当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)フィロソフィー
①経営理念:すべてはお客様のために
②ビジョン:我が国業界No.1企業を目指す
グローバル競争に勝ち残る企業を目指す
③行動指針:「F.Y.T.(ファイト)」(変化に柔軟に、常に若々しく、果敢に挑戦する)
「3G(スリージー)」(あらゆるものを、グローバルに、総合力を活かして)
「加賀イズム」(経営マインド・営業マインド・社会人としての心構え)
当社は、創業以来「すべてはお客様のために」の経営理念のもと、お客様の様々なニーズにお応えすることにより、事業領域を拡大してまいりました。独立系商社としての強みを活かした電子部品・半導体の販売に始まり、多品種・小ロットを得意とするEMSビジネス(電子機器の製造受託サービス)、更には、お客様製品の企画・開発や設計支援、ソフトウェア・映像制作、ネットワークソリューションやシステムサポートなど、今や国内外を問わず、エレクトロニクスの総合商社として多様なサービスを提供しております。
(2)「中期経営計画2024」の振り返り
2022年4月より始動し、当連結会計年度が最終年度となる「中期経営計画 2024(2022-2024)」の成果につきまして、「経営数値」および「経営施策」に関してご報告いたします。
①定量目標
2021年11月に公表しました「中期経営計画 2024」最終年度(2024年度)の経営目標につきましては、計画初年度であった2022年度については、新規M&A目標を除き、「売上高」、「営業利益」ならびに「ROE」のすべてのKPIにおいて、2年前倒しで達成しました。この好調な初年度の成果を踏まえ、最終年度の業績見通しをアップデートし、2023年5月に「最新見通し」として公表しました。
しかしながら、その後の想定外の在庫調整の長期化や賃上げなどの影響もあり、計画最終年度となる2024年度(2025年3月期)は「売上高5,477億円、営業利益236億円」となり、「最新見通し」には及びませんでした。
一方、ROEは、計画期間中は安定して「10%以上」の水準で推移しました。
②定性目標
当社グループは、「中期経営計画 2024」で定めた4つの基本方針に沿って、これまでの3事業年度を通して、様々な経営施策に取り組んでまいりました。
まず、「更なる収益力の向上」につきましては、EMSビジネスにおいて、マレーシア、トルコ、メキシコの各工場を移転・拡張し、生産能力増強に積極的に取り組みました。
次に、「経営基盤の高度化」では、基幹システム入れ替えやSFAツールの導入などデジタル技術を活用したDX化を推進しました。また、インフレ手当支給や賃上げ実施の他、男性育児特別休暇制度の新設など、人的資本への投資に取り組みました。
「SDGs経営の推進」につきましては、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の経営課題にも積極的に取り組みました。
「新規事業の創出」に関しては、小型無線モジュールビジネスを事業譲受したほか、ベンチャー企業への投資を11件実行したものの、大型M&Aの案件は本計画期間中に実現には至りませんでした。
(3)「中期経営計画2027」の策定
①コンセプト
当社は、「中期経営計画 2024」での成果と課題を踏まえ、次代に向けた当社グループの持続的成長の指針として、2025年度(2026年3月期)から2027年度(2028年3月期)までの3ヶ年の経営計画「中期経営計画 2027(2025-2027)」を、2024年11月6日に公表しました。新中計では、当社が創業60周年を迎える2028年度(2029年3月期)には、「売上高1兆円企業」の実現を見据えた長期構想の下、前中計で掲げた“グローバル競争に勝ち残る世界に通用する企業”、“我が国業界No.1企業”の「経営ビジョン」を継承しております。
②「中期経営計画2027」の概要
1)基本方針 ~重点施策とアクションプラン~
新中計は、「収益性と資本効率を重視した経営により、企業価値を高める」ことを基本方針とし、以下の重点施策を定めました。
一つ目の「更なる収益力の向上」につきましては、中核事業の拡大に加えて、M&Aへの挑戦と新規事業の創出に取り組んでまいります。
次の「経営基盤の高度化」では、戦略的な資本政策を実行すべく、キャッシュアロケーションの考え方を明らかにするとともに、株主還元方針についても見直しました。
最後の「SDGs 経営の推進」につきましては、2021年11月に策定しましたサステナビリティ中長期経営計画に基づき、ESGに関連する経営課題への対応を加速してまいります。
2)経営目標 ~自立成長+新規M&Aで持続的な成長を実現~
新中計における経営目標につきましては、2028年度「売上高1兆円」を見据え、計画最終年度となる2027年度に「売上高8,000億円以上」、「営業利益360億円以上」としました。このうち、オーガニック成長による目標は、「売上高7,000億円以上」、「営業利益350億円以上」としております。営業利益率は、厳しい事業環境が想定されますが、5.0%を確保することを目標とします。なお、2025年3月期実績からの年平均成長率(CAGR)は、売上高で8.5%、営業利益で14.0%となります。
また、「資本効率重視」の基本方針に則り、ROEの最終年度目標は、現状の株主資本コスト10%を意識し、「12.0%以上」としました。
3)キャッシュアロケーション
新中計では、企業価値の向上に向けて、財務規律を維持しつつ、創出したキャッシュは「成長投資」と「株主還元」に重点的に配分することを基本的な考え方としております。
この考えに基づき、新中計期間中の3ヵ年で獲得する営業キャッシュフローを600億円程度と見込み、その配分については、株主還元に220億円から300億円規模、新規M&AやEMS事業における生産能力増強など成長投資には300億円超を配分することを目安にしております。
なお、M&Aは、案件によっては必要な資金量が大きくぶれる可能性がありますので、超過する場合は、外部借り入れで賄い、また、不要になった場合は株主還元に充当してまいります。
(4)株主還元に関する基本情報
当社は、株主の皆様に対してより積極的に配当を実施する観点から、新中計期間中の目安を「連結配当性向30~40%」に引き上げ、これにより中長期的な利益成長を通じた配当成長に努めてまいります。普通配当については、安定的かつ継続的な配当の目安として、「DOE 4.0%」を新たな指標としました。また、利益水準や資本効率性に応じた追加施策として、特別配当や自己株式取得を機動的に実施してまいります。
(5)「サステナビリティ中長期経営計画」
当社は、2021年11月に、「サステナビリティ中長期経営計画」を策定し、「すべてはお客様のために」の経営理念のもと、「持続可能な社会の実現」と「持続的なグループの成長」の両立を目指したサステナビリティ経営を推進しております。その取り組みにあたっては、お客様、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会など全てのステークホルダーとの対話を尊重し、持続可能な社会の実現に積極的な役割を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。
①サステナビリティ方針
1)事業活動を通じて環境課題に取り組みます
事業活動を通じて、CO2排出量の削減、廃棄物の削減と再利用の推進に取り組むとともに、環境に配慮した製品およびサービスを提供することで、地球環境を大切にする社会の実現に貢献します。
2)人権を尊重し、人財を育成します
性別や年齢、国籍や社会的身分、障がいの有無など個人の属性に関係なく、すべてのステークホルダーの人権を尊重します。また、多様な従業員が心身ともに安全且つ健康に働ける職場環境や個々の能力を最大限発揮できる人事制度・教育研修体系を整備し、イノベーションに挑戦する人財づくりに取り組みます。
3)社会との相互信頼の確立を目指します
法令や規則を遵守し、公正な競争、高品質な製品およびサービスの提供、適時適切な情報開示など、誠実な企業活動を実践するとともに、ガバナンス体制の強化を図ることで社会から信頼される企業を目指します。
②サステナビリティ推進体制
加賀電子グループは、CSRならびにサステナビリティの推進を重要な経営課題と捉え、加賀電子株式会社の代表取締役 社長執行役員が委員長となる「サステナビリティ委員会」を設置し、その直下には「環境経営推進」「ダイバーシティ推進」「ガバナンス」「コンプライアンス」「リスクマネジメント」「情報開示」の各専門委員会を配して、グループ横断的にCSRならびにサステナビリティを推進するマネジメント体制を敷いています。経営トップのコミットメントのもと、事業部門とも連携して、各委員会を通じて、ESG課題に対する方針施策・目標策定、進捗管理などグループ一体となってサステナビリティの推進に取り組んでいます。
③マテリアリティ(重要課題)の特定
