第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針等

a.経営理念

一、人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう。

一、会社は、社会の公器であり、社員の福祉向上を願う開かれた広場である。私心を捨てて、真に生きがいの場としよう。

 

b.経営方針

当社は1951年、四方を山に囲まれ、新鮮な魚を求めることが困難だった長野市に㈱長野中央魚市場を設立し、水産物の卸売事業を開始しました。以来、「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し、衆知を結集して価値ある流通機能の創造に努めよう」の経営理念に基づき、豊かな食生活を支えるべく、美味しさと安全・安心をお届けすることを社会的使命に事業を推進しております。

創業時に制定した屋号の「0102010_001.png」の丸は日本を表し、そこに一の字が大書されているのは「日本一」になりたいという願望が込められています。「長野県のマルイチ」から「日本の中のマルイチ」への脱皮は、創業時から語り継いできた当社の普遍的な経営方針でもあります。

c.事業展開方針

当社グループは、長野県を中心とする甲信越及び北関東を含む首都圏、中京圏を主な販売エリアとして、水産物をはじめ畜産物、デイリー食品、冷凍食品、一般食品、菓子、業務用商品などの食品をフルラインで取り扱う総合食品卸売事業を展開しています。お客様にとって価値ある食品とサービスの提供を通じ、地域社会において、ゆたかな食と生活文化を創造することを目指し、事業活動を進めております。主力販売エリアである甲信越地域では地域密着の強みを活かした提案営業活動によりマーケットの深耕化を進め、首都圏・中京圏エリアでは生鮮流通網の拡大による事業エリアの拡大を進めております。

 

(2) 経営環境及び中期経営計画

a.経営環境

(環境分析)

わが国経済の動向は、新型コロナウイルス感染症の分類見直しによる制限緩和から経済活動は正常化に向かい、消費行動の活発化とインバウンド需要の拡大が期待される一方、原材料やエネルギー価格の上昇など、物価の高騰による影響は当面継続すると予想されます。食品流通業界におきましては、物価高に伴う消費マインドの落ち込みや、電気料金や物流費のさらなる増加が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。

当社グループのコアビジネスであります水産事業を取り巻く環境では、生産及び調達面において世界的に水産物生産(天然及び養殖)が頭打ちとなる一方で、世界的な人口増加等による水産タンパク質への需要が増大する中で日本市場の相対的地位の低下もあり、水産物の安定的な調達は大きな課題となっております。販売面では、成熟消費社会・高齢化社会が急速に進み、生活者のライフスタイルや年齢・家族構成の変化による食へのニーズの多様化など、変化への対応力が重要となることが予想されます。

また、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ(持続可能性)経営の推進や、SDGsへの取組みの必要性が世界的な共通課題として認識されており、企業としてリスクの減少のみならず収益機会にも繋がる重要な経営課題として積極的・能動的に取り組むようことが求められております。

 

 

(環境認識の全体観)

 

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(環境変化への対応)

当社グループは、生鮮品を基軸としたフルライン食品卸売事業を進化させることで持続的成長を目指しております。具体的な戦略及び施策につきましては、b.中期経営計画に記載しております。

さらに、サステナビリティ経営を全社グループにて戦略的に推進すべく2022年4月に「SDGs推進委員会」を立ち上げました。環境問題等に対して中長期的な視点で先ずは基本方針と目標を定め、具現化に向けた施策を検討し、実行してまいります。具体的には、重点課題に食の安定供給とサプライチェーンの最適化や、人材育成と活用を掲げ、事業活動を通じてSDGsの取組みを推進してまいります。

 

b.中期経営計画

①中期経営計画「創造2022」

当社グループでは2022年度を目標年度とする中期経営計画「創造2022」を策定し、「人の成長を以て変革を成し遂げ、更なる飛躍のための創造を推進する」を基本方針に掲げました。計画立案に際しては、当社グループの強みを発揮できる「産地との強固な関係、原料からの差別化」「素材から惣菜へ」「メーカー型卸事業の推進」「中間流通コストの合理化」を大切にしたい考え方として示したうえで、これらの考え方を軸として、全社戦略及び各事業セグメントの具体的な施策を策定し、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上を目指してまいりました。

 

②中長期的経営ビジョン「ビジョン2030」

当社グループは未来に向けた経営ビジョンの策定に際し、経営理念をベースに、「経済/社会価値の同時実現」「共感者(パートナー)の輪を拡大」「マルイチの独自性を発揮」「エンゲージメント経営の推進」をキーワードに定めました。

そして2030年度をゴールとする中長期的な経営ビジョンに「地域のスペシャルパートナー」を掲げ、当社グループの独自機能の提供とステークホルダーとの協業を通じて、日本全国の地域における食品流通の問題・課題を共に解決し、共に成長することを目指してまいります。具体的には、「信州」「顧客」「産地」の3つの事業領域をつなぐプラットフォーマーとして、当社グループのコアコンピタンスを磨きながらステークホルダーとの「共生」を図ってまいります。

