第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)  経営成績の状況

 ①事業全体の状況

 

当中間連結会計期間(令和6年1月1日~令和6年6月30日)における日本経済は、大企業製造業の素材業種が繊維や石油・石炭などを中心に景況感が改善し、加工業種も大手自動車メーカーの生産停止の影響を受けつつも堅調な設備投資需要に支えられ小幅に改善したことで、総じて景況感は改善しました。一方、先行きについては、物価上昇による需要の減少やコストの増加、及び人手不足の深刻化等の懸念から慎重とならざるを得ない状況といえます。

このような環境下で当社及び連結子会社は、いつの時代もお客様や社会から必要とされる企業を目指し、「がんばれ!!日本のモノづくり」の企業メッセージのもと、「業界『最速』『最短』『最良』の納品を実現できる企業になりたい。」等、11項目の「ありたい姿」(能力目標)実現のための取組みを継続しました。このような取組みを通じてお客様にとって最高の利便性を提供することが、結果として環境負荷軽減など社会課題の解決につながると考えています。

サプライチェーン全体の最適化・合理化を図る主な取組みとして、「ニアワセ+ユーチョク」(荷物詰合わせ+ユーザー様直送)の利用促進を更に強化しました。当社は在庫を多数保有しているだけでなく、最先端の物流機器とデジタルを組み合わせて活用することで、複数の商品を1つの梱包に「ニアワセ」(荷物詰合わせ)し、「ユーチョク」(ユーザー様へ直送)することを可能としています。卸売である当社がこのサービスを行うことにより、納品リードタイムの短縮に加え、得意先様の配送業務や送料が削減できます。また、配送や梱包資材にかかる二酸化炭素排出量などの環境負荷を軽減することができ、環境保全につながる取組みとしてネット通販企業様を中心に高い評価を得ています。加えて、究極の即納を実現する置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」の拡大、在庫アイテム数や商品データ保有数の拡充、AI見積「即答名人」 [見積自動化システム]の利用推進、欠品・欠量を防ぐための在庫最適化、プライベート・ブランド商品のブラッシュアップ、修理工房「直治郎」の取組みを強化しました。

この結果、当中間連結会計期間における売上高は1,434億61百万円前年同期比9.2%増)となりました。一方、急速に進んだ物価の高騰が和らぎ、前期に比べ価格改定前に仕入れた在庫商品を改定価格で販売した影響が弱まったため、売上総利益率は21.1%(前年同期は21.5%)と減少し、営業利益は98億52百万円前年同期比7.6%増)、経常利益は99億53百万円前年同期比7.4%増)となりました。また、当社が保有する投資有価証券の一部について、帳簿価額に比べて実質価額が下落したことによる投資有価証券評価損を特別損失として1億83百万円計上し、親会社株主に帰属する中間純利益は67億45百万円前年同期比11.2%増)となりました。

 

②セグメントごとの経営成績

1)ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)

ファクトリールートにおいては、全国に28か所ある物流センター及び全国に29か所ある在庫保有支店が、市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度に合わせて在庫量を適切に管理することで得意先様の利便性向上に努めました。また、ユーザー様の工場に、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することで、工場内でいつでも商品の調達が可能となるサービスの拡大や、サプライチェーン全体の物流コストや手間を大幅に削減できる「荷物詰合わせ+ユーザー様直送サービス」、リユースの促進につながる修理サービスの修理工房「直治郎」のPRを強化するなど、環境負荷の軽減にもつながる営業活動を行いました。これらの活動により、環境保全の取組みを加速するとともに、得意先様の課題を迅速に解決することで、売上高の増加につながりました。また、商品分類別では、主に生産工場の稼働に係る環境安全用品やハンドツール、オフィス住設用品などの売上高が増加しました。 
 その結果、売上高は965億34百万円(前年同期比7.7%増)、経常利益は67億90百万円(前年同期比0.4%減)となりました。