加賀電子グループは、世界および当社が直面する様々な課題や社会からの要請に真摯に向き合い、「E:環境」「S:社会」「G:ガバナンス」ならびに「B:事業」の4つの観点から、当社の経営にとってインパクトの大きい重要課題を以下の通り特定しました。これらのマテリアリティの取組みを通じて、持続可能な社会の実現に寄与する企業活動を実践し、さらなる企業価値の向上を推進していきます。
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マテリアリティ |
関連するSDGs (注) |
経済・社会情勢の変化 |
取組み課題 |
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E |
クリーンな地球環境を作る |
7・13 |
・地球温暖化・環境問題の深刻化 ・カーボンニュートラルへの 要請 |
・環境・エネルギー問題に貢献する製品およびサービスの提供 ・環境負荷低減に向けた取り組みの継続 |
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S |
働きやすい会社、豊かな社会を作る |
5・8・10 |
・ニューノーマルに向けた社会構造の変化 ・少子高齢化による人材の逼迫 |
・ニューノーマルに相応しいダイバーシティおよび 働き方の促進 ・加賀イズムの継承・発展による人財育成 |
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G |
持続可能な経営基盤を作る |
16・17 |
・コーポレート・ガバナンス強化への要請 ・環境変化に耐えうるレジリエンスの実現 |
・ガバナンス、コンプライアンスのさらなる強化 ・利益重視経営の徹底 |
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B |
持続的な事業成長を実現する |
9・12・17 |
・デジタルトランスフォーメーションの進展 ・IoT・AIなどICTの普及による超スマート社会の到来 ・グローバル競争の激化 |
・デジタル化社会に貢献する製品およびサービスの提供 ・社会課題解決に貢献する新規事業創出 ・グローバル展開のさらなる促進 |
(注)5:ジェンダー平等を実現しよう 7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8:働きがいも経済成長も 9:産業と技術革新の基礎をつくろう
10:人や国の不平等をなくそう 12:つくる責任つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を 16:平和と公正をすべての人に
17:パートナーシップで目標を達成しよう
④サステナビリティ中長期経営計画、主なKPIと活動・進捗状況
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主なテーマ |
取り組み課題・検討課題 |
中期目標 |
長期目標 |
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E |
再生可能エネルギー100%化の実現 |
・国内営業拠点における再エネ導入 |
2024年:40% (1%) |
2030年:100% |
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・国内製造拠点における再エネ導入 |
〜2024年:情報収集・分析及び方針決定 ・自家発電/外部調達 ・太陽光パネル/バイオマス発電/再エネ事業者 |
2030年: 50% |
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・海外製造拠点における再エネ導入 |
2030年: 30% |
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|
社有車両EV化 |
・国内営業車両の電動車(EV、HV、PHV、FCV)への切り替え |
2024年:85% (78.5%) |
2030年:100% |
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S |
ダイバーシティと |
・中核人財の多様性確保 |
<女性新卒総合職比率> |
<女性新卒総合職比率> |
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・高齢者・障害者雇用の取り組み |
||||
|
「ワークライフ・マネジメント」と「生産性向上」 |
・育児・介護支援、テレワークなど各種制度拡充 |
2022年:各種制度拡充 |
2025年:外部認定取得 |
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・健康経営優良法人の認定取得 |
||||
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G |
CGコード改訂・ |
・独立社外取締役1/3以上 ・指名・報酬委員会の設置 |
2021年6月実施済み |
次期CGコード改訂に応じて目標設定 |
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・取締役会の多様化 |
〜2022年6月:方針決定 |
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|
・プライム市場に対応したCGコード・フルコンプライ |
2021年11月実施済み |
|||
|
経営の監督機能・執行機能の一層強化 |
・「委任型執行役員」制度の導入 |
2022年4月:施行 |
||
|
・「委員会等設置会社」への移行 |
〜2023年3月:方針決定 |
※()内は計画策定時数値:2021年11月
⑤サステナビリティ中長期経営計画の進捗
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主なテーマ |
取り組み課題・検討課題 |
2023年度/2024年度の主な活動・進捗状況 |
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E |
再生可能エネルギー100%化の実現 |
・国内営業拠点における再エネ導入 |
・再エネ由来電力は全体電力の2.3%で導入済。 ・「24年40%再エネ化」の目標達成に向けて、非化石証書購入。併せて、温室効果ガス排出量を可視化し、HP上で開示。 |
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・国内製造拠点における再エネ導入 |
・太陽光発電での十和田工場の自給率は9.2%、増設も検討中。福島工場は21.9%の自給率の実績となる。 |
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・海外製造拠点における再エネ導入 |
・メキシコ新工場の太陽光発電は2025年1月より政府から許可がおり発電開始。賃貸の製造拠点はIREC(再エネ証書)の購入を検討中。 |
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|
社有車両EV化 |
・国内営業車両の電動車(EV、HV、PHV、FCV)への切り替え |
・電動車化比率は前年度5.2pt増の90.2%(2025年3月末) |
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S |
ダイバーシティと |
・中核人財の多様性確保 |
・女性新卒総合職比率は、「行動計画」に沿った採用活動を実施し前年度比1.0pt増の22.7%に拡大も、目標30%に届かず。 ・女性管理職比率向上に関し、グループ内で協議、各社ごとに女性管理職員数の目標人数を設定済。2025年4月現在では前年度比0.1pt減の17.3% |
|
・高齢者・障がい者雇用の取り組み |
・障がい者雇用は法定雇用率100%(2025年3月末) |
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「ワークライフ・マネジメント」と「生産性向上」 |
・育児・介護支援、テレワークなど各種制度拡充 |
・男性育児休業制度は連結29名、単体12名が利用。 男性育児休業取得率は連結89.7%、単体100%。 |
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・健康経営優良法人の認定取得 |
・2025年3月、3年連続で認定取得。 HPに健康経営方針や取り組みを掲載。 |
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G |
CGコード改訂・ |
・独立社外取締役1/3以上 ・指名・報酬委員会の設置 |
・減員していた社外取締役を2024年6月株主総会にて選任し、 取締役6名体制を維持(うち社外取締役3名)。 |
