第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当社グループでは、事業ポートフォリオの最適化とシナジーの強化を目的として、当連結会計年度に事業セグメントの変更を行いました。

 

(1)経営方針

当社グループは、エンジニアリングをコアとしたトータルソリューションプロバイダーとして、顧客企業が求める多様なニーズにお応えすることをビジネスとしております。当社グループの基本方針として、以下の「我々が目指すもの」を常に念頭に置いた企業活動を行っております。

「我々が目指すもの」

・エレクトロニクスビジネスを通じて、人々の生活を豊かで快適なものにし、「未来社会に貢献」する

・創造力を駆使、携わるエレクトロニクス業界の技術の進歩に寄与し、「不可欠な存在」になる

・我々の真の事業は「問題を解決すること」であり、顧客に満足いただく労苦を惜しまない

・先端技術に挑戦し続ける「パイオニア」になる

・創造力を発揮できる会社の仕組みづくりに心血を注ぐ、「誇りの持てる」会社を実現する

 

(2)経営戦略等

当社グループは創業以来の商社から転換し、「自社製品・サービスを軸に、顧客企業の設計・開発・検証・テストをサポートするソリューションプロバイダー」としての成長を目指します。商社ビジネスで培った顧客のニーズを把握する力を土台とし、最先端の技術を採用した様々なハードウェア・ソフトウェア・サービスの提供を可能とするのが当社グループの強みであると認識しており、利益成長の機会が豊富に存在していると考えております。

具体的な戦略として、2019年2月に公表した中期経営計画(2019年度から2023年度)においては、以下5つを掲げ実行してまいります。

利益成長の追求を図る戦略

・テストソリューション事業の成長

・自社製品売上の増加/メーカー機能の強化

・顧客ベースの拡大/海外市場開拓

・新規分野への積極的な取組み

資本政策・投資戦略

・「資本政策に関する基本方針」(2018年2月7日公表)に則した資本効率の向上(資本コストを意識した投資)

また、長期的に企業価値向上に繋がる施策として、いわゆるESG分野の活動も充実させてまいります。

 

(3)経営環境

当社グループが参画する先端エレクトロニクス業界は、中国や新興国の生産能力の拡大や自動車産業のエレクトロニクス化の進展など中長期的には大きな成長が見込まれ、また先進国での人口減少に伴う生産性向上や脱炭素、省エネルギーへの対応要求にもエレクトロニクス技術のさらなる活用が必須であると考えられます。

一方、翌連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和により、社会経済活動の正常化が一定程度見込まれるものの、依然として収束時期は不透明な状況が継続すると思われます。また、急速な円安の進行の影響が懸念されるほか、半導体の世界的な需給ひっ迫や部材調達難の長期化、ウクライナ情勢や資源価格の高騰が世界経済へ与える影響など、予断を許さない状況が予想されます。

こうしたなか、当社グループは各事業領域において、顧客層の拡大、顧客満足を高めるための自社製品を中心としたソリューションの開発、新たな商材の発掘等に引き続き尽力してまいりますが、半導体不足等による部材調達への影響が依然として懸念されるほか、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、部材調達や委託製造の遅れ、経済活動停滞による顧客からの受注の後ろ倒し、行動制限の要請に伴う商談機会の逸失など、当社グループの一部の事業に相応の影響を与える可能性があります。

テストソリューション事業は、半導体不足による部材調達のリスクが依然として懸念されるものの、先行手配や新規ベンダーの開拓、代替部品の検討や設計変更などの対策を進めることにより、国内向けのメモリーテスターは概ね堅調に推移するとともに、信頼性テストシステム、ファウンドリ向けプローブカードの収益性改善を見込んでおります。

半導体設計関連事業は、新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の制限が緩和されることにより、EDAソフトウェアにおいては既存顧客との期間契約の確実な更新、新規分野の顧客開拓などを積極的に行い、LSI設計受託においても国内の半導体や自動車関連顧客の底堅い設計需要が続くと予想されることから、ともに堅調に推移するものと見込まれます。

