当社グループにおける卸売収益の安定化を図ることも可能となります。

<対応策>

当社グループでは、複数社購買や複数拠点での生産等の供給ルートの複線化、物流の最適化等を推進するとともに、主要食材の一部については数か月分の在庫量を確保し、不測の事態に備えております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和や世界経済の回復などにより、景気は持ち直しの動きが見られたものの、急速な円安による調達費用の上昇や物流費の高騰、ウクライナ情勢の長期化等に伴う世界的な原材料価格やエネルギー価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社グループでは、2022年4月より開始した中期経営計画(2022-2024)に基づき、基幹事業である国内モスバーガー事業において積極的な投資を行い収益力の向上を目指して取り組んだほか、海外事業では、成長市場で着実に事業拡大するため、資源配分の最適化に取り組んでおります。また、ESGの観点から当社グループのマテリアリティ(重要課題)を、①食と健康、②店舗と地域コミュニティ、③人材育成と支援、④地球環境の4つに定め、事業活動を通じて社会に向けた価値創造に取り組んでおります。

このような取り組みの結果、売上高は増収となりました。一方で想定を超える仕入れ価格の高騰が2022年7月の価格改定以降も続いたほか、人件費、販売促進費、支払手数料などの経費の増加、海外事業におけるコロナ禍からの回復の遅れもあり、営業利益は減益となりました。

これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高850億59百万円(前年度比8.4%増)、営業利益41百万円(同98.8%減)、経常利益3億56百万円(同90.2%減)となり、主に新型コロナウイルス感染症に伴う助成金収入の減少、海外事業にかかる減損損失の増加により、親会社株主に帰属する当期純損失は3億17百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益34億19百万円)となりました。

なお、当社は2023年3月24日に商品、サービスの品質を維持するため価格改定を実施しております。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

<国内モスバーガー事業>
 国内モスバーガー事業では、お客様のニーズに合わせた商品、マーケティング展開に加え、お客様との接点の量と質を徹底的に強化するため、積極的な出店や地域に密着した店舗作りを推進しております。

 

a. 商品・マーケティング施策

当連結会計年度においては、「家族みんながワクワクする、モスらしい感動体験」を提供することをテーマに取り組んでまいりました。主として、以下の施策を展開いたしました。

 

春キャンペーン

レタスのおいしい時期に季節定番として販売している「クリームチーズテリヤキバーガー」と中華料理で人気の高い「海老チリ」をモス流にアレンジした「海老チリ風バーガー」を販売いたしました。

夏キャンペーン

雪を連想させるような涼しげで真っ白なチーズソースを使用した暑い夏にぴったりの「白いモスバーガー」を販売いたしました。有名タレントを起用したTVCMや商品の発売に合わせ、看板も店舗スタッフの制服も白くなったモス史上初の店舗「白モス 恵比寿東店」を期間限定でオープンするなどブランドイメージの向上を図りました。

秋キャンペーン

月見を連想させるとろとろの半熟風たまごが絡み合う、日本の秋を感じていただける商品「月見フォカッチャ」と「月見テリヤキバーガー」を販売いたしました。メタバース上の月面空間に出店した店舗では、商品の製造体験や自由に交流できる場を提供しお楽しみいただきました。

冬キャンペーン

年末年始のハレの日需要に対応した商品として「とびきりアボカドコロッケ」と国産黒毛和牛を使用した「一頭買い 黒毛和牛バーガー」を販売いたしました。その後は前年2か月で260万食販売し好評をいただいた「和風旨だれのとり竜田バーガー」と「ハニマスのとり竜田バーガー」を販売いたしました。

地域限定商品

日本で生まれたハンバーガーチェーンとして、日本各地の食材や特色を活かした魅力ある商品を、エリア限定商品として展開いたしました。

<関西エリア>

「淡路島産たまねぎバーガー ~和風しょうゆ仕立て~」

<東北エリア>

「東北産豚のみそ焼きバーガー 福島県産みそ使用」

<東京エリア>

「なりもす・ダブルバーガー」

<西日本エリア>

「真鯛カツ<愛媛県愛南町>」

<沖縄エリア>

「オキナワBBQバーガー」

<静岡エリア>

「あいじろみそ使用 ロースカツバーガー肉みそソース」

 