 

 

(「ビジョン2030」の全体像)

 

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(3つの事業領域)

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c.中期経営計画2025

 

■「中期経営計画2025」の位置づけ

ビジョンの達成に向け、2025年3月期を目標年度とする「中期経営計画2025」を策定しました。現在の当社グループの位置付けを「ユニークな存在」と定義し、2030年度に「スペシャルな存在」へなる為のステップとして、「3つの事業領域において必要とされる存在になる」ことを中期経営計画期間における到達すべきステージと位置付け、企業価値の向上を目指します。

 

 

(「中期経営計画2025」の位置付け)

 

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■事業戦略

達成に向けた具体的な5つの経営戦略としまして「多面的・多角的な事業インフラの拡充」「信州事業の再強化・グループ最適化」「非効率事業・資産の見直し」「業務構造改革の推進」「サステナブル経営の取組み」を掲げ、各施策を実行してまいります。

また、経営戦略の推進を下支えする組織運営方針としまして、「エンゲージメント経営の実践」「連結経営の推進」「ガバナンス体制の強化」に取り組んでまいります。

 

(「中期経営計画2025」の全体像)

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(「中期経営計画2025」の定量目標及びKPI)

 

戦略施策の実行により、2026年度時点の実力値として連結営業利益30億円+αを目指します。

 

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(2024年3月期の経営方針)

2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」の達成に向けた2024年3月期の経営方針としましては、前中期経営計画「創造2022」における重点施策の検討内容及び成果物を、「中期経営計画2025」の経営戦略・組織運営方針に活かすべく、継続課題の遂行と新たな経営課題の推進を進めてまいります。

特に、事業全体を支える新基幹システムの稼働と、信州事業の再強化・グループ最適化に向けたグループ内組織再編に全社グループをあげて取り組んでまいります。

 

(前中期経営計画「創造2022」重点施策と「中期経営計画2025」の関連性)

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(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、本書提出日現在において、以下のような全社として優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を認識しております。

 

1.SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の強化

生鮮全般における生産者との連携と加工・流通機能との一元化によるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の構築を推進してまいります。

2.安定的な事業の継続

安定した事業の継続を可能とするため、グループ共通の新型コロナウイルス対策ガイドラインの徹底やBCPの策定と実行を推進してまいります。

 

3.与信管理の徹底

得意先をはじめとする取引先とは十分なコミュニケーション取りつつ、与信管理を徹底してまいります。

4.在庫管理の徹底

商品相場の急激な変動や需給状況の変化等、過剰在庫及び調達不足の原因となり得るリスクを想定した販売計画策定と商品調達を行うことによる在庫コントロールを徹底してまいります。

 

セグメントごとの具体的な課題及び施策は以下のとおりです。

(水産事業)

水産事業を取り巻く環境は、長引く国産天然魚の不漁や、世界的な魚食需要の増加と急激な円安等により水産物全般の相場高が継続する中、安定的な商品供給の維持・拡大が求められております。

水産事業セグメントにおきましては、水産部門では産地を中心とした戦略投資の実行により、国内水産物の付加価値化と全国へのさらなる流通拡大を進めてまいります。具体的には銚子や九州等での産地政策の推進や、養殖魚事業グループの体制強化によりさらなる安定調達体制の構築を推進いたします。デイリー部門では信州メーカーとの連携などによる商品開発力の強化や、配送効率化等による物流機能の強化を進めます。

(一般食品事業)

一般食品事業を取り巻く環境は、原材料価格の高騰に伴う商品の値上げが相次ぐ中、消費者の生活防衛意識の高まりによる店頭売上の鈍化から低価格競争が激化しており、さらなる収益力の向上が課題となっております。

一般食品事業セグメントにおきましては、信州域内(長野・山梨エリア)での問屋機能強化と、県外におけるメーカーポジション販売戦略を推進し、より強固な事業構造の構築を目指します。具体的には、営業との連携による商品開発体制の増強や信田缶詰製品の拡売、甲府センターの移転による山梨エリアの拡大、業務構造改革の推進による収益力向上を図ります。

(畜産事業)

畜産事業を取り巻く環境は、国産畜肉は飼料価格や燃料価格の高騰に伴う生産コスト上昇による相場高が継続しており、輸入畜肉は円安の影響で仕入価格が高止まりしております。

畜産事業セグメントにおきましては、食肉加工分野への重点投資により差別化と付加価値機能の強化を図ります。具体的には、食肉加工関連施設への重点投資や、重点顧客への調達・物流・加工機能のトータル提案による販売シェアの拡大、業務用マーケット向けの商品開発の推進と長野県産商品の販路拡大を進めます。

(丸水長野県水グループ)

丸水長野県水グループを取り巻く環境は、長野県内における流通経路の多様化が進行し、県内市場へ参入する企業のボーダーレス化や、業態の垣根を超えた県外資本の参入など、競争環境が激化しております。

