(1)経営の基本方針
当社および当社連結子会社(当企業集団)は、以下の方針を掲げ経営目標を達成すべく取り組んできました。
・お客様とのビジネスを軸に、仕入先、地域社会、株主、社員・役員といった関係者間で調和を作り上げていくこと。
・お客様からの要望にそのまま応えるのではなく、当企業集団の知識や技術を活かし、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、さらに社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求すること。
・分野と分野、あるいは業界と業界の交差点に立つことによって、お客様のイノベーションを促進する役割を担い、さまざまな業界をつなぐネットワークの中で、重要な結び目になること。
・複数の事業セグメントにわたって、それも単なる商社ではなく、時にはメーカーであったり、時にはコンサルタントであったりと、複数のレイヤーでビジネスを展開すること。
また、当社は財務的な経営指標との両輪をなす非財務的な側面における経営指標として「Company Well-being Index(カンパニー・ウェルビーイング・インデックス)」を策定しております。長期的視野で持続的に事業を成長させながら価値創出・社会貢献する“良い会社”であり続けることを目指して、財務的側面と非財務的側面からバランスのとれた経営を推進してまいります。
なお、「Company Well-being Index」については、以下の当社ウェブサイトにて詳細を開示しております。
< https://www.mitani.co.jp/company/cwi/ >
(2)次期(2024年3月期)の業績見通し
当企業集団の経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。
次期の連結業績については、売上高は空調設備工事関連事業、樹脂・エレクトロニクス関連事業および住宅設備機器関連事業の3つの事業セグメントにおける増収により、920億円(前期比1.8%増)、営業利益は10億50百万円(前期比7.3%増)を見込んでおります。また、金利の上昇による資金調達コストの増加などを見込んでいることから、経常利益は15億50百万円(前期比9.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億円(前期比4.1%増)と予想しております。
次にセグメント別の今後の重点施策について説明申しあげます。
<化学品関連事業>
①国内における化成品販売については、既存顧客に対する取扱品目の拡大や、経営課題の解決につながる付加価値の高い提案により収益力の向上を図るとともに、新規エリア・分野の開拓による新規顧客獲得に努めてまいります。
②医薬品原薬については、既存のジェネリック医薬品向け原薬における競争優位性を活かしつつ、顧客目線の提案力を強化することにより、お客様との取引深化をさらに進めてまいります。
また、長期収載品向けのみならず、新薬向けも含めた原薬の取引拡大に努めてまいります。さらに、子会社アクティブファーマ㈱においては、医薬品向け原薬の製造において従来の合成手法よりも効率性・安全性・環境調和性において優位性のある連続フロー法の商業化に向け着実に進捗させてまいりました。今後、連続フロー法による前立腺肥大治療薬をはじめとした医薬品原薬の製造に取り組んでまいります。
③機能性素材の受託製造については、ベトナム子会社Aureole Fine Chemical Products Inc.が保有する工場を武器に既存製品の供給拡大を図ってまいります。また、外部機関との共同研究などにより、自社製品の開発や受託領域の拡大に努めてまいります。
④環境ビジネスについては、特殊技術を用いた製品およびサービスの提案活動を強化するとともに、獲得した技術の新たな用途拡大や新技術の開発・発掘による事業創造に努めてまいります。
⑤ベトナムにおける化成品販売については、日系企業およびその他外資系企業を中心に新規顧客獲得に注力するとともに、北部および南部双方において既存顧客のシェア拡大に努めてまいります。さらに、取扱品目の拡充にも努めてまいります。
次期の業績については、売上高は前期比3.4%減の363億70百万円、営業利益は人員増強に伴う費用の増加により、前期比7.7%減の9億78百万円と予想しております。
<情報システム関連事業>
①クラウド関連事業は、子会社コンフィデンシャルサービス㈱を軸に、お客様の課題に対応した独自サービスの創出を図ってまいります。さらに、情報セキュリティ格付において最高位である「AAAis(トリプルA)」の継続取得に加えて、「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準(FISC安全対策基準)」の適合証明を取得したIDC(インターネットデータセンター)を最大限に活用し、お客様に寄り添った運用サービスを武器として新規顧客の開拓を図るとともに、パートナー企業との連携強化を図り受注拡大に努めてまいります。
②オリジナルソリューション事業は、子会社ディサークル㈱が開発・販売する「POWER EGG®」の機能強化版を継続してリリースし、製品競争力の強化を図るとともに品質向上にも努めてまいります。また、営業活動においては販売パートナー企業との協業を強化し、民間企業や金融機関等さまざまな業種へのアプローチを推進するとともに、ベトナム子会社Aureole Information Technology Inc.(以下、AIT社と略します)を起点としたベトナムでの新規顧客の獲得にも引き続き注力してまいります。また、当社が開発したプログラム開発不要でさまざまなクラウドサービスを効率的に連携させるFaaSインテグレーター「Chalaza(カラザ)」は、規模・業種を問わず企業において日常的に使われる多くのクラウドサービス間でのデータ連携が可能となっております。このような強みを活かしながら、パートナー企業とも協力し、受注拡大に努めてまいります。
③ベトナムでのシステム開発事業は、AIT社において、オフショア開発を通じてシステムインテグレーション、「POWER EGG®」および当社グループの社内システム開発の迅速化とコストダウンに貢献してまいります。さらに、ベトナムにおけるソリューションビジネスの拡大にも努めてまいります。
また、情報システム事業部とICTソリューション事業部は、上記のソリューションの活用とパートナー企業やベンチャー企業との協業により受注拡大および販売エリアのさらなる拡大を目指してまいります。
さらに、AI・ディープラーニングを主としたデジタル技術への取り組みを一層加速させることで、次世代のデジタルソリューション・サービスを提供し、お客様とともに経営課題を解決してまいります。
次期の業績については、比較的付加価値の低い仕入販売の減少が見込まれることから、売上高は前期比7.8%減の81億36百万円、営業利益は前期比3.5%増の7億72百万円と予想しております。
