文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社並びに連結子会社及び持分法適用会社(以下、当社グループ)は、1964年の創業以来2万社以上のお客様にIT活用を支援してまいりました。これらの経験と実績をベースに、当社グループ各社はそれぞれが得意とする事業分野においてスピード感のある事業展開を行い、お客様に最適なソリューション(課題解決策の提案)、サービスの提供を積極的に行っており、経営理念には「社会、お客様、株主、社員と感動を共有し、信頼されるグローバルなベスト・サービスカンパニーを目指します。」を掲げております。当社グループ各社が連携し、社員が一丸となってお客様満足度の向上と社会貢献を通じて皆様から信頼されるベスト・サービスカンパニーを目指し、当社グループの持続的成長と企業価値の最大化を実現してまいります。
(2) 中長期的な経営戦略
当社グループは、持続的成長と企業価値向上の実現に向け、2017年度を初年度とする4ヵ年の中期経営計画「Transform2020」を策定しました。この「Transform2020」では、「事業構造を変える」、「注力分野の明確化」、「新たな取り組み」を基本方針に据え、デジタル・トランスフォーメーションによるビジネスのサービス化を継続して推進してまいりました。
「Transform2020」では、注力分野として、クラウド、New SI、セキュリティ、JBソフトウェア、ヘルスケア、3D、人財育成サービスからなる「WILD7」と呼ぶ付加価値と成長性の高いビジネス領域を設定し、重点的にこれらビジネス分野の成長のための取り組みを進めております。これら付加価値の高いビジネス領域であるWILD7が着実に成長したことにより、収益力が向上してきております。今後とも、変化の激しい当業界において、ビジネス構造の更なる変革に取り組んでまいります。
なお、「Transform2020」の最終年度(2021年3月期)の目標である売上高60,000百万円、営業利益2,700百万円につきましては、上記取り組みの寄与もあり、2020年3月期に前倒しで達成いたしました。一方、2021年3月期業績予想につきましては、足元の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による業績への影響等を考慮し、2020年5月12日に以下の通り開示しております。
<当社グループの当期実績と来期業績予想>
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2020年3月期実績 |
2021年3月期業績予想 |
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売上高 |
65,618百万円 |
55,000百万円 |
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営業利益 |
3,461百万円 |
1,700百万円 |
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営業利益率 |
5.3% |
3.1% |
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ROE(自己資本利益率) |
12.4% |
7.3% |
※この業績予想は、開示時に当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて策定したものであり、実際の業績等は今後さまざまな要因によって記載内容と異なる可能性があります。
(3) 対処すべき課題
当社グループが、今後企業価値を向上させていく上で、対処すべき主要な課題は、以下の通りと考えております。
IT業界を取り巻く経営環境の変化は一層激しさを増し、技術革新も急速に進んでおります。加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による経済的影響も懸念されます。当社グループにおいては、病院の電子カルテシステムの提供を行うヘルスケア事業、各種研修を行う人財育成サービス事業、中国における日系企業のIT運用の支援がとりわけ影響を受けております。一方、お客様企業のテレワーク環境の構築やハンコレス、ペーパーレス化等、今後の日本社会における仕事のやり方が大きく変容していくものと想定されます。これらは当社グループにとって新たなビジネスチャンスとなるものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループが今後さらなる成長を実現するためには、当社グループの主要なお客様である中堅中小のお客様のデジタル・トランスフォーメーションをさらに推進し、お客様と新しいデジタルビジネスを共創することにより、ビジネスを拡大する必要があると考えています。その実現に向け、次の取組みを加速させてまいります。
① 注力分野への更なる集中
当社グループは、中期経営計画「Transform2020」において打ち出した注力分野「WILD7」への取組みを行い、変革を進めております。とりわけ、以下の事業領域については、今後の成長性と収益性が期待され、一層の注力を図ってまいります。
クラウド事業については、テレワークソリューションをはじめとした、お客様に最適なソリューションを組み合わせることで当社グループ独自の価値を付加し、クラウドでのITサービスの提供を推進してまいります。
セキュリティ事業については、今後クラウド市場の拡大とともに成長が見込まれるクラウドセキュリティ分野において、当社グループはクラウドについて豊富な知見と経験を有する強みを活かし、マルチクラウド環境でのセキュリティサービス提供に積極的に取り組んでまいります。
システム開発(SI)については、New SIとしての超高速開発やクラウドネイティブ開発をさらに加速させ、より高品質なシステムをより多くのお客様に提供することを進めてまいります。また、新技術の導入による圧倒的な開発生産性を追求し、お客様により早く価値を提供すべく、コンテナ技術(注)にも注力してまいります。
ソフトウェア事業については、「お客様のICT環境の全てを“つなぐ”プラットフォーム」をコンセプトとした、API-Connect基盤の「Qanat Universe」のビジネス拡大のため、戦略パートナーとの連携を一層強化し、販売チャネルの拡充に取り組んでまいります。
