第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社および当社連結子会社(当企業集団)は、以下の方針を掲げ経営目標を達成すべく取り組んできました。

・お客様とのビジネスを軸に、仕入先、地域社会、株主、社員・役員といった関係者間で調和を作り上げていくこと。

・お客様からの要望にそのまま応えるのではなく、当企業集団の知識や技術を活かし、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、さらに社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求すること。

・分野と分野、あるいは業界と業界の交差点に立つことによって、お客様のイノベーションを促進する役割を担い、さまざまな業界をつなぐネットワークの中で、重要な結び目になること。

・複数の事業セグメントにわたって、それも単なる商社ではなく、時にはメーカーであったり、時にはコンサルタントであったりと、複数のレイヤーでビジネスを展開すること。

 また、当社は財務的な経営指標との両輪をなす非財務的な側面における経営指標として「Company Well-being Index(カンパニー・ウェルビーイング・インデックス)」を策定しております。長期的視野で持続的に事業を成長させながら価値創出・社会貢献する“良い会社”であり続けることを目指して、財務的側面と非財務的側面からバランスのとれた経営を推進してまいります。

なお、「Company Well-being Index」については、以下の当社ウェブサイトにて詳細を開示しております。

< https://www.mitani.co.jp/company/cwi/ >

 

(2)次期(2025年3月期)の業績見通し

当企業集団の経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。

次期の連結業績については、売上高は情報システム関連事業以外の5つの事業セグメントにおける増収により1,010億円(前期比5.4%増)、営業利益は17億円(前期比2.0%増)と増益を見込んでおります。一方で、為替差益の減少等により、経常利益は22億円(前期比10.0%減)と減益、また、前期に非上場株式に係る投資有価証券売却益の計上があったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は17億50百万円(前期比15.4%減)と減益を見込んでおります。

なお、売上高は過去最高を見込んでおり、当企業集団として初めて1,000億円を突破する見込みです。

 

次にセグメント別の今後の重点施策について説明申しあげます。

 

<樹脂・エレクトロニクス関連事業>

自動車関連ビジネスでは、自動車業界が大変革期を迎え、特に環境に配慮した電動化への対応が求められております。このような中、お客様の多様なニーズに応えるべく、お客様の課題解決に向けて積極的に提案を行い製品開発段階からの協働に取り組むこと、さらには当社独自の成形技術を活用した製品開発により、高付加価値ビジネスを拡大してまいります。

また、ベトナム製造拠点においては高付加価値ビジネスの拡大を見据え、AIなどのデジタル技術を活用し、品質と生産性の向上に努めてまいります

現在、自動車関連以外の分野での部品製造にも取り組んでおり、当事業における新たなビジネスを拡大してまいります。

次期の業績については、売上高は前期比3.5%増の123億81百万円と予想しております。一方で、営業利益は人件費や材料価格等の高騰の影響により、前期比14.3%減の11億8百万円と予想しております。

 

<空調設備工事関連事業>

①北陸地区においては、長年培ってきた建築設備ノウハウと幅広いソリューションの複合提案を強みに受注拡大を図ってまいります。また、提案プロセスの標準化や顧客情報データベースの活用により営業活動や部門間連携の効率化を図り、収益力の向上にも取り組んでまいります。

②首都圏においては、建築・設備・電気のトータル施工を強みに高付加価値な提案に注力するとともに、当社グループの優位性を発揮できる案件の発掘・獲得に努めることで収益力の向上に取り組んでまいります。また、BIMとシミュレーションソフトを連携させたオリジナルソリューションの提案にも取り組んでまいります。

③建設業の設計・積算を行うベトナム子会社のAureole Construction Software Development Inc.は、近年、大規模再開発や歴史的建造物の保存・修復工事、国際的なイベント施設案件でのBIMデータ活用に携わっております。ベトナムにおいて最大規模の600名を超える技術者集団として、BIM関連業務を中心に各種データ作成業務の受注拡大を図るとともに、業務の標準化・機械化の推進による生産性向上への取り組みにより、さらなる収益拡大を図ってまいります。また、ベトナム国内の大学との共同研究を通じた新技術検証を促進し、一歩先の技術を保有する組織となり、建設業界の変革を牽引してまいります。

次期の業績については、売上高は前期比17.3%増の176億75百万円、営業利益は前期比9.0%増の13億33百万円と予想しております。

 

 

 

<情報システム関連事業>

①オリジナルソリューション事業のDXツール「POWER EGG®」は、機能強化版を継続してリリースし、製品競争力の強化を図るとともに品質向上にも努めてまいります。また、営業活動においては販売パートナー企業との協業を強化し、民間企業や金融機関等さまざまな業種へのアプローチを推進するとともに、ベトナム子会社のAITを起点としたベトナムでの新規顧客の獲得にも引き続き注力してまいります。

②「POWER EGG®」以外のオリジナルソリューション事業のうち、当社が開発したプログラム開発不要でさまざまなクラウドサービスを効率的に連携させるFaaSインテグレーター「Chalaza®(カラザ)」は、販売パートナー企業との連携を強化することで受注拡大に努めてまいります。

 当社が開発を担った印刷業向け基幹業務クラウドサービス「BRAIN」は、印刷業界で展開されるプラットフォームとの連携を実現することで営業効率を高め、受注拡大に努めてまいります。

③ベトナムでのシステム開発事業は、AITにおいて、ビジネスエンジニアリング㈱とのパートナー関係を活かし、営業力・技術力の強化を図ることでベトナムにおけるソリューションビジネスの拡大にも努めてまいります。また、オフショア開発を通じてシステムインテグレーション、「POWER EGG®」および当社グループの社内システム開発の迅速化とコストダウンに貢献してまいります。

④クラウド関連事業は、子会社のコンフィデンシャルサービス㈱を軸に、お客様の課題に対応した独自サービスや環境価値を提供する新たなサービスの創出を図ってまいります。また、情報セキュリティ格付において最高位である「AAAis(トリプルA)」の継続取得に加えて、「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準(FISC安全対策基準)」の適合証明を取得したIDC(インターネットデータセンター)を最大限に活用し、お客様に寄り添った運用サービスを武器として新規顧客の開拓を図るとともに、パートナー企業との連携強化を図り受注拡大に努めてまいります。

情報システム関連事業においては、お客様のデジタル化を先導し、お客様に変革をもたらすべく、当企業集団でのAI・データ活用によるノウハウ蓄積に取り組み、新たなソリューションの創出に取り組んでまいります。また、既存ビジネス領域の拡大や新たなビジネス領域獲得、ソリューションの拡販に取り組むとともに、パートナー企業やベンチャー企業との協業により、受注拡大および販売エリアのさらなる拡大を目指してまいります。