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・取締役会の多様化 |
・2025年6月株主総会での「監査等委員会設置会社」への移行 決議により女性取締役就任。 |
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・プライム市場に対応したCGコード・フルコンプライ |
・2024年度CGコードの改定はないが、社内対応の見直しを実施。 |
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|
経営の監督機能・執行機能の一層強化 |
・「委任型執行役員」制度の導入 |
・2022年4月より導入済。 ・グループ経営本部会議の構成員を委任型執行役員へ拡大することを決定。2024年4月より運用開始。 |
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・「委員会等設置会社」への移行 |
・2025年6月株主総会決議により「監査等委員会設置会社」へ 移行。 |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、CSRならびにサステナビリティの推進を重要な経営課題と捉え、代表取締役 社長執行役員が委員長となる「サステナビリティ委員会」を設置し、その直下には、「環境経営」「ダイバーシティ推進」「ガバナンス」「コンプライアンス」「リスクマネジメント」「情報開示」の各専門委員会を配して、グループ横断的にCSRならびにサステナビリティを推進するマネジメント体制を敷いています。また、SDGsの取り組みに関するグループ全体の連携を強化するための専任部署として、サステナビリティ推進部を設置しております。
サステナビリティ委員会の役割として、各専門委員会にて洗い出されたサステナビリティ関連の検討事項に対する審議や、当社グループにおける気候変動関連事項を含むESGに関する戦略策定ならびに施策の展開の他、目標の策定、進捗状況のモニタリング等を行っております。
サステナビリティ委員会にて検討・決定された内容は、都度取締役会に報告され、取締役会では報告内容について委員会に諮問のうえ、委員会より展開された施策の指導・監督を行っております。
なお、2024年度にはサステナビリティ委員会は2回、各委員会は原則毎月1回開催し、テーマごとに活発な議論・検討を重ねております。
●サステナビリティ推進体制
(2)戦略
当社グループは、「サステナビリティ中長期経営計画」において、以下の通り取り組みサステナビリティ経営を推進しています。
①サステナビリティへの取り組み
<サステナビリティ方針の策定>
1)事業活動を通じて環境課題に取り組みます
2)人権を尊重し、人財を育成します
3)社会との相互信頼の確立を目指します
<マテリアリティ(重点課題)の特定>
加賀電子グループは、世界および当社が直面するさまざまな課題や社会からの要請に真摯に向き合い、「E:環境」「S:社会」「G:ガバナンス」ならびに「B:事業」の4つの観点から、当社の経営にとってインパクトの大きい重要課題を特定しました。これらのマテリアリティの取組みを通じて、持続可能な社会の実現に寄与する企業活動を実践し、さらなる企業価値の向上を推進していきます。
<TCFD提言の枠組みに沿った対応>
加賀電子グループでは、サステナビリティ中長期経営計画において事業活動を通じたCO2排出量の削減、廃棄物の削減と再利用の推進に取り組むとともに、環境に配慮した製品およびサービスを提供することで地球環境への貢献を進めています。また、マテリアリティの一つとして「クリーンな地球環境を作る」を掲げて気候変動への対応に取り組んでおり、TCFD提言の枠組みに沿って重要な移行リスク・物理的リスクおよび機会を認識するとともに、その対応方針を次の通りとしております。
[TCFD提言の対応状況]
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、検討いたしました。
また、1.5℃シナリオと、4℃シナリオの二つのシナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害などによる物理的変化(物理的リスク・機会)に関する分析を実施いたしました。
●気候変動シナリオについて
・1.5℃シナリオ(脱炭素シナリオ)
気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温上昇を産業革命期以前と比較して1.5℃未満に抑えることを目指したシナリオ。1.5℃シナリオでは、移行リスクの中でも政策・法規制リスクの影響が2℃シナリオに比べて大きくなると想定されています。
・4℃シナリオ(高排出シナリオ)
気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。物理的リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されています。
当社グループでは気候変動に関する重要な物理的リスク・移行リスクと収益機会として、下記を認識しています。
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リスク・収益機会の種類 |
時間軸 |
影響度 |
対応方針 |
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移行リスク |
法規制 ・政策 リスク |
将来、炭素税が導入されれば事業活動にて排出されるCO2に対して課税され、コストが増加する |
中期~長期 |
大 |
・保有車両のEV化、再エネ使用率を高める (サステナビリティ中長期経営計画にて対応中) |
|
将来、サプライヤーへの炭素税の導入により、調達コストの上昇が懸念される |
中期~長期 |
大 |
・サプライヤーとのエンゲージメントで梱包、輸送方法など見直しを行う ・出来る限り販売価格への転嫁を行う |
||
|
排出量削減目標達成に向けたカーボンオフセット需要の増加により、クレジット価格が上昇する |
中期~長期 |
小 |
・自社での太陽光パネルの設置を進行中(青森、福島、ベトナム、メキシコ、中国湖北、マレーシアにて設置済) さらにオフサイトPPA導入も検討 ・非化石証書の購入済 (サステナビリティ中長期経営計画にて策定) |
||
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技術 リスク |
再生可能エネルギー比率の上昇による電源単価の高騰 |
中期 |
小 |
・自社太陽光パネル等自家発電設備の能力増強(加賀EMS十和田にて導入中) ・蓄電池導入の検討 ・電力オークションを通じて電力購入開始 |
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|
市場 リスク |
商社ビジネスおよびEMSビジネスにおいて省エネ・低炭素製品/部材に対する顧客ニーズを満たせないことにより、売上が減少する |
中期~長期 |
小 |
・顧客要望に沿った環境性能に優れた製品/部材の取り扱い、ラインナップ充実 |
|
|
再生可能エネルギーや電気自動車の市場が拡大し、鉱物資源(レアメタル等)の需要がひっ迫することで、調達コストが上昇する |
中期~長期 |
小 |
・サプライチェーンの多様化を検討 ・代替製品の開拓 ・製品の販売価格への転嫁 |
||
|
評判 リスク |
GHG削減の取り組み遅れや情報開示不足により、ESGを重視する顧客からの評価が低下する |
短期~長期 |
中 |
・気候関連情報開示の徹底、外部評価の向上への積極的な取り組み |
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・時間軸:短期:〜3年、 中期:3〜6年(2030年)、 長期:6年〜26年(2050年)
・影響度:大:営業利益の10%以上、 中:営業利益の3%〜10%、 小:営業利益の3%未満
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リスク・収益機会の種類 |
時間軸 |
影響度 |
対応方針 |
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物理的リスク |
急性 リスク |
顧客及びサプライヤーの事業活動停止やサプライチェーン断絶により、復旧までの期間の売上が減少する |
短期〜中期 |
小 |
・サプライチェーンの多様化 ・BCP対策マニュアルの整備 |
|
自社拠点の被災により、復旧対応コストが発生する |
短期〜長期 |
小 |
・防災設備の導入、既存設備の災害対策強化 ・BCP対策マニュアルの整備 ・国内工場でのハザードマップ完備 |
||
|
慢性 リスク |
工場において、労働環境悪化に伴い熱中症等の対応費用が増加する |
中期~長期 |
小 |
・工場内の空調設備などの職場環境の見直し(空調設備は毎年高効率機種に入れ替え中) |
