第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるグローバル経済は、労働市場の改善や個人消費の回復が堅調な米国や欧州が牽引し緩やかな回復基調を継続しているものの、過剰投資の抑制や生産調整が続き景気減速の中国や、その影響を受けかつ長期化する資源価格の下落などもあり新興国での減速感も強まりました。

わが国経済につきましては、企業収益の回復や、雇用・所得環境の改善もあったものの、円高・株安の金融市場や、海外経済の景気減速の影響などにより企業マインドに弱さが見られ、個人消費も力強さに欠けるなど、先行きに不透明感が見られました。

このような経済情勢の下、当社グループではマーケティング力を強化し、主力の自動車業界や電器・電子部品業界の市場動向に注力しながらグローバル生産体制の最適化を図ると共に販売強化に努めてまいりました。

国内事業の競争力強化と海外収益の拡大を経営の両輪として製品開発や海外展開を推進しております。

その結果、当社グループの連結業績は、売上高45,563百万円(前年同期比8.9%減)、営業利益は2,813百万円(前年同期比6.3%減)、経常利益は2,811百万円(前年同期比12.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,904百万円(前年同期比9.1%減)となりました

なお、前連結会計年度末の連結子会社1社の持分比率変更に伴う異動等もあり前年同期に比べ売上高、営業利益、経常利益が減少しております。また前年には特別利益に投資有価証券売却益等を計上した影響もあり前年同期に比べ、親会社株主に帰属する当期純利益が減少しております。

 

セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

 

① 機械部門

食品機械・材料や試験機械及び自動車用内装製造設備の販売が順調に推移しました。特に国内、海外市場ともに自動車用内装製造設備の売上は好調でした。また食品機械にも大型物件の売上がありました。

当部門の売上高は、3,070百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は149百万円(前年同期比77.4%増)となりました。

② 化成品部門

自動車業界向け製造販売は、国内では顧客の減産もあり低調に推移しました。中国市場や北米市場での販売は順調に推移し、インドでの製造販売も好調に推移しました。また円高の影響があり売上は減少していますが、中国子会社のリストラ効果もあり営業利益が増加しております。

当部門の売上高は15,162百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は1,624百万円(前年同期比7.0%増)となりました。

③ 化学品部門

一般工業用ケミカル及び特殊ケミカルの製造販売は国内では低調に推移しましたが、東南アジア向けの販売が好調に推移し、中国市場での製造販売も堅調に推移しました。
 また自動車関連洗浄装置の大型物件があったことや製造コスト低減策等を実施したことにより売上高及び営業利益が伸長しております。

当部門の売上高は5,873百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は328百万円(前年同期比81.9%増)となりました。

④ 産業用素材部門

家電用防音材の製造販売は、新製品を投入できた事もあり、円高の影響などありましたが国内、海外とも順調に推移しました。自動車用防音材の製造販売は、国内での自動車メーカーの継続的な減産により厳しい状況で推移しました。
 なお前連結会計年度末に中国子会社1社が持分比率の変更により連結子会社から持分法適用会社となっております。

当部門の売上高は14,785百万円(前年同期比25.7%減)、営業利益は371百万円(前年同期比65.1%減)となりました。

 

⑤ 化工品部門

アジア市場におけるファインケミカル製造販売は、成長鈍化の中国の影響があり低調に推移しましたが、前期低調であった国内でのカーケアケミカルは天候にも恵まれ、製造販売が好調に推移しました。

当部門の売上高は3,995百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は180百万円(前年同期比271.1%増)となりました。

⑥ その他

中国市場での商品販売が好調に推移し、中国やロシアからの輸入販売が堅調でしたが、ロシア市場での販売は低調に推移しました。

当部門の売上高は2,675百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は158百万円(前年同期比47.8%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、976百万円の増加の7,247百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,803百万円(前期は3,399百万円)、減価償却費1,100百万円(前期は1,220百万円)、売上債権の増加による381百万円の減少(前期は396百万円の減少)、仕入債務の減少による162百万円の減少(前期は6百万円の減少)等により2,840百万円の収入(前期は3,220百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、中国の子会社における製造設備の購入、自動車用金型等の有形固定資産の取得による支出等により、1,122百万円の支出(前期は2,516百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金減少等により、662百万円の支出(前期は753百万円の収入)となりました。

 

 

