第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

極めて短期間でパラダイムシフトが繰り返されるこの時代において、常に変化できる企業集団であることが必要だと考えています。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、パラダイムシフトをより加速させていく必要があると考えています。

このような経営環境において、当企業集団(当社および当社連結子会社)は、以下の方針を掲げ経営目標を達成すべく取り組んできました。

・お客様にとっての最適を追求すること。

・お客様の期待に応えられる柔軟性と力強さを備えた企業になること。

・分野と分野、あるいは業界と業界の交差点に立つことによって、お客様のイノベーションを促進する役割を担い、さまざまな業界をつなぐネットワークの中で、重要な結び目になること。

・複数の事業セグメントにわたって、それも単なる商社ではなく、時にはメーカーであったり、時にはコンサルタントであったりと、複数のレイヤーでビジネスを展開すること。

 

(2)次期(2021年3月期)の業績見通し

当企業集団の経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。

次期の連結業績については、売上高は医薬品原薬事業および空調設備工事関連事業の増収により800億円(前期比3.1%増)を見込んでおります。一方で、営業利益は引き続き新規事業投資を継続することに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による事業活動の停滞、またその対策費用により20億円(前期比21.1%減)、経常利益は25億円(前期比24.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億円(前期比15.0%減)と予想しております。

なお、本業績予想につきましては、第2四半期までに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が終息し、第3四半期以降は通常の事業活動が行えていることを前提としております。

 

次にセグメント別の今後の重点施策について説明申しあげます。

 

<化学品関連事業>

①国内における化成品販売については、既存顧客に対する取扱品目の拡大や、経営課題の解決につながる付加価値の高い提案により収益力の向上を図るとともに、新規エリア・分野の開拓による新規顧客獲得に努めてまいります。

②医薬品原薬については、既存のジェネリック医薬品向け原薬における競争優位性を活かしつつ、顧客目線の提案力を強化することにより、お客様との取引深化をさらに進めてまいります。さらに、これらのノウハウ等と2020年度中に完成予定である子会社アクティブファーマ㈱富山八尾工場の開発センターおよび第2工場(少量合成棟)を有効活用し、新薬・長期収載品向け原薬にも取り組んでまいります。

③機能性素材の受託製造については、ベトナム子会社Aureole Fine Chemical Products Inc.が保有する2つの工場を武器に既存製品の供給拡大を図ってまいります。また、ベトナム産の原料を活用した新商品の自社開発やパートナー企業との共同開発の実施、新規素材の探求および技術力の強化により、新規ビジネスの発掘に努めてまいります。

④金属回収や触媒のリサイクルなどの環境ビジネスについては、回収金属の種類を増やすとともに、医薬品製造分野の廃液などへ対象範囲を拡大してまいります。また、引き続き新たなバリューチェーンの構築において、パートナー企業との連携を推進することにより、新規ビジネスの創出を図ってまいります。

⑤ベトナムにおける化成品販売については、日系企業およびその他外資系企業を中心に新規顧客獲得に注力するとともに、北部および南部双方において既存顧客のシェア拡大に努めてまいります。

 

以上の取り組みにより、次期の業績については、売上高は前期比7.4%増の347億71百万円、営業利益は前期比0.9%増の16億72百万円と予想しております。

 

<空調設備工事関連事業>

①首都圏においては、一級建築士事務所としての幅広いソリューション提案を強みに受注拡大を図るとともに、住宅設備機器関連部門と協業し、空調・衛生設備工事に加えて内装工事、電気工事を一括して請け負うことのできる「リニューアルゼネコン」を目指した体制構築に取り組んでまいります。

 北陸地区においても、一級建築士事務所としてエンドユーザーの顔が見えるユーザーダイレクト提案活動に注力してまいります。

 また、「空調」をこれまでの「空気調和」から「空間調和」へと再定義し、お客様にとって最適化された空間をトータルで提供できるよう事業の幅を拡げ、受注獲得に努めてまいります。

②施工現場の人手不足や時間外労働の上限規制を見据えた施工現場の負荷低減と中長期的なリードタイムの短縮に向けて、ICTの活用やベンチャー企業との協業により、施工現場からバックオフィスへの業務の移管ならびに現場業務と事務所業務のスピーディーな連携体制の構築に取り組んでまいります。