<空調設備工事関連事業>
①一級建築士事務所としての幅広いソリューション提案を強みに受注拡大を図ってまいります。また、住宅設備 機器関連部門とのコラボレーションにより、空調・衛生設備工事に加えて、内装工事や電気工事を一括して請け負うことのできる「総合リノベーション」体制の構築に取り組んでまいります。
さらに、お客様にとって最適な「空間価値」を提供するために、当社グループ内のさまざまな部門と協働し、複合力を活かしたソリューションを提案してまいります。
②施工現場の人手不足や2024年4月からの時間外労働の上限規制を見据えた施工現場の負荷低減と中長期的なリードタイムの短縮に向けて、ICTの活用やベンチャー企業との協業により、施工現場からバックオフィスへの業務の移管ならびに現場業務と事務所業務のスピーディーな連携体制の構築に取り組んでまいります。
③設計・積算を行うベトナム子会社Aureole Construction Software Development Inc.(以下、ACSD社と略します)では、3次元データによる建物の統括的な管理を可能にし、国土交通省の重点事業の一つでもあるBuilding Information Modeling(以下、BIMと略します)に対応できる技術者の育成に取り組んでおります。ACSD社と当社BIM室および技術部門が連携し、従来は施工現場で担っていた設備の納まり等の検討業務を上流工程である設計部門へ前倒しすることにより、施工現場にやさしい設計を実現してまいります。
次期の業績については、売上高は前期比18.5%増の149億98百万円、営業利益は前期比10.8%増の7億78百万円と予想しております。
<エネルギー関連事業>
①石油製品は、引き続き元売り会社との緊密な連携を図って、新規顧客獲得および既存顧客への増販策を展開するとともに、省エネ・環境領域におけるパートナー企業や当社グループとの協業による燃料転換および機器設備の 拡販を推進してまいります。
②民生用LPガスは、引き続き集合住宅の新規顧客の開拓に取り組むとともに、ハイブリッド給湯器等の省エネ、蓄エネ機器を用いた提案による戸建て住宅の新規顧客獲得に一層注力してまいります。また、ガス関連機器にとどまらず、空調設備工事およびキッチン・バス・トイレ等の水まわりリフォーム工事をもワンストップで提供する付加価値の高い提案をしてまいります。さらに、太陽光発電等の再生可能エネルギーの活用の提案を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
次期の業績については、売上高は前期比3.5%減の74億43百万円、営業利益は前期比1.7%増の2億95百万円と予想しております。
<樹脂・エレクトロニクス関連事業>
自動車関連ビジネスでは、自動車メーカーの新興国展開に加えて、車載製品の現地調達率向上への取り組みが強化されるとともに、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)の「CASE」への対応が加速される中で、性能・品質・コストへの要求も一層高まっております。このような中、生産効率向上と高難度部品の品質向上を図るべく、広島・ベトナムのトライアルセンターでの生産準備活動の徹底による「良品しかつくれない製造工程」を構築するとともに、量産工程の自動化による品質向上とコスト削減に努めてまいります。また、ベトナムでの現地営業活動の強化、製品開発段階からのお客様との協働に取り組むとともに、当社独自の成形技術を活用した高付加価値ビジネスを拡大してまいります。現在、当社グループが製造する自動車向け樹脂成形品は電装関連部品を中心に構成されております。近年は地球環境問題への意識の高まりから、電気自動車やハイブリッド車をはじめ環境に配慮した自動車への需要がより高まってきていることから、当事業の拡大に一層努めてまいります。
次期の業績については、売上高は前期比9.2%増の102億68百万円と予想しており、営業利益は売上高増加に加え、工場の生産性向上を見込んでいることから、66.6%増の4億55百万円となる見込みであります。
<住宅設備機器関連事業>
①子会社㈱インフィルは、一級建築士事務所として永年培ってきたディベロッパー、ゼネコンおよび設計事務所との信頼関係を武器に、非住宅の新築・リニューアル案件獲得に努めてまいります。
また、当社グループが培ってきたモノづくりへのこだわりを体感できる西神田・新宿ショールームを活用した高級マンション・戸建物件への営業活動を推進し、「AQUA™」・「Daysy®」、『INTENZA®』ブランドの「A'dress®」・「nest'y™」といったオリジナル製品の拡販に努めてまいります。加えて、ビジネスパートナーと協業し、オリジナル製品の開発を進めることでブランド力の向上も図ります。さらに空間デザイン力の強化にも取り組むことで、高付加価値提案による利益向上に努めてまいります。
②子会社三谷産業コンストラクションズ㈱は、住宅設備機器メーカーやハウスメーカーとの厚い信頼関係をもとに北陸地区において豊富な施工実績を有しており、戸建住宅・ホテル・マンション等の幅広いニーズに応えてまいります。さらに、大規模リフォームにも対応できる一級建築士事務所として、快適な住環境の提案を推進することにより受注拡大に努めてまいります。また、昨年11月石川県野々市市に、高品質でデザイン性の高いキッチン、バスタブ、その他水まわり製品等をご覧いただける新ショールームをオープンしました。高品質な製品を組み合わせ上質な空間づくりを提案することにより、新規顧客の獲得に努めてまいります。
③高級バスタブブランド『HIDEO』・『JAXSON』を展開する子会社㈱JAXSONは、ショールームや展示会を通じたプロモーション活動を実行し、圧倒的なブランドポジションの確立に取り組んでまいります。また、最高級の製品を求めるホテル・住宅市場の需要の高まりに応え、さらなる案件の獲得にも努めてまいります。
④子会社㈱Teseraは、「サステナビリティ」「フレキシビリティ」「ミニマルデザイン」の特徴を備え、用途・空間に応じて拡張縮小を可能にする柔軟性を実現したモジュラーファニチャーである『Tesera®』の拡販に向けたビジネス基盤構築に注力してまいります。加えて、ショールームや国内外の展示会を活用しブランドの認知度向上にも努めてまいります。
また、子会社の事業間シナジーの実現をさらに追求し、当社グループにしか実現できない唯一無二の空間価値を提供してまいります。
次期の業績については、売上高は前期比4.0%増の144億6百万円と予想しております。一方で、国内外の展示会出展等にかかる費用の増加により、営業損失は4億52百万円となり前期に比べ損失額が増加する見込みであります(前期の営業損失は4億33百万円)。