2 【成約及び販売の状況】

(1) 成約の状況

当連結会計年度における成約状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

成約高

成約残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

機械部門

3,066,791

101.7

546,251

99.3

化成品部門

15,190,290

100.4

353,925

108.4

化学品部門

6,007,904

103.7

540,053

133.2

産業用素材部門

14,900,535

75.4

1,657,355

107.4

化工品部門

4,130,220

110.9

190,872

339.9

その他

2,593,279

91.5

75,000

47.8

45,889,022

91.3

3,363,456

110.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

機械部門

3,070,659

109.6

化成品部門

15,162,783

99.8

化学品部門

5,873,396

105.6

産業用素材部門

14,785,740

74.3

化工品部門

3,995,508

108.2

その他

2,675,279

94.3

45,563,368

91.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

①グループ全体の持続的成長

将来を見据えた『事業の選択と集中』を計画的に進め、次代の収益基盤となる『新市場の創造』を推進し、グループ全体の持続的成長に繋げていきます。

②経営判断の更なる迅速化

経営環境の急激な変化に対応するため、月間2回実施の取締役会を継続し、情報の的確な把握による経営判断を迅速に行い、経営資源の最大限の有効活用を図ってまいります。

③社会貢献

事業活動を通じて社会に貢献する企業として、『顧客から信頼と期待を得る会社』、『積極的提案の出る企業文化を持つ会社』、『従業員が誇りを持てる会社』を目指します。

④価値ある製品と質の高いサービスの提供

提案型企業として、テクニカルセンターの研究開発機能を駆使して市場ニーズに即した製品開発に努め、『顧客が満足する価値ある製品と質の高いサービス』をタイムリーに提供します。

⑤タイムリーなグローバル戦略の展開

世界市場の動向を常に把握し、日本を含めた既存のグローバルネットワークを有機的に結合させ、適地生産体制の確立と新規市場の開拓を図ってまいります。

⑥製造部門の強化と品質向上

顧客に対する開発から供給までの一貫したフォロー体制を向上させるため、グループ内製造部門の更なる整備と積極的な設備投資を行い、国際基準に準じた更なる品質の向上を図ってまいります。

⑦収益向上

グループ各社との緊密な連携のもと、原価管理の徹底と生産の最適化を図り、限られた経営資源を有効かつ効率的に活かし、収益向上を目指します。

⑧人材育成の促進

競争力の源泉は『人』であり、戦略的思考と発想を持ち、自ら率先して行動し問題解決能力を有したグローバルに活躍できる人材を中長期研修制度により育成してまいります。

⑨コーポレートガバナンスの強化

コーポレートガバナンスを強化し、法令遵守やリスク管理等の内部統制をグループ全体に周知徹底し、健全で活力あふれる職場環境を整備します。

 

会社法や金融商品取引法にも対応すべく、内部統制システムを当社グループ全体に展開しておりますが、今後一層コンプライアンスの充実・強化を図り、経営効率及び企業価値の向上、業務の透明性と公正性を重視し、ステークホルダーの皆様方への期待にお応えできる企業を目指す所存であります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況

当社グループは、アジア、北米、欧州にて製品の製造又は販売を行っております。販売している国もしくは地域の経済状況が景気後退、大規模な震災・台風等の自然災害による操業の中断等、またはそれに伴う需要が縮小した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 為替レートの変動

当社グループの事業は、海外にグローバル展開しております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表のため円換算されており、換算時のレートにより、換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

このため通貨価値の変動により製造と調達コストが影響を受ける可能性があります。コストの増加は当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 商品競争力

当社グループの事業は海外市場への更なる展開を考えておりますが、海外市場においてはより多くの競合他社が存在し得ると考えられます。当社グループは競争力ある製品の開発・販売をめざしてタイ、中国等に生産拠点を展開していますが、競合他社がより低コストの製品の供給が可能になった場合には、熾烈な価格競争になり当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、製品の研究開発部門も増強を図ってまいりますが、今後投資に見合う新製品・新技術の開発が出来ない可能性があります。商品性能など商品競争力が不足することから、売上高が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 製品の欠陥

当社グループは、世界的な品質管理基準に従って製品製造しておりますが、すべての製品に欠陥がなく、将来にわたってクレームが発生しないという保証はありません。また製造物賠償責任については、保険に加入しておりますが、賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なクレームや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に悪影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 人材の確保や育成

「企業は人なり」の精神の下に、有能なエンジニアやキーパーソンの人材確保、育成には力をいれていきますが、これらの有能な人材の確保又は育成が出来なかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 法的規制等

当社グループは、事業展開する各国において、様々な政府規制の適用を受けております。将来において特許、為替管理、環境及びリサイクル関連の法規制の適用等を遵守できなかった場合には、営業活動が制限されることや、コストが増加することが考えられ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) カントリーリスクについて

当社グループの事業は、海外にグローバル展開しております。事業拠点を置いている国または当社グループの事業が関連するその他の国において戦争やテロなどの不安定な社会情勢を含むカントリーリスクにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 大規模災害による影響について

平成23年3月に発生いたしました東日本大震災のような想定を超える大規模災害が発生した場合は、営業活動が制限され、サプライチェーンの状況や電力供給不足による大手ユーザーの生産調整により間接的に影響を被り、さらには災害等の発生に伴う消費動向の低下などが生じた場合は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社が技術援助を受けている主な契約は、以下のとおりであります。

 

相手先

国名

内容

契約期間

コリーン社

米国

コリーン薬品技術提携

昭和38年3月から
平成30年8月まで

 

(注) 上記については、ロイヤリティーとして、売上高に対する一定率を支払っております。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、当社グループ独自の先駆的な商品および技術の開発を行うことを基本とし、主に技術本部(パーカーコーポレーションテクニカルセンター;東京都江東区枝川)において、各部門(化成品、化学品、産業用素材、化工品など)の商品に繋がる技術課題につき研究開発を進めております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は904百万円であります。