このような環境下、丸水長野県水グループセグメントにおきましては、水産、畜産、冷食、物流事業のそれぞれが持つ強みをグループ内での機能連携により更に強化・発展しながら、共創環境を整えてまいります。水産事業では市場機能維持に向け、グループとして商品調達力や業務効率化に取組みます。畜産事業では製造機能の強化と惣菜売場への販売拡大を図ります。冷食事業では新たな冷凍物流事業による収益基盤の構築と、業務用市場への販路拡大を進めてまいります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、成長戦略による事業規模の拡大と付加価値による収益力の向上の観点から、事業規模を示す指標である連結ベースの売上高と稼ぐ力の指標である営業利益を経営指標としております。

(2024年3月期の定量目標)

(単位:百万円)

 

2023年3月期実績

2024年3月期予想

売上高

246,723

250,000

営業利益

1,685 (営業利益率0.7%)

1,700 (営業利益率0.7%)

経常利益

2,266 (経常利益率0.9%)

2,150 (経常利益率0.9%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,260 (親会社株主に帰属する

当期純利益率0.5%)

1,200 (親会社株主に帰属する

当期純利益率0.5%)

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当該連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

当社グループは、サステナビリティの基本スタンスを「社員一人ひとりが当事者意識を持って環境・社会課題と向き合い、経営理念に則り、食品の流通を通した社会奉仕と、経営戦略の達成に向けて行動します。」と定め、サステナビリティ経営の実践を目指してまいります。具体的な推進内容は以下のとおりです。

 

①ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティ経営を全社グループにて戦略的に推進すべく、2022年4月に「SDGs推進委員会」を立ち上げました。SDGs推進委員会は、コーポレート部門担当取締役を委員長、事業部門及びコーポレート部門の責任者をメンバー、SDGs推進担当を事務局として構成しております。

SDGs推進委員会では、環境問題等に対して当社グループにおけるリスク及び機会からマテリアリティを特定し、中長期的な視点で基本方針と目標を検討しております。SDGs推進委員会において検討された内容については、経営会議及び取締役会へ上程され、「中期経営計画2025」におけるサステナブル経営の方針として決定しております。当社グループの経営方針等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

また、当該サステナブル経営の方針に基づく、各施策の取組状況については、半期毎に経営会議及び取締役会へ報告することとしております。

なお、当社グループのコーポレート・ガバナンスの状況等につきましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 

②リスク管理

当社グループは、全社重要リスクについて、課題に応じて経営会議、社長会、コンプライアンス委員会、SDGs推進委員会等で対応策の立案を行い、規程に定める基準等に則り、取締役会へ上程・報告することとしております。

当社グループの経営成績及びサステナビリティ全般に対して重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」に記載しております。

特にサステナブル経営の取組に関係するのは以下の項目であり、施策の進捗状況等について、定期的に経営会議及び取締役会へ報告することとしております。

 

a.食の安全性について

当社グループでは、食の安全性の確保のために安全・安心な商品及びサービスを提供することが最重要課題であると認識し、品質管理体制の強化等に取り組んでおります。具体例としましては、食品衛生管理規程を定め、品質管理部が定期的に食品及び施設の衛生検査を実施しております。また、食品品質安全連絡会やグループ品質管理担当者会議を開催し、品質管理に関する指示事項の徹底や、事例の共有、研修等を実施しております。

b.環境に関するリスク

当社グループは環境問題に関して、その関連法令を遵守するとともに、廃棄物削減や省エネルギー、二酸化炭素排出の削減に取組むなど、環境に配慮した事業活動を行っております。総務部が全社グループの削減計画を取り纏め、実績管理を行い、施策の進捗状況を含め半期毎に経営会議及び取締役会へ報告しております。

c.人材の確保・育成

当社グループが持続的な成長を実現していくためには、営業や企画系、管理系等の各方面において優秀な人材を確保し、育成していくことが重要な課題と認識しており、必要な施策を実施しております。

 

③戦略

当社グループは、パーパス(経営理念及び経営理念から導き出される4つのキーワード)に基づき、具体的な取組み課題の中からリスク及び機会を対象領域と経済価値のマトリクスからマテリアリティを特定し、事業活動の中で取組むべき普遍的な課題と、意識して取組むべき当社グループ独自の課題に分類し、両輪で推進してまいります。具体的には以下の「普遍的な取組テーマ」と「マルイチ独自の取組テーマ」を設定しております。

当社グループの経営理念及び経営理念から導き出される4つのキーワードにつきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

(サステナブル経営の取組の全体像)

 

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a.普遍的な取組テーマ

テーマ

取組内容

主な施策

事業活動を通した社会的課題の解決

①限りある食糧の持続的利用

事業活動の中でSDGsを意識して行う活動を設定

②食の安定供給に向けたサプライチェーンの最適化

サーキュラーフードへの取組、廃棄物削減

③製品・サービスの安全性

安心・安全な食品の供給に向けた活動

環境負荷低減への取り組み

④温室効果ガス削減

節電対策による電気使用量の削減

多様な人財づくり

⑤ダイバーシティ&インクルージョン経営

エンゲージメント経営の推進、働きやすい環境作り、女性管理職の増加

 

b.マルイチ独自の取組テーマ

テーマ

取組内容

主な施策

産地のパートナー

①豊かな海とおいしい魚を未来へ

「さかなの日」など需要拡大に向けた取組の推進

地域のパートナー

②信州を元気に!

