第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループの経営基本方針は、「国内外の顧客の発展と合理化に寄与するために当社グループの総合的な企画力・開発力、技術力を結集し、先進的商品を製造・供給すること」であります。

 この総合力を更に発展させて自動車、電機、鉄鋼、化学、電子、食品など多岐に亘る業界及び市場からの顧客満足度を向上させるために、当社グループ内のカスタマイズ能力の向上と、より迅速な市場対応力の強化を図ってまいります。

 当社グループは、この目的達成のために製造部門としての国内外のグループ各社へ積極的に投資を行いグローバルなネットワーク化による製販一貫体制を整えてまいります。また、江東区に構えるテクニカルセンターを新たな技術・新たな製品の発信基地として、更なる充実化を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 経営効率を持続的に追求し、当社グループ全体で総資産経常利益率(ROA)10%以上と株主資本利益率(ROE)10%以上、及び営業利益率10%以上を目標といたします。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「堅実に収益力を持続する総合力」を今後もより強固に結集させ、常に先進的技術の研究開発を推し進め、グローバルな視点に立った市場への経営資源の効果的な投入を行い、業容の拡大を図ってまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

① グループ全体の持続的成長

 将来を見据えた『事業の選択と集中』を計画的に進め、次代の収益基盤となる『新市場の創造』を推進し、グループ全体の持続的成長に繋げていきます。

 

② 経営判断の更なる迅速化

 経営環境の急激な変化に対応するため、月間2回実施の取締役会を継続し、情報の的確な把握による経営判断を迅速に行い、経営資源の最大限の有効活用を図ってまいります。

 

③ 社会貢献

 事業活動を通じて社会に貢献する企業として、『顧客から信頼と期待を得る会社』、『積極的提案の出る企業文化を持つ会社』、『従業員が誇りを持てる会社』を目指します。

 

④ 価値ある製品と質の高いサービスの提供

 提案型企業として、テクニカルセンターの研究開発機能を駆使して市場ニーズに即した製品開発に努め、『顧客が満足する価値ある製品と質の高いサービス』をタイムリーに提供します。

 

⑤ タイムリーなグローバル戦略の展開

 世界市場の動向を常に把握し、日本を含めた既存のグローバルネットワークを有機的に結合させ、適地生産体制の確立と新規市場の開拓を図ってまいります。

 

⑥ 製造部門の強化と品質向上

 顧客に対する開発から供給までの一貫したフォロー体制を向上させるため、グループ内製造部門の更なる整備と積極的な設備投資を行い、国際基準に準じた更なる品質の向上を図ってまいります。

 

 

⑦ 収益向上

 グループ各社との緊密な連携のもと、原価管理の徹底と生産の最適化を図り、限られた経営資源を有効かつ効率的に活かし、収益向上を目指します。

 

⑧ 人材育成の促進

 競争力の源泉は『人』であり、戦略的思考と発想を持ち、自ら率先して行動し問題解決能力を有したグローバルに活躍できる人材を中長期研修制度により育成してまいります。

 

⑨ コーポレートガバナンスの強化

 コーポレートガバナンスを強化し、法令遵守やリスク管理等の内部統制をグループ全体に周知徹底し、健全で活力あふれる職場環境を整備します。

 

 会社法や金融商品取引法にも対応すべく、内部統制システムを当社グループ全体に展開しておりますが、今後一層コンプライアンスの充実・強化を図り、経営効率及び企業価値の向上、業務の透明性と公正性を重視し、ステークホルダーの皆様方への期待にお応えできる企業を目指す所存であります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況

 当社グループは、アジア、北米、欧州にて製品の製造又は販売を行っております。販売している国もしくは地域の経済状況が景気後退、大規模な震災・台風等の自然災害による操業の中断等、またはそれに伴う需要が縮小した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替レートの変動

 当社グループの事業は、海外にグローバル展開しております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表のため円換算されており、換算時のレートにより、換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 このため通貨価値の変動により製造と調達コストが影響を受ける可能性があります。コストの増加は当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)商品競争力

 当社グループの事業は海外市場への更なる展開を考えておりますが、海外市場においてはより多くの競合他社が存在し得ると考えられます。当社グループは競争力ある製品の開発・販売をめざしてタイ、中国等に生産拠点を展開していますが、競合他社がより低コストの製品の供給が可能になった場合には、熾烈な価格競争になり当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、製品の研究開発部門も増強を図ってまいりますが、今後投資に見合う新製品・新技術の開発が出来ない可能性があります。商品性能など商品競争力が不足することから、売上高が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)製品の欠陥