(注)コンテナ技術とは、OS上に他のプロセスからは隔離されたアプリケーション実行環境を構築することで、仮想的な動作環境をより
少ないコンピュータリソースで実現する技術のこと。開発者側では、開発・運用の作業や非機能要件の実現が容易になり開発に専
念できることで、お客様のやりたいことを素早く実現・変更することが可能になる。
② グループ力の発揮
当社グループは、純粋持株会社体制を採用することにより、当社グループの経営資源の最適活用や各事業会社の特性や得意技を活かしたグループ協業を推進するなど、グループとしてのビジネス拡大を図っております。また、当社グループ内でのデジタル・トランスフォーメーションの取組みをショーケース化し、お客様へ提供してまいります。今後はさらに、ITに関するトータルソリューションをグループとしてお客様へご提供できる強みを最大限に活かし、お客様との取引の一層の深耕と拡大を図り、顧客基盤の強化を目指してまいります。
③ 働き方改革の実践
当社グループは「グループ社員が、元気で溌溂と楽しく働く風土を創る」人財育成方針のもと、様々な人事制度改革に取り組んでまいりました。多様な働き方の支援として、フルフレックスタイム、時間単位年休、短時間・短日数勤務等の新たな人事制度を導入してまいりました。また、シニア社員の活躍支援として、匠プログラム(70歳までの雇用延長)や極プログラム(70歳以上の活躍の場)といった実質定年制度の廃止となる制度を新たに導入いたしました。こうした制度により、年齢にとらわれず、誰もが働きがいを持ってその能力を有効に発揮することができる場を提供してまいります。今後、これら新たな人事制度の制度定着を図るとともに、自律的で自由度の高いフレキシブルな働き方を実現し、魅力ある企業を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性は常にあるものと認識していますが、その時期や程度、仮に当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響を個別具体的に合理的に予見し判断することは非常に困難であるため記載しておりません。
これらリスクに対応するため、当社は代表取締役社長が委員長を務めるリスク管理委員会を設置し、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 情報漏洩に関するリスク
当社グループは、お客様の情報システム等に関するコンサルティングからシステム開発、運用、保守サービスにいたるまでトータルなITサービスをご提供しております。このITサービスをご提供するにあたり、お客様が保有する個人情報や情報システムに関する情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。これらの機密情報が、コンピューターウィルス、不正アクセス、人為的過失等により外部への漏洩が発生した場合、経営成績等に影響があるだけでなく、当社グループの信頼を失う可能性があります。
このような情報セキュリティリスクを回避するため、当社グループでは、お客様情報を含む当社グループの機密情報をあらゆる脅威から保護するために必要となる管理の基本方針として「JBグループ情報セキュリティポリシー」を策定し、情報セキュリティに関する意識の向上に努めております。また、社内の情報システムに適切なアクセス権限の設定を行うなど物理的なセキュリティ対策を行うとともに、当社グループの社員から業務委託先の社員に至るまで情報セキュリティに関する教育・研修を実施するなど、情報管理の徹底を図っております。
(2) システム開発に関するリスク
当社グループは、お客様の情報システムの開発を行っておりますが、お客様のご要望が高度化・複雑化したこと、あるいは開発段階でのシステム要件の変更などにより、当初の見積り以上に作業工数が増加し、追加費用が発生する可能性があります。
このような不採算案件リスクを回避するため、見積り段階より社内での審査会議を開催することに加え、プロジェクトマネージャーのスキル向上や品質マネジメントシステムの整備など、受注後におけるプロジェクト管理を適切に行える体制を整えております。また、ビジネスやシステム開発における、お客様ニーズや環境及びテクノロジーの変化に対応するべく、新たな取り組みを開始し、従来型の開発手法からの変革を実践しております。
(3) 売掛債権の貸倒について
当社グループは、中堅中小企業のお客様から大企業のお客様まで多くのお客様へ製品やサービスをご提供しておりますが、取引の多くについては代金回収が事後となるため、お客様の業績の悪化により債権の回収遅延や回収困難が発生する場合があります。
このような貸倒リスクを回避し、債権の回収遅延あるいは回収困難の影響を最小限に抑えるため、連結子会社であるC&Cビジネスサービス株式会社の経理財務部門が中心となり、与信管理の強化を図っております。
(4) 大規模な自然災害等に関するリスク
当社グループが事業活動を展開する地域が大規模な地震、洪水等の自然災害や重大な伝染病の発生により、事業拠点、従業員、パートナーが大きな被害を受けた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような大規模な自然災害等に備え、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じております。また、当社のデータセンターについては複数個所に分散し、災害発生時の事業継続リスクへの対応力強化に努めております。
なお、この度の新型コロナウイルス感染症対応においては、以下のようなリスクがあります。
①海外からの直送品を含む製品供給に関してお客様の希望納期に遅延するリスク
②お客様のサポート業務(受付業務等)の縮小やメール対応の拡大等により対応時間に遅延が生じるリスク
③お客様指定場所での受託業務の実施が難しく、遠隔での業務実施となりプロジェクト案件のスケジュールに遅延
が生じるリスク
④人財育成サービス事業において、集合研修を行うことが困難になり研修が催行できなくなるリスク
