第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、お客様を原点に常に変化を先取りして新たな価値を創造し、喜びと満足のある物心とともに豊かな社会の実現に貢献することを使命とし、変化する経営環境に迅速かつ柔軟に対応して、お客様に最適なソリューションならびに優れたサービスの提供によって企業価値の持続的な向上を実現して、お客様ならびに社会からの信頼と期待にお応えすることを経営の基本としております。

経営の推進には、一人ひとりの多様性と創造性の信頼の上に、衆知の結集を通じてこそ付加価値の創出ならびに課題解決ができるとの理念から、お客様をはじめとしてパートナー、従業員などのステークホルダーとの「Thinking Together」を事業活動方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは総資産・自己資本・売上高に対する利益率を重視して効率的に経営することが重要と考えており、特に経営指標として「ROE」(自己資本当期純利益率)・「売上高営業利益率」などを重視して、経営上の意思決定を行っております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、企業経営を取り巻く環境の変化に柔軟に対応し、“法の遵守と倫理に基づく行動”を基本とした社会的責任の遂行に努めてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

国内ITサービス市場においては、企業の競争力強化に向けたDXへの期待と需要により、IT投資は幅広い業種にわたり拡大基調が継続するものと予測され、デジタル技術の進化が急速なスピードで個人の生活から企業活動、社会全般までを大きく変革しております。お客様のIT投資の目的が生産性向上や業務効率化のみならず、デジタル技術を活用した事業競争力の強化やビジネスモデルの変革へと拡大していく中で、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)やDXへの取り組みは、新たな付加価値の創出に繋がる中長期的なテーマと捉えられております。

また、あらゆるものがネットワークで繋がり、世界が複雑化する中でサイバーセキュリティのリスク増大やサプライチェーンの強靭化、相次ぐ自然災害などが社会生活や経済活動に深刻な影響を与える事態も想定され、ITを活用した対策はこれまで以上にその重要性が増しております。

当社グループは、このような事業環境の中、ITの専門スキルを持った営業・SE・CEのトータルサポート力により、お客様に安全・安心なデジタル技術を活用いただけるように、協業パートナーと共創を深めながら、新しいデジタルビジネスの市場を拓き、お客様の多様なニーズに応えることにより、新たなソリューション・サービスを提供することで企業価値の向上と持続的な成長を図ってまいります。

 

①デジタルビジネスにおける高付加価値サービスの創出と提供

国内ITサービス市場では、デジタルビジネス化のニーズから、基幹システムの更新、クラウドサービスへの移行と併せてSXやDXへの取り組みが活発になってきており、このような取り組みを加速化させるテクノロジーとしてAIの活用が着目されております。単なる業務の効率化からデータ活用による新たな価値創造、ビジネスモデルの変革へと進化しており、そのニーズはより高度化、多様化しております。その一方でサイバー攻撃等による情報セキュリティに対する脅威から、情報セキュリティ対策の重要性が増しております。

当社グループは、AI、IoT、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)等の最先端デジタル技術や最新の情報セキュリティ対策ソリューションを利活用したデジタルビジネスを推進し、新たな付加価値の創造と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

②ストック型ビジネスモデルの強化と収益基盤の安定化

システムのクラウド化やサブスクリプションモデルの普及が進む中で、保守サービスビジネスの縮小という課題に対応するため、ネットワーク構築、データセンター運用サービス、マネージドセキュリティサービス、マルチベンダーサポートなどのストック型ビジネスを強化し、安定的な収益基盤の確立を目指します。今後も社内の営業・SE・CEとの三位一体およびパートナー連携により、お客様のニーズに応えられるIT環境の多様化をサポートするネットワーク運用支援サービス、セキュリティサービス、マルチベンダーサービスなどのサービスメニューを充実させるとともに、スマートデバイスやRPA(Robotic Process Automation)などの活用による保守品質向上、業務効率化の推進に向けた体制の整備やビジネス領域の拡大を図ってまいります。

 

③人財の育成

持続的な成長の原動力は人財であり、新たな市場創出とお客様価値の創造を実現するには、高度化する技術や多様化する顧客ニーズに対応する高度な専門知識やスキルを持つ人財の育成を強化していくとともに、変化に柔軟に対応できる組織体制を構築して、組織全体の提案力と実行力を高めてまいります。

 

④経営基盤の強化

組織の活性化、従業員のモチベーション向上を図り、従業員目線での新たな制度や仕組みを検討するなど、従業員価値の向上により利益体質が強化されるよう取り組むとともに、コンプライアンスの遵守、情報セキュリティ確保、内部統制に関する活動、自然災害等のリスク管理など、経営基盤の強化に引き続き取り組んでまいります。