 当社グループは、世界的な品質管理基準に従って製品製造しておりますが、すべての製品に欠陥がなく、将来にわたってクレームが発生しないという保証はありません。また製造物賠償責任については、保険に加入しておりますが、賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なクレームや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に悪影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人材の確保や育成

 「企業は人なり」の精神の下に、有能なエンジニアやキーパーソンの人材確保、育成には力をいれていきますが、これらの有能な人材の確保又は育成が出来なかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制等

 当社グループは、事業展開する各国において、様々な政府規制の適用を受けております。将来において特許、為替管理、環境及びリサイクル関連の法規制の適用等を遵守できなかった場合には、営業活動が制限されることや、コストが増加することが考えられ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)カントリーリスクについて

 当社グループの事業は、海外にグローバル展開しております。事業拠点を置いている国または当社グループの事業が関連するその他の国において戦争やテロなどの不安定な社会情勢を含むカントリーリスクにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)大規模災害による影響について

 2011年3月に発生いたしました東日本大震災のような想定を超える大規模災害が発生した場合は、営業活動が制限され、サプライチェーンの状況や電力供給不足による大手ユーザーの生産調整により間接的に影響を被り、さらには災害等の発生に伴う消費動向の低下などが生じた場合は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国、欧州、中国と総じて景気回復基調を維持しておりますが、米国の通商政策による国際的な貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題、さらには中国経済の減速及び東アジアの地政学リスクの高まり等を背景に、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 わが国経済につきましては、西日本豪雨や地震等相次ぐ自然災害や天候不順もありましたが、企業収益の改善に伴う設備投資の増加や雇用・所得環境の改善による個人消費の伸張もあり、全体として緩やかな回復基調で推移しました。

 このような経済情勢の下、当社グループは主力の自動車業界や電器・電子部品業界のグローバルな市場動向に注視しながら、事業セグメントごとに顧客により密着した事業活動を展開してまいりました。その一環として、より一層マーケティング力の強化を図り、市場性のある製品開発を推進することにより、経営の両輪である国内事業の競争力強化と海外収益の拡大を図ってまいりました。

 その結果、当社グループの連結業績は、売上高は51,716百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は3,941百万円(前年同期比9.4%増)、経常利益は4,173百万円(前年同期比6.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,719百万円(前年同期比11.6%増)となりました。

 

 セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。

 

・機械部門

 主力の国内外向け自動車用内装製造設備及び粉体塗装設備の製造販売が好調に推移し、増収増益となりました。

 当部門の売上高は4,180百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は446百万円(前年同期比34.1%増)となりました。

 

・化成品部門

 自動車業界向け製造販売は、国内における主要自動車メーカーの減産や中国経済の減速等による影響で前年を下回り、原材料の仕入価格高騰等により減益となりました。

 当部門の売上高は17,168百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益は1,372百万円(前年同期比16.8%減)となりました。

 

・化学品部門

 国内市場向けの一般工業用ケミカル及び特殊ケミカルの製造販売並びに輸出関連の販売は総じて堅調に推移しましたが、原材料の仕入価格高騰や経費増により減益となりました。

 当部門の売上高は6,783百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は535百万円(前年同期比10.1%減)となりました。

 

・産業用素材部門

 自動車用防音材の製造販売は、国内では主要自動車メーカーの完成車検査問題等の影響により低調に推移しました。家電用防音材の製造販売は、海外では特に新興国において顧客の増産及び業務用エアコンの販売が好調に推移したことにより増収増益となりました。

 当部門の売上高は16,709百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は975百万円(前年同期比72.8%増)となりました。

 

・化工品部門

 国内カーケアケミカルは、ガソリン価格高騰と異常気象の影響はありましたが好調に推移し、ファインケミカル等の製造販売も、新規製品採用により、増収増益となりました。

 当部門の売上高は4,277百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は458百万円(前年同期比59.3%増)となりました。

 

・その他部門

 中国やロシアからの輸入販売は堅調に推移しましたが、経費の増加等により増収減益となりました。

 当部門の売上高は2,596百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は152百万円(前年同期比11.9%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、1,420百万円増加の11,137百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,129百万円(前期は3,740百万円)、減価償却費1,232百万円(前期は1,178百万円)、売上債権の減少による689百万円の増加(前期は601百万円の減少)、仕入債務の増加による416百万円の増加(前期は906百万円の増加)等により4,683百万円の収入(前期は4,066百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、産業用素材部門における新規製造設備の購入、中国の新規連結子会社における工場の建設費用等の有形固定資産の取得による支出等により、1,724百万円の支出(前期は1,644百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減額による支出474百万円(前期は360百万円の支出)、長期借入金の返済による支出626百万円(前期は783百万円の支出)、配当金の支払284百万円(前期は258百万円の支出)等により、1,755百万円の支出(前期は1,457百万円の支出)となりました。

