(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策及び日本銀行による金融緩和政策に伴う円安・株高効果と原油安の影響等を背景に、企業収益は改善傾向にあり、消費税増税後の個人消費にも持ち直しの兆しが見られます。しかしながら、中国の景気減速を起点とした世界景気の下振れ懸念や、株価の下落等により、わが国の景気の先行きは不透明な状況にありました。
食品流通業界におきましては、国内の雇用情勢及び所得環境が堅調に推移しているものの、消費税増税に加えて円安・原材料価格高騰による商品の値上げ等により家計への負担感がさらに増して、日常の生活関連消費については生活防衛意識の強さが続いています。さらに、内食化傾向が続く中で企業間競争は一層激化し、人手不足等に伴う物流コストの上昇も加わり、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況下において当社グループは、卸売業の役割である「つなぎ」と提案型営業を推進し、営業力のさらなる強化により小売業をはじめとした取引先との取り組みを一つひとつ積み重ね、店舗の売場づくり及び商品開発力のレベルアップを図ることで、価格だけに頼らない価値の提供に取り組みました。また、物流をはじめとした諸経費の抑制及び業務の生産性向上等のローコストオペレーションにより経営の合理化に努めました。
さらに、平成27年2月には、シンガポールに本社を置くNaspac Marketing Pte.Ltd.の株式を取得して連結子会社といたしました。これにより、すでに事業展開している中国及びベトナムとの協業を進めることで、アジア地域における一層の事業展開の強化を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前期に酒類卸売業である三陽物産㈱を連結子会社としたことも寄与して、前期に比べて20.0%増加し、9,260億90百万円となりました。利益につきましては、利益管理の徹底及び諸経費の抑制に努めたものの、引き続き物流関連コストの負担等により営業利益は89億32百万円(前期比0.6%減)となり、経常利益は101億21百万円(前期比1.2%増)となりました。そして、当期純利益は前期に比べ6.9%増加し、61億78百万円となりました。
セグメントの業績の概況は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
<常温流通事業>
当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、日常の生活関連消費については生活防衛意識の強さが続いている一方で、多様化する需要に対応すべく、価格だけに頼らない価値の提供に取り組むために提案型営業を推進し、仕入先とも連携して主要得意先との取り組みを強化いたしました。また、自社PB商品の開発及び拡売を図るとともに、売買差益の向上と経費の削減による利益管理を徹底いたしました。
以上の結果、売上高は6,427億50百万円(前期比3.5%増)となり、営業利益は物流コストの増加等により72億84百万円(前期比5.2%減)となりました。
<低温流通事業>
低温流通事業につきましては、生活品の値上げによる消費者の生活防衛意識の高まりや人手不足による物流コストの上昇もあり、依然として厳しい事業環境が続いております。このような状況下において、主力となる日配商材等を中心に売上拡大を図るとともに、物流センター運営への取り組み等によるコストの抑制に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は954億38百万円(前期比6.6%増)となり、営業利益は売上伸長による売上総利益額の増加及び諸経費の抑制により1億88百万円(前期比166.8%増)となりました。
<酒類流通事業>
酒類流通事業につきましては、当連結会計年度より三陽物産㈱の損益を連結対象としており、前期に比べて事業規模が大幅に拡大しております。
当連結会計年度の酒類市場動向は、消費規模の縮小傾向が依然として続いており、さらに消費者の低価格化志向の常態化はあるものの、所得環境の改善を背景に価格と価値を伴った上級化・上質化商品や健康志向に対応した機能性商品への需要など嗜好の多様化、消費の多極化が一層鮮明になってきました。このような状況下において主要取引先や主要仕入先との取組強化を図り、提案力や自販力の強化に努め、ローコスト化にも取組んでまいりました。
以上の結果、売上高は1,973億99百万円(前期比199.0%増)となり、営業利益は3億73百万円(前期比2.2%増)となりました。
<その他>
その他の事業につきましては、物流関連がその主な事業内容であり、当社グループの売上が堅調に推移したことに加え、グループ外との取引も伸長した結果、売上高は110億20百万円(前期比6.6%増)となり、営業利益は物流事業の効率化及び原油安効果等により10億17百万円(前期比18.4%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億52百万円増加し、641億22百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは135億69百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ収入が2億46百万円増加いたしました。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益102億67百万円、仕入債務の増加71億65百万円、減価償却費37億39百万円等により資金が増加した一方で、売上債権の増加49億3百万円、法人税等の支払額28億5百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは83億47百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ支出が42億60百万円増加いたしました。その主な要因は、子会社株式の取得により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは41億69百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ支出が18億60百万円増加いたしました。その主な要因は、短期借入金の純減額によるものであります。