 

これらの対処すべき課題に全力で取り組み、お客様と社会から信頼されるパートナーになる努力を積み重ねていく所存でありますので、株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、社会的責任としてサステナビリティ経営が重要な課題であると認識しております。当社グループは、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するため、環境・社会・ガバナンスへの取り組みを重視した経営を実践してまいります。

 当社のサステナビリティに関する取り組みについては、取締役会において検討を行っておりますが、現時点においては、サステナビリティに関する基本方針を定めておりません。

 当社が具体的に対処すべき重要課題を特定し、その基本方針を策定することにより企業の持続的な成長に資するよう、今後も継続的に検討してまいります。

 

①ガバナンス

 当社は、現時点においては、サステナビリティに関する基本方針を定めておらず、サステナビリティの推進につきましては、取締役会においてその検討を進めております。詳細に関しましては「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (1)コーポレートガバナンスの概要」に記載しております。

 

②戦略

 持続的な成長の原動力は人財であり、新たな市場創出とお客様価値の創造を実現するためには、国内外のビジネス環境を的確に捉え、新領域ビジネスを牽引する人財の育成、ネットワークおよびインフラ構築技術者の育成がますます重要となっており、引き続きこれらの人財育成や資格取得の推奨に積極的に取り組んでまいります。

 当社グループは「従業員は会社の大切な財産である」と考え、すべての従業員の人権を尊重するとともに、ソレキアグループ行動指針のもと、従業員の人格、個性を尊重し、安全で働きやすい環境を確保するとともに従業員の多様な能力や個性を十分に発揮できるよう成長を支援します。

 

③リスク管理

 サステナビリティに関するリスク管理については、リスク管理規程を定めるとともに、取締役会において、中長期的な事業継続に関するリスクの一環として検討がなされている状況であります。その主な内容は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りですが、サステナビリティ推進の観点からも、今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せ、管理体制の見直しの必要性を検討してまいります。

 

④指標および目標

 当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、現時点では測定可能な目標を定めるには至っておりません。具体的な指標および目標については、今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せて検討を進めてまいります。

なお、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループは、企業の社会的責任経営と企業価値経営の実現のために、ERMの導入および定着化を目的として2004年にリスクマネジメント部(現、ELSIセンター)を創設し、グループ企業を含む全社的な視点から組織横断的リスク状況の監視並びに指導を通じてリスクマネジメント体制の整備・構築を支援しております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、これらの事項には将来に関するものが含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1)特定の取引先への依存度について

当社グループは、富士通株式会社、富士通Japan株式会社ならびにエフサステクノロジーズ株式会社との取引の割合が大きく、その状況は次のとおりであります。なお、当社と富士通株式会社、富士通Japan株式会社ならびにエフサステクノロジーズ株式会社との間には取引基本契約等が締結されており、取引関係については安定したものとなっております。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 金額(千円)

 割合(%)

 金額(千円)

 割合(%)

 富士通株式会社への売上高

2,758,145

11.0

2,490,977

8.9

 富士通株式会社からの仕入高

5,071,033

31.6

2,175,463

12.6

 富士通Japan株式会社からの仕入高

3,143,185

19.6

2,904,703

16.8

 エフサステクノロジーズ株式会社からの仕入高

21,366

0.1

2,695,437

15.6

※ 株式会社富士通エフサスは、2024年4月1日付でエフサステクノロジーズ株式会社に社名変更されております。

 

(2)為替相場の変動について

当社グループは、通貨変動に対するリスクヘッジとして、為替予約等により短期的な為替の変動による影響を最小限に止める努力をしておりますが、短期および中長期の予測を超えた為替変動により、当社グループの業績、財政状態に影響をおよぼす可能性があります。

 

(3)退職給付債務について

当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、結果として当社グループの財政状態および経営成績の変動要因となります。当社グループでは、この影響を最小限にすべく退職給付制度に確定拠出年金制度を一部導入する等の施策を実施していますが、その影響を完全になくすことはできません。一層の割引率の低下は当社グループの財政状態および経営成績に影響をおよぼす可能性があります。

 

(4)情報管理について

お客様やお取引先、または当社グループの個人情報や機密情報の保護については、規程類や組織体制の整備、従業員などの教育等の情報リスク管理体制の強化に取り組んでおります。また、情報システム運営上の安全性確保のためには、サイバーセキュリティリスクも考慮し、安全性のチェック、全従業員への教育徹底等の対策を取り組んでおり、情報漏洩など実際にリスクが具体化したときにどう対処すべきかといった事故発生時における体制につきましても、組織体制の構築やマニュアルの策定等によりリスクへの対処を図っております。