システム・サービス事業は、部材不足や価格高騰の影響により、生産計画の見直しや仕入コスト増が懸念されるものの、CPUボードやBOX型コンピューターの顧客需要が高いことや、自動車業界の需要回復による車載関連の組込みソフト検証ツール及び検証サービスの増収が期待されるほか、クラウド決済端末に係るサービス収入の増加などにより増収増益を見込んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、多様化する顧客ニーズを読み取り、最適なソリューションを取り揃え提供していくことで、顧客にとって不可欠なパートナーであり続けることを目指して取り組んでおります。当社グループが対処すべき当面の課題として、2019年度から2023年度までの現中期経営計画において掲げた以下の事項に取り組み、企業価値をさらに高めていく所存です。

①テストソリューション事業の成長

半導体製造装置の輸入販売事業から撤退したのち、ゼロから参入した自社製メモリーテスター事業は、現在当社グループの主力事業に成長しております。2014年度には台湾に本拠を置くSTAr Technologies, Inc.を買収して事業範囲を拡げ、さらなる成長機会を探っております。これまでテストソリューション事業は、強みである顧客ニーズの把握とそれに応じた柔軟な設計に基づく小型で低価格な専用テスターの開発により、限られた分野ではあるものの確固たるポジションを築いてきました。こうした強みを他の用途のテスターに応用し製品ラインナップを拡充するとともに、中国を中心とした海外顧客の獲得によって事業の安定化とさらなる成長を目指します。

②自社製品売上の増加/メーカー機能の強化

近年、当社グループは先端的な自社ソリューション、自社製品の開発・展開を図ってまいりました。ガイオ・テクノロジー社やレグラス社の買収を含め、ここ数年で当社グループにおける自社製品売上の比率は急激に上昇してきており、この傾向は現中期経営計画の期間においてもさらに進行しております。売上高研究開発費比率も上昇してきており、優秀な技術者の確保や品質管理の強化などメーカーとしての機能を充実させるべきステージにあります。自社製の電子マネー決済端末を核としたクラウドサービス、エッジコンピューティング技術を充実させた自社製組込みボードシステムによる顧客ニーズの実現、画像処理技術を活かしたインテリジェントカメラシステムによるソリューション提供など、IoTやクラウドに係るサービスを自社開発のハードウェアやソフトウェアにより実現してまいります。また、自動車産業を中心として浸透してきているモデルベース開発のノウハウを活かした開発支援サービス、制御ソフトウェアの検証用ツールの提供といった最先端技術を活かした事業にも注力してまいります。

③顧客ベースの拡大/海外市場開拓

当社グループの顧客は、従来の輸入商社ビジネスにおいては国内の大手エレクトロニクス企業に大きく偏っておりました。近年、テリトリー制限のない自社製品/サービス事業の展開により、当社グループの顧客層は車載、インフラ、医療などの他業種へ、さらにはアジアを中心とした海外へと拡大を見せ始めており、今後もさらにこの流れを推し進めてまいります。

④新規分野への積極的な取組み

長期的な成長機会の獲得を見据え、新規事業の開拓にも積極的に取り組んでまいります。コーポレートベンチャーキャピタルとして設立したFenox Innotech Venture Company VI, L.P.によるベンチャー企業への投資を含め、様々なビジネスチャンスを模索し、人工知能、ロボティクス、クラウド、ビッグデータ解析といった分野の事業立ち上げを目指しております。

⑤資本効率の向上

2018年2月7日に公表した「イノテックグループの資本政策に関する基本方針」を現中期経営計画においても踏襲し、ROE8%超の実現のため資本政策についても柔軟に対応するとともに、株主還元の充実にも引き続き注力してまいります。

⑥ESG活動の推進

わが国の企業を取り巻く規制や経営環境は日々変化しており、当社グループの事業や関連する外部環境も大きく変動しております。このような状況の下、当社グループでは国際的なビジネスに対応するためのガバナンス体制の構築、地域社会への貢献、社員に対する教育の充実、環境への配慮等に関して、これまで以上に積極的に取り組むとともに、こうした活動についての情報開示を充実させることで、当社グループが社会にとって不可欠な存在であるということを理解していただけるよう努め、中長期の持続的成長の実現へと繋げてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2019年2月に2019年度から2023年度を対象とした中期経営計画を公表しました。現中期経営計画では、「利益成長に伴う企業価値の拡大」を目指しております。