当企業集団は、社会の一員として良識を持ち、誠実かつ公正な事業活動を通じて企業理念を実践することにより、企業の価値を高めるとともに社会の持続可能な発展や豊かさに貢献することを使命と考えております。
「三谷産業グループ 企業倫理憲章」で宣言する三つの精神、
一、常に公正であるべく志向し、謙虚に社会の信頼に応えてまいります。
二、常にお客様の満足を心掛け、慎重かつ大胆にビジネスに挑戦してまいります。
三、利害関係者とも良好な関係を築き、地球環境と調和のとれた発展を目指します。
この精神に基づき使命を果たすため、中期経営計画を策定するとともに、財務的経営指標だけでなく非財務的経営指標(Company Well-being Index)を定めております。非財務的経営指標(Company Well-being Index)については、その目標値および実績を当社ウェブサイトの「良い会社を目指して」(https://www.mitani.co.jp/company/cwi)にて開示しております。
また、2022年からは、人口動態や技術革新をはじめとする中長期的な事業環境の変化への対応力や、自然災害や業務事故の発生時におけるレジリエンスについて一層の向上を図るため、各部門におけるリスクマネジメントおよびオポチュニティマネジメント活動を強化しております。これにより当企業集団におけるリスク評価や対策ならびに新規事業機会の発掘といったアクションを各部門において誘発し、当企業集団だけでなく社会全体のサステナビリティ向上に寄与してまいります。
加えて当企業集団は、気候変動が世界共通の課題であるとの認識に立ち、当企業集団で生み出すイノベーションを通じて、あるいはイノベーションを創出するお客様企業とのビジネスやコラボレーションを通じて、気候変動による悪影響を低減することに貢献してまいります。気候変動に伴うリスク管理や事業開発などの取組について、営業上の機密情報でないものについては、積極的に開示等の情報発信に努めてまいります。
このような考え方に基づき、2023年4月、当企業集団は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言について賛同を表明しております。
(1)ガバナンスおよびリスク管理
当企業集団における気候変動リスクをはじめとするさまざまなリスクに対する基本方針やガバナンス、リスク管理等については、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。
・「気候変動に関連する環境ビジネスの推進」(https://www.mitani.co.jp/download_file/1462/1164)
・「人口動態の変化を見据えた労働環境の整備」(https://www.mitani.co.jp/download_file/1434/1164)
(2)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
当企業集団の人材育成方針は、性別や国籍、新卒・中途採用者の区別なく、経験、能力、多様な視点や価値観を有する社員を積極的に採用し、次世代リーダー・管理職を育成する研修や階層別研修、そしてキャリア面談など、「機会の平等」と「結果の公正」の観点に基づき提供することで社員自らがキャリア開発できるようにすることです。また、当企業集団の社内環境整備方針は、社員が各々のライフステージに応じた柔軟な働き方を選択できる制度を構築することであり、2020年度に構築した制度はテレワーク、時差出勤、2021年度はフレックスタイムおよびスーパーフレックスタイム制、無期限の継続雇用制度、そして2022年度は副業制度、男性育児休業取得制度の拡充(パパ育しながら就業「産後パパ育休」)であります。
中核人材の育成ならびに管理職登用において多様性を確保していくため、引き続き以下の3点を推進します。
・性別や国籍、新卒・中途採用者を問わず管理職を目指している社員を増やすための意識改革
・社員へのキャリア形成に関する啓蒙活動
・社員が性別や国籍、新卒・中途採用者を問わず活躍できるための制度改正・新設、支援体制の構築
具体的な施策については以下のとおりです。
①意識調査・実態把握
・進路調査による管理職になりたい社員数を把握
・社員が思い描く組織に対する「ありたい姿」と「実態」とのギャップを把握し改善し続けるための社員エン
ゲージメントスコアの測定と組織改善のプロセスを6ヶ月間のサイクルで実施
②啓蒙教育および支援
・次世代リーダー育成研修:「論理的な思考」と「実践的な経験」、そして「深い洞察と人間性」を重ね合わ
せることができるビジネスパーソンの育成と開発
・管理職研修:課員のキャリア開発支援を含めたマネジメントスキルの強化および360°サーベイによる支援
・階層別研修:社員の段階的なキャリア意識の醸成
・1on1ミーティング:定期的な上司と部下との個別面談
・キャリアアドバイザーとの面談機会の提供
③制度改正・新設、支援体制構築の企画・検討
・テレワークとフレックスタイムおよびスーパーフレックスタイム制の運用定着
・出産・育児・介護・病気によってキャリアが中断しないための復職プログラムの充実化
・無期限の継続雇用制度導入による長期的な雇用機会の提供と、役職定年により後進に道を譲る制度の新設
なお、2023年3月末時点における60歳以上の無期限の継続雇用社員の男女別の人数は、以下のとおりとなって
おります。
・男性 71名
・女性 5名
・社員の「幅広い知識の獲得や専門性を高める経験」と「活用機会のない、眠っている能力の社外での発揮」
を目的とした副業制度の新設
・男性育児休業取得による、男女とも「育児」と「仕事」を両立できる制度の構築
これらの取り組みを行うことにより、性別や国籍、新卒・中途採用者に関係なく、管理職を目指す社員の増加
を図りつつ、その比率を改善できるよう努めてまいります。
なお、2023年3月末時点において非管理職の社員のうち管理職を目指している社員の比率は、以下のとおり把
握しております。
・男性 35.0%(300名中105名)
・女性 12.2%(147名中18名)
・日本人 27.8%(420名中117名)
・外国人 22.2%(27名中6名)
・新卒採用者 28.1%(313名中88名)
・中途採用者 26.1%(134名中35名)
今後、定量的な目標としては、非管理職のうち管理職を目指している社員の比率目標を設定し、性別や国籍、
新卒・中途採用者を問わず30%を超える水準を目指してまいります。
当企業集団では、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを毎年洗い出し、それらについて共通の基準で発生可能性と影響度を分析のうえ対策を策定し、またその対策により発生可能性と影響度がどう変化したかを確認しております。加えて、当企業集団ではリスクはビジネスを創出する機会とも捉え、当該リスクをビジネスに活かす取り組みも行っております。これらの詳細につきましては、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。
