当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
①事業全体の状況
当中間連結会計期間(令和7年1月1日~令和7年6月30日)における日本経済は、米国による関税引き上げや海外景気の減速が逆風になったとみられるものの、燃料価格を中心とした投入コストの減少や自動車をはじめとする最終製品の需要の底堅さが下支えとなり、鉄鋼や紙・パルプ、石油・石炭製品等の景況感は改善しました。一方、先行きについては、米国による更なる関税の引き上げや貿易摩擦の激化、海外景気の減速といった下振れリスクがあるため、総じて慎重な見通しとなります。
このような環境下で当社及び連結子会社は、いつの時代もお客様や社会から必要とされる企業を目指し、「がんばれ!!日本のモノづくり」の企業メッセージのもと、業界「最速」「最短」「最良」の納品を実現できる企業になりたい。等、11項目の「ありたい姿」(能力目標)実現のための取組みを継続しました。このような取組みを通じてお客様、ユーザー様にとって最高の利便性を提供することが、結果として環境負荷軽減などの社会貢献につながると考えています。
サプライチェーン全体の最適化・合理化を図る主な取組みとして、「ニアワセ+ユーチョク」(荷物詰合わせ+ユーザー様直送)の利用促進を更に強化しました。当社は在庫を多数保有しているだけでなく、最先端の物流機器とデジタルを組み合わせて活用することで、複数の商品を1つの梱包に「ニアワセ」(荷物詰合わせ)し、卸売である当社よりユーザー様へ直送することが可能となります。このサービスにより、納品リードタイムの短縮に加え、得意先様の配送業務や送料を削減できます。また、配送や梱包資材にかかる二酸化炭素排出量などの環境負荷を軽減することができ、環境保全につながる取組みとしてネット通販企業様を中心に高い評価を得ています。2月には、ユーザー様から一気通貫の受発注ECサイト「トラスコ オレンジブック.Comクロス」をリリースし、販売店様を経由した購買プロセスの更なる円滑化を図りました。お渡しまで最短15分を実現した「ユークル」(ユーザー様商品引き取りサービス)など、従来の納品方法にとらわれない柔軟なサービスを提供することで、ユーザー様の多様なニーズにお応えします。さらに、4月には「人や社会のお役に立ててこそ 事業であり、企業である」という企業のこころざしのもと、災害時でも供給を止めないBCP対応力の更なる強化のために、「BCP対応推進課」を新設しました。独自に設定した116アイテムの災害時復興支援物資は、通常の在庫より多い6か月分以上を保有することとしています。また、自治体や大手企業様との災害復興協定の締結を拡大していくことにより、災害時でもお役に立てる企業づくりを目指します。
これらに加え、究極の即納を実現する置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」の拡大、在庫アイテム数や商品データ保有数の拡充、AI見積「即答名人」 [見積自動化システム]の利用推進、欠品・欠量を防ぐための在庫最適化、プライベート・ブランド商品のブラッシュアップ、修理工房「直治郎」の取組み強化などの施策を実施しました。
この結果、当中間連結会計期間における売上高は1,582億33百万円(前年同期比10.3%増)となり、売上総利益率は21.1%(前年同期は21.1%)と横ばいで推移しました。また、販売費及び一般管理費は物流センターに係る修繕の実施時期や内容見直し等により、215億9百万円(前年同期比5.7%増)と計画を下回る結果となったため、営業利益は118億25百万円(前年同期比20.0%増)、経常利益は117億16百万円(前年同期比17.7%増)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は79億84百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
②セグメントごとの経営成績
1)ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)
ファクトリールートにおいては、全国に28か所ある物流センター及び全国に29か所ある在庫保有支店が、市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度に合わせて在庫量を適切に管理することで得意先様の利便性向上に努めました。また、ユーザー様の工場に、置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することで、工場内でいつでも商品の調達が可能となるサービスの拡大や、サプライチェーン全体の物流コストや手間を大幅に削減できる「ユーザー様直送サービス」を強化するほか、プロツールの再利用だけでなく得意先様の業務効率向上に貢献できる修理工房「直治郎」推進など、ユーザー様の課題に合わせて解決策を提案する営業活動を行いました。これらの活動により、主に生産工場の稼働に係る環境安全用品、ハンドツール及び工事用品などの売上高が増加しました。
その結果、売上高は1,054億7百万円(前年同期比9.2%増)、経常利益は80億37百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