具体的には、ROE8%超を最低限の目標とし、利益やキャッシュ・フローの拡大と同時に「資本政策に関する基本方針」に基づいた適切な資本政策の実行により資本効率の向上を図り、両面からROE目標の達成を目指してまいります。

当社グループが中期経営計画において掲げている主な数値目標は以下のとおりであります。

・自己資本当期純利益率(ROE):中期8%超

・投下資本利益率(ROIC):ROICと加重平均資本コスト(WACC)のスプレッド拡大を実現し、8%を目指す

・負債資本倍率(D/Eレシオ):有利子負債による資金調達を行う場合においては0.5倍以下を目安とする

・配当性向:連結配当性向30%を下回らないこととし、急激な業績変化等が起こらなければ50%程度を目安とする。また、自己株式取得を機動的に行い、総還元性向を高め、自己資本額を適正に保つ

現中期経営計画期間における実績は次のとおりであります。

 

2019年度(第34期)

2020年度(第35期)

2021年度(第36期)

ROE

5.8%

7.8%

10.4%

ROIC

4.5%

4.7%

6.7%

D/Eレシオ

35.7%

42.5%

38.7%

配当性向

49.4%

41.4%

38.5%

引き続き現中期経営計画にて掲げた戦略の実行により上記目標の達成を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特定取引先や業界への依存について

①特定の顧客への依存

 テストソリューション事業における主力製品である半導体メモリー向け自社製テストシステムの販売事業の顧客は、特定の半導体メモリー製造企業であり、当該セグメントの売上高に占める主要顧客への依存度が高い水準となっております。

 当社グループは、現中期経営計画において同事業のさらなる成長を目指しておりますが、同事業は、技術の進歩等により大きく成長する反面、当社グループが管理不能な事由で半導体市場の需給バランスが崩れ、一時的な市場収縮による顧客の設備投資の抑制、生産活動の停滞や、業界再編等に伴う顧客の事業撤退や事業売却により、当社グループの事業計画遂行や経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、当社グループは、製品ラインナップの拡充や多様なアプリケーションの開拓による市場の拡大、顧客との密なコミュニケーション、最適なビジネスモデルの構築等に努めております。

②特定の業界への依存

 システム・サービス事業や半導体設計関連事業において取り扱う製商品・サービスの主要取引先には、国内の自動車メーカー及びその関連企業が含まれます。

 当社グループは、現中期経営計画において自動車関連市場向け事業のさらなる成長を目指しておりますが、パリ協定の合意以降、世界的に脱炭素化の流れが加速しており、ガソリン車の販売規制や世界的な自動車の電動化が進行するなか、急速な電動化への対応の遅れによる国内自動車メーカーの競争力低下や業界再編による市場の縮小などにより、当社グループの事業計画遂行や経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、当社グループは、電動車向け製商品・サービスの強化や海外自動車メーカー等への販路拡大などに努めてまいります。

③特定の仕入先への依存

 当社グループは、取扱製商品や部材等を様々な企業から調達(仕入)しておりますが、半導体設計関連事業における主力商品である半導体設計用(EDA)ソフトウェアの販売事業は、特定の仕入先に依存しており、当該仕入先の予期せぬ企業再編行為や代理店契約の解消等により、当社グループの事業展開や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、仕入先との良好な関係の維持に努めるとともに、自社製品、サービス事業の強化による事業ポートフォリオの最適化を推進してまいります。

 

(2)人財確保に関するリスクについて

 当社グループが参画する事業領域は、技術革新が激しく、顧客ニーズを汲み取り最適なソリューションを提供するためには高度な技術力を必要とします。

 また、当社グループは、現中期経営計画において自社製品売上の拡大及びメーカー機能の強化を推進しており、特に製品の研究開発に必要な能力を満たす人財の採用や育成がますます重要になっておりますが、技術者の獲得競争は激しいものとなっており、仮に充分な技術者を採用できない場合や優秀な技術者が流出した場合には、事業計画の遂行や将来の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、海外の技術者を含めた積極的な採用を行っているほか、教育制度を充実させ技術力の維持・向上を図るとともに、外部の協力会社を活用して効率的なリソース配分に努めております。

 

