第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 (1) 経営方針

2017年4月よりスタートした中期3ヵ年経営計画の最終年度となる2019年度も、経営基本方針「事業ポートフォリオの最適化と生産性追求による収益力の向上」のもと、産業構造の変化と顧客ニーズに対応した強固な経営基盤作りを推し進め、2020年3月期に連結売上高380億円、経常利益15億60百万円を目指します。

具体的には、既存顧客の深耕営業と、成長性の高い分野への新規顧客開発を重点市場戦略とし、IoTを活用した設備保全システムの提案、環境配慮型機器・アフターメンテナンスへの取組み、オイル清浄度管理機器を主体とする産業機械の取組み、安全や品質の向上につながる測定・検査機器の取組み、電力・公共環境分野等の社会インフラ投資に関する設備の老朽化対策や長寿命化につながる投資の取り込み等の諸施策を実行することで業容拡大を図ってまいります。また、新エネルギーや先端技術開発に携わる研究機関、各企業の生産技術研究部門、品質保証部門への深耕を推進してまいります。

当社の経営基盤とは、優良な取引先、人材・組織、財務体質であり、これらの強化・安定成長が、企業価値の向上、すなわち持続的な収益拡大につながります。厳しい企業間競争に打ち勝ち、市場の国際化に対応できる、販売力、提案力、情報収集能力等十分な力量を持った人材を育成するとともに、社員一人一人が当事者意識を強く持って行動する現場力の強化と、生産性追求による収益力の向上を図ってまいります。

当社グループは、上記の中長期的な経営戦略を踏まえ、子会社各社の事業基盤強化とグループ内シナジーの最大活用により、収益改善と事業拡大に努めてまいります。

 

 (2)  経営環境及び対処すべき課題

プラントや工場内で使用される工業用計測制御機器の国内市場では成熟化が進む中、収益力の強化に向け、業界再編や設備の統廃合が行われており、顧客による購入ルートの見直しや同業他社との価格競争は更に厳しくなるものと考えております。

また、少子高齢化が進む日本においては、労働力の減少が更に進み、技能の継承も困難と予想されることから、ものづくりが今後も成長を続け、安定的に付加価値を生み続けるには、生産性の向上が避けられない課題となります。そのため、製造現場でのIoT等のビッグデータを活用した生産設備の自動化や予知保全の導入、老朽化した設備の効率化投資を行う企業が増加すると予想されます。

当社グループでは、同業他社との競争が厳しくなる状況下でも持続的安定成長を図るため、既存顧客の深耕開発「守り」と成長性の高い分野への新規顧客開発「攻め」を明確にした事業展開を推し進めております。高付加価値営業の強化による収益力の向上を最重要課題として、具体的には今後伸長が見込まれるIoTを始めとする製造現場での生産性向上への取組みに貢献すべく、システム・エンジニアリングやフィールドサービス対応力強化によるワンストップ提案営業の推進、「環境・安心・安全・品質」をキーワードとした環境配慮型商品及び保安・メンテナンス機器の拡販、現場ニーズに対応する新商材の発掘を全国展開の営業拠点網を活用し積極的に取組んでまいります。また、成熟した市場の中でも、業績の向上と業容の拡大を図るため、扱い商材の拡充と国内販売体制強化を目的とした企業買収、戦略的提携等も視野に入れ事業を展開してまいります。

管理面におきましては、当社グループの持続的成長を目指して、上場企業に求められているコーポレートガバナンス・コードに沿った内部統制環境の改善・強化と、企業価値向上を実現するために最重要課題となる人材育成に引き続き取組んでまいります。
 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。

  (1) 経済状況による影響

当社グループの売上高のうち約50%を占める工業用計測制御機器は、国内外の経済環境の悪化により設備投資の動向に陰りが生じた場合、設備更新需要が停止したり、遅延したりすることにより、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

  (2)  債権管理に係る影響

上述のような変動によって、取引先企業が倒産する危険性があり、当社グループでは継続取引先については定期的な信用調査分析を行い、また、新規、単発等の大口取引については可能な限りの債権保全策を採った上での取引とする等、債権管理に最善の注意を払っておりますが、倒産の規模・件数によっては、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