次期の業績については、売上高は前期比8.7%減の90億56百万円と予想しております。一方で、営業利益は付加価値の高い開発案件等のビジネスの増加により、前期比3.7%増の9億18百万円と予想しております。

 

<エネルギー関連事業>

 エネルギー消費と環境負荷の低減のバランスが求められる現在、災害時における迅速な復旧力や社会全体における負担コストの適切性など、より広い視野に基づいた燃料の選択が重要視されています。当事業は、「さまざまな燃料製品の特性を踏まえ、地域における最適なエネルギー供給を実現する」という方針のもと、以下の取り組みを進めてまいります。

①石油製品は、引き続き元売り会社との緊密な連携を図って、新規顧客獲得および既存顧客への提案活動を強化するとともに、環境ビジネス領域におけるパートナー企業や当社グループとの協業による燃料転換および機器設備の拡販を推進してまいります。

②民生用LPガスは、ハウスメーカーや工務店とのさらなる関係強化を図り、新築の集合住宅を中心とした新規顧客獲得に取り組んでまいります。また、災害復旧が迅速なLPガスの特性を活かし、ハイブリッド給湯器や太陽光発電、蓄電システムのセット販売による災害に強い生活環境の提案に努めてまいります。さらに、ガス関連機器にとどまらず、空調設備工事および水まわりリフォーム工事をもワンストップで提供する付加価値の高い提案にも努めてまいります。

 次期の業績については、売上高は前期比8.8%増の79億39百万円、営業利益は前期比8.7%増の3億65百万円と予想しております。

 

 

 

<化学品関連事業>

①国内における化成品販売については、既存顧客に対する取扱品目の拡大や、経営課題の解決につながる付加価値の高い提案により収益力の向上を図るとともに、新規エリア・分野の開拓による新規顧客獲得に努めてまいります。

②医薬品原薬については、品質管理システムの刷新により、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理及び品質管理の基準)遵守に対する監視・牽制体制の整備、GMP教育の強化、さらにはクオリティカルチャーの醸成や組織風土の改善を図り、高品質な医薬品原薬の安定供給の責務を果たしてまいります。また、医薬品向け原薬の製造において従来の合成手法よりも効率性・安全性・環境調和性において優位性のある連続フロー法の商業化に向け、産学官連携のもと着実に取り組んでまいります。

③機能性素材の受託製造については、ベトナム子会社のAureole Fine Chemical Products Inc.が保有する工場を武器に既存製品の供給拡大を図ってまいります。また、食糧危機や生態系保護も見据えた新たな技術の獲得にも取り組み、受託領域の拡大や自社製品の開発にも努めてまいります。

④環境ビジネスについては、特殊技術を用いた製品およびサービスの提案活動を強化するとともに、獲得した技術の新たな用途拡大や新技術の開発・発掘による事業創造に努めてまいります。

 子会社の㈱ミライ化成においては、展開しているリサイクル炭素繊維事業にて同社の独自技術やノウハウを活かすとともに、産学官連携による新たな知見の獲得や技術の確立に注力することで、リサイクル炭素繊維の市場創出と循環型社会の実現に向け取り組んでまいります。

⑤ベトナムにおける化成品販売については、日系企業およびその他外資系企業を中心に新規顧客獲得に注力するとともに、北部および南部双方において既存顧客のシェア拡大に努めてまいります。さらに、顧客のニーズに対応した自社製造の高付加価値品の拡販により収益の拡大にも努めてまいります。

次期の業績については、売上高は前期比6.7%増の394億44百万円、営業利益は前期比19.4%増の3億72百万円と予想しております。

 

<住宅設備機器関連事業>

①子会社の㈱インフィルは、一級建築士事務所として永年培ってきたディベロッパー、ゼネコンおよび設計事務所との信頼関係を武器に、マンション・ホテル・老健施設等の新築・リニューアル案件の獲得に努めてまいります。

 また、当社グループが培ってきたモノづくりへのこだわりを体感できる西神田・新宿ショールームを活用した高級マンション・戸建物件への営業活動を推進するとともに、省エネで脱炭素効果の高い環境配慮型の「エシカル水栓」や、高齢社会における多様な人々の生活の質の向上に寄与する『Daysy®』などを中心としたオリジナル製品の拡販にも努めてまいります。加えて、ビジネスパートナーと協業し、オリジナル製品の開発を進めることでブランド力の向上も図ります。さらに、空間デザイン力の強化にも取り組むことで、高付加価値提案による利益向上に努めてまいります。

②子会社の三谷産業コンストラクションズ㈱は、住宅設備機器メーカーやハウスメーカーとの厚い信頼関係をもとに北陸地区において豊富な施工実績を有しており、戸建住宅・ホテル・マンション等の幅広いニーズに応えてまいります。また、大規模リフォームにも対応できる一級建築士事務所として、快適な住環境の提案を推進することにより受注拡大に努めてまいります。さらに、石川県野々市市のショールームは、当社グループのオリジナルブランドを含む高級ブランド商品のラインナップを拡充させ、北陸地区で高級ブランド商品を幅広く取り扱う唯一無二のショールームを目指してまいります。

③高級バスタブブランド『HIDEO』・『JAXSON』を展開する子会社の㈱JAXSONは、ショールームや展示会を通じたプロモーション活動を実行し、圧倒的なブランドポジションを確立するとともに、海外での市場開拓に向けて取り組んでまいります。また、最高級の製品を求めるホテル・住宅市場の需要の高まりに応え、さらなる案件の獲得にも努めてまいります。

④子会社の㈱Teseraは、「サステナビリティ」「フレキシビリティ」「ミニマルデザイン」の特徴を備え、用途・空間に応じて拡張縮小を可能にする柔軟性を実現したモジュラーファニチャーである『Tesera®』の国内外での拡販に向けて、ビジネスパートナーを開拓し、受注獲得に努めてまいります。また、マーケットや顧客ニーズを取り入れた新製品の開発も継続してまいります。加えて、ショールームや展示会、ソーシャルメディアを活用することで製品の魅力を継続的に発信し、さらなるブランド価値の向上にも努めてまいります。

なお、本年4月に新設いたしました事業構造改革本部は、2024年度においては住宅設備機器セグメントの改革に注力してまいります。同本部主導のもと各施策の着実な遂行を通じて、高付加価値が期待できる高級・中高級ゾーンにおける受注活動を推進することで、収益力の向上を目指すとともに、お客様に「唯一無二の高い空間価値」を提供してまいります。