 

セグメントの研究開発活動を示すと以下のとおりであります。

 

化成品部門

工業用接着剤・シーリング材の開発、カーボンナノチューブ含有コーティング液の分散技術開発を行っています。

接着剤分野では、自社ブランド「パークボンドシリーズ」を、これまで中心としてきた自動車分野以外の用途にも製品拡充を図ってきましたが、放熱性などの機能を更に向上させていきます。

また、ナノ素材応用分野では、基本的なカーボンナノチューブ分散技術開発の他、お客様の各種ご要望に応じたコーティング液の改良を進めていきます。

その他、自動車向けの部品開発やグループ内の製造工場における技術支援も行なっております。

 当連結会計年度の研究開発費は278百万円となっております。

 

 

化学品部門

自動車・自動車部品・鉄鋼・家電・建設機械・重機・パチンコ製造などの様々な産業における、生産ラインに対応した豊富なケミカル製品の開発をしております。ケミカル製品としては、洗浄剤を主体として防錆剤、塗料剥離剤、塗料不粘着化剤などになります。これら、ケミカル製品に適した設備の設計及びシステム開発も自社で行い、生産ラインにおけるトラブルの解決、品質の改善、工程の最適化などのソリューション事業を顧客に提供しております。
 近年、ケミカル製品のグローバリゼーションは海外に進出するメーカー需要に対応するため、中国、タイ、メキシコに生産拠点を展開しており、今期より、新たに海外支援技術グループに技術員を配属し、技術サポートやカントリーリスクを考慮したローカライズ製品の開発を強化しております。
 また、国内における新規製品の開発は、営業マーケティングによるニーズに応じた新製品を開発することで、新たな顧客価値の創造を可能とした新製品開発の取り組みをしております。
 さらに、事業の収益性を改善するため、技術部門を主体とした製品VA及びVEの活動も継続的に展開しております。

当連結会計年度の研究開発費は219百万円となっております。

 

産業用素材部門

自動車、家電製品などの防音対策に用いられる軽量で音響性能の優れる防音材料の開発を行っております。各種繊維系材料及びウレタンフォームを中心とした高分子材料を素材とした先端技術の開発と防音製品への応用技術の開発を行うとともに、防音性能評価技術、性能予測シミュレーション技術を用いて、材料から完成車などの製品までの音響特性を解析し、顧客の要求に応える最適な防音材及び防音システムを考案し、製品化に繋げております。

当連結会計年度の研究開発費は277百万円となっております。

 

化工品部門

エレクトロニクス産業における電子端末(薄型テレビ、スマートフォン、タブレットPC等)、再生可能エネルギー(太陽光発電、二次電池等)、電子部品(SAWフィルター、水晶振動子、家電や車載向け各種センサー)の製造工程で用いられるファインケミカルの研究開発を行っております。

また、一般消費者が使用する乗用車用門型洗車機に用いられる洗車ケミカルや鉄道、航空機及びこれらの重要部品のメンテナンスに使用する洗浄剤等の研究開発も行っております。これらのケミカルは製品の品質及び生産性の向上・コストダウンに貢献しており、特に自然環境を守るため環境負荷低減と性能を両立できる技術開発に注力しております。

これらファインケミカルは中国をはじめとするアジア諸国への現地供給も推進しております。

当連結会計年度の研究開発費は128百万円となっております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ637百万円減少し、43,663百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加(978百万円)があり、株式の時価下落に伴う投資有価証券の減少(1,577百万円)があったことによるものです。

負債は前連結会計年度末と比べ1,123百万円減少し、20,159百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少(207百万円)、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の減少(330百万円)及び投資有価証券の減少に伴う繰延税金負債の減少(373百万円)によるものです。

純資産は前連結会計年度末と比べ486百万円増加し、23,503百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(1,714百万円)、その他有価証券評価差額金の減少(910百万円)によるものです。

 

(2) 経営成績の分析

当期の業績につきましては、主力の自動車業界向け製造販売は、国内は苦戦しましたが、中国市場や北米市場では順調に推移し、家電用防音材の製造販売も国内、海外とも順調に推移しました。また、自動車関連洗浄設備や自動車用内装製造設備の製造販売などの大型物件の売上があり、さらには、天候にも恵まれたカーケアケミカルなども好調に推移することができました。

しかしながら、売上高につきましては、前連結会計年度末の連結子会社1社の持分比率変更に伴う異動等や円高による為替の影響もあり、前期比4,425百万円減の45,563百万円となりました。

営業利益につきましては、不採算工場のリストラなどグローバル体制の最適化に努めました結果、前期比190百万円減の2,813百万円となりました。

経常利益は、持分比率の変更により増加した持分法による投資利益116百万円を計上しましたが、円高による為替差損201百万円を計上し、前期比406百万円減の2,811百万円となりました。

特別利益に保険差益35百万円を計上し、また特別損失に減損損失37百万円を計上しております。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比191百万円減の1,904百万円となり、一株当たり当期純利益は、73円53銭(前期80円89銭)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フロー分析につきましては、「1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。