当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの経営基本方針は、「国内外の顧客の発展と合理化に寄与するために当社グループの総合的な企画力・開発力、技術力を結集し、先進的商品を製造・供給すること」であります。
この総合力を更に発展させて自動車、電機、鉄鋼、化学、電子、食品など多岐に亘る業界及び市場からの顧客満足度を向上させるために、当社グループ内のカスタマイズ能力の向上と、より迅速な市場対応力の強化を図ってまいります。
当社グループは、この目的達成のために製造部門としての国内外のグループ各社へ積極的に投資を行いグローバルなネットワーク化による製販一貫体制を整えてまいります。また、江東区に構えるテクニカルセンターを新たな技術・新たな製品の発信基地として、更なる充実化を図ってまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「堅実に収益力を持続する総合力」を今後もより強固に結集させ、常に先進的技術の研究開発を推し進め、グローバルな視点に立った市場への経営資源の効果的な投入を行い、業容の拡大を図ってまいります。
(3)経営環境
当社グループの事業を取り巻く市場環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で経済活動の正常化が進み、国内需要を中心に景気は緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方でウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締めを背景とした世界経済の減速感、急激な為替変動や原材料の価格高騰、半導体を巡る米中貿易摩擦による影響等を受け、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① グループ全体の持続的成長
将来を見据えた『事業の選択と集中』を計画的に進め、次代の収益基盤となる『新市場の創造』を推進し、グループ全体の持続的成長に繋げていきます。
② 経営判断の更なる迅速化
経営環境の急激な変化に対応するため、月間2回実施の取締役会を継続し、情報の的確な把握による経営判断を迅速に行い、経営資源の最大限の有効活用を図ってまいります。
③ 社会貢献
事業活動を通じて社会に貢献する企業として、『顧客から信頼と期待を得る会社』、『積極的提案の出る企業文化を持つ会社』、『従業員が誇りを持てる会社』を目指します。
④ 価値ある製品と質の高いサービスの提供
提案型企業として、テクニカルセンターの研究開発機能を駆使して市場ニーズに即した製品開発に努め、『顧客が満足する価値ある製品と質の高いサービス』をタイムリーに提供します。
⑤ タイムリーなグローバル戦略の展開
世界市場の動向を常に把握し、日本を含めた既存のグローバルネットワークを有機的に結合させ、適地生産体制の確立と新規市場の開拓を図ってまいります。
⑥ 製造部門の強化と品質向上
顧客に対する開発から供給までの一貫したフォロー体制を向上させるため、グループ内製造部門の更なる整備と積極的な設備投資を行い、国際基準に準じた更なる品質の向上を図ってまいります。
⑦ 収益向上
グループ各社との緊密な連携のもと、原価管理の徹底と生産の最適化を図り、限られた経営資源を有効かつ効率的に活かし、収益向上を目指します。
⑧ 人材育成の促進
競争力の源泉は『人』であり、戦略的思考と発想を持ち、自ら率先して行動し問題解決能力を有したグローバルに活躍できる人材を中長期研修制度により育成してまいります。
⑨ コーポレートガバナンスの強化
コーポレートガバナンスを強化し、法令遵守やリスク管理等の内部統制をグループ全体に周知徹底し、健全で活力あふれる職場環境を整備します。
会社法や金融商品取引法にも対応すべく、内部統制システムを当社グループ全体に展開しておりますが、今後一層コンプライアンスの充実・強化を図り、経営効率及び企業価値の向上、業務の透明性と公正性を重視し、ステークホルダーの皆様方への期待にお応えできる企業を目指す所存であります。
(5)目標とする経営指標
経営効率を持続的に追求し、当社グループ全体で株主資本利益率(ROE)7%以上、営業利益率8%以上を目標といたします。
当社グループのサステナビリティ基本方針は、「パーカーコーポレーショングループは企業価値の向上に繋がる製品・サービスを提供し続けることを通じ、持続可能な社会の実現に寄与するよう努めます。」というものです。
上記の基本方針に則り、環境に配慮した製品の開発や二酸化炭素排出量の削減に努めています。
(1)ガバナンス
気候変動が当社の事業活動に及ぼすリスクであると認識しております。
当社グループ製品のユーザーは脱炭素に向けた取り組みを進めており、当社グループも製品を供給する側の責任として脱炭素に取り組む必要があります。
事業本部毎に取扱い製品が異なりますが、いずれも製造過程で生じるCo2を削減するための取り組みに努めております。
当社グループは、事業展開を通じて持続可能な社会の実現を目指し、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)に取り組んでいきます。具体的な内容につきましては以下のとおり当社ウェブサイトにて開示しております。
・Environment(環境)https://www.parkercorp.co.jp/sustainability/environment/