次期の業績については、売上高は前期比0.1%増の142億46百万円と予想しております。一方で、国内外の展示会出展等に係る費用の増加により、営業損失は3億40百万円となり前期に比べ損失額が増加する見込みであります(前期の営業損失は2億97百万円)。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当企業集団では、サステナビリティを巡る諸課題に積極的に対応するために2023年7月にサステナビリティ委員会を発足し、次のとおり「三谷産業グループサステナビリティ基本方針」を策定しました。

<三谷産業グループサステナビリティ基本方針>

 当企業集団は、社会の一員として良識を持ち、誠実かつ公正な事業活動を通じて企業としての存在価値を高めるとともに、社会の持続可能な発展や豊かさに貢献することを使命と考えております。「三谷産業グループ企業倫理憲章」で宣言する精神に基づき、当企業集団のみならず社会全体のサステナビリティ向上に資する取り組みを推進してまいります。

[循環型社会への貢献]

・脱炭素社会の実現のために、徹底した省エネと使用電力のクリーン化等の推進により温室効果ガスの排出量削減に取り組みます。

・原材料調達から製品の生産、流通、消費、廃棄そして再資源化を含むすべての事業活動の中で、地球資源の有効活用・リサイクルといった地球環境の保全に資する活動を推進します。

・上記に取り組むにあたっては、当企業集団で生み出すDXやイノベーション、あるいはイノベーションを創出するパートナー企業とのビジネスやコラボレーションを通じて、循環型社会の実現に貢献する製品やサービスの創出に取り組みます。

[より豊かな社会の実現]

・当企業集団の企業活動に関わる全ての人々の人権と多様性を尊重します。

・安心・安全、かつ、働きやすさと働きがいを兼ね備えた職場環境を構築・維持します。

・社員一人ひとりの成長・活躍・挑戦を支援します。

[健全な経営管理体制の構築]

・法令遵守の徹底や不祥事の未然防止を図るため、ガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメント活動の更なる強化に取り組みます。

・全ての取引先との間で、公正かつ公平な取引を行います。

・企業情報の適時・適切な開示や積極的なコミュニケーションを通じて、お客様、仕入先、地域社会、株主、役員・社員といったあらゆる関係者からの信頼感・期待感を高め、相互に発展することを目指します。

[企業としての存在価値の向上]

・当企業集団の展開する各事業領域の重なりを広げ、深めていくことにより、その強みの最大化を目指します。

・当企業集団の知識や技術を活かし、お客様からの要望にそのまま応えるだけでなく、短期的な課題解決と中長期的な価値創出、さらに社会の持続的な発展においてバランスのとれた真の最適を追求します。

 この基本方針に基づき使命を果たすため、中期経営計画を策定するとともに、財務的経営指標だけでなく非財務的経営指標(Company Well-being Index)を定めております。非財務的経営指標(Company Well-being Index)については、その目標値および実績を当社ウェブサイトの「良い会社を目指して」(https://www.mitani.co.jp/company/cwi)にて開示しております。また、当企業集団のサステナビリティに関する詳細については当社ウェブサイトの「サステナビリティ」(https://www.mitani.co.jp/company/tcfd)にて開示しております。

 また、2022年からは、気候変動や人口動態、技術革新等の中長期的な事業環境の変化への対応力や、自然災害や業務事故の発生時におけるレジリエンスについて一層の向上を図るため、各部門におけるリスクマネジメントおよびオポチュニティマネジメント活動を強化しております。これにより当企業集団におけるリスク評価や対策ならびに新規事業機会の発掘といったアクションを各部門において誘発し、当企業集団だけでなく社会全体のサステナビリティ向上に寄与してまいります。

 

(1)ガバナンス

 当企業集団では、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設けており、関連部門の責任者に加え、外部有識者を含むアドバイザーも出席し、サステナビリティに関する方針や施策の審議・決定およびその施策の進捗状況の管理等を行っています。また、これらの審議の結果は定期的に取締役会に報告され、監督する体制としています。

 また、充実した議論と機動的な対応を行うため、サステナビリティ委員会の下部組織に各事業部・本部・グループ会社の担当者で構成する分科会を設置しています。

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(2)リスク管理

 当企業集団では、危機管理担当取締役を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設けており、当社グループが抱える多様なリスクを把握し、リスクに対して対策を講じ、発生頻度の軽減および損失の最小化に努めることにより、ステークホルダーから信頼を獲得し、企業の社会的責任を果たすことを是と考えております。

 リスクマネジメント委員会では、全社的に重要と考えているリスク・機会について特定するほか、各事業部・グループ会社におけるリスク・機会の分析結果について審議し、その審議結果をリスク対策およびビジネスに反映することとしております。

 当企業集団におけるリスクマネジメントの詳細については、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。

 ・「リスクマネジメント活動」(https://www.mitani.co.jp/company/risk_management)

 

(3)気候変動への対応

 当企業集団は、気候変動が世界共通の課題であるとの認識のもと、2023年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。今後も、当企業集団で生み出すイノベーションを通じて、あるいはイノベーションを創出するお客様企業とのビジネスやコラボレーションを通じて、気候変動による悪影響を低減することに貢献するとともに、気候変動に伴うリスク管理や事業開発などの取組について、営業上の機密情報でないものについては、積極的に開示等の情報発信に努めてまいります。

 当企業集団のTCFD提言への取組みの詳細につきましては、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。

 ・「TCFD提言に基づく情報開示」(https://www.mitani.co.jp/company/tcfd)

 

(4)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

 2023年8月開催の取締役会にて、三谷産業グループの「人的資本経営の方針」、「人的資本を形成する取組み概要および事例」、「人的資本に関わる開示指標」を決議いたしました。

 「人的資本経営の方針」は、社員とその家族の永続的な幸せを確保するために、私たちは、永続的に成長する企業グループを目指しています。この成長は、弛まない企業価値・存在価値の創出によって支えられており、その基盤となるのは資本です。これらの資本を最大限に活用するには、資本の「増強」と「効率化」が必要です。

 人的資本の観点での「増強」は、平時の人員増強のほか、必要な時に新たな才能を持つ人物を採用することや、研修や技能教育あるいは業務経験を通じて個々人の持つスキルの向上を図ることを指します。「効率化」は、上司と部下あるいは同僚同士の相互刺激を通じてチームとしての現場対応力や社員エンゲージメントを高めることや、異分野との接触によりイノベーションを促して、新事業を生み出す力や既存事業に取り組む力のパフォーマンスを向上させることを意味します。