 

③ 成約及び販売の実績

a.成約実績

 当連結会計年度における成約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

成約高

成約残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械部門

3,650

84.6

673

56.0

化成品部門

17,066

98.0

322

76.0

化学品部門

6,903

106.3

461

134.8

産業用素材部門

16,594

110.1

1,270

91.7

化工品部門

4,256

105.4

57

73.1

その他

2,467

93.3

135

51.4

50,939

101.9

2,921

79.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械部門

4,180

106.8

化成品部門

17,168

99.0

化学品部門

6,783

105.0

産業用素材部門

16,709

109.6

化工品部門

4,277

106.8

その他

2,596

104.0

51,716

104.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ452百万円減少し、51,449百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加(1,399百万円)、受取手形及び売掛金の減少(888百万円)、保有株式の時価の下落による投資有価証券の減少(1,195百万円)があったことによるものです。

 負債は前連結会計年度末と比べ1,301百万円減少し、20,251百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少(504百万円)、1年以内返済予定の長期借入金及び長期借入金の減少(438百万円)、保有株式の時価評価等による繰延税金負債の減少(271百万円)があったことによるものです。

 純資産は前連結会計年度末と比べ849百万円増加し、31,198百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金の減少(891百万円)、為替換算調整勘定の減少(453百万円)がありましたが、利益剰余金の増加(2,352百万円)があったことによるものです。

 

② 経営成績の分析

 当連結会計年度の連結営業成績につきましては、売上高は、主要自動車メーカーの完成車検査問題等の影響により生産台数が減少し減収となったものの、グローバル車種の立上に伴う機械設備の検収、新規自動車用防音材の採用、新興国において家電用防音材の販売が好調等により増収となりました。その結果、前連結会計年度に比べ2,254百万円増加し51,716百万円となりました。

 売上原価は、売上の増加に伴い前連結会計年度に比べ1,658百万円増加し38,623百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、給与手当や保管・運送費等の増加により前連結会計年度に比べ259百万円増加し9,150百万円とりました。

 営業利益は、原材料費の高騰と運送費等の経費増加の影響により化成品部門と化学品部門の2セグメントが減益となりましたが、機械部門と産業用素材部門と化工品部門の3セグメントの販売が好調に推移したことにより増益となりました。その結果、前連結会計年度に比べ337百万円増加し3,941百万円となりました。

 経常利益は、営業利益の増加と貸倒引当金の戻入がありましたが、為替差損等の影響により前連結会計年度に比べ254百万円増加し4,173百万円となりました。

 特別利益は、固定資産の売却益により前連結会計年度に比べ8百万円増加し11百万円となりました。

 特別損失は、前連結会計年度に計上した関係会社出資金評価損が当連結会計年度には発生しなかったこと等により前連結会計年度に比べ126百万円減少し55百万円となりました。

 これにより、税金等調整前当期純利益は4,129百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ281百万円増加し2,719百万円となり、1株当たり当期純利益は105円29銭(前期94円12銭)となりました。。

 

 

 

③ キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入を始めとし、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用のための運転資金であります。投資目的の資金需要としましては、製造及び試験研究を目的とした設備投資や、子会社株式の取得等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することと効果的に流動性を高める事ことを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,896百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,137百万円となっております。

 

④ 経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識等

 当社グループは、「国内事業の競争力強化」と「海外収益の拡大」を経営の両輪として継続的な成長と安定した収益体質の実現を経営の目標としております。具体的には、自社の強みを磨き、過去の延長線上ではない新たなる可能性に挑戦していくことにより収益源の多様化を図り、市場環境に左右されない収益基盤の構築を目指していくことです。特に国内事業の収益拡大に向けては「製品力とコスト競争力」の強化のためのマーケットニーズに即した差別化製品の研究開発を急務とし、顧客が満足する魅力ある製品と質の高いサービスの提供によって、「顧客満足度の最大化」を追及していくことです。そして、次の収益基盤となる「新市場の創造」に向けた事業戦略を立案し、実行推進していくことを目指しております。