しかしながら、こうした対策を行ったとしても、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等による機密情報・個人情報の漏えい、機器の破壊・通信回線のトラブル等による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、情報漏洩が起きた場合には、法的責任が発生するおそれや、当社グループへの社会的信頼性を損なう可能性があります。

 

(5)株式等の保有について

当社グループが保有する株式等は、株式市況の動向等により時価が変動するため、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)コンプライアンスリスクについて

企業の社会的責任に対する関心の高まり、企業活動に大きな影響を及ぼす新しい法制度の制定や改正などを背景として法令のみならず企業倫理も対象とするコンプライアンスに関連したリスクが増大しつつあります。

当社グループにおけるこのようなリスクに的確に対処し、コンプライアンス委員会を主体とする組織を通じ、体制の整備、従業員教育に努め、コンプライアンスの徹底に取り組んでおりますが、重大な法令違反や定款違反が発生した場合には、当社グループへの社会的信頼性の低下や、多額の損害賠償を請求されるなど、当社グループの経営に甚大な影響を与える可能性があります。

 

(7)法務リスクについて

ソフトウェア開発においては、プロジェクトに対するお客様の要求の高度化、大規模化や複雑化に伴い、お取引先との間で様々な契約書を締結する機会が従来と比較して飛躍的に増加しており、契約上のリスクが拡大しつつあります。当社グループは、管理部門を中心としたチェック体制を敷いており、また、専門的な法律案件については顧問弁護士の意見を取り入れておりますが、契約に伴う訴訟が発生した場合など、当社グループの経営に甚大な影響を与える可能性があります。

 

(8)在庫の増加リスクについて

当社グループは、お客様に対応するための終息品の保有、取引先による電子部品の海外調達方針や長期にわたるシステム開発などにより在庫が一時的に増加することがあります。当社グループは、毎月末に在庫数量・金額を確認するとともに資金枠の設定による総量の規制、商社的取引への牽制など健全な在庫管理を実施しておりますが、在庫の一時的な増加により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)ソフトウェア開発リスクについて

当社グループは、ソフトウェア開発に関する業務を受注しております。

企画プロセスや方式設計などの開発プロセスを経て、検収・納期まで、会社の定められたルールに基づいて工程管理を実施しております。

作業現場では、お客様からの仕様変更、法令変更、様式変更などさまざまな変更・取止めなどを要求される場合があり、納期の遅延、バグなどの障害や誤入力が起こる可能性があります。

また、修復不能のシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)グローバル展開リスクについて

当社グループは、主にアジア地区を対象に事業のグローバル展開を図っておりますが、対象国における政治・経済情勢の変化、政策の変更や自然災害の発生などのカントリーリスク具現化により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)環境規制について

当社グループは、電子デバイスおよび半導体の調達、製品リサイクルなどに関して、環境関連法令の適用を受けており、環境負荷の低減、環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて関連する費用負担や損害賠償責任が発生または判明した場合、当社グループの社会的信頼性の低下や業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)大規模災害・感染症による影響について

当社グループの拠点の多くは、本社部門を含め首都圏に所在しております。大規模な自然災害や感染症が発生した場合、甚大な被害により事業活動、業績、財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)経済状況について

国内外における経済環境の変化や当社グループ顧客企業の業績状況変化などにより需要の減少や価格競争激化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)内部統制リスクについて

当社は、金融商品取引法における内部統制報告制度の適用対象企業でありますが、内部統制システムに開示すべき重要な不備が発見された場合、当社グループへの社会的信頼性を損なう可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の増加や企業の設備投資の持ち直しなどによる国内需要が増加するとともに、インバウンド需要の回復により、緩やかな回復が続きました。一方、原材料や物価の高騰に加え、急速な為替変動による経済への影響や中国経済の足踏み懸念、ウクライナ情勢や中東情勢の不安など、景気の先行きの不透明感が一層高まりました。

世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の不安定化、米中間の対立など地政学リスクに加えて米国の通商政策の動向等を背景とする減速も懸念され、今後も注視していく必要があります。

 

ITサービス業界におきましては、企業の新たな価値を生み出し、競争力強化を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)への期待や需要は拡大しており、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などのデジタル技術の進化とともに、システムの更新、クラウドサービスや情報セキュリティ対策等のIT投資需要は底堅く推移しました。

 

このような経営環境のもと、当社グループは従業員参加による活性化委員会の活動を中心として経費の削減、原価低減に取り組むとともに、既存ビジネスの深耕と新規顧客の開拓、新たなデジタルビジネスとソリューション・サービスの創出を図り、積極的な受注拡大に努めました。