 三谷産業グループは、化学品・樹脂エレクトロニクス・情報システム・空調設備工事・住宅設備機器・エネルギーの6つのセグメントで事業展開をしています。それぞれのセグメントの中では研修や技能教育が充実し、業務に必要な資格の取得者を多数輩出しています。(増強) また、互いに異なる分野や異なるバックグラウンドを持つ社員同士が近接しており、さらにはそれらの取引先も含めると、新たなイノベーションが生まれやすい環境です。社員個々の視点からは、これまで培ってきたものとは異なる分野の知識・スキル・技術・製品・サービスを獲得または応用し、ビジネスに役立てることができます。(効率化)

 当社グループの「人的資本経営」は、個々の社員の複合力である人的資本を如何に増強させ、如何に効率的に運用していくかを追求し続けることであると考えます。人的資本を形成する取組みとして、次の5つを実行してまいります。

 1.イノベーションの誘発

 2.モチベーションとエンゲージメントの醸成

 3.長期的なキャリア自律と成長促進

 4.安心して業務遂行ができる環境構築

 5.厳しさと温かさの融合

 その具体的な取組み事例と人的資本に関わる開示指標の内容については、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。

 ・「人的資本経営の方針」(https://www.mitani.co.jp/company/policy#zinteki)

 当企業集団の人材育成は、性別や国籍、新卒・中途採用者の区別なく、経験、能力、多様な視点や価値観を有する社員を積極的に採用し、次世代リーダー・管理職を育成する研修や階層別研修、そしてキャリア面談など、「機会の平等」と「結果の公正」の観点に基づき提供することで社員自らがキャリア開発できるようにすることです。また、社内環境整備は、社員が各々のライフステージに応じた柔軟な働き方を選択できる制度を構築することであり、2020年度に構築した制度はテレワーク、時差出勤、2021年度はフレックスタイムおよびスーパーフレックスタイム制、無期限の継続雇用制度、そして2022年度は副業制度、男性育児休業取得制度の拡充(パパ育しながら就業「産後パパ育休」)、そして2023年度は社内公募制度を導入しました。

 中核人材の育成ならびに管理職登用において多様性を確保していくため、引き続き以下の3点を推進します。

 ・性別や国籍、新卒・中途採用者を問わず管理職を目指している社員を増やすための意識改革

 ・社員へのキャリア形成に関する啓蒙活動

 ・社員が性別や国籍、新卒・中途採用者を問わず活躍できるための制度改正・新設、支援体制の構築

 具体的な施策については以下のとおりです。

①意識調査・実態把握

 ・進路調査による管理職になりたい社員数を把握

 ・社員が思い描く組織に対する「ありたい姿」と「実態」とのギャップを把握し改善し続けるための社員エン

  ゲージメントスコアの測定と組織改善のプロセスを6ヶ月間のサイクルで実施

②啓蒙教育および支援

 ・次世代リーダー育成研修:「論理的な思考」と「実践的な経験」、そして「深い洞察と人間性」を重ね合わ

  せることができるビジネスパーソンの育成と開発

 ・管理職研修:課員のキャリア開発支援を含めたマネジメントスキルの強化および360°サーベイによる支援

 ・階層別研修:社員の段階的なキャリア意識の醸成

 ・1on1ミーティング:定期的な上司と部下との個別面談

 ・キャリアアドバイザーとの面談機会の提供

③制度改正・新設、支援体制構築の企画・検討

 ・テレワークとフレックスタイムおよびスーパーフレックスタイム制の運用定着

 ・出産・育児・介護・病気によってキャリアが中断しないための復職プログラムの充実化

 ・無期限の継続雇用制度導入による長期的な雇用機会の提供と、役職定年により後進に道を譲る制度の運用定着

 なお、2024年3月末時点における60歳以上の継続雇用社員の男女別の人数は、以下のとおりとなっておりま

 す。

  ・男性  81名

  ・女性  5名

 

 ・社員の「幅広い知識の獲得や専門性を高める経験」と「活用機会のない、眠っている能力の社外での発揮」

   を目的とした副業制度の新設

 ・男性育児休業取得による、男女とも「育児」と「仕事」を両立できる制度の構築

 ・社員が自律的にキャリアを考え、三谷産業グループ内で主体的かつフレキシブルに仕事の機会を持ち、自己の

  成長へつなげていくことを目的とした社内公募制度の運用定着

 これらの取り組みを行うことにより、性別や国籍、新卒・中途採用者に関係なく、管理職を目指す社員の増加

を図りつつ、その比率を改善できるよう努めてまいります。

 なお、2024年3月末時点における三谷産業ならびに国内グループ会社のうち管理職を目指している社員の比率は、以下のとおりとなっています。

[三谷産業および国内グループ会社]

  ・男性     43.1%(473名中204名)

  ・女性     20.9%(287名中60名)

  ・日本人    35.3%(733名中259名)

  ・外国人    18.5%(27名中5名)

  ・新卒採用者  32.3%(440名中142名)

  ・中途採用者  38.1%(320名中122名)

 今後、各性別、国籍、新卒・中途採用者において、非管理職のうち管理職を目指す社員の比率30%を目標としてまいります。

 なお、海外グループ会社も含めた三谷産業グループ全体の非管理職の社員のうち管理職を目指している社員の比率は、以下のとおりとなっています。

[三谷産業グループ全体]

  ・男性     60.3%(863名中520名)

  ・女性     49.5%(709名中351名)

  ・日本人    35.3%(733名中259名)

  ・外国人    72.9%(839名中612名)※海外グループ会社は、ベトナム人社員を外国人に含める

  ・新卒採用者  32.3%(440名中142名)

  ・中途採用者  64.4%(1,132名中729名)

 

 

3【事業等のリスク】

当企業集団では、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを毎年洗い出し、それらについて共通の基準で発生可能性と影響度を分析のうえ対策を策定し、またその対策により発生可能性と影響度がどう変化したかを確認しております。加えて、当企業集団ではリスクはビジネスを創出する機会とも捉え、当該リスクをビジネスに活かす取り組みも行っております。これらの詳細につきましては、以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。

・「リスクマネジメント活動」(https://www.mitani.co.jp/company/risk_management)

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、各項目別の発生可能性と影響度は末尾にまとめて記載しております。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)情報セキュリティについて