 経営目標としては、総資産経常利益率(ROA)10%以上と株主資本利益率(ROE)10%以上、及び営業利益率10%以上を目指しております。当連結会計年度の連結営業成績につきましては、ROA8.1%、ROE9.6%、営業利益率は7.6%と及びませんでしたが、売上高は過去最高収益となり、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となりました。

 今後の見通しにつきましては、国内では東京オリンピック・パラリンピック関連需要や消費税率の引上げによって景気の振幅が大きくなることが見込まれ、人件費、運送費及び原材料の高騰等に伴い収益性が鈍化することが予想されます。また世界経済の景気減速が続く事も予想され、米中貿易摩擦の問題と英国のEU離脱問題、更には東アジアの地政学リスクも引き続き懸念される状況にあります。

 そのような状況の下、当社グループとしましては、主力の自動車業界や電子部品業界の市場動向に注力しながらグローバル生産体制の最適化を図ると共に、差別化製品の開発やさらなる海外市場開拓を推進し、より一層国内外における新市場・成長分野への販路の拡販に努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社が技術援助を受けている主な契約は、以下のとおりであります。

相手先

国名

内容

契約期間

コリーン社

米国

コリーン薬品技術提携

1963年3月から

2023年8月まで

(注) 上記については、ロイヤリティーとして、売上高に対する一定率を支払っております。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、当社グループ独自の先駆的な商品及び技術の開発を行うことを基本とし、主に技術本部(パーカーコーポレーションテクニカルセンター;東京都江東区枝川)において、各部門(化成品、化学品、産業用素材、化工品など)の商品に繋がる技術課題につき研究開発を進めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は1,027百万円であります。

 

 セグメントの研究開発活動を示すと以下のとおりであります。

 

化成品部門

 新規開発分野では、カーボンナノチューブ(以下CNT)含有分散液の技術開発と新ゴム接着剤を主体とした技術開発を主として行っています。

 CNTの特徴は使用量が少量でも性能効果アップが期待できます。CNTの素材から選定し、それにまつわる配合設定をおこない、独自の分散技術にてCNT分散液(塗料)を開発し市場展開しています。

 自動車部品関連分野では、様々なお客様ニーズに対応し、遮音、遮熱用途をはじめとする材料開発や部品設計により、自動車車両への採用拡大を目指します。

 その他、国内外のグループ内製造工場における技術支援も行なっております。

 当連結会計年度の研究開発費は312百万円となっております。

 

化学品部門

 自動車・自動車部品・鉄鋼・家電・建設機械・重機・パチンコ製造などの様々な生産ラインに適応した豊富なケミカル製品を自社で開発し、お客様にカスタマイズされた製品の提供をしております。このケミカル製品はアルカリ洗浄剤をはじめとして、酸洗剤、防錆剤、塗料剥離剤、塗料不粘着化剤、バレルコンパウンドなど多岐にわたる製品開発をしております。

 また、これらケミカル製品に適した設備の設計やシステム開発まで対応することで、生産ラインにおける様々なトラブルの解決、品質の改善提案、工程の最適化など、最適なソリューションを常にお客様に提供させて頂けるような技術活動をしております。

 当連結会計年度の研究開発費は222百万円となっております。

 

産業用素材部門

 自動車、家電製品などの騒振対策に用いられる軽量で音響性能の優れる防音材の開発を行っております。自動車用においては、今後増加が予測される電動車両への対応も視野に入れた各種繊維系材料及びウレタンフォーム等を中心とした素材開発と防音製品への応用技術の開発を行うとともに、防音性能評価技術、性能予測シミュレーション技術を用いて、材料選定から製品までの音響特性を解析し、顧客の要求に応える最適な防音材及び防音システムを考案し、製品化に繋げております。

 当連結会計年度の研究開発費は381百万円となっております。

 

化工品部門

 エレクトロニクス産業においては、IoT(Internet of Things)や5G通信・自動運転・AI(人工知能)といった次世代技術の実用化に貢献するフラットパネルディスプレイ・電子部品・半導体の役割が重要となっております。このような社会情勢の急激な変化に対応する先進デバイス製造、研究開発現場で必要となる高品質なファインケミカルの研究開発を行っております。

 また、一般消費者が使用する乗用車用門型洗車機に用いられる洗車ケミカルや鉄道、航空機及び重要部品のメンテナンスに使用する洗浄剤等の研究開発も行っております。

 これらのケミカルはお客様の製品品質、生産性の向上及びコストダウンに貢献し、特に自然環境を守るため環境負荷低減と性能を両立できる技術開発に注力しており、中国をはじめとするアジア諸国への現地供給も推進しております。

 当連結会計年度の研究開発費は111百万円となっております。