信州ブランドのアンバサダー、地域イベントやスポーツへの協賛

③信州の食を支える

食品の寄付(フードバンク)、地域生産者の支援と技術開発支援

 

④指標及び目標

a.中期経営計画2025

当社グループでは、「中期経営計画2025」で掲げるサステナブル経営の取組テーマのうち、環境負荷低減への取組みに関して、温室効果ガス削減に向けた施策として使用電力量の削減を掲げております。なお、事業活動を通した社会的課題の解決、産地のパートナー、地域のパートナーにおける各施策の具体的な推進計画を検討中であり、作成後に目標を設定し、具現化へ向けて実行してまいります。

 

b.SDGsの取組

当社は2019年に「長野県SDGs推進企業登録制度」の認証を受けており、SDGs達成に向けた経営方針等として「弊社の経営理念にあります「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕し」は、SDGsの達成と目的を同じくするものであり、社員一人ひとりがそのことを自覚し、事業活動等を通じてそれぞれの役割を果たしていくことにより、SDGsの達成に貢献していきます。」を掲げ、SDGs達成に向けた重点的な取組課題として指標及び目標を公表しております。

 

当社グループにおいて、サステナブル経営の取組状況に関して設定している指標及び目標(「(2)人的資本」に記載するものを除く。)は、次のとおりです

 

取組内容

指標

目標

温室効果ガス削減

使用電力量

2025年度までに10%の削減

エネルギー使用量

87,373t(2030年)

(原単位あたり1%/年以上の削減)

廃棄物排出量の削減

紙の資源化率

90%(2030年)

 

(2)人的資本

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

①戦略

a.当社グループの目指す人材像

・人を最大の経営資源と捉え、人の成長を支援できる人

・状況変化を的確に捉え、柔軟な発想で課題解決に繋げられる人

・失敗を恐れずに一歩を踏み出し、自分自身と周囲をリードできる人

b.採用方針

・求める人材像は、常に変化を求め、自分自身の鮮度に挑戦できる人

c.ダイバーシティの取組

・多様な人材が活躍できる人事制度(コース変更・キャリアアップ制度)を設置

・「女性活躍推進行動計画」や「次世代育成推進行動計画」を策定し、取組内容をHPや広報誌等から発信

・障害者雇用促進の取組

d.人材育成

・職務や役割に応じた能力開発に向け、研修体系を整備

・受講対象者を指定する一律研修や、本人の申込みによって自主的に受講するスキルアップ研修の実施等、

従業員へ幅広く研修機会を提供

(主な研修内容)

研修テーマ

研修内容

新入社員研修

新入社員を対象とした基礎研修

2年目/3年目社員研修

当該社員と対象とした研修。コミュニケーションや会計・財務がテーマ

キャリアデザイン研修

32歳/55歳の社員を対象に、今後のキャリアデザインを改めて見つめ直す研修

マネジメント基礎研修

次期管理職候補を対象に、管理職昇格前にマネジメントの基礎研修を実施。実践経験を積んだ上で管理職昇格へ繋げる

管理職研修

マネジメントスタイルを変革(指示命令型のリーダーシップから支援型のリーダーシップへ)するため、管理職を対象とし研修を実施

部長研修

組織の長である部長に求められるマネジメントの基本的枠組み(知識・概念)、課長と部長の役割の違い等を体系的に学習

役員研修

組織風土改革のため、経営幹部である役員自ら学習し意識変革を起こしていく

ステップアップ通信教育

自己啓発と人材育成を目的とする通信教育制度

 

②指標及び目標

当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する中期経営計画で掲げた目標及び当連結会計年度の実績は、次のとおりであります。なお、当該指標は当社に関するものであり、他のグループ会社において同様の管理は実施しておりません。

 

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2.5%(2025年度)

1.52%

男性労働者の育児休暇取得率

80%(2025年度)

60.0%

労働者の男女の賃金の差異

60%(2025年度)

51.7%

平均残業時間

2025年度までに30%削減

(2022年度比)

32.2時間

平均有給休暇取得日数

2025年度までに12日

9.0日

従業員エンゲージメントスコア

2025年度までに10%向上

(2020年度比)

※ 正社員平均

3【事業等のリスク】

当社グループでは、事業活動に関わるあらゆるリスクを適時に把握し、対応する社内規程等を整備・運用するほか、予め取り決めた個々の責任部署において適切な管理を行っております。そのうえで、リスクの影響度や発生可能性を踏まえて重要と判断されるリスクについては、経営会議において状況確認と対策措置を検討し、取締役会へ報告しております。以下では、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 自然災害・感染症について