(3)自然災害や地政学的リスク等について

 当社グループは、日本国内及びアジアを中心とした海外において事業活動を展開し、現中期経営計画においてさらなる拡大を目指しておりますが、それらの地域において地震、台風、水害等の自然災害や重大な感染症の世界的流行、地政学的リスクの顕在化等が発生した場合には、販売活動の停滞や商材・部材の調達困難、従業員の人命に係る事態等により、事業計画の遂行や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、仕入先の分散化や代替部材の並行評価、長期部材の先行確保、部品の共通化、事業継続計画(BCP)の見直しと管理体制の強化、安否確認システムの導入、防災訓練の実施、産業医と連携した感染予防・拡大防止策の策定等の対策を講じております。

 

(4)自社製品等の品質に関するリスクについて

 当社グループは、自社製品売上の拡大やメーカー機能の強化を推進しており、テストシステムや組込み関連などにおいて自社製品やサービス事業を展開しておりますが、製品等の不良による顧客生産ラインへの支障や顧客開発計画の遅延、クラウドサービスに係るサーバー障害等によるサービスの停止や情報の喪失などの損害が発生する可能性があります。特に半導体製造企業や自動車関連企業に対する損害賠償は甚大なものとなることも想定されます。また、全世界的に脱炭素への取組みが活発化しており、当社製品の製造過程やサプライチェーンにおいても脱炭素が求められることが想定されますが、対応の遅れ等により顧客との取引が継続できなくなった場合、事業計画や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、製造物賠償責任保険等への加入のほか、品質管理や品質保証の担当部門等を設置し、「ISO9001」の認証を取得するなどして積極的な品質管理活動を行い、品質管理体制の強化を推進しております。また、カーボンフリーエネルギーの利用検討を積極的に進めるなどの対策を講じてまいります。

 

(5)コーポレート・ガバナンス、内部統制について

 当社グループは、国際的なビジネスや外部環境に対応するため、コーポレート・ガバナンスや内部統制が適切に機能することが重要であると認識しておりますが、M&Aの推進に伴う事業の急速な拡大等により、十分なガバナンスや内部統制構築の整備が追い付かない状況が生じ、従業員等の故意又は過失による法令違反行為の結果、当社グループの社会的信用の失墜により、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対処するため、新たに買収した子会社等に対しては、規程の整備や会計方針の統一などに親会社が積極的に関与し、早期のガバナンス強化や内部統制構築を図っております。また、当社グループとして「内部統制基本方針」や「イノテックグループ倫理行動基準」を策定し、「イノテックグループ外部通報窓口」を設置するなど、内部統制システムを充実させ適切に運用するほか、当社の役員や従業員を子会社の役員として出向又は兼務させて子会社の経営に関与し、不正等の早期発見と適切な対応を図ることなどにより、法令遵守や財務報告の適正性の確保に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産が40,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,861百万円増加しました。一方、負債は17,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ820百万円増加しました。また、純資産は23,167百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,040百万円増加しました。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、欧米や中国などの経済活動回復に伴う輸出や設備投資の改善、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による消費の回復など、景気に持ち直しの動きがみられたものの、半導体の世界的な需給ひっ迫やサプライチェーンの混乱による部材供給難、ウクライナ情勢や資源価格の高騰が世界経済に与える影響など、依然として予断を許さない状況が続いております。

このような状況の下、当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、メモリー向けテスターの需要が旺盛だったことや半導体設計関連向けソフトウェア、受託サービスが概ね堅調に推移した結果、売上高37,238百万円(前期比14.5%増)、営業利益2,585百万円(同32.3%増)、経常利益2,984百万円(同21.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,194百万円(同43.0%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、投資活動において1,150百万円(前期比47.9%減)、財務活動において900百万円(前期は685百万円の獲得)の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)を使用した一方、営業活動により2,741百万円(同227.6%増)を得た結果、当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ1,047百万円増加し、6,480百万円となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

なお、以下の前年同期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テストソリューション事業(千円)

10,174,729

148.45

半導体設計関連事業(千円)

2,980,931

119.81

システム・サービス事業(千円)

4,627,848

92.02

合計(千円)

17,783,509

123.74

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.一部の自社製品については、社外へ委託生産を行っており、上表の金額は外部委託先からの仕入価格を基準に記載しております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テストソリューション事業(千円)

98,189

16.43

半導体設計関連事業(千円)