当企業集団はシステムインテグレーション、アウトソーシング等の事業を通じて多くのお客様の機密情報・個人情報をお預かりしており、社会的責任が極めて高いものと認識しております。また、近年、企業を狙ったサイバー攻撃が増加しており、そのリスクは年々大きくなっています。

お客様の機密情報・個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には当企業集団の信用失墜による売上の減少または損害賠償による費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、当社はこれまで、情報資産の運用ルールを定めた情報セキュリティ制度の導入、個人情報保護への取り組みをより一層強化するためのプライバシーマークの取得等、リスク管理体制を順次整備するとともに、従業員に対してサイバーセキュリティに関するeラーニングによる教育や標的型メール訓練を毎年実施し、また、ランサムウエアや不正侵入への対策を強化しております。また、アウトソーシング事業については、ISO(JISQ)27001の認証を取得し、加えて、インターネットデータセンター(以下「IDC」といいます)では、2012年4月、情報セキュリティ格付で北陸3県において初めて最上位にランクされる「AAAis(トリプルA)」を取得し、2018年1月には公益財団法人金融情報システムセンターが策定した「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」および一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」といいます)が策定した「JQA情報システム及び関連設備の運用基準」の認証も取得しております。

これらの取り組みにより情報資産保護の継続的な徹底に努めております。

また、お客様のセキュリティ対策として、従来のウイルス対策ソフトウエアでは対応できなかった未知のマルウエアや攻撃にも対応可能なEDR(Endpoint Detection and Response)などのセキュリティ対策ソフトウエア製品およびそれらを稼動させる基盤を提供するだけでなく、お客様の環境に合わせてOSやソフトウエアアップデートの整合性を確認するなど、当社が蓄積した運用ノウハウを活用し、お客様のニーズに合った製品・サービスの導入から運用支援まで、IDCと連携して提供しております。

 

(2)投資有価証券の時価または実質価額変動について

当企業集団は、営業上の取引関係維持・拡大を主目的として取引先等の有価証券を保有しており、連結貸借対照表に計上されております。投資有価証券につきましては、大半が当社保有の有価証券であります。当連結会計年度末における投資有価証券のうち、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券は保有目的上、すべて「その他有価証券」に区分しております。

市場価格のない株式等以外の有価証券について株価の動向によって時価が変動し、市場価格のない株式等の有価証券については当該株式の発行会社の財政状態によって実質価額が変動した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、所有株式について個別銘柄ごとに取引状況を検証し、これにリターン・リスクの状況・見通しが資本コストに見合っているかも勘案し、継続保有や新規保有の判断を行っております。

 

(3)法的規制について

当企業集団は、さまざまな商品およびサービスを取り扱う関係上、医薬品医療機器等法をはじめ、関連する法令・規制は多岐にわたり、海外進出においても当該国の各種法令・規則等の適用を受けています。

現時点において当該許認可が取消となる事由は発生しておりませんが、予期し得ない法的規制等の発令や法解釈の多様性によるリスクに晒される可能性があり、これらに係る指摘を受けた場合、事業活動の制限や新たなコストの発生などにより、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、主な許認可は以下のとおりであります。

この対策として、許認可の状況を定期的に担当部門に確認することに加えて、関係法令の改正情報を早期に入手し影響を検討し対策をとることにより、法令遵守の徹底を図っております。また、当企業集団の全従業員を対象にして、コンプライアンス意識の向上を目的としたコンプライアンス教育を実施しているほか、法令違反行為の未然防止、早期発見および是正を図ることを目的として、内部通報制度や外部通報制度を導入しております。

 

許認可等の名称

会社名

所管官庁等

許認可等の内容/有効期限

法令違反の要件および

主な許認可取消事由

医薬品製造業許可

(医薬品 包装・表示・保管)

三谷産業㈱

東京都

許可番号13AZ200192

2029年6月

(5年ごと更新)

薬機法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき。(法第75条)

神奈川県

許可番号14AZ200105

2027年6月

(5年ごと更新)

許可番号14AZ200120

2028年6月

(5年ごと更新)

医薬品製造業許可

アクティブ

ファーマ㈱

富山県

許可番号16AZ200046

2029年4月

(5年ごと更新)

東京都

許可番号第13AZ200300

2028年9月

(5年ごと更新)

医薬品販売業許可

三谷産業㈱

東京都

許可番号第5301131117号

2026年3月

(6年ごと更新)

アクティブ

ファーマ㈱

東京都

許可番号第5301131200号

2026年2月

(6年ごと更新)

三谷産業

イー・シー㈱

石川県

許可番号卸第3C0034号

2024年9月

(6年ごと更新)

富山県

許可番号第富卸0207号

2029年12月

(6年ごと更新)

毒物劇物一般販売業

登録

三谷産業㈱

千代田区

登録番号第3101130088号

2026年3月

(6年ごと更新)

毒物及び劇物取締法その他毒物及び劇物に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき。(法第19条)

名古屋市

登録番号名毒劇第1303号

2027年9月

(6年ごと更新)

三谷産業イー・シー㈱

石川県

登録番号第3X0192号

2029年12月

(6年ごと更新)

金沢市

登録番号第1X0510号

2027年6月

(6年ごと更新)

登録番号第1X0842号

2027年8月

(6年ごと更新)

富山市

登録番号第富一0661号

2030年5月

(6年ごと更新)

 

 

(4)海外での事業展開や、海外との取引について

当企業集団は、海外企業との間で原料調達等の取引を行っており、特にベトナムにおいては国内で蓄積した知識・技術をもとに樹脂・エレクトロニクス関連の製造・販売、空調設備工事・住宅設備機器の設計・積算、化学品の製造・販売などの子会社を設立し、その業容を拡大させております。

ベトナムをはじめとする海外事業拠点において、テロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更、労働者の採用・雇用環境の変化等のカントリーリスクを含めた事業環境の著しい変化により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、当該取引のある国を中心に法令改正や現地情勢等について定期的に情報収集を行うことに加えて、特にベトナムにおいてはベトナム子会社の法務や人事労務管理を担う現地子会社であるAureole Expert Integrators Inc.との連携を密にし、税務や法務相談、規程の制定・改定等について協力して対応を図っているほか、ベトナム子会社において対処すべきリスクが顕在化した場合には、日本側で対策本部を立ち上げるとともに、ベトナムではAureole Expert Integrators Inc.が中心となり対応する体制を構築しております。