・「リスクマネジメント活動」(https://www.mitani.co.jp/company/risk_management)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、各項目別の発生可能性と影響度は末尾にまとめて記載しております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月12日)現在において、当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)情報セキュリティについて
当企業集団はシステムインテグレーション、アウトソーシング等の事業を通じて多くのお客様の機密情報・個人情報をお預かりしており、社会的責任が極めて高いものと認識しております。また、近年、企業を狙ったサイバー攻撃が増加しており、そのリスクは年々大きくなっています。
お客様の機密情報・個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には当企業集団の信用失墜による売上の減少または損害賠償による費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、当社はこれまで、情報資産の運用ルールを定めた情報セキュリティ制度の導入、個人情報保護への取り組みをより一層強化するためのプライバシーマークの取得等、リスク管理体制を順次整備するとともに、従業員に対してサイバーセキュリティに関するeラーニングによる教育や標的型メール訓練を毎年実施し、また、ランサムウエアや不正侵入への対策を強化しております。また、アウトソーシング事業については、ISO(JISQ)27001の認証を取得し、加えて、インターネットデータセンター(以下「IDC」といいます)では、2012年4月、情報セキュリティ格付で北陸3県において初めて最上位にランクされる「AAAis(トリプルA)」を取得し、2018年1月には公益財団法人金融情報システムセンターが策定した「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」および一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」といいます)が策定した「JQA情報システム及び関連設備の運用基準」の認証も取得しております。
これらの取り組みにより情報資産保護の継続的な徹底に努めております。
また、お客様のセキュリティ対策として、従来のウイルス対策ソフトウエアでは対応できなかった未知のマルウエアや攻撃にも対応可能なEDR(Endpoint Detection and Response)などのセキュリティ対策ソフトウエア製品およびそれらを稼動させる基盤を提供するだけでなく、お客様の環境に合わせてOSやソフトウエアアップデートの整合性を確認するなど、当社が蓄積した運用ノウハウを活用し、お客様のニーズに合った製品・サービスの導入から運用支援まで、IDCと連携して提供しております。
(2)投資有価証券の時価または実質価額変動について
当企業集団は、営業上の取引関係維持・拡大を主目的として取引先等の有価証券を保有しており、連結貸借対照表に計上されております。投資有価証券につきましては、大半が当社保有の有価証券であります。当連結会計年度末における投資有価証券のうち、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券は保有目的上、すべて「その他有価証券」に区分しております。
市場価格のない株式等以外の有価証券について株価の動向によって時価が変動し、市場価格のない株式等の有価証券については当該株式の発行会社の財政状態によって実質価額が変動した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、所有株式について個別銘柄ごとに取引状況を検証し、これにリターン・リスクの状況・見通しが資本コストに見合っているかも勘案し、継続保有や新規保有の判断を行っております。
(3)法的規制について
当企業集団は、さまざまな商品およびサービスを取り扱う関係上、医薬品医療機器等法をはじめ、関連する法令・規制は多岐にわたり、海外進出においても当該国の各種法令・規則等の適用を受けています。
現時点において当該許認可が取消となる事由は発生しておりませんが、予期し得ない法的規制等の発令や法解釈の多様性によるリスクに晒される可能性があり、これらに係る指摘を受けた場合、事業活動の制限や新たなコストの発生などにより、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、主な許認可は以下のとおりであります。
この対策として、許認可の状況を定期的に担当部門に確認することに加えて、関係法令の改正情報を早期に入手し影響を検討し対策をとることにより、法令遵守の徹底を図っております。
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許認可等の名称 |
会社名 |
所管官庁等 |
許認可等の内容/有効期限 |
法令違反の要件および 主な許認可取消事由 |
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医薬品製造業許可 (医薬品 包装・表示・保管) |
三谷産業㈱ |
東京都 |
許可番号13AZ200192 2024年6月 (5年ごと更新) |
薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき。(法第75条) |
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神奈川県 |
許可番号14AZ200105 2027年6月 (5年ごと更新) |
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許可番号14AZ200120 2023年6月 (5年ごと更新) |
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医薬品製造業許可 |
アクティブ ファーマ㈱ |
富山県 |
許可番号16AZ200046 2024年4月 (5年ごと更新) |
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相模化成工業㈱ |
東京都 |
許可番号第13AZ000810 2025年3月 (5年ごと更新) |
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医薬品販売業許可 |
三谷産業㈱ |
東京都 |