当社グループでは、広域にわたり営業・物流拠点を設置し事業展開しているため、大規模な自然災害が発生した地域においては、物流やサービスの提供等に支障が生じる可能性が想定されます。当社グループといたしましては、社員の人命安全確保と優先業務の継続、基幹コンピュータシステムのバックアップ体制の構築等、危機管理体制に万全を期しております。しかしながら、想定を超える自然災害により甚大な被害が発生し、復旧までに相当な時間を要するなど事業継続に多大な支障が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症移行後も依然として社会経済活動に影響を及ぼす中、当社グループでは食のライフラインを守ることを社会的使命に、地域のインフラとしての機能を高めながら事業活動を継続しております。当社グループが属する食品流通業界につきましては、食への需要自体は感染拡大期においても業種・業態間で業況は異なるものの全体としては安定しており、業績等への影響は現時点では大きくはないと考えております。しかしながら、当社グループ内で感染症が発生した場合で、特に生産現場や物流センターの構内物流業務に従事している従業員が感染し、生産及び入荷、出荷等の物流業務が長期的に停止する、または業務再開までに長期間を要する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に向けましては、当社グループでは対策本部を設置し、5類感染症移行後も継続して対応にあたっております。具体的には、感染拡大防止と事業継続の両立を図るためのガイドラインを制定して全従業員へ発信し、感染予防及び職場での二次感染防止のための対策を徹底しております。

 

(2) 食の安全性について

生活者の食の安全性に対する意識は一段と高まっており、例えば水産物におけるアニサキス問題や、畜産物におけるBSEやCSF(豚熱)等、風評も含めた食の安全を揺るがす問題が発生した場合には、生活者の買い控え等の行動により需要が減退することが想定されます。また、当社グループにおいて偶発的な事由によるものを含めた異物混入や誤表示などの商品事故が発生した場合には、商品回収・廃棄等の想定外の費用発生や信用力低下等が想定されます。これらの食の安全性に関する事案が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、食の安全性の確保のために安全・安心な商品及びサービスを提供することが最重要課題であると認識し、品質管理体制の強化等に取り組んでおります。具体例としましては、食品衛生管理規程を定め、品質管理部が定期的に食品及び施設の衛生検査を実施しております。また、食品品質安全連絡会やグループ品質管理担当者会議を開催し、品質管理に関する指示事項の徹底や、事例の共有、研修等を実施しております。

 

(3) 食品の安定供給について

世界的な天然水産資源の減少及び欧米・中国等の魚食拡大に起因する水産物の需給問題、穀物も含めた食品全般にわたる原材料の供給量の減少、国内の畜産生産者の高齢化や輸入畜産物の増加に伴う生産農家数の減少、また為替相場の影響等により食品の供給が不安定となる可能性など、安定的な商品の仕入・調達が困難となった場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、食品の安定供給に向け、水産物については全国の産地との強固な取引関係の構築や、養殖魚事業への参入、三菱商事グループとの連携によるチリ銀鮭やマグロ等の安定供給など、商品調達力を確保しております。畜産物については、長野県内の牛肉・豚肉生産者の支援体制や、国内各地の生産者からの調達ルートの構築、商社との連携による輸入商品の調達強化により、安定供給体制を確保しております。

 

(4) 債権の貸倒れについて

食品流通業界においては、生活者の低価格・節約志向を背景とする店頭での低価格競争や、大手小売業の出店攻勢と異業種の食品市場への参入により企業間競争が激化するなど、厳しい経営環境が続くものと予想されます。加えて新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、政府や自治体からの自粛要請等により、多くの企業が厳しい経営環境下にあります。当社グループにおきましては、与信管理の徹底を一層強化しておりますが、不測の事態が生じた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 相場及び市況動向について

見越取引(市場相場や需給状況により価格が変動する商品や、調達時期と販売時期が異なる商品において、将来の相場や需要の予測に基づいて販売前にあらかじめ一定数量の商品を確保するための成約を行う取引のこと)において、相場や需要の予測を見誤った場合や、急激な相場変動等の不可抗力が発生した場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、販売計画や販売先からの受注状況を踏まえた商品調達を行い、過大な在庫を抱えることなく、且つ販売チャンスロスを発生させないことを基本的な方針としています。また、政策・対策商品などの季節商品や一括仕入商品は臨時見越取引商品と位置付け、相場動向を注視しながら在庫ポジションをコントロールすることで在庫リスクを一元的に管理しており、特に取扱金額が大きい商品群については経営会議や取締役会にて進捗状況を検証しております。

 

(6) 食品流通業界の再編について

食品流通業界における厳しい競争環境を背景とした企業再編やグループ化、さらには小売業による取引卸の集約化や帳合変更の動きが依然継続しており、これにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしましては、生鮮食品を基軸とするフルライン食品卸売業というユニークな機能を活かし、三菱商事グループや全国卸と商品調達面や販売面で連携しながら事業拡大を図っております。また、長野県を地盤とした地方卸として、地域に根差した商品調達力や提案力の優位性を生かしたきめ細やかなサービスの提供等により、基盤商圏での持続的成長を図っております。