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|
機会 |
資源の効率性 |
事業拠点への省エネ機器導入により運用コストが削減される |
短期〜中期 |
小 |
・エネルギー効率のモニタリングと継続的改善 ・AI自動制御によるエネルギー消費管理製品の利用 |
|
製品・サービス |
省エネ・低炭素製品への需要増加により、売上が増加する |
中期~長期 |
大 |
・EV自動車向け半導体・電子部品の注力 ・EVバスの販売拡大 |
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|
省エネ・低炭素製品への助成が強化される |
短期~中期 |
中 |
・PC周辺リサイクルビジネス増大への対策 |
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市場 |
平均気温上昇に伴う空調機器の市場拡大により、EMS加工需要が増加する |
中期~長期 |
中 |
・空調機器顧客との戦略的パートナーシップ構築 ・取扱製品の拡充 ・サプライチェーンの安定的供給 |
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|
GHG排出量削減の取り組みが進んだ場合、ステークホルダーからの評価が向上する |
短期〜中期 |
小 |
・CDPスコアの向上やSBT取得の検討 |
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・時間軸:短期:〜3年、中期:3〜6年(2030年)、長期:6年〜26年(2050年)
・影響度:大:営業利益の10%以上、中:営業利益の3%〜10%、小:営業利益の3%未満
②人的資本、知的財産への投資等の考え方
当社グループは、「ダイバーシティ推進」をテーマに、「女性活躍推進」「女性・外国人・中途採用者の管理職への登用」における多様性の確保に関して諸施策の取り組みを進めております。また、「ワークライフ・マネジメントと生産性向上の両立」をテーマに、働き方の見直しや育児・介護にターゲットを絞った環境や制度の整備を行い、テレワークを恒常的な制度として規程・ルール改定を実施したほか、健康経営方針の制定など健康経営の推進体制を整備し、昨年に続き3年連続で「健康経営優良法人」認定を取得しました。
③管理職における多様性の確保についての考え方
当社グループは、知見・経験・能力、ジェンダーや国際性など異なる属性を反映させた多様な視点や価値観・意見が社内に存在することが、斬新な着想や多面的な検討など経営戦略を実現する上での強みとなり、当社の持続的な成長や企業価値の向上にとって不可欠であると認識しております。
特に経営陣を支える中核人財である管理職については、より一層の多様性の確保と充実に向けて中長期的な目標を設定し、計画的な人材育成と、多様な人財が様々なキャリアパス・働き方を柔軟に選択できるような社内環境整備に取り組んでまいります。
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関わるリスクと機会について「サステナビリティ委員会」で協議の上、当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、「環境経営推進」「ダイバーシティ推進」「ガバナンス」の各委員会が中心となって、その実現に向けてグループ全体でサステナビリティ経営を推進しています。特定した9つのマテリアリティに沿って、「サステナビリティ中長期経営計画」に展開し、取り組みテーマごとに定量目標を定めて進捗状況をモニタリングしています。当社グループにおける「サステナビリティ中長期経営計画」の定量目標につきましては、
一方、全社事業的な視点での当社グループのリスクマネジメントについては、リスクマネジメントを統括・推進する組織として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループで連携したリスクマネジメント体制を整備しています。
当社グループにおけるリスク管理の詳細につきましては、
(4)指標及び目標
①環境配慮・脱炭素社会への取り組み
当社グループは、環境配慮・脱炭素社会への取り組みとして、サステナビリティ中長期経営計画において「再生可能エネルギー100%化の実現」と「社有車両のEV化」をテーマに「中期」「長期」の目標を掲げ目標達成に向け取り組んでいます。
中長期目標およびその活動・進捗状況については
なお、当社グループは2023年度(2024年3月期)よりScope1,2,3の算定を開始いたしました。これにより、2023年度排出量を基準とし、削減目標を次の通り定めました。当社グループでは今後とも目標達成に向け取り組んでまいります。
●排出量実績
(単位:t-CO2)
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項目 |
2023年度(基準年) |
2024年度 |
2023年度比 |
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Scope1 |
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△11.9% |
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Scope2 |
|
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4.7% |
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Scope3 |
|
|
1.2% |
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排出量合計 |
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|
1.2% |
※CO2排出量の2024年度の実績については暫定値です。
●削減目標(2024年度策定)
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指標 |
基準年 |
目標年 |
目標 |
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Scope1+2 |
2023年度 |
2030年 |
42.0%削減 |
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Scope3 |
2023年度 |
2030年 |
25.0%削減 |
②人的資本、多様性について
当社グループは、2030年代中にグループ全体における女性管理職比率を25%程度にすることを目指し、中長期の目線で、当たり前に女性が活躍する環境づくりを進めております。具体的には、社員の自律的な成長をサポートしつつ、経験の蓄積やキャリア意識の醸成などに持続的に取り組むことで、中核人材に占める女性比率を着実に増やしてまいります。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略 ③管理職における多様性の確保についての考え方」において記載しました、管理職の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。
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指標 |
目標 |
実績(2025年4月時点) |
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女性の管理職への登用(連結) |
2020年代中に17.0% 2030年代中に25.0% |
17.3% |
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外国人の管理職への登用(連結) |
引き続き現状水準維持 |
32.7% |
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中途採用者の管理職への登用(連結) |
引き続き現状水準維持 |
60.0% |
(注)外国人・中途採用者の管理職への登用については、国籍や採用時期によって特段の差が生じているとは認識していない為、現状水準を維持する事を目標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済環境について
当社グループの主要事業である電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMS、半導体等の開発・製造・販売等)は、当社グループが販売している国または地域の経済環境の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア等の主要市場における景気の変動、それにともなう需要の拡大、縮小は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動について