許可番号第5301131117号 2026年3月 (6年ごと更新) |
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アクティブ ファーマ㈱ |
東京都 |
許可番号第5301131200号 2026年2月 (6年ごと更新) |
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相模化成工業㈱ |
東京都 |
許可番号第0332990083号 2023年11月 (6年ごと更新) |
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三谷産業 イー・シー㈱ |
石川県 |
許可番号卸第3C0034号 2024年9月 (6年ごと更新) |
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毒物劇物販売業登録 |
三谷産業㈱ |
東京都 |
登録番号第3101130088号 2026年3月 (6年ごと更新) |
毒物及び劇物取締法その他毒物及び劇物に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき。(法第19条) |
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愛知県 |
登録番号名毒劇第1303号 2027年9月 (6年ごと更新) |
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三谷産業イー・シー㈱ |
石川県 |
登録番号第3X0192号 2023年12月 (6年ごと更新) |
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登録番号第1X0510号 2027年6月 (6年ごと更新) |
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登録番号第1X0842号 2027年8月 (6年ごと更新) |
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富山県 |
登録番号第富一0661号 2024年5月 (6年ごと更新) |
(4)海外での事業展開や、海外との取引について
当企業集団は、海外企業との間で原料調達等の取引を行っており、特にベトナムにおいては国内で蓄積した知識・技術をもとに樹脂・エレクトロニクス関連の製造・販売、空調設備工事・住宅設備機器の設計・積算、化学品の製造・販売などの子会社を設立し、その業容を拡大させております。
ベトナムをはじめとする海外事業拠点において、テロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更、労働者の採用・雇用環境の変化等のカントリーリスクを含めた事業環境の著しい変化により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、当該取引のある国を中心に法令改正や現地情勢等について定期的に情報収集を行うことに加えて、特にベトナムにおいてはベトナム子会社の法務や人事労務管理を担う現地子会社であるAureole Expert Integrators Inc.との連携を密にし、税務や法務相談、規程の制定・改定等について協力して対応を図っているほか、ベトナム子会社において対処すべきリスクが顕在化した場合には、日本側で対策本部を立ち上げるとともに、ベトナムではAureole Expert Integrators Inc.が中心となり対応する体制を構築しております。
また、ベトナムにおける1994年からの事業活動を経て、事業軸だけでなく、現地の大学・教育機関との関係構築にも積極的に取り組んでおります。近年では、日本型経営・日本型ものづくり・日本型品質管理等、「日本型」をテーマに、ベトナムの学生等に向けて日本を代表する企業の経営者や有識者が講義を行うプログラムを提供しております。ベトナムの大学側からも日本企業の経営者による講義への期待は大きく、当社がコーディネートする企業・講師陣からの講義は、大学の単位認定のある正規科目に組み込まれております。
さらに、ベトナムにおける日系企業の多くが共通で課題としている「人材育成」をテーマに、さまざまな視点で講演による情報提供や意見交換等の交流を行う場として「Aureoleカンファレンス」を2015年より継続して開催しております。
これらの取組みを通じて、ベトナム経済・社会の発展に向けた人材育成等に注力しております。
その他、これまで培った多様なネットワークを通じて情報収集を行い、新規取引先からさまざまな商品を調達し新たなビジネスに繋げるほか、新たにベトナムで事業展開を検討する企業に向けて、駐在員事務所のライセンスや日本人駐在員の労働許可証の取得、就業規則等規程の整備、従業員向け研修(ビジネスマナー、情報セキュリティ等)といったサービスの提供を行っております。
(5)知的財産権について
当企業集団が開発・製造販売する医薬品原薬、機能性素材、パッケージソフトウエア、オリジナル家具や、他社との協業により取り組んでいる事業等に関して、知的財産権侵害を理由として訴訟提起される場合があります。
また、当企業集団が新規事業等に取り組む中で取得する知的財産権が、他社に侵害される場合があります。
このような事案が生じた場合には、事業活動の制限や訴訟費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、特許事務所との連携のもと特許権や意匠権等の知的財産権に関する調査の徹底を図っております。
(6)事業投資について
当企業集団は、対象企業の株式・出資持分を取得して当該企業の経営に参画し、既存事業とのシナジー創出を図ることや、既存事業のさらなる拡大に向けた設備投資や新会社設立などの事業投資活動を行っております。投下資金の回収不能や事業計画通りに進捗しないことによるリスク、さらには撤退による追加損失が発生するリスクを完全に回避することは困難であると考えております。
このようなリスクが顕在化した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、事業投資を行う際には、計画段階から投資採算やリスクなどを取締役会に報告し、正確な事実認識のもと、十分かつ慎重な意思決定ができるようにします。また、定期的な進捗報告によって、迅速な対応ができる環境を整備しています。
(7)自然災害について
将来発生が懸念されている首都直下地震や南海トラフ地震のほか、近年の世界的な気候変動により激甚化する台風や豪雨といった自然災害により、当企業集団が事業拠点を有する地域も影響を受けることが懸念されます。