また、ベトナムにおける1994年からの事業活動を経て、事業軸だけでなく、現地の大学・教育機関との関係構築にも積極的に取り組んでおります。近年では、日本型経営・日本型ものづくり・日本型品質管理等、「日本型」をテーマに、ベトナムの学生等に向けて日本を代表する企業の経営者や有識者が講義を行うプログラムを提供しております。ベトナムの大学側からも日本企業の経営者による講義への期待は大きく、当社がコーディネートする企業・講師陣からの講義は、大学の単位認定のある正規科目に組み込まれております。

さらに、ベトナムにおける日系企業の多くが共通で課題としている「人材育成」や「組織開発」をテーマに、さまざまな視点で講演による情報提供や意見交換等の交流を行う場として「Aureoleカンファレンス」を2015年より継続して開催しております。

これらの取組みを通じて、ベトナム経済・社会の発展に向けた人材育成等に注力しております。

その他、これまで培った多様なネットワークを通じて情報収集を行い、新規取引先からさまざまな商品を調達し新たなビジネスに繋げるほか、新たにベトナムで事業展開を検討する企業に向けて、駐在員事務所のライセンスや日本人駐在員の労働許可証の取得、就業規則等規程の整備、従業員向け研修(ビジネスマナー、情報セキュリティ等)といったサービスの提供を行っております。

 

(5)知的財産権について

当企業集団が開発・製造販売する医薬品原薬、機能性素材、パッケージソフトウエア、オリジナル家具や、他社との協業により取り組んでいる事業等に関して、知的財産権侵害を理由として訴訟提起される場合があります。

また、当企業集団が新規事業等に取り組む中で取得する知的財産権が、他社に侵害される場合があります。

このような事案が生じた場合には、事業活動の制限や訴訟費用の発生等により、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、特許事務所との連携のもと特許権や意匠権等の知的財産権に関する調査の徹底を図っております。

 

(6)事業投資について

当企業集団は、対象企業の株式・出資持分を取得して当該企業の経営に参画し、既存事業とのシナジー創出を図ることや、既存事業のさらなる拡大に向けた設備投資や新会社設立などの事業投資活動を行っております。投下資金の回収不能や事業計画通りに進捗しないことによるリスク、さらには撤退による追加損失が発生するリスクを完全に回避することは困難であると考えております。

このようなリスクが顕在化した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、事業投資を行う際には、計画段階から投資採算やリスクなどを取締役会に報告し、正確な事実認識のもと、十分かつ慎重な意思決定ができるようにします。また、定期的な進捗報告によって、迅速な対応ができる環境を整備しています。

 

(7)自然災害について

将来発生が懸念されている首都直下地震や南海トラフ地震のほか、近年の世界的な気候変動により激甚化する台風や豪雨といった自然災害により、当企業集団が事業拠点を有する地域も影響を受けることが懸念されます。

このような自然災害が発生した場合には、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、当企業集団ではリスクマネジメント委員会を設置し各リスクの分析と評価を行っています。具体的には、大規模地震発生に備え、地震対策マニュアルや事業継続計画(BCP)を策定するとともに、各部門を対象に地震発生初動から事業継続方針を決定するシミュレーション形式のBCP机上演習を実施しております。また、激甚化している台風、大雨に備えるため、拠点ごとに予報段階から被害発生までの行動についてチェックリストに基づき行動を確認する机上演習を実施して対応能力を向上しています。さらに、全従業員が参加する防災訓練として安否確認や消火・避難など初動訓練を年に4回実施し、その活動を通じて従業員一人ひとりの防災意識を高めております。実際に自然災害が発生した場合には、直ちに対策本部を立ち上げ、従業員・家族の安否確認や被害情報収集を行い、従業員の安全確保と事業継続を行う体制を整備しております。

令和6年能登半島地震においても、発災後直ちに従業員・家族の安否確認および各拠点の被害情報収集を行い、当企業集団に大きな被害がなかったことを確認するとともに、取引先の被害状況を把握し、事業への影響を確認しました。また、北陸地区の甚大な被害に鑑み、緊急被災者支援、2次避難者支援、自治体への義援金・支援金の寄付および被災者への食器の寄贈を実施しました。今回の対応から得られた気づき・課題を今後の訓練・演習に取り込み、その結果を踏まえてリスク対策を拡充してまいります。

なお、当企業集団は、2019年3月にレジリエンス認証を取得しています。自らの事業継続力を高めるとともに、社会のレジリエンス強化のため、地盤の強固な石川県能美市の丘陵地区に免震構造を備えたIDCを設置し、首都直下や南海トラフ地震などの自然災害に備え、お客様の重要なシステムやデータをバックアップすることで、事業継続に寄与するビジネスを推進しています。

 

(8)感染症の流行・まん延について

当企業集団においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、事業を取り巻く環境についてさまざまな影響を受けてまいりました。

今後も、感染症が流行・まん延する事態となった場合、当企業集団の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

このような事態が発生した場合には、感染症の性質や流行動向を注視しながら、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に、感染対策に取り組みます。

 

項目別の発生可能性と影響度

項目

発生可能性

影響度

(1)情報セキュリティに係るリスク

(2)投資有価証券の時価または実質価額変動に係るリスク

(3)法的規制に係るリスク

(4)海外での事業展開や海外との取引に係るリスク

(5)知的財産権に係るリスク

(6)事業投資に係るリスク

(7)自然災害に係るリスク

(8)感染症の流行・まん延に係るリスク

 

レベル

発生可能性

影響度

1年に1回以上発生する

長期にわたり経営に大きな影響がある

1~10年間に1回発生する

一時的に経営に多少の影響がある

10年に1回も発生しない

経営に殆ど影響しない

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

本年1月1日に発生しました能登半島地震は、能登地方を中心に甚大な被害を及ぼしました。石川県に本社を構える当社としましては、震災発生直後に総額1億円の支援を表明し、冬期の被災地域における生活の復旧を最優先に、燃料、食器、家電などの当社グループ取扱品の提供、各自治体への義援金の寄附のほか、当社とつながりのある企業や個人の方々からお預かりした支援物資を能登地方の被災者および金沢近郊の二次避難者にお届けするなど、当連結会計年度において最大限の支援を実施させていただきました。

なお、復興支援に向けた予算の大部分を計上したことに加え、当該地域におけるお客様とのビジネスが一時的に停滞したほか、建物・設備の一部に物的被害があったものの、当企業集団の事業活動が順調に進捗したことから業績への影響は軽微でありました。

当社は創業以来、北陸地域の皆様と歩みを進めてまいりました。被災された皆様に一日も早く平穏な生活が戻ることを祈念するとともに、一層の支援に尽力してまいります。

 