2)eビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)

  eビジネスルートにおいては、3,591社の仕入先様との協業を基軸に、約457万アイテムに及ぶ商品データと得意

 先様のシステムとの連携を強化し、得意先様毎のご要望に合わせた物流加工を行いました。また、4か所の物流セ

 ンターに6ライン導入しているI-Pack®(アイパック)[高速自動梱包出荷ライン]を活用し、ユーザー様への直送

 のニーズにお応えしました。これらの取組みにより、eビジネスに必要な高品質のサービスを提供することで、お

 客様の利便性が向上し、売上高の増加につながりました。また、商品分類別では、主に生産工場の稼働に係る環境

 安全用品やオフィス住設用品、ハンドツールなどの売上高が増加しました。

その結果、売上高は328億33百万円(前年同期比13.6%増)、経常利益は28億63百万円(前年同期比36.9%増)となりました。

3)ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ等向け販売)

ホームセンタールートにおいては、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップなど、各得意先様に対し売場提案や商流集約に向けた営業活動を強化しました。また、ホームセンター各社がEC事業を強化していることから、当社の約60万アイテムに及ぶ在庫と物流設備を活用したサービスを積極的に提案しました。これらの取組みにより、得意先様のリアルとネットを融合したビジネスへの需要に応えることができ、売上高の増加につながりました。また、商品分類別では、作業用品や環境安全用品、ハンドツールなどの受注が増え、売上高増加に寄与しました。

その結果、売上高は126億31百万円(前年同期比7.9%増)、経常利益は1億56百万円(前年同期比27.6%減)となりました。

4)海外ルート(連結子会社業績、諸外国向け販売)

海外ルートにおいては、連結子会社であるTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAの業績と海外部の諸外国向け販売を含めています。連結子会社では、在庫アイテムの見直しによりリードタイムを短縮し、また現地得意先様及び仕入先様の開拓を進めることで販売活動を強化しました。さらに、海外部の諸外国向け販売では、アジア太平洋地域を中心にEC企業との口座を開設するなど、取引を拡大しました。 
 その結果、売上高は14億61百万円(前年同期比23.7%増)、経常利益は1億32百万円(前年同期比159.8%増)となりました。

 

 

(2)  財政状態の状況

(資産)

資産合計は、前連結会計年度末に比べ90億61百万円増加2,539億40百万円前連結会計年度末比3.7%増)となりました。その主な要因は、売掛金が3億75百万円増加、商品が38億59百万円増加、土地が11億78百万円増加、建設仮勘定が52億55百万円増加、現金及び預金が25億14百万円減少したことによるものです。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末に比べ33億51百万円増加875億13百万円前連結会計年度末比4.0%増)となりました。その主な要因は、長期借入金が135億円増加、買掛金が4億1百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が70億円減少、未払金が10億75百万円減少、未払法人税等が11億58百万円減少したことによるものです。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ57億10百万円増加1,664億26百万円前連結会計年度末比3.6%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益67億45百万円の計上により増加し、配当金15億49百万円の支払により減少したことによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末の65.6%から65.5%となりました。

 

(3)  キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ25億32百万円減少し、405億53百万円(前連結会計年度末は430億85百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、25億99百万円の収入(前年同期は62億96百万円の収入)となりました。その主な要因は、税金等調整前中間純利益97億70百万円、減価償却費29億44百万円に対し、売上債権の増加3億30百万円、棚卸資産の増加37億67百万円、仕入債務の減少4億8百万円、法人税等の支払額39億53百万円の支出によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、101億23百万円の支出(前年同期は51億48百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出87億84百万円(プラネット愛知新築工事費及びトラスコ セントラルビル改修にかかる工事費の支払など)、無形固定資産の取得による支出13億33百万円(ソフトウエア構築費の支払など)によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、49億50百万円の収入(前年同期は15億48百万円の支出)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入150億円に対し、長期借入金の返済による支出85億円、配当金の支払額15億48百万円によるものです。

 

3 【経営上の重要な契約等】

令和3年8月19日開催の取締役会において、当社大阪本社の移転のために大阪のオフィス中心街である本町に新たに土地・建物を取得するとともに、旧大阪本社の土地・建物を、第三者に譲渡することを決議しました。

新大阪本社への移転は、令和6年5月7日に完了しています。また、旧大阪本社の土地・建物の譲渡に関しては、令和3年8月24日に契約を締結、譲渡は令和6年度中を予定しており、譲渡益は、特別利益として譲渡時に計上を予定しています。