 

b. 店舗施策

郊外型のドライブスルーや、今まで未開拓であった首都圏周辺の住宅地近接のコンパクトな物件等、多様な立地に適応した店舗づくりを推進したことで、目標の年間50店舗の出店を達成いたしました。11月には都心部の一等地をターゲットとする新業態として、チーズバーガー専門店「mosh Grab’nGo」(モッシュグラブアンドゴー)をオープンいたしました。

 

2022年度出退店実績

出店

退店

店舗数

増減

54

13

1,292

+41

 

 

c. デジタル技術の活用

デジタル技術を活用し、CX(お客様の体験価値)とEX(社員や店舗メンバーの働きがい)の向上を目指しております。

新型POSレジの全店展開や店舗タブレットの導入、ネット注文の利用促進、カーブサイドオーダーを導入しました。また、将来の人手不足を見据えて、フルセルフレジやソフトコール等、IT技術を活用した店舗づくりも引き続き推進してまいります。

 

d. 新たな事業展開

モスブランドを活用した新たな事業を展開するマーチャンダイジング事業では「モス公式オンラインショップ~Life with MOS~」を通じて、安全・安心・健康・おいしさに加え、環境に配慮したライフスタイルフード、ライフスタイルアイテムを提案しております。オンラインショップ限定のモスライスバーガー等の食品に加えて、自然や環境を意識したオリジナルのライフスタイルアイテムも販売しております。今後も取り組みを拡大し、ブランドの価値向上とともに、新たな収益源へと育ててまいります。

 

以上の事業活動の結果、国内モスバーガー事業の売上高は667億13百万円(前年度比5.2%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)については原材料費の高騰や急速な円安による調達費用の増加で原価率が上昇したことに加えて、売上増加に伴う人件費・運賃等の増加、売上拡大のための販売促進費及び宅配手数料の増加等により20億62百万円(同61.2%減)と大幅な減益となりました。

 

 

<海外事業>

海外事業では、日本の食文化を大切に残している定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地元の人にも愛される、地域に根差した店舗展開を進めております。なお、海外事業に属する関係会社の当連結会計年度は2022年1月から12月であるため、同期間の情報を記載しております。

 

a. 主要な連結子会社(シンガポール、香港、魔術食品工業(食品製造))

シンガポールと香港では、日本を訪れたいというお客様に向けて、店舗を桜の装飾品で飾りつけ日本を想起いただける商品を販売する「ジャパンフェス」を3月に開催いたしました。第一弾では、秋田県産あきたこまちを使用した「秋田ごちそうライスバーガー」を香港で、第二弾では、富士山の名前を付けた「富士山焼肉ライスバーガー」を香港とシンガポールで販売いたしました。加えて、シンガポールでは5月から人気キャラクターとのコラボレーション企画を実施し、9月には季節商品「月見焼肉バーガー」「月見焼肉ライスバーガー」を販売いたしました。

海外店舗の主要な食品の製造を担う台湾の魔術食品工業では、原材料価格の高騰などにより業績は厳しい結果となりましたが、モスバーガー店舗の売上増に比例して回復傾向にあります。

 

b. 主要な関連会社(台湾)

台湾では、3月から新しい健康的な食の提案としてスーパー大麦「バーリーマックス」を使用したライスバーガーの販売に加え、端午節に合わせた蒟蒻ドリンクプロモーションを実施いたしました。9月には海外旅行先人気1位の北海道の食材を使用した商品プロモーションを実施したことにより、売上及び客数の増加に寄与いたしました。また、10月から12月にかけて台湾当局による旅行推進策や新型コロナウイルス感染症防疫措置の緩和により消費が回復したことに加え、人気キャラクターとのコラボレーションは、売上の増加に大きく寄与いたしました。

 

海外事業においては、コロナ禍による商圏の変化に対応し、積極的にスクラップ&ビルドを実施しました。これにより、一部地域では店舗を減少させておりますが、全体では、5店舗増の455店舗となりました。

(2022年12月末時点、増減:2021年12月末比)

