当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する
事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、国民の豊かな社会生活に極めて重要な教育と文化に「紙」媒体を通じて貢献することを、経営の基本理念としております。
日本全国に網羅した拠点からタイムリーに「原紙」を配送し販売することによって、新聞・書籍・教育図書・情報雑誌・帳票類・折込広告等の製作に関わってまいりました。日常生活に欠くことのできない生活必需品の「紙」を常に安定供給していくとともに、環境の変化に迅速に対応できる体制を図り、あらゆる可能性を追求しつつ永続的発展を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、目標経営指標として、当期純利益、ROE、ROA、ROICの4指標を掲げ、収益力の拡大
と資本効率を向上させることにより企業価値の最大化を目指しております。これは、株式市場からの評価をこれ
まで以上に意識し、資本コストを上回る資本収益性の達成に焦点を当てたものであります。2028年3月期までに、
当期純利益2億円以上、ROE5%、ROA3%、ROIC5%、それぞれ安定的に達成することを目指し、継続
して分析・評価をしながら期間内での達成を目指してまいります。
(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題
国内紙流通業界を取り巻く環境は、国内人口の減少や情報伝達手段のデジタル化加速など構造的な要因を背景
に、引き続き紙需要の減少が進むものと予想されます。一方で、環境負荷の少ない循環型の紙素材は今後も新しい
用途が創出され、デジタル媒体との共存が図られる可能性を秘めております。当社グループは、こうした新しい流
れを逃すことなく新商材など取扱商品の多角化に積極的に取り組み、企業価値向上を目指してまいります。
また、ますます上昇が予想される物流コストを削減すべく、本社及び名古屋支店の在庫圧縮と固定費の変動費化
施策を開始いたしました。本社においては2024年3月期第4四半期に、賃借していた外部倉庫との契約形態見直しを実施、名古屋支店においては2024年5月にやはり賃借していた倉庫契約を解約し協力業社へ業務委託する形態に
移行、その効果が2025年3月期に発現される予定であります。今後、他支店も含め協力業社と連携した相互の在庫
活用や共同配送を推進し、物流の効率化とコスト削減に取り組んでまいります。
さらに、2024年5月、産業用紙本部を本社へ移転・統合いたしました。賃借コスト削減のほか、本社営業部門
との販売戦略や人事交流を推進し、板紙・包装用紙等の更なる販売強化にも取り組んでまいります。
当社グループは、目標経営指標の達成に向けて、先ずは上記施策等により収益力拡大を優先して取り組み、安定
した利益確保を実現させたうえで資産圧縮や資本政策を推進し、更なる企業価値向上を目指してまいります。
当社グループは、「環境に配慮した商品・企業活動を通じて、地球環境や地域環境の保全に貢献すること、また、仕事と生活の調和を支援する制度を整えるとともに、それを支える風土づくりを行うこと」をサステナビリティ方針としております。
(1)ガバナンス及びリスク管理
当社グループは、サステナビリティに関する方針や課題・対策等について、常勤取締役及び執行役員等が出席し原則週1回開催される経営戦略会議において議論を行い、迅速な意思決定と情報共有が図れる体制となっており
ます。具体的な施策については、経営企画本部と管理本部、監査室が連携して決定事項のモニタリングを行うことによりその進捗状況や実効性を評価しており、特に重要な課題については取締役会へ報告し審議することとして
おります。
リスク管理については、当社「リスク管理基本規程」に基づき運用されており、テーマ別のワーキンググループが、経営戦略会議から指示を受けた所管テーマに関して具体的対策を検討し、推進・実行・結果報告を行う体制となっております。現在のリスク管理項目は、災害、環境、労務、与信、不正、法令違反等を対象としておりますが、今後、気候変動関連リスクに関してもシナリオ分析を行い、重要課題としてリスク管理・対応に取り組んで
まいります。
(2)戦略
1. 地球環境に対する取組み
当社グループは、サステナビリティ方針に基づき、「紙の販売活動」を通して、地球環境への貢献活動を展開
しております。プライベートブランドを含め、環境に配慮した「森林認証紙」の販売を促進し、限りある資源を
有効に利用して森林を守ることに貢献しております。また、廃棄焼却予定の農産物の残渣を混抄した紙や産業
廃棄物から生まれた機能紙の取り扱い等、廃棄物の発生防止・削減・再生利用を促進するとともに、焼却時の
CO2削減にも積極的に貢献いたします。今後も引き続き、社内外における定期的な勉強会の開催など、綿密な
情報共有を通じて情報をアップデートしながら、環境に配慮した新商材の創出に取り組んでまいります。
なお、社内においては「SDGs BOOK」というハンドブックを作成、全従業員へ配布し、当社が現在取り組んでいる活動内容のほか、2030年までの行動指標を具体的に掲げて、従業員への啓蒙活動を行っております。
2. 人材育成方針について
当社グループは、人材育成における重要な経営課題として「従業員個々の能力が最大限に発揮できる環境整備」
を掲げております。これに基づき、人材育成と個のスキルアップのため、職位・職層に応じた外部研修への参加や
社内勉強会の開催を定期的に実施しております。また、ワークライフバランスを実現することを目標に、休業
制度・休暇制度の整備、再雇用制度の見直し、仕事と子育ての両立支援、性別に関係なく能力を発揮できる体制
づくりなど、幅広い観点から働きやすい職場環境の整備に取り組んでおります。