③CAD設計・積算を行うベトナム子会社Aureole Construction Software Development Inc.(以下、ACSD社と略します)では、3次元データによる建物の統括的な管理を可能にするBuilding Information Modeling(以下、BIMと略します)に対応できる技術者の育成に取り組んでおります。ACSD社と当社企画設計部BIM室および技術部門が連携し、従来は施工現場で担っていた設備の納まり等の検討業務を設計の上流工程に前倒しすることにより、施工現場にやさしい設計を実現してまいります。

 

以上の取り組みにより、次期の業績については、売上高は前期比13.8%増の127億90百万円と予想しております。一方で、営業利益は積極的な人材採用に伴う経費の増加により、前期比3.7%減の10億58百万円と予想しております。

 

<情報システム関連事業>

①クラウド関連事業は、子会社コンフィデンシャルサービス㈱を軸に、顧客課題に対応した独自サービスの創出を図ってまいります。さらに、情報セキュリティ格付「AAAis(トリプルA)」の継続取得に加えて、「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準(FISC安全対策基準)」の適合証明を取得したIDC(インターネットデータセンター)を最大限に活用し、お客様に寄り添った“顔が見えるクラウドサービス”を武器として新規顧客の開拓を図るとともに、パートナー企業との連携強化を図り受注拡大に努めてまいります。

②子会社ディサークル㈱が開発・販売する「POWER EGG®」は、機能強化版を継続してリリースし、製品競争力の強化を図るとともに、品質向上にも努めてまいります。また、営業活動においては、販売パートナー企業との協業を強化し、民間企業や金融機関などさまざまな業種へのアプローチを推進するとともに、ベトナム子会社Aureole Information Technology Inc.(以下、AIT社と略します)を起点としたベトナムでの新規顧客の獲得にも引き続き注力してまいります。さらに、企業のチーム活動成果を最大化するための新サービスの開発を並行して進めてまいります。

③オフショア開発は、AIT社において、システムインテグレーション、「POWER EGG®」および当企業集団の社内システム開発のスピード化とコストダウンに貢献してまいります。さらに、パートナー企業と連携し日本企業からのオフショア開発案件に注力する一方で、ベトナム現地日系企業からのシステム開発案件の受注拡大にも努めてまいります。また、物流業・サービス業等のさまざまな分野で応用が期待される、ビッグデータの中から利用者が求める最適解を入手できるマッチング技術の開発に着手しております。

 また、情報システム事業部とICTソリューション事業部は上記の3つのオリジナルソリューションの活用とパートナー企業やベンチャー企業との協業により受注拡大を図るとともに、課題解決領域および販売エリアのさらなる拡大を目指してまいります。

 

以上の取り組みを推進するものの、次期の業績については、前期において大型のシステム更新案件の獲得および基本ソフト(OS)のサポート終了に伴うパソコン更新案件が想定以上に獲得できたことから、売上高は前期比10.6%減の72億2百万円、営業利益は前期比8.3%減の8億76百万円と予想しております。

 

<エネルギー関連事業>

①石油製品は、引き続き元売り会社との緊密な連携を図って、新規顧客獲得および既存顧客への増販策を展開するとともに、省エネ・環境領域におけるパートナー企業や当社グループとの協業による燃料転換および機器設備の拡販を推進してまいります。

②民生用LPガスは、引き続き集合住宅の新規顧客の開拓に取り組むとともに、省エネ、蓄エネ機器を用いた提案による戸建て住宅の新規顧客獲得に一層注力してまいります。また、LPガス関連機器にとどまらず、空調設備工事および水廻りリフォーム工事をもワンストップで提供する付加価値の高い提案をしてまいります。

 

以上の取り組みを推進するものの、次期の業績については、売上高は原油価格およびLPガス輸入価格が需要と供給の両面において低迷することが見込まれることから、前期比4.5%減の55億95百万円と予想しております。一方で、営業利益は民生用LPガスにおける新規顧客の獲得により前期比11.4%増の2億81百万円と予想しております。

 