eビジネスルートにおいては、3,679社の仕入先様との協業を基軸に、約404万アイテムに及ぶ商品データベース及び仕入先様の在庫データと得意先様のシステムとの連携を加速させました。また、納期短縮・納期精度向上を主軸とし、6か所の物流センターに9ライン導入しているI-Pack®(アイパック)[高速自動梱包出荷ライン]を活用した「ユーザー様直送サービス」を強化しました。これらの取組みにより、eビジネスに必要な高品質かつ得意先様ごとに合わせたサービスを提供し、他社との差別化を図ることで利便性が向上し売上高の増加につながりました。また、商品分類別では、主に生産工場の稼働に係るハンドツール、環境安全用品及び工事用品などの売上高が増加しました。
その結果、売上高は375億57百万円(前年同期比14.4%増)、経常利益は35億41百万円(前年同期比23.7%増)となりました。
ホームセンタールートにおいては、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップなど、各得意先様に対し売場提案や商流集約に向けた営業活動を強化しました。また、ホームセンター各社がEC事業を強化していることから、当社の約61万アイテムに及ぶ在庫と物流設備を活用したサービスを積極的に提案しました。これらの取組みにより、得意先様のリアルとネットを融合したビジネスへの需要に応えることができ、作業用品、環境安全用品などの受注が増え、売上高増加に寄与しました。
その結果、売上高は137億17百万円(前年同期比8.6%増)、経常利益は1億65百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
海外ルートにおいては、連結子会社であるTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAの業績と海外部の諸外国向け販売を含めています。連結子会社では、現地の市場ニーズに即した在庫を積極投入するなど、在庫を保有するメリットを活かした営業活動を行いました。また、現地得意先様及び仕入先様の開拓を進めることで販売活動を強化しました。さらに、海外部の諸外国向け販売では、得意先様へ帳合変更や新商品、新規メーカーの提案を中心とした協業を行い、取引を拡大しました。
その結果、売上高は15億50百万円(前年同期比6.1%増)、経常利益は1億23百万円(前年同期比6.8%減)となりました。
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ279億16百万円増加の2,982億6百万円(前連結会計年度末比10.3%増)となりました。その主な要因は、現金及び預金が153億38百万円増加、売掛金が14億52百万円増加、商品が45億2百万円増加、建物が162億64百万円増加、建設仮勘定が113億57百万円減少したことによるものです。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ221億56百万円増加の1,184億51百万円(前連結会計年度末比23.0%増)となりました。その主な要因は、買掛金が19億26百万円増加、長期借入金が250億円増加、1年内返済予定の長期借入金が15億円減少、未払金が28億24百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ57億59百万円増加の1,797億55百万円(前連結会計年度末比3.3%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益79億84百万円の計上により増加し、配当金18億46百万円の支払により減少したことによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末の64.4%から60.3%となりました。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ153億56百万円増加し、564億91百万円(前連結会計年度末は411億35百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、50億80百万円の収入(前年同期は25億99百万円の収入)となりました。その主な要因は、税金等調整前中間純利益116億16百万円、減価償却費27億56百万円に対し、売上債権の増加7億35百万円、棚卸資産の増加46億10百万円、法人税等の支払額36億1百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、113億23百万円の支出(前年同期は101億23百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出98億70百万円(プラネット新潟新築工事費など)、無形固定資産の取得による支出14億32百万円(ソフトウエア構築費の支払など)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、216億51百万円の収入(前年同期は49億50百万円の収入)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入250億円に対し、長期借入金の返済による支出15億円、配当金の支払額18億47百万円によるものです。
該当事項はありません。