さらに、外部機関に委託したメンタルカウンセリングの実施、がん治療・疾病入院等の費用支援のための保険
加入などを通して、従業員の心身両面での健康保持増進に努めております。
(3)人的資本に関する指標及び目標
当社は、上記の人材育成と環境整備方針に基づき、次のとおり目標指標を掲げて管理をし実績を評価しており
ます。なお、指標項目の①と②は、「女性活躍推進法」及び「次世代育成支援対策推進法」に基づく「一般事業主
行動計画」であり、東京労働局へ提出するとともに当社ホームページ上に公表している計画であります。
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指標項目 |
第71期 |
第72期 |
第73期 |
目 標 |
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① |
3.6% |
4.0% |
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② |
34.1% |
50.6% |
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③ |
27.0h |
23.6h |
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④ |
100.0% |
100.0% |
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⑤ |
91.0% |
89.9% |
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①の目標達成のための取組みとして、キャリアプラン充実のための教育制度を見直し、新たなキャリアプランを
作成中であります。
②の目標達成のための取組みとして、「有給休暇取得奨励日」を設けるなどの対策を行うと同時に、個人ごとに
取得率50%以上を目指して管理・促進しております。
その他、サステナビリティに関する取組みの詳細は、当社Webサイト
(https://www.kyodopaper.com/ja/csr.html)をご参照ください。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の
とおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり
ます。
(1) 紙業界の動向について
我が国紙業界の商品流通は、製紙メーカー、代理店、卸、コンバータ(印刷業)及びユーザー(出版業など)が主たる流れになっております。
当社グループは、卸に属し、直接コンバータ及びユーザーと取引を行っておりますので市況の動向次第では仕入価格の上昇分を同時に販売価格に転嫁できない状況が発生いたします。また、我が国の紙・板紙製品の原材料は多くを輸入に頼っており、加えて原油価格、為替変動によっても商品価格に影響を受けざるを得ません。以上の観点から、国内外の経済状況により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、日ごろから顧客との関係強化に努め、きめ細かい営業活動において市況動向を丁寧に説明しつつ、安定供給と適正価格販売に取り組んでおります。また、主力の印刷・情報用紙に加え、板紙や産業用紙、家庭紙等の販売を強化し、取扱商品の多角化を推進いたします。
(2) 有利子負債について
当社グループは、当連結会計年度末現在、有利子負債はありませんが、将来、金融機関等からの借入による資金調達をした場合、市場金利の動向如何では、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、有利子負債ゼロを基本方針としておりますが、平時においても取引金融機関との情報交換を密にし、資金調達が必要になった場合に最適な調達ができるよう備えております。
(3) 取引先の信用リスクについて
当社グループは、取引先に対して取扱商品等の掛売りを行っております。このため、取引先の信用状況が急速に悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、各取引先の信用限度額設定を厳格に管理するとともに、複数のファクタリング会社との契約を通じて、信用情報の収集や債権保全策を講じております。
(4) 所有する投資有価証券の時価変動リスクについて
当社グループが保有する有価証券は仕入先企業、販売先企業、取引金融機関など、業務上密接な関係にある企業の株式でありますが、株式市況の動向等によりましては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、時価の変動状況を日々把握管理し定期的に経営会議で報告を行っており、取引先企業との
定量・定性面での関係性を勘案のうえ、保有の継続性につき検証しております。なお、当連結会計年度末における
投資有価証券の総資産に対する比率は7.0%であります。
(5) 不動産市況等の影響について
当社グループは、所有不動産の活用による収益基盤の安定化を目的として不動産賃貸事業に取り組んでおります。不動産市況等により、賃貸条件の悪化など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、所有不動産の路線価や公示地価等の情報を適時更新して概算時価を把握するとともに、複数の不動産会社を通じて情報収集を行っており、不動産市況の変動リスクに備えております。
(6) 自然災害及び感染症等のリスクについて
