当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第2四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和を背景に経済活動の正常化が進み、外食需要の回復が見られました。一方で、物価高騰による消費者の生活防衛意識の高まりに加え、為替変動による調達費用の上昇や物流費の高騰、ウクライナ情勢の長期化等に伴う世界的な原材料価格やエネルギー価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、基幹事業である国内モスバーガー事業においては、重点課題である仕入れコスト上昇に対する粗利の改善、販管費の抑制を徹底し、利益確保に取り組んでおります。海外事業では、コロナ後の人流の変化に対応して、既存店の強化に努めるとともに、不採算店舗の閉店や、本部コストの抑制など、収益性の改善に取り組んでおります。
また、ESGの観点から当社グループのマテリアリティ(重要課題)を、①食と健康、②店舗と地域コミュニティ、③人材育成と支援、④地球環境の4つに定め、事業活動を通じて社会に向けた価値創造に取り組んでおります。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高が461億38百万円(前年同四半期比11.3%増)、営業利益23億68百万円(同175.6%増)、経常利益25億65百万円(同160.2%増)となり、最終損益は主に新型コロナウイルス感染症に伴う助成金収入の減少及び利益の増加に伴う税金費用の増加により、親会社株主に帰属する四半期純利益15億円(同98.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<国内モスバーガー事業>
国内モスバーガー事業では、お客様のニーズに合わせた商品・マーケティング展開に加え、お客様との接点の量と質を徹底的に強化するため、積極的な出店や地域に密着した店舗運営を推進しております。また、原材料価格の高騰や物流費、人件費、エネルギーコストの上昇および為替変動などの影響を受け3月に価格改定を実施いたしました。当第2四半期の既存店売上高は106.7%と前年を上回り、順調に推移しております。
当年度は、「家族みんながワクワクする、モスらしい感動体験」を提供することをテーマに、ブランドキャラクターとして女優・永野芽郁さんを起用し、「おっ!MOS品質」を合言葉に、“おいしさ”と“あんしん”へのこだわりと創業以来守り続けている「MOS品質」を訴求しております。
当第2四半期連結会計期間においては、当社の看板商品「モスバーガー」をアレンジし、こだわりの白いチーズソースをふんだんにかけた「白いモスバーガー」を7月より販売いたしました。1年ぶりの“白モス”復活を記念して、モスバーガー恵比寿東店に、同店の前年販売個数を大きさで表現した“巨大白モス”モニュメントを展示いたしました。月見商戦で盛り上がる9月には、昔ながらの秋の風物詩である「お月見」をイメージし、半熟風たまごを使用した「月見フォカッチャ」を昨年に続き販売いたしました。
コラボレーション企画として、銀座三越に期間限定で「モス越」をオープンし、銀座三越のデパ地下で人気の7店の味を取り入れたハンバーガーを販売いたしました。
また、“東北応援”企画として「東北産豚のみそ焼きバーガー 福島県産みそ使用」を8月より東北限定で販売したほか、地域の特産品を使った「まぜるシェイク」シリーズを、各地域で展開いたしました。今後も地域に密着した社会貢献活動に積極的に取り組むとともに、各地域の名物や特産品を使用した地域密着型のメニュー開発に取り組んでまいります。
これまで未開拓であった、都市部の住宅地近接のコンパクトな物件等、多様な立地に適応した店舗づくりを推進いたしました。キッチン設備や機器を充実させ、省力化を図ったほか、コロナ禍で短縮していた営業時間の延長に取り組みました。また、朝の時間帯の需要喚起を目的に、「モーニング娘。'23」とARを活用したキャンペーンを展開し、来店促進とともに、待ち時間というデメリットを体験価値に変える取り組みを実施いたしました。
デジタル技術を活用し、CX(お客様の体験価値)とEX(社員や店舗メンバーの働きがい)の向上を目指しております。人手不足の対応として、フルセルフレジやソフトコール、番号表示パネル等、IT技術を活用した店舗づくりも引き続き推進いたしました。
④ ESGへの取り組み
モスグループの各事業を通じて社会課題の解決に貢献するために、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ経営を通じてさらなる企業価値の向上を推進しております。
⑤ 新たな事業展開
モスブランドを活用した新たな事業を展開するマーチャンダイジング事業では「モス公式オンラインショップ~Life with MOS~」内に、「モスライスバーガー専門店」を新設いたしました。海外モスバーガー店舗で実績のある商品をアレンジした「モスライスバーガー <ガパオ>」などの商品を投入し、ラインナップを拡充しております。今後も海外店舗の限定商品や、国内店舗で過去に人気だった商品の復刻、オリジナル商品の開発など、モスライスバーガー専門店ならではの商品を取り揃え、ブランドの価値向上とともに、新たな収益源へと育ててまいります。
販路拡大の取り組みとしては、オイシックス・ラ・大地株式会社が運営する「Oisix」にて、モスバーガー監修の商品を販売したほか、グロウ株式会社が展開するEC子供服ブランド「devirock(デビロック)」では、食べこぼしの汚れなどが落ちやすい防汚機能のあるトレーナーや、エプロンなど9品番を販売いたしました。
以上の事業活動の結果、国内モスバーガー事業の売上高は365億24百万円(前年同四半期比11.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は34億41百万円(前年同四半期比87.7%増)となりました。
<海外事業>