当社グループの事業には、海外における商品の販売、製造が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表上円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、為替相場の変動により円換算後の数値に影響を受ける可能性があります。
当社グループは、外国為替相場の変動リスクを軽減するため、先物為替予約等による通貨ヘッジ取引を行い、米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ、トルコリラおよび円を含む主要通貨間の為替レートの変動による影響を最小限に止める努力をしておりますが、為替予約のタイミングや急激な為替変動は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)カントリーリスクについて
当社グループは、EMSをはじめ電子部品の販売等多くの海外取引を展開しており、世界各国に販売および製造拠点を有しております。現地での政治的要因による法律または規制の変更、経済的要因による急激なインフレまたはデフォルト、社会情勢悪化にともなうテロ行為または戦争、自然災害である地震、台風または洪水、更には伝染病の蔓延等の影響により当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)仕入先との関係および競合について
当社グループは、国内外2,000 社を超える製造業者、商社と提携し、電子部品・半導体等の電子機器からパソコンおよび関連機器、家電、通信機器、玩具まで多種多様な商品の仕入れが可能ですが、仕入先の代理店政策変更ま
たは仕入先自体の統廃合等により商権に変更が生じる場合もしくは仕入先の工場所在の地域による自然災害、パンデミック、地政学的なリスクによる長期的な工場稼働停止等の事象が生じた場合は、業績に影響を与える可能性が
あります。また、当社グループが取り扱うエレクトロニクス関連商品(一般電子部品、EMS、半導体、情報機器関連商品等)の市場は競争が激しく、且つ技術革新や顧客ニーズの変化および頻繁な新商品の参入に特徴付けられ、国内外の多くの製造業者、商社と競合しております。当社グループは、激化する低価格競争や新規参入業者の増加に対して、特定の業界や業務に特化したサービスを提供することで他社との差別化を図り対応しておりますが、競争力のある価格、商材、技術等により対応できない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自社製品の取り扱いに伴うリスクについて
当社グループは、エレクトロニクス製品の開発・製造・販売を行っております。今後も新製品、新技術の開発により事業拡大を目指しておりますが、以下のようなリスクが含まれます。
①製品の供給責任に伴うリスク
②製品の欠陥に対する保証リスク
③新製品・新技術への資金や資源の投資リスク
④急速な技術革新に対し十分な対応が出来ないリスク
⑤レピュテーションにおけるリスク
上記リスクをはじめとし、当社グループとして業界と市場の変化を十分に予測することができず、魅力ある製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可
能性があります。
(6)法的規制等について
当社グループは、国内外において事業展開を行っており、日本国外の各種法令・規制および日本における会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、労働法、知的財産基本法、環境関連法令等の影響を受けており、法令・規則に違反した場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員の不正行為は、その内容次第では当社の業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(7)株式市場リスクについて
当社グループは、金融機関や、仕入、販売等に係わる会社の株式を保有しておりますので、株式市場リスクを負っています。これら株式市場リスクについては、特別なヘッジ手段を用いていないため、株式市場の変動により財
務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)重要な訴訟について
当社グループは、国内外の事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続の対象となるリスクがあり、これらの法的なリスクについては当社グループの法務部門が一括管理しております。また、必要に応じて取締役会およ
び監査等委員会に報告する管理体制となっております。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)個人情報について
当社グループは、個人情報保護法により定められた個人情報の漏洩防止に努めるべく、個人情報の管理体制を整備しております。しかしながら、情報化社会における個人情報を取り巻く環境は多様化しており、予期せぬ事態に
より個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の低下とともに当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)M&Aについて
当社グループは、M&Aを事業の拡大を図る手段として位置づけております。M&A を行う際は、買収によるリスクを極力回避するため、その対象となる企業の財務内容や契約関係について綿密なデューデリジェンス等を実施し
ておりますが、当該対象企業が価値算定時に期待した利益を計上できない場合や、M&A 時に検出できなかった偶発債務や未認識債務等が顕在化した場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)貿易コンプライアンスについて
当社グループでは、輸出入貿易による仕入・販売を行っております。貿易取引が安全保障貿易に対し各国法令を遵守するために、顧客、サプライヤー、貿易パートナーだけでなく、出荷される商品やその目的地、輸送方法、貿易財務書類等、各貿易における精査を行う必要があります。また米国輸出規制では、「再輸出規制」等により米国外に対して影響する規制もあるため合わせて精査を行う必要があります。法令に違反した場合、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの社会的信用の低下とともに業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)求償リスクについて
弊社が提供した、製品およびサービスの不具合を起因として、取引先に予期しない事故や損害が発生した場合、法的責任(損害賠償等)を問われる可能性があります。対策として、仕入先、顧客との製品仕様書の取り交わし、
法的規制の準拠確認、安全基準の準拠確認、各種損害保険の付保等によるリスク回避策の実行に努めておりますが、それでも重大な問題が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)人財の確保、労務リスクについて
当社グループの属するエレクトロニクス業界は、競争が激しく、且つ技術革新や顧客ニーズの変化および頻繁な新商品の参入に特徴付けられ、国内外の多くの顧客へ価値を提供し続けるためには、優秀な人財の採用・育成が必
要不可欠となります。近年、優秀な人財の採用は競争が激しくなるなかで、当社は時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化など法令順守に取り組み、多様な人財が心身ともに安全且つ健康に働ける職場環境、個々の能
力を最大限発揮できる人事制度・教育研修体系を整備し、イノベーションに挑戦する人財育成に取り組んでおりますが、万が一、法令違反が起きた場合や、必要な人財の確保または育成ができなかった場合には、当社グループの
業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)グループガバナンスについて
当社グループは、国内外に多くのグループ会社を有しており、グループガバナンスの強化が重要であると認識しております。財務報告に係る内部統制を含め、「内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況」のとおり内部統制システムを運用、整備しておりますが、新規M&A によるグループ会社の増加や外的環境の変化等による新たなリスクに対して、システム整備が迅速に実施されないリスクがあります。当システムが適切に機能しなかった場合、不正、不祥事による有価証券報告書への虚偽記載、コンプライアンス違反等による取引先からの信頼性の低下や損害賠償等の請求により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)サイバーセキュリティについて