国・地域名

台湾

シンガポール

香港

タイ

インドネシア

店舗数

302

49

45

26

2

増減数

0

△5

+6

+5

0

国・地域名

中国

オーストラリア

韓国

フィリピン

合計

店舗数

6

3

15

7

455

増減数

△2

△1

+1

+1

+5

 

 

以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は156億34百万円(前年度比23.1%増)となりました。また、原材料費の高騰による調達費用の増加で原価率が上昇したことに加え、人件費等の経費の増加により、セグメント損失(営業損失)は2億51百万円(前年同期はセグメント利益(営業利益)2億77百万円)となりました。

 

<その他飲食事業>

その他飲食事業は、新型コロナウイルス感染症発生前の水準に戻りつつあります。引き続き、商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの拡大を図り、収益力の改善を進めております。

事業

事業の内容

店舗数

マザーリーフ

スリランカの茶園直送の紅茶とアメリカンワッフルを提供する紅茶専門店

12

モスド

モスバーガーとミスタードーナツとのコラボレーションショップ

1

モスプレミアム

グルメバーガーとお酒が楽しめるフルサービスレストラン

2

ミアクッチーナ

フードコート向けパスタ専門店

1

カフェ

 山と海と太陽

バリエーション豊かなドリンクとハンバーガーを提供するカフェ店舗

1

あえん

四季折々の旬菜料理を提供する和風レストラン

5

シェフズブイ

旬の野菜を主役にしたベジタブルレストラン

1

合計

 

23

 

 

以上の事業活動の結果、その他飲食事業の売上高は17億92百万円(前年度比21.6%増)、セグメント損失(営業損失)は2億11百万円(同1億34百万円損失減)となりました。

 

 

<その他の事業>

その他の事業では、連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生、株式会社モスクレジットは金融・保険・設備レンタル、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシング等により、主に国内モスバーガー事業やその他飲食事業を支援しております。

これらによるその他の事業の売上高は9億19百万円(前年度比5.8%増)となり、レンタル資産にかかる減価償却費の一時的な減少等により、セグメント利益(営業利益)は6億82百万円(同96.5%増)となりました。

 

当連結会計年度の財政状態につきましては以下のとおりであります。

a. 資産

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ48億76百万円増加し、744億79百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ28億63百万円増加し、固定資産は20億12百万円増加しております。流動資産が増加した主な理由は、売上・仕入の増加により売上債権、棚卸資産が増加したこと、キャッシュレス決済の増加により未収入金が増加したことによるものであります。固定資産が増加した主な理由は、出店等により有形固定資産が増加したことによるものであります。

b. 負債

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ53億61百万円増加し、263億88百万円となりました。この増加の主な理由は、未払法人税等が減少した一方で、設備投資のための長期借入金が増加したこと、キャッシュレス決済の増加により加盟店への返金にかかる未払金が増加したことによるものであります。

c. 純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ4億85百万円減少し、480億91百万円となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末69.4%から当連結会計年度末は64.3%と5.1%減少しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー14億22百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△29億74百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー6億11百万円等により、前連結会計年度末に比べ7億14百万円減少し、190億31百万円(前年度比3.6%減)となりました。

a. 営業活動によるキャッシュ・フロー

主として、税金等調整前当期純利益の減少や売上債権、棚卸資産、仕入債務等の運転資金の増減に加え、法人税等の支払いの増加により資金が減少したため、前連結会計年度に比べ90億26百万円減少し、14億22百万円となりました。

b. 投資活動によるキャッシュ・フロー

主として、投資有価証券の売却及び償還の増加によって資金が増加した一方で、出店等により有形固定資産の取得による支出が増加したことにより資金が減少したため、前連結会計年度に比べ21億76百万円減少し、△29億74百万円となりました。

c. 財務活動によるキャッシュ・フロー

主として、リース債務の返済や配当金の支払いの増加によって資金が減少した一方で、設備投資のための長期借入れにより資金が増加したため、前連結会計年度に比べ44億37百万円増加し、6億11百万円となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績及び受注実績

当社グループのうち一部の連結子会社において生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注実績については記載しておりません。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内モスバーガー事業

37,515

114.1

海外事業

5,090

133.0

その他飲食事業

604

131.0

その他の事業

620

79.4

合計

43,830

115.5

 

(注) 1.