このような自然災害が発生した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、当企業集団ではリスクマネジメント委員会を設置し各リスクの分析と評価を行っています。具体的には、大規模地震発生に備え、地震対策マニュアルや事業継続計画(BCP)を策定するとともに、各部門を対象に地震発生初動から事業継続方針を決定するシミュレーション形式のBCP机上演習を実施しております。また、激甚化している台風、大雨に備えるため、拠点ごとに予報段階から被害発生までの行動についてチェックリストに基づき行動を確認する机上演習を実施して対応能力を向上しています。さらに、全従業員が参加する防災訓練として安否確認や消火・避難など初動訓練を年に6回実施し、その活動を通じて従業員一人ひとりの防災意識を高めております。実際に自然災害が発生した場合には、直ちに対策本部を立ち上げ、従業員・家族の安否確認や被害情報を収集し、従業員の安全確保と事業継続を行う体制を整備しております。
なお、当企業集団は、2019年3月にレジリエンス認証を取得しています。自らの事業継続力を高めるとともに、社会のレジリエンス強化のため、地盤の強固な石川県能美市の丘陵地区に免震構造を備えたIDCを設置し、首都直下や南海トラフ地震などの自然災害に備え、お客様の重要なシステムやデータをバックアップすることで、事業継続に寄与するビジネスを推進しています。
(8)感染症の流行・まん延について
当企業集団においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、事業を取り巻く環境についてさまざまな影響を受けてまいりました。
今後も、感染症が流行・まん延する事態となった場合、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような事態が発生した場合には、感染症の性質や流行動向を注視しながら、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に、感染対策に取り組みます。
また、当社が感染症対策として導入・活用した、円滑なテレワークやリモート会議を支援するためのITシステムや、十分な換気機能を備えた空気調和システム等をお客様に提案してまいります。
項目別の発生可能性と影響度
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項目 |
発生可能性 |
影響度 |
|
(1)情報セキュリティに係るリスク |
小 |
大 |
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(2)投資有価証券の時価または実質価額変動に係るリスク |
中 |
中 |
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(3)法的規制に係るリスク |
中 |
大 |
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(4)海外での事業展開や海外との取引に係るリスク |
中 |
大 |
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(5)知的財産権に係るリスク |
小 |
中 |
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(6)事業投資に係るリスク |
中 |
中 |
|
(7)自然災害に係るリスク |
大 |
中 |
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(8)感染症の流行・まん延に係るリスク |
中 |
中 |
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レベル |
発生可能性 |
影響度 |
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大 |
1年に1回以上発生する |
長期にわたり経営に大きな影響がある |
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中 |
1~10年間に1回発生する |
一時的に経営に多少の影響がある |
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小 |
10年に1回も発生しない |
経営に殆ど影響しない |
業績等の概要
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
業績面については、当連結会計年度の売上高は904億16百万円(前期比59億89百万円増 7.1%増)、営業利益は9億78百万円(前期比1億61百万円減 14.2%減)、経常利益は17億16百万円(前期比2億50百万円減 12.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億60百万円(前期比4億64百万円減 32.6%減)となりました。
売上高が前期比59億89百万円増加した要因は、以下のとおり空調設備工事関連事業を除く5つの事業セグメントの増加によるものであります。
・化学品関連事業 +32億1百万円
・住宅設備機器関連事業 +20億20百万円
・エネルギー関連事業 +8億47百万円
・情報システム関連事業 +7億99百万円
・樹脂・エレクトロニクス関連事業 +2億48百万円
・空調設備工事関連事業 △14億5百万円
営業利益が前期比1億61百万円減少した主な要因は、以下のとおりエネルギー関連事業および樹脂・エレクトロニクス関連事業を除く4つの事業セグメントの減少によるものであります。
・空調設備工事関連事業 △5億65百万円
・情報システム関連事業 △2億4百万円
・化学品関連事業 △1億57百万円
・住宅設備機器関連事業 △1億14百万円
・エネルギー関連事業 +1億16百万円
・樹脂・エレクトロニクス関連事業 +5億72百万円
経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少を主要因に減少しました。
(セグメントの状況)
営業利益の大きいセグメントの順に記載いたします。
セグメントごとの当社事業部門および子会社・関連会社につきましては、「第1 企業の概況」の「3.事業の内容」をご参照ください。
<化学品関連事業>
国内における化成品販売については、顧客の稼働が全般的に増加したことに加えて、原材料の値上げに伴う販売価格の上昇により、売上高は増加しました。
医薬品原薬については、自社製品が堅調であったことから、売上高は増加しました。
機能性素材の受託製造については、前期に比べて新型コロナウイルスの影響が軽微になったことにより、店舗販売向けの需要が回復したことから、売上高は増加しました。
環境ビジネスについては、事業拡大および新規顧客開拓により取扱量が増加したことから、売上高は増加しました。