当社グループは、業務上取引先の各種機密情報を保持しております。サイバー攻撃や人為的な過失による機密情報の漏洩・改ざん・紛失、サービス停止、不正アクセスなどのリスクに対して、グループ共通の情報セキュリティ対策ガイドラインを策定し、グループ全体の対応状況の可視化と継続的な改善を実施しています。また、最先端のサイバーセキュリティ対策製品を導入し、従業員への定期的な情報セキュリティ教育を実施することでリスクの軽減に努めています。さらに、サイバー攻撃対応手順を整備し、インシデント発生時には迅速に対応できる体制を整えています。これらの対策を通じて当社グループは、情報セキュリティリスクに対する備えを強化し、顧客企業からの信頼を維持することを目指しています。しかし、このような取り組みにもかかわらず、情報漏洩等が発生した場合には、損害賠償の請求だけでなく、社会的信用の失墜、取引先の離反等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国は個人消費の改善などを背景に堅調に推移しましたが、中国の景気減速ならびに欧州や中東での地政学的リスクもあり、総じて先行き不透明な状況となっております。一方、日本では、雇用・所得環境の改善や企業の設備投資など前向きな動きは見られたものの、エネルギーや食料品など物価上昇を主因に個人消費が停滞するなど景気は緩やかな回復にとどまりました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、自動車の電装化・電動化を背景に車載関連向け需要は堅調に推移し、産業機器や事務機器向けでは在庫調整緩和の動きが見られる一方、空調機器向けなど一部の分野では調整局面が長引きました。
このような経営環境の下、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は、電子部品事業において在庫調整の長期化や海外子会社の特定大口顧客向け取引終息による減収、また情報機器事業でも特定大口案件の一巡により伸び悩みましたが、ソフトウェア事業およびその他事業は堅調に推移したことにより、前年比微増の5,477億79百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
売上総利益は、売上高が伸びない中で比較的好採算の製品の販売が伸長した一方、低採算であった大口取引が終息するなど販売ミックスの良化もあり、716億65百万円(前年同期比1.7%増)と僅かながら増益となり、売上総利益率も0.1ポイント改善しました。
営業利益は、当期に実施した賃上げによる人件費の増加や物流コスト上昇の影響などにより、販売費及び一般管理費が増加し、236億1百万円(前年同期比8.7%減)、経常利益は、為替変動にともなう為替差損の増加などにより、225億93百万円(前年同期比13.0%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に計上した投資有価証券売却益(14億20百万円)や負ののれん発生益(4億81百万円)の剥落などにより、170億83百万円(前年同期比16.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a.電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
当事業では、部品販売ビジネスは、主要顧客における在庫調整の影響が長引く中、加賀FEI株式会社におけるSoC(注)製品の販売伸び悩み、株式会社エクセルの海外子会社における特定大口顧客向け取引の終息などにより減収となりました。EMSビジネスでは、車載向けおよび医療向けが堅調に推移し、産業機器向けが回復したこと、在庫調整局面にあった空調機器向けも第2四半期からの緩やかな回復傾向が持続し、増収となりました。
これらの結果、売上高は4,729億10百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は169億27百万円(前年同期比19.0%減)となりました。
(注)System on a Chipの略語。ある装置やシステムの動作に必要な機能のすべてを、一つの半導体チップに実装する設計手法。
b.情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品など完成品の販売など)
当事業では、パソコン販売ビジネスは、教育機関向けは好調を維持しましたが、量販店向けは主要PCメーカーにおける商品ラインナップ減少の影響を受け低調に推移しました。加えて、LED設置ビジネスは前々期より本格展開していた大口案件が一巡したことにより売上高は減少しました。一方、比較的採算性の高いセキュリティソフトの販売が好調であったことから利益率は向上し、売上高は伸びない中で増益を確保しました。
これらの結果、売上高は426億52百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は33億7百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
c.ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
当事業では、CG映像制作の受注が好調に推移し、売上高は33億87百万円(前年同期比31.9%増)、セグメント利益は5億9百万円(前年同期比37.8%増)となりました。
d.その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
当事業では、PC製品およびPC周辺機器のリサイクルビジネスは堅調に推移しました。また、大型遊戯施設向けに機器・サービスを提供するアミューズメント機器ビジネスは、米国向け販売が好調に推移しました。
これらの結果、売上高は288億29百万円(前年同期比24.0%増)、セグメント利益は27億7百万円(前年同期比74.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、726億81百万円(前連結会計年度比102億63百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、250億47百万円の収入(前年同期は293億85百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、99億67百万円の支出(前年同期は29億68百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得および投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、73億43百万円の支出(前年同期は169億73百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払および借入金の返済によるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度のセグメント別の仕入実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品事業(百万円) |
379,275 |
1.9 |
|
情報機器事業(百万円) |
39,799 |
2.4 |
|
ソフトウェア事業(百万円) |
- |
- |
|
その他事業(百万円) |
19,151 |
21.7 |
|
合計(百万円) |
438,227 |
2.7 |
b.受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品事業 |
479,724 |
14.7 |
186,839 |
3.8 |
|
情報機器事業 |
43,713 |
△1.3 |
1,779 |
147.6 |
|
ソフトウェア事業 |
3,173 |
15.5 |
219 |
△49.3 |
|
その他事業 |
26,354 |
△2.1 |
3,113 |
△44.3 |
|
合計 |
552,965 |
12.4 |
191,951 |
2.8 |
c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品事業(百万円) |
472,910 |
0.1 |
|
情報機器事業(百万円) |
42,652 |
△3.7 |
|
ソフトウェア事業(百万円) |
3,387 |
31.9 |
|
その他事業(百万円) |
28,829 |
24.0 |
|
合計(百万円) |
547,779 |
0.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
・資産合計
当連結会計年度末における総資産は3,056億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ188億79百万円の増加となりました。