業績面については、当連結会計年度の売上高は958億57百万円(前期比54億40百万円増 6.0%増)、営業利益は16億66百万円(前期比6億88百万円増 70.3%増)、経常利益は24億43百万円(前期比7億27百万円増 42.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億68百万円(前期比11億7百万円増 115.4%増)となりました。

 

売上高が前期比54億40百万円増加した要因は、以下のとおりエネルギー関連事業および化学品関連事業を除く4つの事業セグメントの増加によるものであります。

・樹脂・エレクトロニクス関連事業  +25億58百万円

・空調設備工事関連事業       +24億15百万円

・情報システム関連事業       +10億87百万円

・住宅設備機器関連事業       +3億73百万円

・エネルギー関連事業        △4億21百万円

・化学品関連事業          △6億79百万円

 

営業利益が前期比6億88百万円増加した要因は、以下のとおり化学品関連事業を除く5つの事業セグメントの増加によるものであります。

・樹脂・エレクトロニクス関連事業  +10億20百万円

・空調設備工事関連事業       +5億20百万円

・情報システム関連事業       +1億39百万円

・住宅設備機器関連事業       +1億35百万円

・エネルギー関連事業          +45百万円

・化学品関連事業          △7億47百万円

 

経常利益は、営業利益の増加を主要因に増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加および非上場株式に係る投資有価証券売却益の計上を主要因に増加しました。

 

(セグメントの状況)

営業利益の大きいセグメントの順に記載いたします。

セグメントごとの当社事業部門および子会社・関連会社につきましては、「第1 企業の概況」の「3.事業の内容」をご参照ください。

 

<樹脂・エレクトロニクス関連事業>

 売上高は、車載向け樹脂成形品の需要が回復したことに加えて、車載向け以外の新規案件の販売も順調に伸長したことから、前期比27.2%増の119億60百万円となりました。営業利益は、売上高の増加に加えて、工場稼働率の回復および生産効率化の推進により、前期比373.3%増の12億94百万円となりました。

 

<空調設備工事関連事業>

 受注高は、北陸地区および首都圏において複数の大型工事を受注できたものの、首都圏において前期に過去最大規模の新築工事案件の受注があったことから、前期比4.6%減の167億24百万円となりました。

 売上高は、首都圏において大型の新築工事が順調に進捗したことに加えて、ベトナムにおける設計・積算業務のうちBIM業務の受託が好調であったことから、前期比19.1%増の150億67百万円となりました。営業利益は、売上高の増加に加えて、リニューアル工事において付加価値の高い提案が実施できたことから、前期比74.0%増の12億23百万円となりました。

※ Building Information Modelingの略で、3次元データによる建物の統括的な管理を可能にし、国土交通省の重点事業の一つとなっております。

 

<情報システム関連事業>

 受注高は、北陸地区において公共機関向け案件の受注が好調であったことから、前期比6.1%増の97億93百万円となりました。

 売上高は、北陸地区での顧客への納入が順調であったことから、前期比12.3%増の99億16百万円となり、営業利益は前期比18.7%増の8億85百万円となりました。

 また、2024年3月末時点での「POWER EGG®」の導入実績は前期比39社増の1,549社となり、累計ライセンス出荷数は59万ライセンスを超えました。特に、全国の金融機関における導入数は100行庫を突破しました。これからもお客様の利便性を訴求し、組織のDX化の推進や業務効率化をはじめとした活用事例の展開を図ることで、顧客満足度の向上および新規顧客の獲得に努めてまいります。

 なお、ベトナム子会社のAureole Information Technology Inc.(以下 AIT)は、ビジネスエンジニアリング㈱からの資本受入を決定しました。同社製品およびソリューションのベトナムにおける展開に加えて、営業力・技術力の強化を図り、ビジネスを拡大してまいります。

 

<エネルギー関連事業>

 石油製品については、販売価格は、堅調に推移しました。販売数量は、一部顧客の稼働が低下したこと等により、減少しました。

 民生用LPガスについては、販売価格は、前期並みとなりました。販売数量は、業務用や家庭用での需要が減少したものの、新規顧客の獲得が進んだことにより、前期並みとなりました。

 以上により、全体の売上高は、前期比5.5%減の72億94百万円となりました。一方で、単位当たり利益が改善したことから、営業利益は前期比15.5%増の3億35百万円となりました。

 なお、能登半島地震発生時においてライフラインの断絶により地域の生活に大きな支障が出ることが想定されました。子会社の三谷産業イー・シー㈱は、石川県に本社を置きガソリン等のサービスステーションを運営する㈱三谷サービスエンジン等と協力し、震災発生直後より、燃料や食料品等の生活必需品を手配し、被災された方々にいち早くお届けする支援活動を実施しました。

 

<化学品関連事業>

 国内における化成品販売については、甲信越地区において顧客の稼働が減少したことから、売上高は減少しました。

 医薬品原薬については、自社製品において顧客の納入時期の変更により販売数量が減少したことから、売上高は減少しました。また、子会社のアクティブファーマ㈱は、富山県より「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」違反を理由とする業務改善命令を受けました。本件を厳粛に受け止め、全力を挙げ是正措置を講じ、再発防止に努めてまいります。なお、当企業集団の業績へ与える影響については、製品の品質検証等のための一時的な工場稼働の低下があったものの、すみやかに製造・出荷を再開したことから軽微でありました。

 機能性素材の受託製造については、顧客の稼働が増加したことから、売上高は増加しました。

 環境ビジネスについては、触媒原料の取扱量が減少したことから、売上高は減少しました。

 ベトナムにおける化成品販売については、ベトナム北部および南部において顧客の稼働が減少したことから、売上高は減少しました。

 以上により、全体の売上高は、顧客の稼働が減少したことを主要因に前期比1.8%減の369億76百万円となり、営業利益は前期比70.5%減の3億12百万円となりました。

 また、子会社の㈱ミライ化成は、展開しているリサイクル炭素繊維事業において、「再生炭素繊維不織布を利用した高効率CFRTP※1加工技術の開発」が2023年度NEDO先導研究プログラム※2に採択されました。さらに、日本曹達㈱のグループ会社である日曹金属化学㈱と炭素繊維のリサイクル分野にて協業を開始しました。今後、リサイクル炭素繊維の社会実装および循環型社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 さらに、子会社の三谷産業イー・シー㈱は、化学品を中心とした受託加工機能と物流倉庫機能を持つ「製造・物流センター」(石川県金沢市)に「フードセンター」を増築し、本年1月15日に稼働を開始しました。今後、「製造・物流センター」の幅広い品目に対応する受託加工機能と物流倉庫機能を組み合わせた複合的な提案により、お客様の生産性の向上に貢献してまいります。