  (3)  アクシデント等による影響

当社グループは、生産設備に使用する機材及び装置の納入に携わっており、その設備等において納入時には予測し得ない不適合が生じ、それを原因とした事件、事故が発生した場合にはその機材及び装置の製造者とともに営業上の損失を被り、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

  (4)  業績の季節的変動に係る影響

官公庁関連や民間設備の予算執行時期が下期偏重傾向にあるため、当社グループの売上高も通常下期偏重となっております。これに対して販売費及び一般管理費は、その大部分が固定費であることから、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の割合も下期に偏重し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

  (5)  機密情報保護に係る影響

当社グループが納入する商品・システムは、顧客企業との秘密保持契約により製作・納入したものが含まれ、これらの案件は、その顧客に納入した商品・システムの内容がその顧客の競合企業に知れると、その顧客の業績に多大な影響を及ぼしかねず、当社グループにおいて予期せぬ何らかの要因でこれらが漏洩した場合、顧客からの訴訟等を含め、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

  (6)  自然災害による影響

地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生し、当社グループの拠点や仕入先の設備等に大きな被害が発生した場合には、営業活動の一時停止や商品の納期遅延等により、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

  (7)  環境に関するリスク

当社グループは、計測制御機器、環境計測・分析機器、測定・検査機器、産業機械等の総合商社として、持続可能な社会の実現に向けて環境と調和の取れた企業活動の推進に取り組んでおります。また、環境に関する外部認証(ISO14001)を取得し、外部機関からの適正性の評価の取得に積極的に取り組むとともに、環境保全活動を継続的かつ計画的に推進しております。しかしながら、当社グループの事業活動により環境汚染等が生じた場合には、汚染除去費用や損害賠償責任の発生、社会的な信用の低下等に繋がる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、金融・資本市場の変動の影響に留意する必要があったものの、堅調な企業収益を背景とした設備投資の増加や雇用情勢の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループの既存事業領域であります石油化学、鉄鋼、機械製造業等におきましては、期の半ば頃より半導体関連の設備投資が急減速したことや輸出における弱含みの傾向も見られましたが、前期から続く化成品、高機能化学品、建材の底堅い需要に支えられ、内需は堅調に推移しました。設備投資についても、老朽化が進行したインフラや生産設備の安定稼働につながる状態監視の導入と定期修理の実施、働き方改革への取組みや人手不足を背景にIoTを活用した生産性向上につながる自動化・省力化投資の拡大、品質管理向上と信頼性回復に向けた投資は堅調に推移しました。また、この数年にわたり発生した自然災害に対する社会インフラの防災・復旧につながる投資等も実施されました。

このような状況下、当社グループにおきましては、2017年4月よりスタートした中期3ヵ年経営計画の2年目となる2018年度においても、「事業ポートフォリオの最適化と生産性追求による収益力の向上」を目指すとの経営基本方針のもと、産業構造の変化と顧客ニーズに対応した強固な経営基盤作りを推し進めました。同業他社との競合が厳しくなる状況下でも持続的安定成長を図るため、既存顧客への深耕営業と、成長性の高い分野での新規顧客開拓を重点市場戦略とし、高付加価値営業の強化による収益力の向上を最重要課題として取組みました。具体的には今後伸長が見込まれるIoTを始めとする製造現場での生産性向上への取組みに貢献すべく、システム・エンジニアリングやフィールドサービス対応力の強化によるワンストップ提案営業の推進、「環境・安心・安全・品質」をキーワードとした環境配慮型商品及び保安・メンテナンスや測定検査機器の拡販、顧客ニーズに対応する新商材の発掘等に拡充した全国の営業拠点網を活用し、積極的に取組んでまいりました。