 

コンポーネント・デバイス・ソリューション分野では、車載向け部品や家電関連部品は完成品メーカーの生産調整から回復したものの、産業機器用の需要が低迷したことにより、売上高は減少となりました。

 

ITソリューション・サービス分野では、デジタル技術を活用して事業の向上、効率化を図るデジタルビジネスへのニーズが高まり、基幹系システムの更新需要やクラウド移行を取り込むことにより、民需、公共、ヘルスケアの各分野における商談が好調に推移するとともに、有力OS(オペレーティングシステム)のサポート終了に伴うパソコンの更新需要もあり、売上高は増加となりました。

 

システムソリューション分野では、ERP(統合基幹業務システム)ビジネスやパソコン更新商談、サーバの仮想化、クラウドサービスとのハイブリッド化などの社会インフラ基盤構築商談も増加し、ICタグやタブレットを活用したIoT商談も堅調に受注でき、売上高は増加となりました。

 

フィールドサービス分野では、システムのクラウド化の進展により保守サービスビジネスが縮小する中、ネットワーク構築・データセンター運用サービス、マルチベンダー製品の保守対応機器の拡大等に取り組みましたが、売上高は減少となりました。

 

当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、民需、公共、ヘルスケアなど各分野で商談が増加し、サーバやパソコンなどの情報通信機器、システムエンジニアリングサービスなどが増収となったことから、売上高は280億25百万円(前年同期比11.3%増)となりました。

 

損益面につきましては、売上高が増加したことと退職給付債務の減少による人件費の圧縮効果1億80百万円もあり、営業利益は17億27百万円(前年同期比7.4%増)、経常利益は17億44百万円(前年同期比5.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億80百万円(前年同期比3.4%増)となりました。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

「首都圏」は、大規模な業務システム端末商談や一般企業の基幹システムの更新・改修案件、公共向けの重要インフラ更新、ヘルスケア分野での商談などが増加し、サーバ等の情報通信機器やシステムエンジニアリングサービスが増収となったことから、売上高は153億58百万円(前年同期比9.1%増)となりました。

損益面につきましては、売上高の増加により、営業利益は10億28百万円(前年同期比10.5%増)となりました。

 

「東日本」は、自治体・文教・医療機関向け商談や民需商談が増加したことにより、サーバ、パソコン等の情報通信機器が増収となったことから、売上高は65億34百万円(前年同期比13.7%増)となりました。

損益面につきましては、システムエンジニアリングサービスの採算性の低下や原価率および販売費の増加により、営業利益は5億34百万円(前年同期比0.9%減)となりました。

 

「西日本」は、民需での基幹システム更新、自治体・文教向けの大型商談の獲得もあり、サーバ、パソコン等の情報通信機器やシステムエンジニアリングサービスが増収となったことから、売上高は60億46百万円(前年同期比15.0%増)となりました。

損益面につきましては、システムエンジニアリングサービスの採算性の低下と販売費の増加により、営業利益は3億73百万円(前年同期比1.0%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、10億40百万円増加し、104億47百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、14億76百万円(前年同期比は9億14百万円の減少)となりました。その主な要因は、売上債権の増加額16億23百万円、法人税等の支払額5億32百万円、退職給付に係る負債の減少額1億80百万円などの資金の減少があった一方、税金等調整前当期純利益17億42百万円、仕入債務の増加額14億23百万円、棚卸資産の減少額3億4百万円、未払消費税等の増加額1億97百万円などの資金の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、1億37百万円(前年同期は47百万円の減少)となりました。その主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入26百万円による資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出83百万円、関係会社株式の取得による支出49百万円、敷金及び保証金の差入による支出15百万円、資産除去債務の履行による支出12百万円などによる資金の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、3億2百万円(前年同期は4億52百万円の減少)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入4億円による資金の増加があった一方、長期借入金の返済による支出6億50百万円、配当金の支払額51百万円などによる資金の減少によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

首都圏(千円)

3,000,698

102.9

東日本(千円)

1,262,180

97.1

西日本(千円)

848,567

93.8

報告セグメント計(千円)

5,111,446

99.8

その他(千円)

△102,931

63.5

合計(千円)

5,008,515

101.0

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

首都圏(千円)

9,422,664

102.4

東日本(千円)

3,743,276

116.0

西日本(千円)

4,141,708

116.2

報告セグメント計(千円)

17,307,648

108.2

その他(千円)

6,982

9.2

合計(千円)