海外事業における仕入実績の著しい増加は、前連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による観光客の減少や、各国政府の指示による休業及び飲食時の人数制限等の影響によるものであります。

2.

その他飲食事業における仕入実績の著しい増加は、前連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による緊急事態措置もしくはまん延防止等重点措置に基づく休業及び営業時間短縮等の影響によるものであります。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内モスバーガー事業

66,713

105.2

海外事業

15,634

123.1

その他飲食事業

1,792

121.6

その他の事業

919

105.8

合計

85,059

108.4

 

(注) 

セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(i) 国内モスバーガー事業
(ア)部門別販売実績

部門

金額(百万円)

前年同期比(%)

 加盟店への卸売上高

42,046

102.9

 直営店売上高

21,840

110.0

 その他の営業収入

2,435

106.2

顧客との契約から生じる収益

66,322

105.2

その他の収益

391

102.7

外部顧客への売上高

66,713

105.2

 

 

(イ)地域別店舗売上高

地域

期末店舗数(店)

金額(百万円)

前年同期比(%)

北海道地域(北海道)

52(21)

4,152

108.0

東北地域(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

79(18)

6,864

102.9

北陸地域(新潟・富山・石川・福井)

47(4)

4,231

103.0

群馬・栃木地域(群馬・栃木)

48(-)

4,129

99.8

千葉・茨城地域(千葉・茨城)

76(16)

6,319

105.2

埼玉地域(埼玉)

67(14)

5,934

103.3

東京地域(東京)

188(74)

16,571

107.2

神奈川地域(神奈川)

86(22)

7,286

108.8

東海地域(山梨・長野・静岡)

76(3)

6,535

102.1

中京地域(岐阜・愛知・三重)

113(5)

12,312

102.5

近畿地域(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

171(68)

15,935

107.7

中国地域(鳥取・島根・岡山・広島・山口)

76(4)

7,575

105.5

四国地域(徳島・香川・愛媛・高知)

32(-)

3,344

100.9

九州地域(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)

160(8)

15,185

106.1

沖縄地域(沖縄)

21(1)

2,532

106.4

合計

1,292(258)

118,910

105.2

 

(注) 1.( )内数字は、直営店舗数で内数であります。

2.店舗売上高とは当社直営店及びフランチャイズ加盟店の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しません。

 

(ⅱ) 海外事業
(ア)部門別販売実績

部門

金額(百万円)

前年同期比(%)

 加盟店への卸売上高

 直営店売上高

10,036

122.7

 その他の営業収入

5,597

123.9

顧客との契約から生じる収益

15,634

123.1

その他の収益

外部顧客への売上高

15,634

123.1

 

 

(イ)地域別店舗売上高

地域

期末店舗数(店)

金額(百万円)

前年同期比(%)

シンガポール

49(49)

4,400

126.9

香港

45(45)

5,636

119.6

合計

94(94)

10,036

122.7

 

(注) 1.( )内数字は、直営店舗数で内数であります。

2.店舗売上高とは当社直営店及びフランチャイズ加盟店の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しません。

3.連結子会社のみを記載対象としております。

 

(ⅲ) その他飲食事業
(ア)部門別販売実績

部門

金額(百万円)

前年同期比(%)

 加盟店への卸売上高

13

104.3

 直営店売上高

1,775

122.6

 その他の営業収入

3

25.2

顧客との契約から生じる収益

1,792

121.6

その他の収益

0

93.9

外部顧客への売上高

1,792

121.6

 

 

(イ)地域別店舗売上高

地域

期末店舗数(店)

金額(百万円)

前年同期比(%)

北海道地域(北海道)

1(1)

51

135.3

東北地域(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

-(-)

北陸地域(新潟・富山・石川・福井)

-(-)

群馬・栃木地域(群馬・栃木)

1(1)

62

105.5

千葉・茨城地域(千葉・茨城)

2(2)

135

101.3

埼玉地域(埼玉)

2(2)

167

125.7

東京地域(東京)

7(7)

576

133.6

神奈川地域(神奈川)

4(4)

330

127.7

東海地域(山梨・長野・静岡)

1(1)