・Social(社会)https://www.parkercorp.co.jp/sustainability/social/
・Governance(ガバナンス)https://www.parkercorp.co.jp/sustainability/governance/
(2)戦略
・気候変動
製品の製造工程の効率化による電力使用量の削減、照明のLED化、エアコンの更新等を通じて二酸化炭素の排出量削減に努めております。
・人材育成方針
競争力の源泉は「人」であり、戦略的思考と発想を持ち、自ら行動し問題解決する能力を有したグローバルに活躍できる人材を中長期研修制度により育成しています。入社後5年目までは中堅社員になるまでの意識や能力の開発を目的とした研修を毎年実施し、6年以降の社員に対しては各職責・職種に合わせた研修を実施し、リーダーシップ育成に取り組んでおります。また、管理職には部下育成を目的としたマネジメントやコーチング研修を実施し、社員一人一人が能力を発揮しやすい環境を整え、人材育成を推進しています。
(3)リスク管理
当社は、当社グループが直面することが予測されるリスクを事前に回避すること、および万一リスクが顕在化した場合に生じる被害を最小化するために実効性のある体制づくりを進める目的でリスク管理員会を設置しております。
気候変動に起因するリスクも、当社の事業活動に影響を与えると認識しております。
リスク管理委員会において対処すべきリスクを選別し、またその対応方針を検討・展開しております。
(4)指標及び目標
持続可能な社会の実現に寄与するよう環境に配慮した製品の開発や展開により二酸化炭素排出量の削減を目指しております。また、お客様の製品品質・生産性の向上に貢献するとともに、持続可能な社会の実現を目指すべくECO型洗浄剤や水溶性洗浄剤の大気汚染防止・水質汚濁防防止といった自然環境に配慮した製品の開発に注力し、グローバルでの持続可能社会の実現を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは以下のリスクに対応する為、リスク管理委員会を設置するとともに、リスク管理規程に従い、未然防止の観点からリスクの認識と対応策の整備・運用を行うとともに、リスク管理委員会はリスク管理の状況を取締役会によって構成される内部統制委員会へ報告する体制を整えております。
なお文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況について
当社グループは、アジア、北米、欧州にて製品の製造又は販売を行っております。販売している国もしくは地域の経済状況が景気後退、大規模な震災・台風等の自然災害による操業の中断等、またはそれに伴う需要が縮小した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
自動車、電機、化学、鉄鋼、電子、食品等多岐に亘る業界のお客様に貢献して参りました各セグメント毎の強みを活かし、特定の業界・地域だけに依存しないことによりリスクの低減に努めております。
(2)為替レートの変動について
当社グループの事業は、海外にグローバル展開しております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表のため円換算されており、換算時のレートにより、換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
このため通貨価値の変動により製造と調達コストが影響を受ける可能性があります。コストの増加は当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
デリバティブ取引規程に基づき為替予約や、親会社を含めた為替変動リスクの低い国での資金調達によりリスクの管理・低減に努めております。
(3)商品競争力について
当社グループの事業は海外市場への更なる展開を考えておりますが、海外市場においてはより多くの競合他社が存在し得ると考えられます。当社グループは競争力ある製品の開発・販売をめざしてタイ、中国等に生産拠点を展開していますが、競合他社がより低コストの製品の供給が可能になった場合には、熾烈な価格競争になり当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、製品の研究開発部門も増強を図ってまいりますが、今後投資に見合う新製品・新技術の開発が出来ない可能性があります。商品性能など商品競争力が不足することから、売上高が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の欠陥について
当社グループは、世界的な品質管理基準に従って製品製造しておりますが、すべての製品に欠陥がなく、将来にわたってクレームが発生しないという保証はありません。また製造物賠償責任については、保険に加入しておりますが、賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なクレームや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に悪影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保や育成について