流動資産は2,571億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ125億35百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が135億92百万円増加したことによるものであります。
固定資産は485億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億44百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産が33億9百万円、投資有価証券が20億83百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・負債合計
負債は1,392億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億31百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が19億47百万円、未払法人税等が17億80百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・純資産合計
純資産は1,663億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億48百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益170億83百万円の計上などにより利益剰余金が113億2百万円、為替換算調整勘定が31億55百万円それぞれ増加したことによるものであります。
b.経営成績
・売上高
売上高は前連結会計年度に比べ0.9%増加の5,477億79百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に比べ3.4%減少の3,091億58百万円となり、海外売上高は7.2%増加の2,386億20百万円となりました。
・セグメント別概要
電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
売上高は4,729億10百万円(前年同期比0.1%増)となりました。これは主に、電子部品事業における在庫調整の長期化やEMSビジネスにおいて、車載向けおよび医療向けが堅調に推移したことなどの結果によるものであります。
情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品など完成品の販売など)
売上高は426億52百万円(前年同期比3.7%減)となりました。これは主に、主要PCメーカーにおける商品ラインナップ減少の影響や、LED設置ビジネスが前々期より本格展開していた大口案件が一巡したことによるものであります。
ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
売上高は33億87百万円(前年同期比31.9%増)となりました。これは主に、CG映像制作の受注が好調に推移したことによるものであります。
その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
売上高288億29百万円(前年同期比24.0%増)となりました。これは主に、PC製品およびPC周辺機器のリサイクルビジネスが堅調に推移し、大型遊戯施設向けに機器・サービスを提供するアミューズメント機器ビジネスの米国向け販売が好調に推移したことによるものであります。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度より38億69百万円増加し4,761億13百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は86.9%となっております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より34億57百万円増加し480億64百万円となりました。販売費及び一般管理費増加の主な要因は、売上高増加に伴う販売費の増加によるものであります。
・営業利益
営業利益は前連結会計年度に比べ8.7%減少の236億1百万円となりました。
・営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は前連結会計年度より11億38百万円減少し10億7百万円の費用(純額)となりました。主な要因は、為替変動による為替差損の計上によるものであります。
・経常利益
経常利益は上記記載の結果、前連結会計年度より33億82百万円減少し225億93百万円となりました。
・特別利益(損失)
特別利益(損失)は投資有価証券売却益7億54百万円、減損損失戻入益6億42百万円などの特別利益14億39百万円を計上し、投資有価証券評価損2億41百万円などの特別損失3億24百万円を計上しております。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度より43億90百万円減少し237億9百万円となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純損失を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より32億62百万円減少し170億83百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、2024年10月1日を効力発生日として実施した1株につき2株の割合での株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定すると、前連結会計年度より62円22銭減少し325円08銭となりました。
・今後の見通し
2026年3月期における当社グループを取り巻く国内外の経済情勢は、金融・関税などの政策変更にともなう景気後退懸念や為替変動リスク、欧州や中東をはじめとした地政学的リスクなど、その先行きは依然不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、IT・デジタル技術の進展を背景に、自動車の電動化や自動運転の進化、地球温暖化への環境対応、人手不足への省力化対応などテクノロジー分野における変化は著しく、中長期的には需要は確実に拡大していくものと予想されます。その一方、短期的には一部顧客においては在庫調整が継続しており、本格的な需要回復は2026年3月期後半になるものと思われます。
このような前提のもと、当社グループは、2026年3月期を初年度とする『中期経営計画 2027』の基本方針に沿って、創業60周年を迎える2029年3月期には「売上高1兆円企業」となることを見据え、事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じ、中核事業の拡大を図りつつ、引き続き新規M&Aや新規事業の創出に取り組みます。また、「成長投資」ならびに「株主還元」に重点配分する戦略的なキャッシュアロケーションを実践するとともに人的資本への投資を継続、強化します。加えて、「環境」「社会」「ガバナンス」のESG経営課題への対応を加速し、企業価値向上と社会価値の両立による持続的な成長を目指します。
2026年3月期の連結業績につきましては、USドルの想定為替レートを前期に比べて12円強円高の140円としたことによる為替換算差などのリスク要因を織り込み、売上高5,300億円、営業利益230億円、経常利益230億円、親会社株主に帰属する当期純利益165億円を見込みます。
なお、米国における関税政策が当社業績へ与える影響を合理的に算定することは困難でありますが、現時点で認識している米国顧客向け直接取引に関して一定の想定の下で影響を算定の上、業績見通しに反映させております。
また、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える大きな要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④資本の財源および流動性
a.資金需要
運転資金需要のうち主なものは、当社取扱商品の購入費用及び製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、新規事業あるいは商権獲得のためのM&A費用等によるものであります。
b.財政政策
短期運転資金の調達に関しましてはグループ内での資金効率化を行ったうえで金融機関からの借入を基本としております。
M&A・設備投資・長期運転資金の調達に関しましては、直接金融から間接金融まで様々な調達方法の中からその時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行うことを基本としております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な指標の一つとしてROEを採用しており、中期経営計画2027ではROE12.0%以上の確保を目標としております。