6,818,472

107.18

システム・サービス事業(千円)

2,378,221

109.47

合計(千円)

9,294,883

101.78

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

テストソリューション事業

14,182,755

114.09

2,433,481

71.24

半導体設計関連事業

12,241,743

100.25

11,233,517

95.53

システム・サービス事業

10,846,762

99.79

3,024,613

115.62

合計

37,271,261

104.95

16,691,613

93.82

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

テストソリューション事業(千円)

14,447,757

135.78

半導体設計関連事業(千円)

12,429,583

108.87

システム・サービス事業(千円)

10,360,903

98.87

合計(千円)

37,238,244

114.45

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法により組替えを行っておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

a.財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、23,189百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,713百万円増加しました。これは主に、半導体不足の対応に伴う先行手配等に伴う棚卸資産の増加によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、17,351百万円となり、前連結会計年度末に比べ147百万円増加しました。これは主に、子会社における機械装置及び運搬具の取得によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、13,612百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,428百万円増加しました。これは主に、子会社における研究開発投資や事業拡大に伴う人員増に対する運転資金確保のため、短期借入金が増加したことによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、3,761百万円となり、前連結会計年度末に比べ607百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、23,167百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,040百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は54.8%となり、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント増加しております。

 

b.経営成績

(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の売上高は、メモリー向けテスターの需要が旺盛だったことや半導体設計関連向けソフトウェア、受託サービスが概ね堅調に推移したことなどから37,238百万円となり、前連結会計年度に比べ14.5%増加しました。一方、メモリー向けテスターの大幅増収は収益性向上に寄与したものの、STAr Technologies, Inc.などでの部材価格高騰や三栄ハイテックス株式会社の退職給付債務の計算方法変更に伴う一時費用発生の影響により、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ0.5ポイント増加の69.9%となりました。また、販売費及び一般管理費は、新製品開発のための研究開発費の増加や業績の向上に伴う従業員賞与の増加、業容拡大に伴う給与手当の増加などにより前連結会計年度に比べ7.9%増加し、8,634百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ32.3%増加し、2,585百万円となりました。

なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。また、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。

〔テストソリューション事業〕

 テストソリューション事業は、半導体メモリー市場等の顧客を中心に当社グループのエンジニアリング力を活かし、高付加価値製品の提供に注力するとともに、顧客ニーズに対応した製品の開発、新規市場の開拓に積極的に取り組んでまいりました。自社製テストシステムは、メモリー向けテスターの国内需要が堅調に推移したことに加え、中国向け製品の販売が寄与したことにより、前期実績を大幅に上回り過去最高の売上高を計上いたしました。台湾のSTAr Technologies, Inc.は、部材の調達難や価格の高騰、台湾での新型コロナウイルス感染拡大による影響や研究開発への先行投資、事業拡大に伴う人員増などにより収益性が若干低下したものの、主に中国向け需要の回復により販売が伸長し増収増益となりました。

 その結果、当事業の売上高は14,447百万円(前期比35.8%増)、セグメント利益は1,534百万円(同51.3%増)となりました。

〔半導体設計関連事業〕

 半導体設計関連事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動が制限されたものの、インターネット等を活用した積極的な営業活動を行い、売上拡大及び収益の安定化に努めてまいりました。主力商品の半導体設計用(EDA)ソフトウェアは、新規顧客への販売が増加したほか、既存顧客からの受注が伸長したことなどにより堅調に推移いたしました。三栄ハイテックス株式会社のLSI設計受託ビジネスは、海外事業が前期実績に及ばなかったことや、退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更したことに伴う一時費用を計上したものの、国内における主力顧客の需要回復により稼働率が上昇し、概ね好調に推移いたしました。また、前連結会計年度に子会社化した株式会社モーデックのシミュレーションモデル製品販売や設計支援サービスも堅調に推移し増収となりました。

 その結果、当事業の売上高は12,429百万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は606百万円(同6.1%増)となりました。