「企業は人なり」の精神の下に、有能なエンジニアやキーパーソンの人材確保、育成には力をいれていきますが、これらの有能な人材の確保又は育成が出来なかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制等について
当社グループは、事業展開する各国において、様々な政府規制の適用を受けております。将来において特許、為替管理、環境及びリサイクル関連の法規制の適用等を遵守できなかった場合には、営業活動が制限されることや、コストが増加することが考えられ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)カントリーリスクについて
当社グループの事業は、海外にグローバル展開しております。事業拠点を置いている国または当社グループの事業が関連するその他の国において戦争やテロなどの不安定な社会情勢を含むカントリーリスクにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)固定資産の減損損失
当社グループが保有する土地・建物等について、時価が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)大規模災害・感染症等による影響について
2011年3月に発生いたしました東日本大震災のような想定を超える大規模災害が発生した場合や、2020年に発生した新型コロナウイルスのような感染症等が発生した場合は、営業活動が制限され、サプライチェーンの状況や電力供給不足・ロックダウン等による大手ユーザーの生産調整等により直接的・間接的に影響を被り、さらには災害等の発生に伴う消費動向の低下などが生じた場合は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で経済活動の正常化が進み、国内需要を中心に景気は緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締めを背景とした世界経済の減速懸念、急激な為替変動や原材料価格の上昇、半導体を巡る米中貿易摩擦による影響等、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと当社グループは、社会情勢の変化や需要を的確に捉え、将来を見据えた幅広い視野を持ち、高い付加価値が込められた製品を提案すること、そのような付加価値を創出する「コト作り」に注力した製品開発に繋げ、更に高いレベルでの技術サービスの提供とグローバル化を推進し、持続的な成長と顧客の信頼を獲得するよう努めてまいりました。
当社グループの主力の取引先である自動車業界は日本国内では半導体の供給制限の状況は緩和しつつありますが、原材料価格高騰等の影響を受けております。海外子会社では為替の円安の影響により売上は増加しておりますが、上海ロックダウンの影響による工場の生産停止が長期間にわたり発生しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は56,786百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益は3,655百万円(同36.2%増)、経常利益は3,809百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,478百万円(同62.9%増)となりました。
セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。
・機械部門
食品業界向け輸入機械販売は順調に推移しましたが、自動車業界向け設備の製造販売におきましては、新車開発の遅延や設備導入計画の廃案により受注が減少、また部品材料価格が高騰したことにより減収減益となりました。
当部門の売上高は、2,794百万円(同3.4%減)、営業利益は97百万円(同61.5%減)となりました。
・化成品部門
自動車業界向けの製造販売は、国内におきましては半導体の供給制限の緩和傾向により自動車生産台数は回復しつつあります。海外におきましては円安の影響により売上高は増加し、営業利益については原材料高騰の影響はありましたが、一部製品の収益改善もあり増収となりました。
当部門の売上高は20,571百万円(同16.0%増)、営業利益は1,015百万円(同199.0%増)となりました。
・化学品部門
海外向け設備の検収完了があり、前年より増収となりましたが、国内市場向けの工業用ケミカルの製造販売は自動車メーカーの関連ラインにおける稼働の制限と原材料高騰による影響で減益となりました。
当部門の売上高は6,394百万円(同0.8%増)、営業利益は177百万円(同54.6%減)となりました。
・産業用素材部門
自動車用防音材の製造販売は、国内におきまして一部の自動車メーカーでは半導体の供給制限の緩和傾向により自動車生産台数は回復しつつありますが、海外におきましては部品供給不足により低調に推移しました。家電用防音材の製造販売はアジア圏では上海ロックダウンによる部品供給制限の影響等がありましたが、欧州においては天然ガス価格高騰に伴う省エネヒートポンプ暖房機普及拡大により好調に推移しました。
当部門の売上高は16,497百万円(同18.1%増)、営業利益は1,369百万円(同76.8%増)となりました。
・化工品部門