その結果、官公庁向けで社会インフラ設備の強化や更新につながる投資需要を取込んだ他、プラント・エンジニアリング、機械製造業、化学品製造業、舶用機器製造業、電力会社を中心に設備投資が高水準で推移し、当連結会計年度の売上高は373億94百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。また高付加価値営業の強化に取組んだ結果、採算性も向上し、売上総利益59億65百万円(同10.9%増)、営業利益14億70百万円(同38.2%増)、経常利益15億52百万円(同33.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億41百万円(同28.3%増)で増収増益となりました。

 

品目別売上高の状況は次のとおりであります。

(工業用計測制御機器)

舶用機器製造業で各種センサーの販売が大幅に増加した他、社会インフラ市場での自然災害に対する防災やインフラ設備の強化につながる更新需要や、民間企業での老朽化した生産設備の安定稼働や安全対策また生産性向上につながる設備投資需要を取込んだ結果、化学品製造業、鉄鋼製品製造業向けを中心に各種プロセス計測制御機器や情報通信機器の販売が増加しました。

 

(環境計測・分析機器)

社会インフラ市場での上下水処理施設等における各種機器の更新需要、民間企業での定期修理需要を契機とする水質・大気・ガス分析計等の販売が堅調に推移し、官公庁、化学品製造業、プラント・エンジニアリング向けを中心に販売が増加しました。

 

(測定・検査機器)

生産設備の安定稼働につながる各種検査機器の導入需要、製品の品質や安全性を確保するためトレーサビリティの強化につながる投資需要を取込んだ結果、自動車関連業界向けに精密測定・検査機器の販売が大幅に増加しました。

 

(産業機械)

自然災害に対する防災や復旧に使用する産業車両の販売は官公庁向けで堅調に推移しました。また、化学品製造業向けで定期修理にともなうポンプやバルブ等の販売が増加した他、舶用機器製造業向け排ガス規制にともなうバルブの販売、機械製造業向け高効率省エネポンプや油圧機器の販売、電力会社向け災害対策機器やバルブの販売も好調に推移し増加しました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 

① 生産実績

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。

品目別

生産高(千円)

前年同期比(%)

工業用計測制御機器

343,350

29.4

産業機械

213,800

45.3

合計

557,151

35.1

 

(注) 1 上記は製造を行っております連結子会社(双葉テック㈱)の合計金額であります。

2 上記金額は製造原価によっております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと次のとおりであります。

品目別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

工業用計測制御機器

288,473

△32.5

59,904

△60.3

産業機械

173,289

△6.0

57,854

△45.6

合計

461,762

△24.5

117,758

△54.2

 

(注) 1 連結子会社(双葉テック㈱)において受注生産を行っております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。

品目別

販売高(千円)

前年同期比(%)

工業用計測制御機器

17,458,572

8.0

環境計測・分析機器

3,234,864

18.1

測定・検査機器

2,357,162

16.9

産業機械

14,343,718

6.7

合計

37,394,317

8.8

 

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ11億99百万円増加し246億11百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が7億15百万円、現金及び預金が3億19百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
 負債は、前連結会計年度末に比べ6億70百万円増加し147億36百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が1億93百万円、退職給付に係る負債が1億65百万円、電子記録債務が1億46百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益が9億41百万円であること、利益剰余金の配当により利益剰余金が1億64百万円、退職給付に係る調整累計額が1億44百万円、その他有価証券評価差額金が1億円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ5億28百万円増加し98億75百万円となりました。その結果、自己資本比率は40.1%となりました。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は36億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億20百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は5億57百万円となりました(前連結会計年度は1億98百万円の増加)。これは、税金等調整前当期純利益が14億84百万円であったこと、売上債権の増加による資金の減少が8億99百万円であったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は44百万円となりました(前連結会計年度は1億29百万円の減少)。これは、有形固定資産の取得による支出が33百万円、無形固定資産の取得による支出が6百万円あったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は1億86百万円となりました(前連結会計年度は3億41百万円の減少)。これは、長期借入れによる収入が7億円あった一方で、長期借入金の返済による支出が7億69百万円、配当金の支払額が1億63百万円あったこと等によるものであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの資本の財源は主に営業活動により得た資金であります。

資金の流動性について、運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした長期的な資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。