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) |
前年同期比(%) |
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常温流通事業 (百万円) |
591,735 |
103.6 |
|
低温流通事業 (百万円) |
87,239 |
106.7 |
|
酒類流通事業 (百万円) |
182,699 |
296.4 |
|
報告セグメント計 (百万円) |
861,674 |
120.6 |
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その他 (百万円) |
4,841 |
103.9 |
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合計 (百万円) |
866,516 |
120.5 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は仕入価格によっております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
常温流通事業 (百万円) |
632,826 |
103.5 |
|
低温流通事業 (百万円) |
95,318 |
106.7 |
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酒類流通事業 (百万円) |
192,250 |
293.5 |
|
報告セグメント計 (百万円) |
920,394 |
120.1 |
|
その他 (百万円) |
5,695 |
106.8 |
|
合計 (百万円) |
926,090 |
120.0 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
イオン商品調達㈱ |
79,604 |
10.3 |
56,008 |
6.0 |
|
イオンリテール㈱ |
- |
- |
36,672 |
4.0 |
|
合計 |
79,604 |
10.3 |
92,681 |
10.0 |
(注)イオン商品調達㈱の機能は、平成27年6月1日付でイオンリテール㈱に移管されました。このため、上記のイオン商品調達㈱の当連結会計年度の販売実績は、平成26年10月1日から平成27年5月31日までの期間の取引金額を、イオンリテール㈱の当連結会計年度の販売実績は、平成27年6月1日から平成27年9月30日までの期間の取引金額を記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループが、自主独立の経営を維持し成長を続けるためには、卸売業の基本機能の充実とともに、環境の変化に即した対応策を実行することにより、年度業績目標を着実に達成し、成果を積み上げることが重要な課題と認識し、鋭意取り組んでおります。
直面する課題として、平成26年4月からの消費税増税に加えて円安・原材料価格高騰による商品の値上げ等により家計への負担感がさらに増して、日常の生活関連消費については生活防衛意識の強さが続いています。さらに、人手不足に伴う物流コストの上昇も加わり、引き続き厳しい経営環境が続くものと思われます。
このような状況下で当社グループは、取引先との関係を強化し、提案型営業をさらに進めることで価格以外の価値を提供するとともに、自社PB商品の開発・拡売により収益の確保を図ると同時に、すべての業務プロセスを改めて見直し、一層のコスト削減及び経営の効率化を図ってまいります。与信管理については、与信区分及び信用取引限度額を与信管理システムにより定期的に見直し、不良債権の発生防止に努めております。
さらに、組織力の強化に向けたマネジメント層を対象とした研修、営業力の強化のための営業マン研修等による人材育成にも引き続き力を注いでまいります。
そして、自然災害、大火災、新型ウイルス蔓延等の緊急事態発生時において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し、緊急時に備えての教育・訓練等を継続的に実施してまいります。
なお、「企業の社会的責任」につきましては、本業を誠実に遂行することを基本として、内部統制システムの整備・運用を維持しつつ、さらに統制レベルの向上を目指すとともに、環境問題をはじめ企業に求められる様々な社会問題への対応にも真摯に取り組んでまいります。
事業を継続的に行う上で、下記のような予想を超える事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しております。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)需給動向について
当社グループにおける品目別売上高構成比率は、加工食品の割合が非常に高い水準にあります。食品の原料等は海外依存度が高いため、外交問題や紛争、原油価格や農作物の作況等の情勢により原料価格が高騰したり、輸入量が制限される等、食品の需給動向に大きな変化が生じた場合には、当社グループの事業展開並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