ベトナムにおける化成品販売については、ベトナム北部における既存顧客の稼働が増加したことに加えて、原材料の値上げに伴う販売価格の上昇により、売上高は増加しました。
以上により、全体の売上高は、国内の化成品販売が好調であったことを主要因に前期比9.3%増の376億56百万円となりました。一方で、営業利益は、取引先の民事再生手続開始の申立てにより貸倒引当金を設定したことなどから、前期比12.9%減の10億59百万円となりました。
また、現在国内には、鉛やPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含有した塗材が使われているガスホルダー(一般的に「ガスタンク」といいます)が多く残っており、解体や改修の際に、人体や周辺環境に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。これに対して、当社が保有するブラスト処理技術を活用することで、鉛やPCB含有塗膜の安全かつ効率的な除去と適切な解体施工が可能となりました。今後、本技術を橋梁やトンネルのような一般構造物などにも活用することにより、クリーンで持続可能な社会の実現とさらなる業績の拡大を図ってまいります。
<情報システム関連事業>
受注高は、北陸地区において大型の文教関連案件の受注があったものの、首都圏において前期に大型システム案件の受注があったことから、前期比8.9%減の92億27百万円となりました。
売上高は、北陸地区において文教関連案件および首都圏においてハードウェア案件が増加したことから、前期比10.0%増の88億28百万円となりました。一方で、営業利益は、前期に比べ比較的付加価値の低い仕入販売が増加したことから、前期比21.5%減の7億46百万円となりました。
また、2023年3月末時点での「POWER EGG®」の導入実績は前期比42社増の1,510社となり、累計ライセンス出荷数は55万ライセンスを超えました。これからもお客様の利便性を訴求し、ご満足いただけるような製品開発に努めてまいります。
<空調設備工事関連事業>
受注高は、首都圏において過去最大規模の工事案件を含む複数の大型新築工事を受注できたことに加えて、北陸地区においても複数の大型リニューアル工事を受注できたことから、前期比27.4%増の175億30百万円となりました。
売上高は、首都圏において前期における大型新築工事の進捗が大きかったことから、前期比10.0%減の126億52百万円となりました。また、営業利益は、売上高の減少に加えて、積極的な人員増強による費用および昨年7月に竣工しました子会社三谷産業コンストラクションズ㈱富山事業所の新築移転にかかる費用が増加したことから、前期比44.6%減の7億2百万円となりました。
なお、当社空調設備工事部門は、一般財団法人日本品質保証機構(略称:JQA)が実施する品質マネジメントシステムの規格ISO9001の更新審査において、特別の高評価となる「ストロングポイント」を2年連続で獲得しました。今後も品質マネジメントシステムの有効活用によって組織の発展や改善を実現し、お客様にとってより最適な提案ができる組織づくりに努めてまいります。
<エネルギー関連事業>
石油製品については、販売価格は、前期に比べ原油価格が上昇したことから、高い水準で推移しました。また、販売数量については前期並みに推移しました。
民生用LPガスについても、販売価格は、前期に比べLPガス輸入価格が上昇したことから、高い水準で推移しました。販売数量は、新規顧客の獲得が堅調に推移したものの、戸建住宅・集合住宅の単位当たり消費量が減少したことにより前期をわずかながら下回りました。
以上により、全体の売上高は、前期比12.3%増の77億15百万円、営業利益は単位当たりの利益が改善したことから、前期比67.3%増の2億90百万円となりました。
<樹脂・エレクトロニクス関連事業>
売上高は、外貨建ての取引において円貨への換算額が円安の影響により増加したことから、前期比2.7%増の94億2百万円となりました。また、自動車部品関連の需要は新型コロナウイルス感染症まん延以前の水準には戻っていないものの、一人当たりの生産性の向上、製造ロスの削減および工程内不良率の改善活動などを推し進めたことにより、営業利益は2億73百万円となりました(前期の営業損失は2億99百万円)。
<住宅設備機器関連事業>
受注高は、首都圏において複数の大型案件を受注できたことに加えて、昨年2月のJAXSON事業譲受により、前期比23.7%増の155億55百万円となりました。JAXSON事業においては、都内最高級タワーマンションへの大規模な納入案件を獲得することができました。
売上高は、首都圏における案件が順調に進捗したことに加えて、JAXSON事業譲受により、前期比17.1%増の138億52百万円となりました。一方で、営業損失は、高級バスタブブランドの『HIDEO』やインテリアブランドの『Tesera®』といった新規ブランドの拡販にかかる費用等が増加したことから、4億33百万円となり前期に比べ損失額が拡大しました(前期の営業損失は3億18百万円)。
なお、高級バスタブ事業を営む子会社㈱HIDEOおよび㈱JAXSONについて、かねてより報告セグメントを「その他」としておりましたが、昨年2月のJAXSON事業譲受によって、そのビジネスが当セグメントの事業領域との重なりが大きくなることから、当期より報告セグメントを「住宅設備機器関連事業」へと変更しております。
また、昨年4月に日本で初開催されたオフィス家具の見本市「オルガテック東京2022」にて、『Tesera®』が「ベストプレゼンテーションAWARD」準グランプリを受賞しました。昨年6月には㈱Teseraを設立し、金沢発のインテリアブランドとしてさまざまなプロモーション活動も展開しております。
さらに、昨年7月に『JAXSON』ブランドの旗艦ショールームを『HIDEO』ショールーム(東京都港区)と同じビル内に移転いたしました。加えて、両ブランドの連携の緊密化を図るため、昨年10月1日に、子会社㈱JAXSONが㈱HIDEOを吸収合併し、経営統合いたしました。『HIDEO』ブランドは、昨年11月にイタリアのデザイン賞「Archiproducts Design Awards」を受賞、昨年12月には国際的に権威のあるドイツのデザイン賞「German Design Award」の優秀賞、特別賞を2モデルが受賞いたしました。
今後もオリジナルブランド製品のより一層の認知度向上および製品拡販に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、36億61百万円(前連結会計年度は10億86百万円)の収入となりました。
主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益17億49百万円、減価償却費21億69百万円、売上債権の減少額14億27百万円であります。