17,314,630

107.8

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

c.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

首都圏

14,985,595

99.6

3,090,417

89.2

東日本

7,908,493

140.6

2,142,581

278.8

西日本

6,282,299

124.6

1,580,715

117.5

報告セグメント計

29,176,388

113.5

6,813,713

122.2

その他

85,530

89.5

合計

29,261,918

113.4

6,813,713

122.2

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

首都圏(千円)

15,358,728

109.1

東日本(千円)

6,534,387

113.7

西日本(千円)

6,046,526

115.0

報告セグメント計(千円)

27,939,642

111.4

その他(千円)

85,530

89.5

合計(千円)

28,025,172

111.3

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、23億22百万円増加し、222億75百万円となりました。この主な要因は、商品が2億90百万円、電子記録債権が71百万円、敷金及び保証金が55百万円、繰延税金資産が50百万円減少した一方、売掛金が16億80百万円、現金及び預金が10億40百万円増加するなど、流動資産が23億22百万円増加したことによるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、12億65百万円増加し、111億64百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が2億50百万円、退職給付に係る負債が1億80百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が14億25百万円、未払法人税等が96百万円増加するなど、流動負債が14億45百万円増加したことによるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、10億56百万円増加し、111億10百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が10億28百万円増加したことによるものであります。以上の結果、自己資本比率は49.9%(前連結会計年度末は50.4%)と0.5ポイントの減少となりました。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高につきましては、「首都圏」は大規模な業務システム端末商談や一般企業の基幹システムの更新・改修案件、公共向けの重要インフラ更新、ヘルスケア分野での商談の増加、「東日本」は自治体・文教・医療機関向け商談や民需商談の増加、「西日本」は民需での基幹システム更新、自治体・文教向けの大型商談の獲得もあり、サーバやパソコンなどの情報通信機器、システムエンジニアリングサービスなどが増収となったことから、売上高は280億25百万円(前年同期比11.3%増)となりました。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益につきましては、売上高の増加により、売上総利益は53億97百万円(前年同期比7.7%増)、売上高総利益率は19.3%(前年同期は19.9%)となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益につきましては、売上高が増加したことと退職給付債務の減少による人件費の圧縮効果1億80百万円もあり、営業利益は17億27百万円(前年同期比7.4%増)、売上高営業利益率は6.2%(前年同期は6.4%)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益につきましては、営業利益の増加により、経常利益は17億44百万円(前年同期比5.3%増)、売上高経常利益率は6.2%(前年同期は6.6%)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、経常利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は10億80百万円(前年同期比3.4%増)、売上高当期純利益率は3.9%(前年同期は4.2%)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、自己資本比率の向上を目指しておりますが、事業規模の多様化などで事業資金の需要が多く、当面は銀行からの借入で充当する方針であります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、ソフトウェア制作費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。ソフトウェア制作費は制作にかかわるシステムエンジニアの人件費および外注費などで、売上原価に計上しています。また、保守業務に関わるカスタマエンジニアの人件費および外注費なども同様に売上原価に計上しています。営業費用の主なものは人件費及び旅費交通費などの販売費用であります。

当社グループの運転資金源泉のうち主なものは、売上債権の回収などの営業活動によるキャッシュ・フローおよび資金の借入等の財務活動によるキャッシュ・フローであります。当連結会計年度末における有利子負債の残高は前連結会計年度末に比べ2億50百万円減少し29億80百万円、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ10億40百万円増加し104億47百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約の内容

契約期間

ソレキア㈱

(当社)

 

 富士通株式会社

 

 日本

 

機器、プログラム・プロダクト、保守、サービス、コンサルティング等

富士通株式会社、富士通Japan株式会社およびエフサステクノロジーズ株式会社の取扱製品の販売に関するパートナー契約

期間1年自動更新

保守業務

富士通株式会社又は同社の指定するもののもとに設置された電算機及び関連機器の保守に関する基本契約

期間1年自動更新

ソレキア㈱

(当社)

エフサステクノロジーズ

株式会社※

日本

機器、プログラム・プロダクト、保守、サービス、コンサルティング等

富士通株式会社、富士通Japan株式会社およびエフサステクノロジーズ株式会社の取扱製品の販売に関するパートナー契約

期間1年自動更新

保守業務

エフサステクノロジーズ株式会社が保守・サービス業務を当社に委託することに関する基本契約

期間1年自動更新

ソレキア㈱

(当社)

富士通Japan株式会社

日本

機器、プログラム・プロダクト、保守、サービス、コンサルティング等

富士通株式会社、富士通Japan株式会社およびエフサステクノロジーズ株式会社の取扱製品の販売に関するパートナー契約

期間1年自動更新

※ 株式会社富士通エフサスは、2024年4月1日付でエフサステクノロジーズ株式会社に社名変更されております。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。