海外事業では、日本の食文化を大切にした定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地元の人にも愛される、地域に根差した店舗展開を進めております。また、コロナ後の商圏の変化および人流の変化に対応して、不採算店舗の閉店や管理コストの抑制など収益性の改善に取り組みました。積極的にスクラップ&ビルドを実施した結果、一部地域では店舗を減少させておりますが、全体では、2022年12月末と同じ455店舗となりました。
なお、海外事業に属する関係会社の当第2四半期連結会計期間は2023年4月から6月であるため、同期間の情報を記載しております。
シンガポールでは、不採算店舗の見極めと整理、物流コストと本社経費の削減に取り組みました。今後は、原材料費の高騰を背景に価格改定を実施し、価格の適正化を図ってまいります。
香港では、本社経費の削減、仕入れ先変更による原価率低減を図りました。不採算店舗については、サービス向上と収益性の改善に向けて個店別に対策を講じております。
海外店舗の主要な食品の製造を担う台湾の連結子会社、魔術食品工業では、卸価格の改定やモスバーガー店舗の売上増に比例して回復傾向にあります。引き続き、収益性の改善や新たな販路開拓に取り組んでおります。
台湾では、海外からの観光客の増加や国内旅行の活性化を背景に、飲食店需要も高まりつつあります。一方で、鶏肉など原材料価格が徐々に高騰しており、一部食材の見直しなどに取り組んでいます。また、端午節に合わせたライスバーガーの販促企画効果もあり、売上の増加に大きく寄与しました。
以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は81億91百万円(前年同四半期比13.2%増)、セグメント損失(営業損失)は1億48百万円(前年同四半期比55百万円の損失増)となりました。
その他飲食事業は、新型コロナウイルス感染症発生前の水準に戻りつつあります。引き続き、商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの拡大を図り、収益力の改善を進めております。
以上の事業活動の結果、その他飲食事業の売上高は9億22百万円(前年同四半期比5.6%増)、セグメント損失(営業損失)は49百万円(前年同四半期比64百万円の損失減)となりました。
連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生、株式会社モスクレジットは金融・保険・設備レンタル、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシングなどにより、主に国内モスバーガー事業やその他飲食事業を支援しております。
これらによるその他の事業の売上高は5億円(前年同四半期比11.8%増)となり、前年同四半期に一時的に減少した設備レンタルに係る費用の増加等により、セグメント利益(営業利益)は2億5百万円(前年同四半期比38.6%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ31億10百万円増加し、775億89百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ17億21百万円増加し、固定資産は13億88百万円増加しております。流動資産が増加した主な理由は、現金及び預金が増加したこと及び季節変動により棚卸資産が増加したことによるものであります。固定資産が増加した主な理由は、時価の変動等によって投資有価証券が増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億75百万円増加し、266億63百万円となりました。この増加の主な理由は、未払金が減少した一方で、利益の増加に伴い未払法人税等が増加したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ28億34百万円増加し、509億25百万円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末64.3%から当第2四半期連結会計期間末は65.3%と1.0%増加しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー45億95百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△14億18百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー△18億51百万円等により、前連結会計年度末に比べ14億円増加し、204億32百万円(前連結会計年度末比7.4%増)となりました。
主として、税金等調整前四半期純利益の増加や売上債権、棚卸資産、仕入債務等の運転資金の増減に加え、法人税等の支払額の減少等により資金が増加したため、前年同四半期比38億20百万円増の45億95百万円となりました。
主として、有形固定資産の取得による支出の増加及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少により資金が減少したため、前年同四半期比8億54百万円減の△14億18百万円となりました。
主として、短期借入金の増加額の減少及び設備投資のための長期借入金の返済による支出の増加に加え、リース債務の返済の増加により資金が減少したため、前年同四半期比7億36百万円減の△18億51百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、その他の事業の仕入実績が著しく増加しております。この増加の主な理由は、前年同四半期に一時的に減少した設備レンタルに係る費用の増加等によるものであります。この結果、その他の事業の仕入実績は4億19百万円(前年同四半期比38.9%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。