 

(7) 法的規制について

当社グループの事業活動は、卸売市場法や食品衛生法、JAS法など各種の法令・規制等の適用、行政の許認可等を受けております。当社グループでは従業員を対象に法令・規則に関する研修会やe-ラーニング等による学習機会を設けて知識の習得や啓蒙活動を推進し、法令遵守の徹底に努めております。しかしながら、万一、法令に違反する事由が生じた場合や許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合には、当社グループの社会的信用の低下や、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 経営成績の季節的変動について

当社グループの売上構成比の過半数を占める水産品は、お歳暮やお正月用食品購入の時期である12月の年末商戦に売上高及び利益が高くなる傾向があります。万一、12月の業績が悪化した場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、連結業績に占める第3四半期(10~12月)の売上高及び営業利益の割合は以下のとおりであります。

 

2021年3月期

(10~12月)

2022年3月期

(10~12月)

2023年3月期

(10~12月)

売上高

28.0%

28.1%

28.1%

営業利益

66.0%

59.0%

70.1%

 

(9) 減損に係るリスク

当社グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産等を保有しておりますが、これらの資産につき時価の下落や期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があり、発生した場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報システムに関するリスク

当社グループでは、コンピューターウイルス感染などによるシステム障害や情報漏洩に対し、ウイルス対策ソフトの導入等、適切な対策を講じております。しかしながら、予測不能なウイルスの進入や情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により、情報システムの一定期間の停止や内部情報の漏洩等の事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 環境に関するリスク

当社グループは環境問題に関して、その関連法令を遵守するとともに、廃棄物削減や省エネルギー、二酸化炭素排出の削減に取り組むなど、環境に配慮した事業活動を行っております。しかしながら、関連法令等の変更や社会的な要求の高度化等、それらへの対応に費用負担が増加した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 三菱商事グループとの関係

2023年3月末現在、当社は三菱商事㈱の持分法適用会社であり、同社は当社株式の20.85%を保有しておりますが、当社グループの方針・政策決定及び事業展開については、独自の意思決定によって進めております。当社グループと同社グループとの資本関係、取引関係については関連当事者情報に記載のとおりであり、人的関係については下記のとおりであります。

なお、同社から招聘している役員、受け入れている出向者の概要は以下のとおりであります。

 

a.役員の兼務状況

 

役職

氏名

三菱商事㈱における役職

社外取締役

鎌田 航

食品産業グループ CEO オフィス

 

b.出向者の受入状況

 

役職

氏名

三菱商事㈱における役職

執行役員

事業構造改革特命担当

兼 水産事業戦略本部長

川口 晃一郎

水産本部・水産部

 

(13) M&Aに係るリスク

当社グループは事業の成長に必要な技術、販売網、顧客基盤等を所有する他社の買収や他社との資本提携を通じた事業規模の拡大を目指しております。M&Aに際しては、被買収企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを吟味した上で決定しております。しかしながら、被買収企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、買収により、当社グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。

 

(14) 人材の確保・育成

当社グループが持続的な成長を実現していくためには、営業や企画系、管理系等の各方面において優秀な人材を確保し、育成していくことが重要な課題と認識しており、必要な施策を実施しております。しかしながら、人材の確保・育成ができなかった場合には、事業目的の達成が困難になる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けつつも活動制限の緩和が進み、社会経済活動の正常化に向けた動きが見られました。しかしながら、長期化するウクライナ情勢に伴うエネルギー価格・原材料価格の高騰や、急激な円安の進行による物価上昇もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。食品流通業界におきましては、急激な物価上昇に伴う消費者の生活防衛意識のさらなる高まりや、エネルギー価格の高騰による水道光熱費や物流コストの上昇など、厳しい経営環境が継続しております。

こうした環境の中、当社グループは経営理念に掲げる「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕する」に基づき、食のライフラインを守ることを社会的使命に地域のインフラとしての機能を高めながら事業の持続的成長を図っております。経営方針としましては、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画「創造2022」の達成に向け、重点施策の5本柱として「物流」「長野モデル」「事業拡大戦略」「人材育成」「事業構造改革」を掲げ、グループ収益力の最大化に向けて諸施策を実行してまいりました。また、サステナビリティ経営については、事業活動を通じたSDGsの取組みと、事業価値と継続価値の向上に向けた中長期的な取組みテーマの設定を進めました。なお、今年度の稼働を予定していた新基幹システムにつきましては、運用開始に向けた準備に時間を要しており、来年度中の稼働を目指しております。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における総資産は553億76百万円となり、前連結会計年度末と比較して16億95百万円の増加となりました。主な要因は、売掛金が5億39百万円、商品及び製品が15億21百万円、ソフトウエア仮勘定が6億36百万円増加したことによります。

(負債合計)

負債は308億27百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億23百万円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が5億97百万円増加したことによります。

(純資産合計)