<住宅設備機器関連事業>

①首都圏において、子会社㈱インフィルは、一級建築士事務所として永年培ってきたディベロッパー、ゼネコンおよび設計事務所との信頼関係を武器に、非住宅の新築・リニューアル案件獲得に努めてまいります。さらに、空調設備工事関連部門との協業により、「リニューアルゼネコン」を目指し、事業間シナジーを高めてまいります。また、オーダーメイドキッチン・洗面化粧台・システム収納等、当社グループが培ってきたモノづくりへのこだわりを体感できる東京ショールームを活用した高級マンション・戸建物件への営業活動を推進し、「AQUA」や「Daysy®」などのオリジナル製品の拡販に努めるとともに、さらなる新製品開発にも注力してまいります。子会社㈱インテンザは、ユーザーの使いやすさを追求したオリジナルキッチン「A'dress®」を中心に展示したショールームを活用し、『INTENZA』ブランドの認知度向上に努めるとともに、新製品の開発および新ブランド確立に向けた活動にも注力してまいります。

②北陸地区において、子会社三谷産業コンストラクションズ㈱は、空調設備工事および住宅設備機器の複合提案を推進するとともに、空調機器メーカー・住宅設備機器メーカーとの協業によりお客様の快適な環境づくり案件発掘に努めてまいります。さらに、「暮らし快適サポート室」を軸にエンドユーザー向け住環境丸ごとサービスの提供や、お客様にとって最適な住宅リフォームを提案する地域密着型サービス『ラクだ』ブランドの浸透を図ってまいります。

 また、本年3月には、三谷産業コンストラクションズ㈱においても一級建築士事務所登録を取得いたしました。これにより、これまで住宅設備機器の取り替えを中心とした部位リフォームに留まっていたところから、間仕切り変更(空間提案)を含めた大規模リフォームまで可能となりました。これを活用し提案の幅を拡げることで、お客様にとってより最適な住環境の提案を行い、さらなる受注拡大を目指してまいります。

 

以上の取り組みにより、次期の業績については、売上高は前期比1.1%増の129億45百万円と予想しており、1億21百万円の営業利益となる見込みであります(前期の営業損失は27百万円)。

 

<樹脂・エレクトロニクス関連事業>

 自動車関連ビジネスでは、自動車メーカーの新興国での生産体制展開により、車載製品の現地調達率向上への取り組みが強化されるとともに、性能・品質・コストへの要求も一層高まっており、競争環境はより厳しくなっていくことが引き続き想定されます。このような中、生産効率の向上を図るべく、広島・ベトナムのトライアルセンターでの生産準備活動の徹底による「良品しかつくれない製造工程」を構築するとともに、金型製造のさらなる内製化ならびに量産工程の自動化によるコスト削減に努めてまいります。また、ベトナムでの現地営業活動の強化、自社製品の研究開発にも取り組み、受託製造のみならず自社仕様の提案力強化に取り組んでまいります。

 さらには、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)の「CASE」への対応を見据えて、樹脂成形品に電子製品を組み合わせた複合ユニット製品に加え、樹脂成形品に金属部品を挿入した高圧部品の受注拡大にも取り組んでまいります。

 

以上の取り組みを推進するものの、次期の業績については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による需要減や工場の稼働低下が見込まれることから、売上高は前期比14.8%減の66億35百万円と予想しており、60百万円の営業損失となる見込みであります(前期の営業利益は3億58百万円)。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月11日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)機密情報・個人情報の取り扱いについて

当企業集団はシステムインテグレーション、アウトソーシング等の事業を通じて多くのお客様の機密情報・個人情報をお預かりしており、社会的責任が極めて高いものと認識しております。

万が一、お客様の機密情報・個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には当企業集団の信用失墜による売上の減少または損害賠償による費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、当社はこれまで、情報資産の運用ルールを定めた情報セキュリティ制度の導入、個人情報保護への取り組みをより一層強化するためのプライバシーマークの取得等、リスク管理体制を順次整備するとともに、アウトソーシング事業については、ISO(JISQ)27001の認証を取得しております。さらに2012年4月、情報セキュリティ格付で北陸3県において初めて最上位にランクされる「AAAis(トリプルA)」を取得し、2018年1月には公益財団法人金融情報システムセンターが策定した「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」および一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」といいます)が策定した「JQA情報システム及び関連設備の運用基準」の認証も取得しております。

これらの取り組みにより機密情報・個人情報保護意識をさらに高め、情報資産の保護の継続的な徹底に努めることにより、お客様の信頼を一層確かなものにする活動を推進しております。

 