国内カーケアケミカルは、社会経済活動がコロナ禍前に回復しつつあり増収となりましたが、原材料価格や物流費の高騰等により利益は前期並みとなりました。国内外のファインケミカル製造販売は、パソコンやスマートフォン等電子デバイスの需要減退による部材の在庫調整等により減収減益となりました。
当部門の売上高は6,263百万円(同6.1%増)、営業利益は627百万円(同17.8%減)となりました。
・その他部門
その他部門は主に化学原料の輸出入の増加により増収増益となりました。
当部門の売上高は4,265百万円(同36.0%増)、営業利益は367百万円(同127.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、1,772百万円増加の15,153百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,765百万円(前期は3,049百万円)、減価償却費1,567百万円(前期は1,494百万円)、売上債権の増加による1,469百万円の減少(前期は105百万円の増加)、棚卸資産の増加による931百万円の減少(前期は998百万円の減少)、仕入債務の増加による1,064百万円の増加(前期は343百万円の減少)等により、4,165百万円の収入(前期は2,102百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,058百万円(前期は1,098百万円の支出)、有形固定資産の売却による収入33百万円(前期は103百万円の収入)、定期預金の増加による1,406百万円の支出(前期は365百万円の支出)等により、2,506百万円の支出(前期は1,462百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、セール・アンド・リースバックによる収入237百万円(前期は146百万円の収入)、長期借入れによる収入1,500百万円(前期は299百万円)、長期借入金の返済による支出1,087百万円(前期は644百万円の支出)、配当金の支払401百万円(前期は432百万円の支出)等により、482百万円の支出(前期は1,693百万円の支出)となりました。
③ 成約及び販売の実績
a.成約実績
当連結会計年度における成約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
成約高 |
成約残高 |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
機械部門 |
3,063 |
115.1 |
1,037 |
135.0 |
|
化成品部門 |
20,584 |
116.5 |
179 |
108.1 |
|
化学品部門 |
6,578 |
111.1 |
504 |
157.3 |
|
産業用素材部門 |
15,582 |
110.9 |
307 |
25.1 |
|
化工品部門 |
6,296 |
106.8 |
111 |
143.4 |
|
その他 |
4,665 |
272.4 |
559 |
352.1 |
|
計 |
56,772 |
118.5 |
2,700 |
99.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
機械部門 |
2,794 |
96.6 |
|
化成品部門 |
20,571 |
116.0 |
|
化学品部門 |
6,394 |
100.8 |
|
産業用素材部門 |
16,497 |
118.1 |
|
化工品部門 |
6,263 |
106.0 |
|
その他 |
4,265 |
136.0 |
|
計 |
56,786 |
113.6 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、総資産は、前連結会計年度末と比べ5,857百万円増加し、60,160百万円となりました。主な要因は、円安及び原材料高騰の影響もあり、現金及び預金の増加(3,247百万円)、売掛金の増加(1,361百万円)、商品及び製品の増加(451百万円)、原材料及び貯蔵品の増加(581百万円)、投資有価証券の増加(327百万円)によるものです。
負債は前連結会計年度末と比べ2,350百万円増加し、21,116百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加(1,203百万円)、短期借入金の増加(213百万円)、未払法人税等の増加(297百万円)、その他流動負債の増加(394百万円)、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の増加(238百万円)によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ3,507百万円増加し、39,044百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(2,077百万円)、為替換算調整勘定の増加(1,200百万円)によるものです。
連結業績につきましては、売上高は、当社グループ主力販売地域である中国おいて上海ロックダウンの影響により減少した時期がありました。主力の取引先である電気・電子部品業界におきましてパソコンやスマートフォン等の電子デバイスの需要減退による部材の在庫調整等により減収になりましたが、自動車業界は半導体の供給制限不足の状況は徐々に緩和され、自動車生産台数は回復しつつあり増収となりました。また家電用防音材は欧州において天然ガス価格高騰に伴う省エネヒートポンプ暖房機普及拡大により好調に推移しました。更には海外子会社の売上高は円安の為替換算の影響を受け1,303百万円増加しました。その結果、前連結会計年度に比べ、6,807百万円増加し56,786百万円となりました。