純資産合計は245億48百万円となり、前連結会計年度末と比較して10億72百万円の増加となりました。

以上の結果、自己資本比率は43.2%となりました。

b.経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は最需要期の年末商戦における食品需要が堅調に推移したことに加え、商品の仕入価格上昇に伴う販売単価の上昇もあり2,467億23百万円(前期比3.5%増)となりました。2022年5月12日に開示しております連結業績予想における売上高目標2,420億円に対しては2.0%上回りました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う売上高への影響は、内食需要が比較的堅調に推移したことで小売店への販売は伸長し、一方で外食及び観光等の業務用顧客への販売は苦戦しましたが、活動制限の緩和に伴い回復傾向がみられます。これらが当社グループ全体に与えた影響は軽微であります。

中期経営計画「変革2022」に対しては、2023年3月期の売上高目標(2,500億円~2,700億円)に対し、コロナ禍の影響により成長戦略の実行に遅れが生じたなどの理由から目標を下回る結果となりました。

(利益面)

物流費や光熱費の上昇に対し、照明器具のLED化推進や経費の適正化に努めましたが、営業利益は16億85百万円(前期比5.2%減)、経常利益は22億66百万円(同2.3%減)となりました。連結業績予想に対しては、営業利益目標15億50百万円に対して8.7%上回り、経常利益目標20億円に対して13.3%上回りました。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、長野県内の固定資産について減損損失1億88百万円を計上し、12億60百万円(前期比83.1%増)となり、連結業績予想11億円に対しては14.5%上回りました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う利益面への影響は、売上高同様に軽微であります。

中期経営計画「変革2022」に対しては、経常利益率目標1.0%以上に対し0.9%となり、親会社株主に帰属する当期純利益率目標0.8%以上に対し、減損による影響もあり0.5%となり、目標を下回る結果となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

※ 各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高を除いて記載しております。

 

(水産事業)

水産事業を取り巻く環境は、長引く国産天然魚の不漁や、世界的な魚食需要の増加と急激な円安等により水産物全般の相場高が継続する中、安定的な商品供給の維持・拡大が求められております。

このような環境下、水産部門では当社グループ内の連携強化による養殖魚の安定供給と、産地とのネットワークを基盤とする国産天然魚の調達やフルアソート調達機能などの商品調達力を活かし、顧客からの天然・養殖・生鮮・冷凍での供給ニーズに応えながら売上拡大を図っております。デイリー部門では差別化を狙った自社開発商品の拡売や、顧客との協働による商品開発により販売拡大を進めております。フードサービス部門では、昨年10月に子会社㈱ナガレイが3年ぶりに展示会を開催するなど、外食・観光需要の回復に合わせて業務筋への販売を強化しております。

業績につきましては、売上高は首都圏・北関東エリアにおける販売が堅調に推移したことに加え、商品の仕入価格上昇に伴う販売単価の上昇もあり1,434億80百万円(前期比3.0%増)となりました。営業利益はコストの上昇による販管費の増加等により9億33百万円(同6.3%減)となりました。

財政状態につきましては、セグメント資産は257億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億18百万円の増加となりました。セグメント負債は132億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億69百万円の増加となりました。

(一般食品事業)

一般食品事業を取り巻く環境は、原材料価格の高騰に伴う商品の値上げが相次ぐ中、消費者の生活防衛意識の高まりによる店頭売上の鈍化から低価格競争が激化しており、さらなる収益力の向上が課題となっております。

このような環境下、顧客への販促提案や協働による商品開発への組織的対応と、自社開発商品の販路拡大を進めております。また、物流費等のコスト上昇に対し、構内物流業務の改善等で販管費の低減に取り組んでおります。

業績につきましては、売上高は観光需要の回復や帰省客の増加等のプラス効果に加え、商品の値上げに伴う販売価格の上昇もあり286億21百万円(前期比3.0%増)となりました。営業損益は子会社信田缶詰㈱について当社グループ内で連携しながら原料調達の強化と販路拡大を推進しておりますが、缶詰市況の低迷と水揚げ不足による相場高騰の影響により2億82百万円の営業損失(前期は3億15百万円の営業損失)となりました。

財政状態につきましては、セグメント資産は85億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億65百万円の増加となりました。セグメント負債は53億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円の増加となりました。

(畜産事業)

畜産事業を取り巻く環境は、国産畜肉は飼料価格や燃料価格の高騰に伴う生産コスト上昇による相場高が継続しており、輸入畜肉は円安の影響で仕入価格が高止まりしております。また、コロナ禍の影響により、外食等の業務筋向けの販売が引き続き低調傾向にあります。

このような環境下、当社グループの商品調達力と精肉アウトパックなどの流通加工機能を活かし、長野県顧客の販売深耕化と関東・東海・中京エリアへの販路拡大を進めております。

業績につきましては、売上高は畜産物の堅調な需要を背景に量販店への販売が伸長したことから415億6百万円(前期比6.5%増)となりました。営業利益は畜産物の相場上昇に伴う仕入価格高騰への対応不足や、物流費等のコスト上昇等により2億88百万円(同26.9%減)となりました。