(2)投資有価証券の時価または実質価額変動について

当企業集団は、営業上の取引関係維持・拡大を主目的として取引先等の有価証券を保有しており、連結貸借対照表に計上されております。投資有価証券につきましては、大半が当社保有の有価証券であります。当連結会計年度末における投資有価証券のうち、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券は保有目的上、全て「その他有価証券」に区分しております。

今後、時価のある有価証券について株価の動向によって時価が変動し、時価のない有価証券については当該株式の発行会社の財政状態によって実質価額が変動した場合には、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、所有株式について個別銘柄毎に取引状況を検証し、これにリターン・リスクの状況・見通しが資本コストに見合っているかも勘案し、継続保有や新規保有の判断を行っております。

 

(3)法的規制について

当企業集団は、様々な商品およびサービスを取り扱う関係上、医薬品医療機器等法をはじめ、関連する法令・規制は多岐にわたり、海外進出においても当該国の各種法令・規則等の適用を受けています。

現時点において当該許認可が取消となる事由は発生しておりませんが、今後予期し得ない法的規制等の発令や法解釈の多様性によるリスクにさらされる可能性があり、これらに係る指摘を受けた場合、事業活動の制限や新たなコストの発生などにより、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、主な許認可は以下のとおりであります。

この対策として、許認可の状況を定期的に担当部門に確認することに加えて、関係法令の改正情報を早期に入手し影響を検討し対策をとることにより、法令遵守の徹底を図っております。

 

 

許認可等の名称

会社名

所管官庁等

許認可等の内容/有効期限

法令違反の要件および

主な許認可取消事由

医薬品製造業許可

(包装一表示等)

三谷産業㈱

東京都

許可番号13AZ200192

2024年6月

(5年ごと更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき。(法第75条)

神奈川県

許可番号14AZ200105

2022年6月

(5年ごと更新)

許可番号14AZ200120

2023年6月

(5年ごと更新)

医薬品製造業許可

アクティブ

ファーマ㈱

富山県

許可番号16AZ200046

2024年4月

(5年ごと更新)

相模化成工業㈱

東京都

許可番号第13AZ000810号

2025年3月

(5年ごと更新)

医薬品販売業許可

三谷産業㈱

東京都

許可番号第5301131117号

2026年3月

(6年ごと更新)

アクティブ

ファーマ㈱

東京都

許可番号第5301131200号

2026年2月

(6年ごと更新)

相模化成工業㈱

東京都

許可番号第0332990083号

2023年11月

(6年ごと更新)

三谷産業

イー・シー㈱

石川県

許可番号卸第3C0034号

2024年9月

(6年ごと更新)

毒物劇物販売業登録

三谷産業㈱

東京都

登録番号第3101130088号

2026年3月

(6年ごと更新)

毒物及び劇物取締法その他毒物及び劇物に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき。(法第19条)

愛知県

登録番号名毒劇第1303号

2021年9月

(6年ごと更新)

三谷産業イー・シー㈱

石川県

登録番号第3X0192号

2023年12月

(6年ごと更新)

登録番号第1X0510号

2021年6月

(6年ごと更新)

富山県

登録番号第富一0661号

2024年5月

(6年ごと更新)

 

 

(4)海外での事業展開について

当企業集団は、国内で蓄積した知識・技術をもとにベトナムで樹脂・エレクトロニクス関連の製造・販売、空調設備工事・住宅設備機器の設計・積算、化学品の製造・販売などの子会社を設立または取得し、その業容を拡大させております。

ベトナムをはじめとする海外進出国において、将来的にテロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更、労働力の不足等のカントリーリスクを含めた事業環境の著しい変化により、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、ベトナムの法令改正等について定期的に情報収集を行うとともに、ベトナム子会社の法務や人事労務業務を担う現地子会社であるAureole Expert Integrators Inc.との連携を密にし、対応を図っております。

 

(5)知的財産権について

当企業集団が開発・製造販売する医薬品原薬、機能性素材、パッケージソフトウエア、オリジナル家具等については、知的財産権侵害を理由として訴訟提起される場合があります。

今後このような事案が生じた場合には、事業活動の制限や訴訟費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、特許事務所との連携のもと特許権や意匠権等の知的財産権に関する調査の徹底を図っております。

 