〔システム・サービス事業〕

 システム・サービス事業は、当社グループのエンジニアリング力を活かし、特徴ある製品の開発やサービスの提供に注力してまいりました。当事業においては、半導体の世界的な需給ひっ迫による一部部材の長納期化や価格の高騰が生じておりますが、先行手配や調達ルート拡大などの対応により影響の最小化に努めてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響が一部において継続しているものの、感染防止対策を徹底した上で展示会へ出展するなど、事業活動を再開する取り組みを行いました。アイティアクセス株式会社は、新型コロナウイルス感染症の影響による決済端末需要の大幅な減少をサービス収入の伸長で補ったものの、前期実績には及びませんでした。一方、自社製CPUボードやBOX型コンピューターなどの組込み製品は、防衛向けやセキュリティー関連の需要増により増収増益となりました。ガイオ・テクノロジー株式会社の車載向け組込みソフト検証ツール販売及びエンジニアリングサービスは、主要顧客である自動車関連の需要が回復には至らず伸び悩みましたが、前期における製品開発への集中投資負担の減少などにより、収益性は改善しました。株式会社レグラスは、AIカメラシステムの量産販売や画像処理関連の受託開発が伸張し増収となりました。

 その結果、当事業の売上高は10,360百万円(前期比1.1%減)、セグメント利益は1,114百万円(同22.4%増)となりました。

(営業外損益)

当連結会計年度の不動産賃貸料は、テナントの一部退去があったことなどから456百万円となり、前連結会計年度に比べ4.1%減少しました。一方、不動産賃貸費用は、テナント占有率の低下や経費削減の効果などにより、前連結会計年度に比べ2.5%減少の325百万円となりました。また、Fenox Innotech Venture Company VI, L.P.に係る投資事業組合運用損を計上したことなどから、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ21.3%の増加に留まり、2,984百万円となりました。

(特別損益)

当連結会計年度の特別利益は、三栄ハイテックス株式会社で補助金収入を計上したことなどにより72百万円となりました。一方、特別損失は、三栄ハイテックス株式会社で計上した補助金収入に係る固定資産圧縮損を計上したことなどから、81百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ21.1%増加し、2,976百万円となりました。

(法人税等)

当連結会計年度の法人税等は、海外子会社の税金費用が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ16.2%減少し、693百万円となりました。

この結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ40.0%増加し、2,283百万円となりました。

また、法人税等の税金等調整前当期純利益に対する比率は23.3%となり、前連結会計年度に比べ10.4ポイント減少しました。

(非支配株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、主にアイティアクセス株式会社が減益となったことから、前連結会計年度に比べ7.4%減少し、88百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ43.0%増加し、2,194百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ1,047百万円増加し、6,480百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は2,741百万円(前期比227.6%増)となりました。これは主に、法人税等の支払が976百万円あったものの、税金等調整前当期純利益を2,976百万円、減価償却費を1,058百万円それぞれ計上したことなどにより資金を得たためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は1,150百万円(同47.9%減)となりました。これは主に、投資事業組合からの分配により397百万円を得たものの、有形固定資産の取得に639百万円、無形固定資産の取得に639百万円、長期前払費用の取得に215百万円の資金を使用したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は900百万円(前期は685百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加により454百万円を得たものの、配当金の支払に771百万円、長期借入金の返済に521百万円の資金を使用したことなどによるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は経常的に発生するものではありませんが、生産設備を有する一部の子会社の設備投資や事業買収に係る費用等があります。これらの資金需要に対しては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を使用し、不足分について金融機関からの借入などによる調達を実施することとしております。長期借入金や社債などの長期資金の調達につきましては、金利動向などの調達環境を考慮のうえ、調達規模や調達手段を適宜判断して実施することとしております。

また、自己株式の取得につきましては、「資本政策に関する基本方針」に基づき、実行の是非を判断することとしております。

 

③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準により作成されております。

連結財務諸表の作成にあたって、経営者が採用した会計基準や、資産・負債及び収益・費用の計上並びに開示に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」にそれぞれ記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、従来型商社ビジネスからの転換を図るため、研究開発の充実によって当社グループ自身のエンジニアリング力を高め、市場動向及びニーズを重視しながら自社の新製品・新技術の研究開発を積極的に進めております。

現在の研究開発は、当社グループの各技術部門を中心に推進されており、主に当社においては半導体テストシステムや組込み用途向けのCPUボード、子会社においては半導体向けの信頼性試験装置やプローブカード、キャッシュレス決済端末や車載向けの組込みソフト検証ツール等の開発を行っております。