59

116.2

中京地域(岐阜・愛知・三重)

1(1)

65

112.3

近畿地域(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

1(1)

149

106.8

中国地域(鳥取・島根・岡山・広島・山口)

2(2)

187

119.1

四国地域(徳島・香川・愛媛・高知)

-(-)

九州地域(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)

1(-)

41

108.3

沖縄地域(沖縄)

-(-)

合計

23(22)

1,827

121.9

 

(注) 1.( )内数字は、直営店舗数で内数であります。

2.店舗売上高とは当社直営店及びフランチャイズ加盟店の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しません。

 

 

(ⅳ) その他の事業
(ア)部門別販売実績

部門

金額(百万円)

前年同期比(%)

 加盟店への卸売上高

 直営店売上高

 その他の営業収入

159

105.7

顧客との契約から生じる収益

159

105.7

その他の収益

760

105.8

外部顧客への売上高

919

105.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。

2022年度においては、新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和や世界経済の回復などにより、景気は持ち直しの動きが見られたものの、調達費用の上昇や物流費の高騰、ウクライナ情勢の長期化等に伴う世界的な原材料価格やエネルギー価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社グループでは、2022年4月より開始した中期経営計画(2022-2024)に基づく施策の推進に取り組みました。

 

経営成績の分析

a. 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ8.4%増収850億59百万円となりました。主な増収の要因は、国内モスバーガー事業では、積極的な店舗施策や商品・マーケティング施策等の影響と考えております。海外事業では、新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和や各国における商品プロモーション等の施策の影響と考えております。

b. 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度の407億76百万円から57億2百万円増加し、464億78百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度に比べ2.6%上昇しております。売上原価増加の主な要因は、仕入価格の高騰によるものであります。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の341億97百万円から43億42百万円増加385億39百万円となりました。金額の増加の主な要因は、店舗数及び売上の増加等による減価償却費及び家賃地代の増加、給与手当及び運賃の増加、エネルギー価格の高騰等による水道光熱費の増加、キャンペーン等の施策の実施による販売促進費の増加によるものであります。

c. 営業利益

売上総利益は9億9百万円増加し、販売費及び一般管理費は43億42百万円増加いたしましたので、営業利益は前連結会計年度の34億73百万円に比べ98.8%減41百万円となりました。売上原価率が2.6%上昇し、販売費及び一般管理費率が1.7%上昇したことにより、営業利益率は、前連結会計年度と比べ4.4%減少し0.0%となりました。

 

d. 営業外収益(費用)

営業外収益(費用)の純額は、前連結会計年度の1億60百万円の収益(純額)から1億54百万円増加し、3億14百万円の収益(純額)となりました。この収益(純額)の増加の主な要因は、当期に閉店した店舗等に関する立退料収入を計上したこと、持分法による投資損失が前連結会計年度から減少したことによるものであります。

e. 特別利益(損失)

特別利益(損失)の純額は、前連結会計年度の9億57百万円の利益(純額)から11億89百万円利益(純額)が減少し、2億32百万円の損失(純額)となりました。この利益(純額)の減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症に係る助成金収入が減少したこと、海外事業に係る減損損失が前連結会計年度から増加したことによるものであります。

 

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3億17百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益34億19百万円)となり、自己資本利益率は前連結会計年度と比べ8.0%減少し△0.7%となりました。

セグメントごとの経営成績等の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム開発投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は76億7百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は190億31百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社連結グループ内における債権・債務及び取引は全て相殺しております。

当社グループは特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと理解しております。

なお、当社グループでは、会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。また、経済環境が変化した場合には、見積りの結果に影響し、将来の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

a. 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として店舗を基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
 回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。

b. 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部または全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

c. 貸倒引当金

当社グループは、当社グループの債務者に対する債権回収不能時に発生する損失の見積額について、債務者の財務状況に応じて、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等の3区分にて、貸倒引当金を計上しております。一般債権は貸倒実績率法、貸倒懸念債権及び破産更生債権等につきましては財務内容評価法により貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態の悪化により、その支払い能力が低下した場合、または、当社グループにおける加盟店からの債権の回収サイトが延長となった場合に、貸倒引当金の追加引当が必要となる場合があります。