(6)事業投資について

当企業集団は、対象企業の株式・出資持分を取得して当該企業の経営に参画し、既存事業とのシナジー創出を図ることや、既存事業のさらなる拡大に向けた設備投資や新会社設立などの事業投資活動を行っております。投下資金の回収不能や事業計画通りに進捗しないことによるリスク、さらには撤退による追加損失が発生するリスクを完全に回避することは困難であると考えております。

今後このような事案が生じた場合には、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、事業投資にあたっては、取締役会において十分かつ慎重な意思決定が行えるよう投資採算・リスク等を計画段階から報告するとともに、定期的な進捗報告により迅速な対応が行える環境としております。

 

(7)自然災害について

将来発生が懸念されている首都直下地震や南海トラフ地震のほか、近年の世界的な気候変動により発生頻度が高まっている台風や豪雨、更には疫病の蔓延といった自然災害により、当企業集団が事業拠点を有する地域も影響を受けることが懸念されます。

このような自然災害が発生した場合には、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、当企業集団ではリスクマネジメント委員会を設置し各リスクの分析と評価を行い、対策マニュアルや事業継続計画を策定しております。また、実際に自然災害が発生した場合には、直ちに対策本部を立ち上げ、対応する体制を整備しております。

 

(8)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について

世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、当企業集団においても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。

この対策として、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に、次のような対策により感染予防に取り組んでおります。

・安全衛生の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)

・在宅勤務、時差出勤の推進

・Web会議等の活用

・不要不急の国内、海外出張の禁止

海外勤務従業員の帰国時、在宅勤務による隔離期間を設定

今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

業績面については、当連結会計年度の売上高は775億95百万円(前期比81億37百万円減 9.5%減)、営業利益は25億34百万円(前期比1億99百万円増 8.5%増)、経常利益は32億96百万円(前期比3億48百万円増 11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億46百万円(前期比3億59百万円減 17.9%減)となりました。

なお、営業利益および経常利益については連結決算の開示開始以来、過去最高となりました。

 

売上高が前期比81億37百万円減少した主な要因は、以下のとおり樹脂・エレクトロニクス関連事業における減少であり、昨年3月に連結子会社であったFujitsu Computer Products of Vietnam, Inc.(以下、FCV社と略します)の出資持分すべてを譲渡したことによるものであります。

・樹脂・エレクトロニクス関連事業  △109億41百万円

・化学品関連事業          △3億47百万円

・住宅設備機器関連事業         △50百万円

・エネルギー関連事業          △19百万円

・空調設備工事関連事業       +9億54百万円

・情報システム関連事業       +12億35百万円

 

営業利益が前期比1億99百万円増加した要因は、以下のとおり住宅設備機器関連事業を除く5つの事業セグメントにおける増加であります。

・樹脂・エレクトロニクス関連事業  +1億29百万円

・空調設備工事関連事業       +1億25百万円

・化学品関連事業          +1億14百万円

・情報システム関連事業       +1億6百万円

・エネルギー関連事業          +6百万円

・住宅設備機器関連事業       △2億10百万円

 

経常利益は、営業利益および持分法投資利益の増加を主要因に増加しました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、株価下落による投資有価証券の減損および老朽化等を背景とした一部事務所の移転に向けた固定資産の減損の計上を主要因に減少しました。

 

(セグメントの状況)

営業利益の大きいセグメントの順に記載いたします。

セグメントごとの当社事業部門および子会社・関連会社につきましては、「第1 企業の概況」の「3.事業の内容」をご参照ください。

 

<化学品関連事業>

 国内における化成品販売については、基礎化学品において甲信越地区での取引が順調に増加したものの、電子部品メーカー等の稼働減の影響により、売上高は減少しました。

 医薬品原薬については、自社製品の販売は拡大したものの、一部の商品の取り扱いを終了したことから、売上高は減少しました。

 機能性素材の受託製造については、新規商材の本格採用および既存商品の拡販により、売上高は増加しました。

 環境ビジネスについては、触媒ビジネスおよび金属回収の取扱量が順調に増加したことから、売上高は増加しました。

 ベトナムにおける化成品販売については、南部の既存顧客の稼働減により販売数量が減少したことから、売上高は減少しました。

 以上により、全体の売上高は前期比1.1%減の323億68百万円となりました。一方で、営業利益は医薬品原薬事業における自社製品の増販、機能性素材の受託量および環境ビジネスにおける取扱量の増加が寄与したことから、前期比7.4%増の16億57百万円となりました。