当社グループの当連結会計年度の研究開発費の総額は1,644百万円となっており、このうち、テストソリューション事業に係る研究開発費が1,366百万円、半導体設計関連事業に係る研究開発費が11百万円、システム・サービス事業に係る研究開発費が267百万円となっております。

なお、当連結会計年度の主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。

 

(1)テストソリューション事業

当社のテストシステム事業では、前連結会計年度に引き続き、メモリーデバイス向けテストシステムの海外顧客向け仕様の整合や、低価格を維持しながら高速化を行うためのソフトウェアの開発に取り組んでおりましたが、当連結会計年度において納品することができました。また、既存顧客の次世代製品に係る開発環境強化への貢献や当社製品の差別化を図るための各種装置、機能の開発や後工程向け新製品の評価や開発・企画などに引き続き取り組んでおります。イメージセンサー向けテストシステムについては、前連結会計年度に引き続き、カメラモジュール向けの各種製品で海外企業とのコラボレーションモデルを推進し、グローバル体制での開発に取り組むとともに、次世代高速信号インターフェース製品の研究開発を連結子会社である株式会社レグラスと協業で行いました。その他、MEMSセンサーの分野では圧力系センサーで世界最高速となる次世代型試験機の開発を進めており、その派生品の開発も検討しております。

また、STAr Technologies, Inc.は、先端テクノロジーを使用したターンキーテストソリューションを提供するため、引き続き積極的な研究開発を行いました。信頼性試験装置事業では、同社の製品であるSagittariusシリーズにおけるアプリケーションライブラリの拡張や自動キャリブレーション設定機能を充実させ、ますます重要性が増しているRFデバイス向け自動信頼性測定システムの開発に取り組みました。また、大手ファウンドリ顧客に販売実績のあるScorpioシリーズでは、ウエハーレベルでの信頼性試験向けに低ノイズフロアを実現したプロービングステーションシリーズの開発に引き続き注力しました。一方、同社のプローブカード事業では、パラメトリック試験(※1)用途のVirgoシリーズのさらなる高性能・高精度化のほか、イメージセンサーデバイス等に対応するアドバンストプローブカード(※2)の開発やプローブピンと同様にプローブカードのキーパーツとなるスペーストランスフォーマ―(※3)の内製化を行うとともに、MEMSプローブカードの製品化に向けた研究開発を行いました。

翌連結会計年度においても、当社グループのエンジニアリング力を活かし、先端半導体テスト向けに特徴のある製品開発に注力してまいります。

(※1)半導体デバイスの微小電流測定や電圧測定を行い重要な半導体特性評価やパラメータ解析を行う試験のこと

(※2)カンチレバー(片持ち梁)型プローブカードに比較し、狭ピッチ、高位置精度、高周波特性に優れており、MEMS技術を応用したプローブカードのこと

(※3)プローブカードを構成する部品で微細な半導体デバイスのパッドピッチに変換する薄膜多層配線基板のこと

 

(2)システム・サービス事業

自社ブランド「INNINGS」にて展開する当社の組込み用途向けCPUボード製品は、前連結会計年度に引き続き、インテル社製CPU「Atomシリーズ」の最新世代(ElkhartLake)搭載のCPUボードやそのCPUボードを搭載した小型BOX製品の開発に取り組みました。これらの製品は、いずれもFA・産業機器等を中心とした組込み向け市場やエッジAI市場において必要とされる仕様を満たしており、翌連結会計年度中の量産化に向けて開発体制を強化しつつ、防衛用途やエッジAI分野などに向けた開発にも取り組んでまいります。

また、ガイオ・テクノロジー株式会社の組込みソフト開発・検証ツールについては、前連結会計年度に引き続き、次世代モデルベース開発やセキュリティー分野、モデルベース検証容易化設計ツールの研究開発を推進し、製品化を目指しております。

アイティアクセス株式会社は、決済端末事業において、QRコード決済を含む各種電子マネーへの対応や各種認証のためのシステム開発、アミューズメント向けの専用端末の開発などに注力しております。

株式会社レグラスは、自社のAIカメラ画像ソリューションによる建設機械などへの安全装置向け人物検知システムに加え、建設機械自体の制御機能と連携するシステム開発などに注力し、翌連結会計年度の量産販売開始を目指しております。