※1 再生炭素繊維不織布を用いた炭素繊維強化熱可塑性樹脂

※2 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の2023年度「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム〔追加公募〕」

 

<住宅設備機器関連事業>

 受注高は、首都圏において複数の大型案件を受注できたことにより、前期比2.8%増の159億83百万円となりました。

 売上高は、首都圏において前期に受注した大型案件が完工したことから、前期比2.7%増の142億26百万円となりました。なお、新規ブランドのプロモーション活動に必要な費用計上が継続しているものの、当社グループの提案力とオリジナルブランド製品が評価され、都内最高級タワーマンションへの過去最大規模の納入など、注力してきた富裕層向けビジネスが着実に進展したことから、営業損失は2億97百万円に縮小しました(前期の営業損失は4億33百万円)。

 なお、インテリアブランドの『Tesera®』は「令和5年度金沢かがやきブランド(生活関連)」に認定されております。

 また、高級バスタブブランドの『HIDEO』は、国際的に権威のあるドイツのデザイン賞「German Design Award 2024(エクセレントプロダクトデザイン-バス&ウェルネス部門)」において、新たに製品2モデルが優秀賞を受賞しております。同デザイン賞での受賞は昨年に受賞した2モデルに続き2年連続となります。

 今後も、オリジナルブランド製品のより一層の認知度向上および拡販に努めてまいります。

※ 「金沢かがやきブランド」は、2006年から金沢市が主催し、伝統や文化を尊重しながら、地域の技術力や独創的なアイデアを活かして開発された製品を認定する制度です。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、56億2百万円(前連結会計年度は36億61百万円)の収入となりました。

主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益31億75百万円、減価償却費21億12百万円、棚卸資産の減少額7億25百万円、仕入債務の増加額17億98百万円であります。

一方、主なマイナス要因は、売上債権の増加額20億98百万円、法人税等の支払額7億30百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、8億69百万円(前連結会計年度は14億45百万円)の支出となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出9億76百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、38億12百万円(前連結会計年度は15億39百万円)の支出となりました。

主な要因は、短期及び長期の借入金の純減額が合わせて27億66百万円、配当金の支払額5億54百万円であります。

これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ10億93百万円増加し、77億17百万円となりました。

 

③受注及び販売の実績

a.受注実績

当連結会計年度の空調設備工事関連事業、情報システム関連事業および住宅設備機器関連事業の受注実績は、次のとおりであります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

前期比(%)

受注残高

前期比(%)

空調設備工事関連事業

16,724

95.4

18,905

109.6

情報システム関連事業

9,793

106.1

8,833

98.6

住宅設備機器関連事業

15,983

102.8

14,468

113.8

 (注)受注実績の金額は、セグメント間の内部受注高および受注残高を含めて記載しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 前期比(%)

樹脂・エレクトロニクス関連事業

11,960

127.2

空調設備工事関連事業

15,067

119.1

情報システム関連事業

9,916

112.3

エネルギー関連事業

7,294

94.5

化学品関連事業

36,976

98.2

住宅設備機器関連事業

14,226

102.7

その他

2,532

103.0

合計

97,973

105.8

 (注)販売実績の金額は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度末における総資産残高は、948億69百万円(前連結会計年度末は863億9百万円)となり、前連結会計年度末に比べ85億60百万円増加いたしました。流動資産の残高は、現金及び預金13億43百万円の増加、受取手形及び売掛金8億26百万円の増加、電子記録債権8億58百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ35億54百万円増加し、458億50百万円となりました。固定資産の残高は、投資有価証券53億51百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ50億6百万円増加し、490億19百万円となりました。

 当連結会計年度末における負債残高は、477億13百万円(前連結会計年度末は446億96百万円)となり、前連結会計年度末に比べ30億16百万円増加いたしました。流動負債の残高は、支払手形及び買掛金11億93百万円の増加、電子記録債務4億11百万円の増加、短期借入金13億23百万円の減少、未払法人税等4億80百万円の増加、流動負債のその他に含まれる未払費用6億22百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ25億84百万円増加し、364億27百万円となりました。固定負債の残高は、長期借入金11億75百万円の減少、繰延税金負債14億31百万円の増加を主要因に前連結会計年度末に比べ4億32百万円増加し、112億86百万円となりました。

 当連結会計年度末における純資産残高は、471億56百万円(前連結会計年度末は416億12百万円)となり、前連結会計年度末に比べ55億43百万円増加いたしました。株主資本の残高は、前連結会計年度末に比べ15億14百万円増加し、343億96百万円となりました。その他の包括利益累計額の残高は、前連結会計年度末に比べ40億11百万円増加し、126億15百万円となりました。非支配株主持分の残高は、前連結会計年度末に比べ17百万円増加し、1億43百万円となりました。

 これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の48.1%から49.6%に増加し、1株当たりの純資産額は、前連結会計年度末の673円81銭から763円56銭に増加いたしました。

 

経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

運転資金需要

当企業集団の運転資金需要のうち主なものは、売上債権の回収サイクルと仕入債務の支払サイクルのギャップおよび営業活動上において必要な棚卸資産に対する支出によるもののほか、人件費や手数料等の販売費及び一般管理費であります。

 

設備投資

設備投資につきましては、「第3 設備の状況」の「1.設備投資等の概要」をご参照ください。

 

資金管理

当企業集団は、事業運営上必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本としております。

運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務等を含む有利子負債の残高は189億67百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は77億17百万円となっております。

資金は原則として当社で集中管理し、当企業集団内の余剰資金の有効活用を図っております。当企業集団内における新規の設備投資資金の調達については、諸条件を勘案し決定いたしますが、すべて当社の事前承認に基づいております。

経営者の問題意識と今後の方針

当企業集団における投資プロジェクトについては、採算面や投資回収面、リスク等を十分に検討したうえで決定しております。ここ数年は当企業集団の存在価値の向上を念頭に、付加価値の高い商品・製品・サービスの提供を図るべく、設備投資や子会社新設に積極的に取り組んでまいりました。

当企業集団は、今後とも、さらなる事業拡大と持続的な成長を図っていくため引き続き積極的な投資を実行していく方針であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の主なものは、化学品関連事業における子会社アクティブファーマ㈱での医薬品向け原薬の開発であり、総額は289百万円であります。