一方、主なマイナス要因は、棚卸資産の増加額5億20百万円、法人税等の支払額7億23百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億45百万円(前連結会計年度は20億91百万円)の支出となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億50百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、15億39百万円の支出(前連結会計年度は9億93百万円の収入)となりました。
主な要因は、短期及び長期の借入金の純減額が合わせて5億37百万円、配当金の支払額5億54百万円であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ8億17百万円増加し、66億24百万円となりました。
③受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度の情報システム関連事業、空調設備工事関連事業および住宅設備機器関連事業の受注実績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
|
情報システム関連事業 |
9,227 |
91.1 |
8,955 |
104.7 |
|
空調設備工事関連事業 |
17,530 |
127.4 |
17,248 |
139.4 |
|
住宅設備機器関連事業 |
15,555 |
123.7 |
12,711 |
115.5 |
(注)受注実績の金額は、セグメント間の内部受注高および受注残高を含めて記載しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
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化学品関連事業 |
37,656 |
109.3 |
|
情報システム関連事業 |
8,828 |
110.0 |
|
空調設備工事関連事業 |
12,652 |
90.0 |
|
エネルギー関連事業 |
7,715 |
112.3 |
|
樹脂・エレクトロニクス関連事業 |
9,402 |
102.7 |
|
住宅設備機器関連事業 |
13,852 |
117.1 |
|
その他 |
2,457 |
119.3 |
|
合計 |
92,564 |
107.1 |
(注)販売実績の金額は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態につきましては、当連結会計年度末における総資産残高は、863億9百万円(前連結会計年度末は850億36百万円)となり、前連結会計年度末に比べ12億73百万円増加いたしました。流動資産の残高は、現金及び預金6億15百万円の増加、受取手形及び売掛金8億9百万円の減少、商品及び製品3億7百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ1億6百万円増加し、422億96百万円となりました。一方、固定資産の残高は、建物及び構築物3億70百万円の増加、建設仮勘定4億35百万円の減少、投資有価証券11億83百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ11億66百万円増加し、440億13百万円となりました。
当連結会計年度末における負債残高は、446億96百万円(前連結会計年度末は447億57百万円)となり、前連結会計年度末に比べ60百万円減少いたしました。流動負債の残高は、短期借入金6億48百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ8億74百万円増加し、338億42百万円となりました。一方、固定負債の残高は、長期借入金9億71百万円の減少を主要因に前連結会計年度末に比べ9億34百万円減少し、108億53百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産残高は、416億12百万円(前連結会計年度末は402億79百万円)となり、前連結会計年度末に比べ13億33百万円増加いたしました。株主資本の残高は、前連結会計年度末に比べ4億6百万円増加し、328億82百万円となりました。一方、その他の包括利益累計額の残高は、前連結会計年度末に比べ9億17百万円増加し、86億4百万円となりました。また、非支配株主持分の残高は、前連結会計年度末に比べ10百万円増加し、1億25百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の47.2%から48.1%に増加し、1株当たりの純資産額は、前連結会計年度末の652円32銭から673円81銭に増加いたしました。
経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3.事業等のリスク」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
運転資金需要
当企業集団の運転資金需要のうち主なものは、売上債権の回収サイクルと仕入債務の支払サイクルのギャップおよび営業活動上において必要な棚卸資産に対する支出によるもののほか、人件費や手数料等の販売費及び一般管理費であります。
設備投資
設備投資につきましては、「第3 設備の状況」の「1.設備投資等の概要」をご参照ください。
資金管理
当企業集団は、事業運営上必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務等を含む有利子負債の残高は213億85百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は66億24百万円となっております。
資金は原則として当社で集中管理し、当企業集団内の余剰資金の有効活用を図っております。当企業集団内における新規の設備投資資金の調達については、諸条件を勘案し決定いたしますが、すべて当社の事前承認に基づいております。
経営者の問題意識と今後の方針
当企業集団における投資プロジェクトについては、採算面や投資回収面、リスク等を十分に検討したうえで決定しております。ここ数年は当企業集団の存在価値の向上を念頭に、付加価値の高い商品・製品・サービスの提供を図るべく、設備投資や子会社新設に積極的に取り組んでまいりました。
当企業集団は、今後とも、さらなる事業拡大と持続的な成長を図っていくため引き続き積極的な投資を実行していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の主なものは、化学品関連事業における子会社アクティブファーマ㈱での医薬品向け原薬の開発であり、総額は