d. 投資損失引当金

当社グループは、関係会社への投資について、投資先の財政状態の実情を勘案し、一定の算定基準による必要額を見積計上しております。将来の投資先の業績不振により、投資先の財政状態が悪化した場合、投資損失引当金の追加引当が必要となる場合があるとともに、現在の投資簿価の回収不能事態が発生した場合には減損処理が必要となる場合があります。

e. 退職給付費用

当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、退職給付に係る負債を当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込み額に基づき計上しております。従業員の退職給付費用には、勤務費用・利息費用・期待運用収益及び前連結会計年度に発生した数理計算上の差異によるものに加えて、確定拠出制度及び確定拠出制度と同様に会計処理する、複数事業主制度への拠出額も含まれております。

このため、退職給付費用は、従業員の勤続年数の変化、数理計算上の差異の費用処理額の増減、長期期待運用収益率の変化による期待運用収益の増減、期末における割引率の水準により大きく変化します。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 国内フランチャイジーとの加盟契約

加盟契約の要旨

 

 

㈱モスフードサービス

[提出会社]

当事者(当社と加盟者)の間で締結する契約

 

① 契約の名称

モスバーガーチェーンフランチャイズ契約書

② 契約の本旨

当社の許諾によるハンバーガーチェーン店経営のための、フランチャイズ契約関係を形成すること。

加盟に際し、徴収する加盟契約料、保証金、その他金銭に関する事項

 

① 加盟契約料

200万円

但し、第2号店以降である場合には以下のとおりとする。

第2号店   175万円

第3号店以降 150万円

② 保証金

40万円

③ ロイヤルティ

総売上高の1%

④ 広告宣伝料

総売上高の1%

使用させる商標、商号その他の表示に関する事項

 

① 商標

モスバーガー

モスバーガー加盟店であることを表示し、看板は本部の指示により掲示する。

② その他

規定文字、シンボルカラー等の使用は本部指導により承認を得て行うこと。

契約の期間、契約の延長に関する事項

契約日より契約日以後最初に到来する4月1日から満5年間とする。契約期間満了後はフランチャイザー及びフランチャイジーが協議の上、新たに合意した場合に限り、フランチャイズ契約の再契約を行う。

 

 

 

(2) 主な国外フランチャイジーとのフランチャイズ契約等

 

相手方の名称

国・地域名

契約内容

契約期間

安心食品服務(股)

台湾

台湾におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2023年5月23日から2033年5月22日まで

モスフード・シンガポール社

シンガポール共和国

シンガポール共和国におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2017年10月1日から

2027年9月30日まで

モスフード香港社

香港

香港におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2021年10月1日から2031年9月30日まで

モスバーガー・タイランド社

タイ王国

タイ王国におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2017年10月1日から2027年9月30日まで

モグ インドネシア社

インドネシア共和国

インドネシア共和国におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2019年2月4日から2024年12月31日まで

厦門摩斯餐飲管理有限公司

(安心フードサービス シンガポール社の子会社)

中華人民共和国

福建省、江西省、浙江省、安徽省、江蘇省、山東省及び上海市におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2023年5月1日から2028年5月31日まで

モスバーガー・オーストラリア社

オーストラリア連邦

オーストラリア連邦におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2023年3月30日から2028年3月29日まで

モスバーガーコリア社

大韓民国

大韓民国におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2011年11月1日から2023年10月31日まで

モスバーガー・フィリピン社

フィリピン共和国

フィリピン共和国におけるモスバーガーチェーンの展開のための商標使用の許諾、経営指導及びノウハウの提供

2020年2月1日から2030年1月31日まで

 

 

6 【研究開発活動】

セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

当社グループにおける研究開発活動は、多様な顧客ニーズに対応する為の販売商品の開発、店舗で使用する什器、備品等の研究、開発を常に進めておりますが、これらは販売の強化を図る事を目的としています。なお、国内モスバーガー事業に係る研究開発費の金額は4百万円、海外事業に係る研究開発費の金額は4百万円、その他飲食事業に係る研究開発費の金額は0百万円、その他の事業に係る研究開発費の金額は0百万円であり、研究開発費の総額は9百万円であります。