当社グループが発売元となる自社PB商品の製造にあたっては、食品の規格・添加物・衛生監視等を定めた「食品衛生法」、工場・事業場の排水規制を定めた「水質汚濁防止法」、浄化槽の設置等を定めた「浄化槽法」、欠陥製造物からの消費者保護を目的とした「製造物責任法(PL法)」、食品廃棄物の再生・抑制等を定めた「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」並びに下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を目的とした「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」等の法的規制があります。
これらの法的規制が強化された場合等には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 災害危機等について
当社グループは全国に営業・物流拠点を配しておりますが、その情報はデータセンターで集中管理する全国的なネットワークシステムを構築しており、災害によるデータの紛失・損壊などを防ぐために、サーバの二重化やデータのバックアップ、アウトソーシングセンターの利用による耐震・防火・停電対策などを行い、災害時においても事業を継続できるように備えています。
また、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し、局地的な災害、障害等の発生時には他拠点からの業務のフォローアップを可能にしております。
しかし、将来的に想定を超える大規模かつ広域に亘る自然災害が発生し、道路の寸断や電力供給量の低下・使用制限等により業務に支障が生じ、復旧が長期化した場合には、当社グループの事業展開並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 食品の安全性について
当社グループは、当社及び子会社において食品製造工場を保有しており、商品の安全性、品質を経営の重要課題と捉え、品質の向上を推進する専門部署を中心に、グループを横断した品質管理体制の構築、法令等各種情報共有を行っており、商品クレームや事故の発生防止、商品表示の適正化に取り組んでおります。
しかし、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示等が発生した場合には、回収費用や訴訟・損害賠償等により当社グループの事業展開並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、平成27年1月24日開催の取締役会において、シンガポールに本社を置くNaspac Marketing Pte.Ltd.の株式を取得することを決議し、平成27年1月27日に同社株主との間で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、平成27年2月4日に株式の取得を完了しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。
(1)財政状態の分析
流動資産の残高は、2,008億19百万円となり前期に比べ88億7百万円増加いたしました。
その主な要因は、有価証券が減少した一方、売上債権並びに現金及び預金が増加したことによるものであります。(なお、現金及び預金に係る内容の詳細につきましては、連結キャッシュ・フロー計算書をご参照下さい。)
固定資産の残高は、1,026億59百万円となり前期に比べ113億76百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の取得及び時価評価額の上昇等によるものと、連結範囲の変更によりのれん及び有形固定資産が増加したことによるものであります。
これにより、資産合計は、3,034億78百万円となり前期に比べ201億83百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、1,845億89百万円となり前期に比べ91億74百万円増加いたしました。その主な要因は、仕入債務が増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、138億85百万円となり前期に比べ14億10百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
これにより、負債合計は、1,984億75百万円となり前期に比べ105億84百万円増加いたしました。
純資産の部については、当期純利益61億78百万円を計上し、かつ、その他有価証券評価差額金が前期に比べ45億6百万円増加したことから、純資産合計は、1,050億3百万円となり前期に比べ95億99百万円増加いたしました。
なお、1株当たりの純資産額は、2,720円49銭となりました。
(2)経営成績の分析
売上高につきましては、平成26年に酒類卸売業である三陽物産㈱を連結子会社としたことで、前期に比べて大幅に増加しております。さらに、消費税増税に加えて円安・原材料価格高騰による商品の値上げ等により、日常の生活関連消費については生活防衛意識が続いている中で、卸売業の役割である「つなぎ」と提案型営業を推進し、営業力のさらなる強化により小売業をはじめとした取引先との取り組みを一つひとつ積み重ね、店舗の売場づくり及び商品開発力のレベルアップを図ることで、価格だけに頼らない価値の提供に取り組んだ結果、前期に比べ20.0%増加し、9,260億90百万円となりました。
利益につきましては、利益管理の徹底及び諸経費の抑制に努めたものの、引き続き物流関連コストの負担等により営業利益は89億32百万円(前期比0.6%減)となり、経常利益は101億21百万円(前期比1.2%増)となりました。
そして、当期純利益は前期に比べ6.9%増加し、61億78百万円となりました。
この結果、1株当たりの当期純利益は164円96銭となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。