財政状態につきましては、セグメント資産は77億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億33百万円の増加となりました。セグメント負債は47億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億87百万円の増加となりました。

(丸水長野県水グループ)

丸水長野県水グループセグメントでは、各事業分野において当社グループ内で連携を図ることで長野県内での販売拡大を進めております。水産事業では安定した市場運営と商品調達力による店頭への商品到達力の強化、畜産事業では主力顧客との取組み強化、冷食事業では県内顧客を基軸とした販売強化と冷凍物流事業の拡大を進めております。

業績につきましては、年末年始における長野県内への帰省客や旅行客の回復もあり、売上高は321億51百万円(前期比2.8%増)となりました。営業利益は売上高の増加に伴う売上総利益の増加等により6億28百万円(同18.6%増)となりました。

財政状態につきましては、セグメント資産は66億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億5百万円の増加となりました。セグメント負債は41億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ35百万円の減少となりました。

 

(その他(物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売及び保険代理店事業))

子会社マルイチ・ロジスティクス・サービス㈱は、当社グループの物流業務・冷蔵倉庫事業の品質向上とローコスト体制の構築を、グループ内の各事業と連携しながら推進しております。

業績につきましては、電気料金の高騰等によるコストの上昇が収益を圧迫し、売上高は9億64百万円(前期比4.1%減)、営業利益は1億16百万円(同31.5%減)となりました。

財政状態につきましては、セグメント資産は14億28百万円となり、前連結会計年度末比53百万円の減少となりました。セグメント負債は4億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円の減少となりました。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。また、売上高、営業利益及び経常利益については「b.経営成績」に記載しております。

ROEについては、親会社株主に帰属する当期純利益が長野県内の固定資産について減損損失を計上したことにより前期比で83.1%増となったため5.4%(前期は3.0%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は77億39百万円となり、前連結会計年度末と比較して11億86百万円の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は9億48百万円となりました(前連結会計年度に増加した資金は21億13百万円)。これは主に、税金等調整前当期純利益が20億77百万円、減価償却費が6億38百万円、減損損失が1億88百万円となり、売上債権・棚卸資産・仕入債務からなる運転資金が14億55百万円減少したことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は11億39百万円となりました(前連結会計年度に減少した資金は16億23百万円)。これは主に、有形固定資産の取得による支出が5億26百万円、無形固定資産の取得による支出が5億99百万円となったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は9億94百万円となりました(前連結会計年度に減少した資金は8億30百万円)。これは主に、長期借入金の返済による支出が3億48百万円、リース債務の返済による支出が1億70百万円、配当金の支払額が3億99百万円となったことによります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループは、食品卸売事業の補完機能として製造加工業務を行っており、生産実績は仕入実績に含めて記載しております。なお、受注生産は行っておりません。

(1) 仕入実績 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

水産事業(百万円)

130,666

103.3

一般食品事業(百万円)

26,160

103.2

畜産事業(百万円)

40,090

107.6

丸水長野県水グループ(百万円)

27,057

103.5

報告セグメント計(百万円)

223,976

104.1

その他(百万円)

3,907

99.0

合計(百万円)

227,884

104.0

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

水産事業(百万円)

143,480

103.0

一般食品事業(百万円)

28,621

103.0

畜産事業(百万円)

41,506

106.5

丸水長野県水グループ(百万円)

32,151

102.8

報告セグメント計(百万円)

245,759

103.6

その他(百万円)

964

95.9

合計(百万円)

246,723

103.5

 (注)1.販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。

 2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.各事業の主な内容

水産事業…水産物、水産加工品、日配品及び冷凍食品の販売事業
一般食品事業…一般のドライ食品、一般加工食品及び菓子の販売事業
畜産事業…畜産物及び畜産加工品の販売事業

丸水長野県水グループ…長野県内エリアを中心とする食品卸売事業

その他…物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売・保険の代理店事業

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、商品・原材料の購入費、及び販売運賃・人件費等の営業費用によるものであります。なお、設備の新設等の計画に関する内容につきましては、「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

(財務政策)

当社グループでは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金調達を行っております。

長期借入金等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、その作成過程においては経営者による会計上の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、当社グループの経営成績に重要な影響を与える項目は、以下のとおりです。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

当社の経営上重要な契約は、次のとおりであります。

相手先の名称

契約の名称

契約内容等

契約期間

三菱食品㈱

包括業務提携に関する契約

(1)水産品流通におけるサプライチェーン構築に関する取組み

(2)人材交流、営業拠点・物流拠点の相互活用

(3)その他、両社で合意した項目

毎期自動更新

 

 当社は、2023年5月26日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社丸水長野県水(以下、「丸水長野県水」という。)を当社に、丸水長野県水管下の子会社を当社の各連結子会社へ吸収合併することでグループ内の組織再編を行うことを決議しました。詳細は、第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。