なお、当連結会計年度における当社グループのROEは、10.8%となりました。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(1)仕入先との主要な契約
現在、当社及び連結子会社が締結している仕入先との主要な契約は次のとおりであります。
|
契約会社名 |
相手先 |
主要取引品目 |
契約の種類 |
契約期間 |
|
加賀電子㈱ (当社) |
帝国通信工業㈱ |
ボリューム、スイッチ、プリント基板 |
販売代理店契約 |
1974年11月以降 |
|
〃 |
沖電気工業㈱ |
データ機器、IC、電子部品 |
販売特約店契約 |
1979年4月以降 |
|
〃 |
新電元工業㈱ |
ダイオード、トランジスタ、スイッチング電源 |
販売特約店契約 |
1981年1月以降 |
|
〃 |
シャープ㈱ |
液晶、IC、LED |
基本売買契約 |
1984年6月以降 |
|
〃 |
ヤマハ㈱ |
IC |
基本売買契約 |
1985年9月以降 |
|
〃 |
セイコーエプソン㈱ |
半導体等 |
取引基本契約 |
1985年11月以降 |
|
〃 |
京セラ㈱ |
セラミックフィルター、セラミック発振子トリマー、ブザー、チップコン |
販売代理店契約 |
1988年8月以降 |
|
〃 |
ホシデン㈱ |
機構部品、通信機器、情報機器 |
販売代理店契約 |
2002年4月以降 |
|
加賀テック㈱ (連結子会社) |
日本ハネウェル㈱ |
センサー、スイッチ |
販売店契約 |
2012年8月以降 |
|
加賀デバイス㈱ (連結子会社) |
三菱電機㈱ |
半導体等 |
半導体・デバイス代理店契約書 |
1991年4月以降 |
|
〃 |
OmniVision Technologies (Hong Kong) Company Limited |
CMOSイメージセンサー |
SUPPLY AGREEMENT |
2005年5月以降 |
|
〃 |
Quectel Wireless Solutions Co.,Ltd. |
通信用モジュール、アンテナ |
DISTRIBUTORSHIP AGREEMENT |
2017年4月以降 |
|
〃 |
Nordic Semiconductor ASA |
通信用IC、通信用モジュール |
NON-EXCLUSIVE DISTRIBUTION AGREEMENT |
2019年7月以降 |
|
〃 |
Efinix, Inc. |
FPGA |
DISTRIBUTION AGREEMENT |
2022年3月以降 |
|
加賀マイクロソリューション㈱ (連結子会社) |
日本ケミコン㈱ |
電解コンデンサ |
取引基本契約 |
1998年11月以降 |
|
〃 |
Imagination Technologies Limited |
ムービーデコーダ用ハードウェアIP(SGX) |
LICENCE AGREEMENT |
2007年8月以降 (注)2. |
|
〃 |
㈱CRI・ミドルウェア |
『CRI GT2』および『CRI Sofdec』ライセンス(SGX) |
ライセンス契約(使用許諾契約) |
2009年2月以降 |
|
加賀ソルネット㈱ (連結子会社) |
アップルジャパン合同会社 |
パーソナルコンピュータ、周辺機器、ソフトウェア |
Apple Authorized Reseller Agreement |
2025年5月以降 |
|
〃 |
パナソニックマーケティングジャパン㈱ |
デジタルカメラ・メディア・電池等 |
取引基本契約 |
2008年4月以降 |
|
〃 |
レノボ・ジャパン合同会社 |
パーソナルコンピュータ、周辺機器 |
Lenovoディストリビューター契約書 |
2011年3月以降 |
|
〃 |
VAIO㈱ |
パーソナルコンピュータ、周辺機器 |
製品売買基本契約書 |
2015年3月以降 |
|
〃 |
㈱ノートンライフロック |
セキュリティーソフト |
正規ディストリビューター契約 |
2020年10月以降 |
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契約会社名 |
相手先 |
主要取引品目 |
契約の種類 |
契約期間 |
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㈱エー・ディーデバイス (連結子会社) |
㈱ジャパンディスプレイ |
液晶表示装置 |
ビジネスパートナー基本契約 |
2003年4月以降 |
|
〃 |
キオクシア㈱ |
メモリ |
特約店基本契約書 |
2019年4月以降 |
|
〃 |
東芝デバイス&ストレージ㈱ |
半導体、集積回路 |
東芝ビジネスパートナー 東芝デバイス&ストレージ株式会社 特約店基本契約書 |
2020年4月以降 |
|
加賀FEI㈱ (連結子会社) |
FCLコンポーネント㈱ |
リレー・キーボード・タッチパネル |
特約店契約書 |
1996年4月以降 |
|
〃 |
㈱アクセル |
NVPROM |
取引基本契約書 |
2015年6月以降 |
|
〃 |
ZHEJIANG SUNNY SMARTLEAD TECHNOLOGIES CO., LTD. |
カメラモジュール |
Distributorship Agreement |
2020年4月以降 |
|
〃 |
㈱ソシオネクスト |
IC |
販売特約店契約 |
2021年1月以降 |
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〃 |
RAMXEED㈱ |
IC |
取引基本契約書 |
2021年10月以降 |
|
〃 |
Richtek Technology Corporation |
IC |
Distributor Agreement |
2022年9月以降 |
|
〃 |
MediaTek Inc. Taipei Branch |
ASSP |
SALES DISTRIBUTOR AGREEMENT |
2022年10月以降 |
|
〃 |
TRIPOD VIETNAM (BIENHOA) ELECTRONIC Co.LTD |
プリント基盤製品 |
Distributorship Agreement |
2023年7月以降 |
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〃 |
ams-OSRAM Asia Pacific Pte.Ltd. |
LED |
Commercial Distribution Agreement |
2022年1月以降 |
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㈱エクセル (連結子会社) |
アルプスアルパイン㈱ |
スイッチ、ボリューム、各種センサー等 |
代理店取引基本契約 |
2008年2月以降 |
(注)1.上記契約の契約期間について、アップルジャパン合同会社を除き全て自動更新する旨の条項が定められております。
2.Imagination Technologies Limitedとの契約期間については、無期限とする旨の条項が定められております。
当社グループは、エレクトロニクス総合商社として顧客のニーズにきめ細かく対応するため、技術統括部を核として、技術サポートから設計開発・製造まで幅広く対応すると共に、映像・通信機器・アミューズメント機器とそれに関わるソフトウェア・電源機器や各種センサーなどの研究開発を行っております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
(電子部品事業)
電子機器に使用されるセンサー、通信モジュール、小型無線モジュール開発を中心に通信インフラから玩具に至るまで、各分野における要素技術開発や各種センサー技術を利用した製品の開発およびアミューズメント市場向け次世代フラッシュメモリー製品の開発などに取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は592百万円であります。
(情報機器事業)
特記事項はありません。
(ソフトウェア事業)
アニメーションのCG作成やゲームのCG映像など、従来の映像作成に関する研究開発の継続に加え、画像AIを利用した機器ソフトウェアや自己診断ソフトウェアなど最新のニーズに応える技術基盤づくりにリソース投入をしております。
当事業に係る研究開発費は1百万円であります。
(その他事業)
主にクレーンゲーム、アーケードゲームなどのアミューズメント関連機器や子供向け遊具などの開発に取り組んでおります。また、杉の間伐材を原料とした天然樹脂、改質リグニンについては、石油由来素材を森林由来素材に代替させるために改質リグニンの普及と社会実装を目指す団体として、社団法人・改質リグニン普及産業会が設立され、当社も理事として参画しております。
当事業に係る研究開発費は184百万円であります。