当社グループは、本社及び子会社を含め全国8か所に拠点を置き、地域に密着した販売を行っておりますが、大規模な地震や自然災害及び新型の感染症等が発生した場合、周辺地域での販売活動の制限や物流寸断による販売機会の喪失、設備や商品への被害損失、販売減少や取引先信用リスクの増大等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、大規模災害や感染症拡大等が発生した際、先ずは従業員とその家族の安全を優先し、企業活動の早期復旧と継続を図るための「災害対策マニュアル」を作成して全従業員に配布しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、国内における行動制限や入国制限の解除により、経済活動の正常化が
進展して緩やかな回復基調で推移しました。一方で、不安定な国際情勢の中、原燃料価格の高止まりと急激な
円安を背景とした国内物価の上昇が依然として経済・社会に深刻な影響を及ぼしております。
国内紙流通業界におきましては、イベントやインバウンドの再開で一部印刷物需要は回復してきたものの、
企業や官公庁のコスト削減やデジタル化推進により紙需要の減少が一段と加速し厳しさが増しております。加えて、運送・物流業界の「2024年問題」により、運賃上昇と消費地近郊の倉庫確保、配送リードタイムの確保など
を迫られ、輸送・保管効率の改善が喫緊の課題となっております。
このような状況下で当社グループは、安定供給と適正価格を維持した販売に努めるとともに、プライベート
ブランド商品をはじめとする環境に配慮した森林認証紙等の販売促進に注力してまいりました。しかしながら
紙媒体のデジタル化進展により販売数量が想定以上に減少したことと、下半期に入り仕入価格上昇による利益率
低下が顕著となったことにより、売上、利益ともに前年を下回る結果となりました。また、物流体制につきまし
ては、固定費の削減や効率的な在庫政策を図るべく、その改善に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ220百万円減少し、9,978百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ369百万円減少し、5,995百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ148百万円増加し、3,982百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高16,725百万円(前期比1.8%減)、営業利益94百万円(前期比38.4%減)、経常利益120百万円(前期比34.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益58百万円(前期比41.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各事業別の売上高はセグメント間の取引も含んでおり、セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と
調整を行っております。
(洋紙卸売事業)
売上高は16,650百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は378百万円(前年同期比5.8%減)となり
ました。
(不動産賃貸事業)
売上高は107百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益は44百万円(前年同期比1.3%減)となりま
した。
(物流事業)
売上高は290百万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は19百万円(前年同期比28.4%減)となりま
した。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前年同期に比べ194百万円増加し、1,063百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は333百万円(前期は163百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び棚卸資産の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は100百万円(前年同期は36百万円の使用)となりました。これは主に、有形・無形固定資産及び投資有価証券の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は38百万円(前年同期は39百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
洋紙卸売事業(千円) |
16,649,493 |
98.3 |
|
不動産賃貸事業(千円) |
29,814 |
93.4 |
|
物流事業(千円) |
45,868 |
81.7 |
|
合計(千円) |
16,725,176 |
98.2 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、有価証券、商品、固定資産に関しては、会計方針により継続的な評価を行っており、見積りについては見積りを必要とする事象及び見積りに与える要因を把握した上で適切な仮定を設定して評価を行っております。
なお、連結財務諸表に重要な影響を与えると考えられる項目は、次のとおりであります。
a.仕入値引の未収入金
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