 

<空調設備工事関連事業>

 受注高は、北陸地区においてオフィスビルの大型リニューアル工事や複合施設の大型新築工事を受注できたものの、首都圏において前期に大型新築工事の受注があったことから、前期比9.7%減の115億55百万円となりました。

 売上高は、複数の大型新築・リニューアル工事が順調に進捗したことに加えて、ベトナムにおける設計・積算業務の受託が好調であったことから、前期比9.3%増の112億43百万円となり、営業利益は前期比12.9%増の10億99百万円となりました。

 

<情報システム関連事業>

 受注高は、オリジナルソリューションである「POWER EGG®」の受注が好調だったことに加えて、新規顧客の開拓、製造設備設計システムの導入、生産管理システムの開発案件や大型システム更新案件の獲得および基本ソフト(OS)のサポート終了に伴うパソコン更新案件が想定以上に獲得できたことから、前期比16.7%増の84億37百万円となりました。

 売上高は、受注高と同様の理由により前期比18.1%増の80億57百万円、営業利益は前期比12.5%増の9億55百万円となりました。

 なお、2020年3月末時点での「POWER EGG®」の導入実績は、前期比48社増の1,371社となりました。

 

<樹脂・エレクトロニクス関連事業>

 売上高は、車載向け樹脂成形品の量産が順調に推移したものの、昨年3月に連結子会社であったFCV社の出資持分すべてを譲渡したことから、前期比58.4%減の77億86百万円となりました。

 一方で、営業利益は、前期において広島事業所の新築移転に係る経費の発生ならびにベトナム工場における修繕実施があったことから、前期比56.6%増の3億58百万円となりました。

 

<エネルギー関連事業>

 石油製品については、販売価格は前期に比べ原油価格が低水準で推移したことから弱含みとなりましたが、販売数量はA重油およびC重油等の燃料油の増販が寄与したことから増加しました。

 民生用LPガスについては、販売価格はLPガス輸入価格(CIF価格)が原油価格同様に軟調に推移した中で販売価格維持に努めた結果、前期並みに推移しました。一方で、販売数量は一昨年進出した福井エリアをはじめ新規顧客の獲得が増加をみたものの、大口集合住宅顧客の入居率が低下したことならびに記録的な暖冬により、わずかながら前期を下回りました。

 以上により、全体の売上高は前期比0.3%減の58億60百万円に留まりましたが、営業利益は単位当たりの利益改善に注力した結果、前期比2.6%増の2億53百万円となりました。

 

<住宅設備機器関連事業>

 受注高は、首都圏において病院や老健施設といった非住宅物件の受注は増加したものの、前期に首都圏および北陸地区において大型ホテル案件の受注があったことから、前期比17.7%減の115億63百万円となりました。

 売上高は、北陸地区において複数の大型物件の完工があったものの、首都圏において大型物件の完工が次期へ延伸したことから、前期比0.4%減の128億6百万円となりました。また、首都圏において新製品の開発や新ブランドの確立に向けた投資が増加したことから、27百万円の営業損失となりました(前期の営業利益は1億82百万円)。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、17億89百万円(前連結会計年度は41億53百万円)の収入となりました。

主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益29億42百万円、減価償却費15億77百万円であります。

一方、主なマイナス要因は、売上債権の増加額6億29百万円、仕入債務の減少額4億29百万円、法人税等の支払額11億82百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、6億74百万円(前連結会計年度は41億63百万円)の支出となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出16億41百万円、関係会社出資金の売却による収入16億56百万円、投資有価証券の取得による支出5億11百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、13億85百万円(前連結会計年度は7億84百万円)の支出となりました。

主な要因は、短期及び長期の借入金の純減額が合わせて5億70百万円、配当金の支払額5億54百万円であります。

これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ2億93百万円減少し、53億11百万円となりました。

 

③受注及び販売の実績

a.受注実績

当連結会計年度の空調設備工事関連事業、情報システム関連事業および住宅設備機器関連事業の受注実績は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

前期比(%)

受注残高

前期比(%)

空調設備工事関連事業

11,555

90.3

12,370

102.6

情報システム関連事業

8,437

116.7

5,143

108.0

住宅設備機器関連事業

11,563

82.3

10,430

89.4

 (注)1.受注実績の金額は、セグメント間の内部受注高および受注残高を含めて記載しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前期比(%)