売上原価は、売上の増加と原材料の価格高騰の影響が継続しており、前連結会計年度に比べ、5,271百万円増加し43,381百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度に比べ、1,535百万円増加し売上総利益率は23.6%の13,405百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、主に売上増加に伴う保管・運送費131百万円の増加、給与手当・賞与金116百万円の増加、営業活動の増加に伴う旅費交通費、海外旅費51百万円の増加等により、前連結会計年度に比べ564百万円増加し9,750百万円となりました。
営業利益は、売上総利益が1,535百万円増加し、販売費及び一般管理費が564百万円増加したことにより、前連結会計年度に比べ970百万円増加し、営業利益率は6.4%の3,655百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加970百万円から受取配当金の増加が50百万円ありましたが、為替差損49百万(前連結会計年度は為替差益85百万円)、持分法による投資利益の減少等により営業外収益は減少し、前連結会計年度に比べ742百万円増加の3,809百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の取崩しによる法人税等調整額が238百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ956百万円増加し2,478百万円となり、1株当たり当期純利益は99円02銭(前連結会計年度は59円881銭)となりました。
当社グループは、「私たちは、お客様の価値向上に寄与し、未来創造のパートナーとなりたい」との経営理念のもと従業員一丸となり、今まで培ってきた顧客からの信頼を大切にし、顧客に対し「あ、それ良いね!」を提供する会社を目指して参ります。具体的には、「国内事業の競争力強化」と「海外収益の拡大」を経営の両輪として継続的な成長と安定した収益体質の実現を経営の目標としております。自社の強みを磨き、過去の延長線上ではない新たなる可能性に挑戦していくことにより収益源の多様化を図り、市場環境に左右されない収益基盤の構築を目指していくことです。特に国内事業の収益拡大に向けては「製品力とコスト競争力」の強化のためのマーケットニーズに即した差別化製品の研究開発を強化し、顧客が満足する魅力ある製品と質の高いサービスの提供によって、「顧客満足度の最大化」を追及し、次の収益基盤となる「新市場の創造」に向けた事業戦略を立案し、実行推進していくことを目指しております。
経営目標としては株主資本利益率(ROE)7%以上、営業利益率8%以上を目指しております。当連会計年度の連結営業成績につきましては、売上高は前連結会計年度に比べ、6,807百万円増加し56,786百万円となりました。半導体供給制限不足の状況が徐々に緩和され自動車生産台数が回復しつつあり増収となりましたが、原材料価格の高騰は継続しており、営業活動が増加したことなどにより、販売費も増加しました。その結果、営業利益は3,655百万円、営業利益率は前連結会計年度に比べ1%改善し、6.4%となりました。ROEは当連会計年度におきまして経常利益の増加と自己株式の買取を継続的に実施したこと等により7.1%となりました。
今後の見通しにつきましては、グローバル経済全体は緩やかな回復傾向を見込んでおりますが、いまだに終結の兆しが見えないウクライナ情勢や地政学リスク、自然災害リスクの高まりにより先行きは極めて不透明な状況です。
このような状況の下、当社グループとしましては、2023年4月3日に買収した新規子会社を所有したことにより、主力の自動車業界においてグローバル供給体制の最適化を図ると共に、差別化製品の開発やさらなる海外市場開拓を推進し、より一層国内外における新市場・成長分野への販路の拡販に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入を始めとし、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用のための運転資金であります。投資目的の資金需要としましては、製造及び試験研究を目的とした設備投資や、子会社株式の取得等であります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することと効果的に流動性を高める事ことを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,532百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は15,153百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界経済の先行きは不透明な状況が続いておりますが、将来収益に与える影響を客観的に予測することが困難であることから、発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社が技術援助を受けている主な契約は、以下のとおりであります。