c.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の取引先及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には公開会社の株式と非公開会社の株式が含まれております。当社グループは、金融商品に関して投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、又は著しい下落が発生した場合に減損処理をしており、将来の投資先の業績不振又は株式市況の悪化等により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。取引先の財政状況が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前期比220百万円減少の9,978百万円となりました。これは主に、現金及び預金が194百万円、電子記録債権が245百万円それぞれ増加し、受取手形及び売掛金が543百万円、商品が173百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前期比369百万円減少の5,995百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金、電子記録債務が401百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前期比148百万円増加の3,982百万円となりました。これは主に、利益剰余金が25百万円、その他有価証券評価差額金が93百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
2)経営成績
(売上高、売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、適正価格を維持した販売に努めたものの、企業及び官公庁のコスト削減やデジタル化推進の影響により販売数量が想定以上に減少したため、前期比1.8%減の16,725百万円となりました。また、売上高の減少に加え、下半期に入り仕入価格上昇による利益率低下が顕著となり、売上総利益は、前期比2.5%減の2,179百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費等が増加したものの、販売数量減に伴う物流費が減少したため、前期比0.1%増の2,085百万円となりました。その結果、営業利益は、売上総利益の減少理由と併せ、前期比38.4%減の94百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、収益・費用ともに減少し、営業外収益は35百万円、営業外費用は9百万円となりました。その結果、経常利益は、営業利益の減少理由と併せ、前期比34.6%減の120百万円となり
ました。
(特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は、賃借倉庫解約に伴う原状回復費用3百万円と、事業用資産の減損損失2百万円を特別損失に計上しました。また、法人税等合計で55百万円を計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少理由と併せ、前期比41.9%減の58百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備投資資金需要の二つがあります。
運転資金需要の主なものは、商品の仕入と販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備投資資金需要の主なものは、倉庫・事務所等の設備や機械といった固定資産の維持・更新費用と、事業活動に関わるソフトウエア等の無形固定資産投資によるものであります。
当社グループは、運転資金及び設備投資資金を内部資金より充当しており、現在、有利子負債はありません。必要な資金は、売掛金回収による手形債権・電子記録債権を譲渡し、流動化することにより調達しております。また、取引銀行4行と当座貸越契約を締結しており、内部資金で不足が生じた場合に備えております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(洋紙卸売事業)
印刷用紙・産業用紙は、イベント再開やインバウンド需要により一部回復はみられましたが、広告・チラシ用途や金融関連、官公庁の入札案件等、デジタル化進展に伴い販売数量は大幅に減少しました。一方、前期修正した販売価格の維持に努めた結果、売上高では数量減を補い微増となりました。
情報用紙は、生損保向け帳票類のWEB化や圧着紙・複写用紙の需要減が大きく影響し、販売数量・売上高ともに大幅に減少しました。
その結果、洋紙卸売事業の売上高は16,650百万円(前期比1.7%減)となりました。
セグメント利益は、販売数量の減少と仕入価格上昇により利益率が低下したことから378百万円(前期比5.8%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ412百万円減少し、6,004百万円となりました。
(不動産賃貸事業)
期中において賃貸マンションの賃室に一部空室が発生したことから、不動産賃貸事業の売上高は107百万円
(前期比1.9%減)、セグメント利益も同理由により44百万円(前期比1.3%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ34百万円減少し、1,300百万円となりました。
(物流事業)
前年下期において主要な加工設備が故障し修理に相当期間を要しており、当期においては協力業者に委託
せざるを得なかったことから、物流事業の売上高は290百万円(前期比3.9%減)、セグメント利益も同理由に
より19百万円(前期比28.4%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ20百万円増加し、392百万円となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。