化学品関連事業

32,368

98.9

空調設備工事関連事業

11,243

109.3

情報システム関連事業

8,057

118.1

樹脂・エレクトロニクス関連事業

7,786

41.6

エネルギー関連事業

5,860

99.7

住宅設備機器関連事業

12,806

99.6

その他

1,666

95.5

 合計

79,789

89.6

 (注)1.販売実績の金額は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態につきましては、当連結会計年度末における総資産残高は、687億16百万円(前連結会計年度末は723億56百万円)となり、前連結会計年度末に比べ36億40百万円減少いたしました。流動資産の残高は、受取手形及び売掛金13億68百万円の減少、完成工事未収入金19億55百万円の増加、流動資産のその他に含まれる未収入金16億1百万円の減少を主要因に前連結会計年度末に比べ14億78百万円減少し、358億68百万円となりました。一方、固定資産の残高は、投資有価証券25億63百万円の減少、建設仮勘定5億67百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ21億61百万円減少し、328億48百万円となりました。

当連結会計年度末における負債残高は、339億75百万円(前連結会計年度末は365億39百万円)となり、前連結会計年度末に比べ25億63百万円減少いたしました。流動負債の残高は、支払手形及び買掛金7億8百万円の減少、短期借入金5億34百万円の減少を主要因に前連結会計年度末に比べ14億3百万円減少し、306億5百万円となりました。一方、固定負債の残高は、繰延税金負債10億53百万円の減少を主要因に前連結会計年度末に比べ11億60百万円減少し、33億70百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産残高は、347億40百万円(前連結会計年度末は358億17百万円)となり、前連結会計年度末に比べ10億77百万円減少いたしました。株主資本の残高は、前連結会計年度末に比べ10億64百万円増加し、301億29百万円となりました。一方、その他の包括利益累計額の残高は、前連結会計年度末に比べ23億87百万円減少し、26億88百万円となりました。また、非支配株主持分の残高は、前連結会計年度末に比べ2億45百万円増加し、19億22百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の47.2%から47.8%に増加し、1株当たりの純資産額は、前連結会計年度末の554円48銭から533円0銭に減少いたしました。

 

経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況」の「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響につきましては、「第2 事業の状況」の「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

運転資金需要

当企業集団の運転資金需要のうち主なものは、売上債権の回収サイクルと仕入債務の支払サイクルのギャップおよび営業活動上において必要なたな卸資産に対する支出によるもののほか、人件費や手数料等の販売費及び一般管理費であります。

 

設備投資

設備投資につきましては、「第3 設備の状況」の「1.設備投資等の概要」をご参照ください。

 

資金管理

当企業集団は、事業運営上必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本としております。

運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務等を含む有利子負債の残高は143億53百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は53億11百万円となっております。

資金は原則として当社で集中管理し、当企業集団内の余剰資金の有効活用を図っております。当企業集団内における新規の設備投資資金の調達については、諸条件を勘案し決定いたしますが、全て当社の事前承認に基づいております。

経営者の問題意識と今後の方針

当企業集団における投資プロジェクトについては、採算面や投資回収面、リスク等を十分に検討したうえで決定しております。ここ数年は当企業集団の存在価値の向上を念頭に、付加価値の高い商品・製品・サービスの提供を図るべく、設備投資や子会社新設に積極的に取り組んでまいりました。

当企業集団は、今後とも、さらなる事業拡大と持続的な成長を図っていくため引き続き積極的な投資を実行していく方針であります。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による不測の事態に備え、当座貸越契約の増枠を実施いたしました。これにより計画している投資の手を緩めることなく実行することが可能となります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りです。

工事進行基準

進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約又は受注制作のソフトウエアについては、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額および連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、工事契約等の実行予算の策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

 

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関して、翌連結会計年度の第2四半期までに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が終息し、第3四半期以降は通常の事業活動が行えていることを前提として、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響、および翌連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の主なものは、化学品関連事業における子会社アクティブファーマ㈱での医薬品向け原薬の開発、大阪府立大学との「無機材料のリサイクル検証」を目的とした共同研究、情報システム関連事業におけるホーチミン工科大学との「Web技術等に関する情報システム分野の研究」をテーマとした共同研究であり、総額は200百万円であります。