|
相手先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
コリーン社 |
米国 |
コリーン薬品技術提携 |
1963年3月から 2023年8月まで |
(注) 上記については、ロイヤリティーとして、売上高に対する一定率を支払っております。
取得による企業結合
当社は、2022年9月21日開催の取締役会において、日東電工株式会社グループが有するNVH事業の一部(鋼板用補強材等の製造及び販売に関する事業)を再編・集約するために新設したPNホールディングス合同会社の全持分を取得し、子会社化することについて決議し、2022年10月24日付で持分譲渡契約を締結し、2023年4月3日付で全持分を取得しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当社グループは、当社グループ独自の先駆的な商品及び技術の開発を行うことを基本とし、主に技術本部(パーカーコーポレーションテクニカルセンター;東京都江東区枝川)において、各部門(機械、化成品、化学品、産業用素材、化工品など)の商品に繋がる技術課題につき研究開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメントの研究開発活動を示すと以下のとおりであります。
機械部門
設計から組立・調整まで行っている自動車業界向け設備販売と食品・化学業界向け各種生産設備・試験機械の輸入販売、この2つの商品群が事業の柱となっております。自動車業界においては内装部品に高級感を持たせる加飾化が強まり、さらにEV化によりバッテリー関連部品の加工も含めた省人化・自動化設備、複数の工程を1台の設備で対応する工程集約設備の確立に注力しております。食品・化学業界には新規・既設工場の自動化省人化に繋がる機器、さらには食品の安全性を高める目的で製品や原料の状態をカメラセンサーを用いて的確に分析する画像解析装置を展開しております。
機械部としては2つの業界に共通する自動化・省人化(省エネ)さらに安全をテーマとして開発、開拓を推進しております。
当連結会計年度の研究開発費は
化成品部門
新規開発分野では、新ゴム接着剤を主体とした技術開発を主として行っています。
自動車部品関連分野では、様々なお客様ニーズに対応し、遮音、遮熱用途をはじめとする材料開発や部品設計により、自動車車両への採用拡大を目指します。
その他、国内外のグループ内製造工場における技術支援も行なっております。
当連結会計年度の研究開発費は
化学品部門
自動車・自動車部品・家電・鉄鋼・建設機械・重機・オフィス家具・建材などの様々な生産ラインに適応した豊富なケミカル製品を開発し、お客様にカスタマイズされた製品の提供をしております。このケミカル製品は、アルカリ洗浄剤をはじめとして、鉄鋼用酸洗剤、防錆剤、塗料剥離剤、塗料不粘着化剤、バレルコンパウンド、成型金型用離型剤、排水処理剤など多岐にわたる製品の開発をしております。
また、これらケミカル製品に適した設備の設計やシステム開発まで対応することにより、生産ラインにおける様々なトラブルの解決、品質改善や工程の最適化など、適切なソリューションをお客様に提供させて頂ける様、技術活動をしております。
当連結会計年度の研究開発費は
産業用素材部門
自動車、家電製品などの騒振対策に用いられる軽量で音響性能の優れる防音材の開発を行っております。自動車用においては、今後増加が予測される電動車両への対応も視野に入れた各種繊維系材料及びウレタンフォーム等を中心とした素材開発と防音製品への応用技術の開発を行うとともに、防音性能評価技術、性能予測シミュレーション技術を用いて、材料選定から製品までの音響特性を解析し、顧客の要求に応える最適な防音材及び防音システムを考案し、製品化に繋げております。また、海外拠点拡大に伴い、現地での素材開発を進める為、技術サポートをしております。
当連結会計年度の研究開発費は
化工品部門
IoT・AI・ロボット・自動運転車・ドローン等による「新しい価値」を創造する社会を実現するためには、半導体・電子部品が益々重要となっております。このような先進デバイス(次世代ディスプレイ・センサなど)の製造ラインで使用される高品質なファインケミカルの研究開発を行っております。
また、一般の方も利用するセルフSSなどの洗車機に用いられるカーケアケミカルや、鉄道・航空機・船舶などの「安全・安心」に必要不可欠なメンテナンスケミカルの研究開発も行っております。
当研究開発部門では、これまで培ってきた薬液の配合技術や精密な分析・評価力を生かし、カーボンニュートラルを目指す急速な市場の変化に適した製品開発に注力し、国内はもとよりアジア諸国での現地供給化も推進しております。
当連結会計年度の研究開発費は
その他
建築資材関連の屋上防水シート、土木遮水シートに用いられる耐久性に優れた加硫ゴムシートの開発及び工法の考案を行っております。
また、生活資材関連として加硫ゴムの特性を活かした、水切りがよく包丁の刃先に優しい、且つ長期に渡り使用できることで廃棄物の削減にも繋がる『まな板』の開発や浴室・トイレの床改修に使用できる製品の開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費は34百万円となっております。