これらリスクに対しては、お客様との調整を適切に行い、お客様サポートの遠隔作業の環境を整えるとともに、集合研修からオンライン研修の仕組みに切り替える等必要な対応を迅速に行っております。また、BCP委員会を中心に各種対応策を検討・展開し、IT(情報技術)を活用したテレワーク中心のワークスタイルへの速やかな移行による感染拡大防止策の実施、安否確認システムを使った社員の健康状態の把握等を実施しております。
(5) 法令・規制に関するリスク
当社グループは、事業活動を行う上で、国内外の法令及び規制の適用を受けております。また、労働関係の法令についてもより一層の法令遵守が求められております。このような状況の中で法令違反等が発生した場合や法令や規則に変化があった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような法令・規制に関するリスクを回避するため、内部統制委員会の設置によるガバナンス体制の強化、「JBグループ行動基準」の制定とその遵守及びコンプライアンス教育の実施による法令遵守の徹底を行っております。
(6) 人材の確保・育成に関するリスク
当社グループの事業活動は、専門性に基づいてお客様に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定通りに進まない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような人材の確保・育成のリスクを回避するため、人材の確保については、優れた専門性を有した人材の採用に努め、ワークライフバランスを重視し、働き方や価値観の多様化に対応した人事制度の構築や労務環境の整備に取り組んでいます。人材の育成については、各種資格の取得支援制度や各種研修・教育を実施しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、米中経済摩擦、英国のEU離脱等の海外経済の動向や株価・長短金利の値動き等金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に低下懸念があるものの、雇用・所得環境の改善が続く中、年度末にかけて緩やかな回復傾向にありました。しかしながら、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により内外の経済動向は不透明感が増しており、特に当社グループの主要顧客である中堅企業の業績の冷え込みが当社グループに及ぼす影響には、今後留意が必要な状況にあります。
このような中、4ヵ年の中期経営計画「Transform2020」3年目にあたる当連結会計年度は、「Transform2020中計の達成」、「働き方改革のスタート」、「継続的成長への転換」を当社グループの経営基本方針と位置付けるとともに、SI(システム開発)の開発生産性を高めるコンテナ技術のスキル向上や今後ニーズが高まるクラウドセキュリティに関する技術力の強化など、これまで以上にお客様のビジネス要求を素早く実現し、当社グループの価値と成果をお届けするための取組みに注力いたしました。
当連結会計年度においては、クラウドサービス、セキュリティサービスやNewSI(新しい手法によるシステム開発)等の戦略的注力分野が順調に伸長いたしました。さらに、SI及びITS(ITサービス)の受注も極めて高い水準で推移したことに加え、Windows10への更新の特別な需要も寄与し、当社グループの業績は非常に好調に推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次の通りであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,496百万円増加し、37,097百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,957百万円、未収入金が3,023百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が1,374百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,499百万円増加し、21,346百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が3,264百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2百万円減少し、15,750百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により1,951百万円増加した一方、自己株式の取得により875百万円、配当金の支払いにより875百万円減少したことによるものです。
b.経営成績
当連結会計年度の連結業績は、売上高65,618百万円(前期比11.4%増)、営業利益3,461百万円(前期比31.6%増)、経常利益3,606百万円(前期比31.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,951百万円(前期比9.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
情報ソリューション分野の売上高は63,273百万円(前期比12.1%増)となりました。
製品開発製造分野の売上高は2,344百万円(前期比3.8%減)となりました。
なお、セグメント別の詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載の通りであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,948百万円増加し、9,444百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動による資金の増加は3,216百万円(前期は1,837百万円の増加)となりました。増加要因としては、主に税金等調整前当期純利益3,181百万円、退職給付に係る負債の増加2,856百万円、売上債権の減少1,351百万円、減少要因としては、主に未収入金の増加3,030百万円、法人税等の支払額又は還付額1,252百万円によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動による資金の増加は98百万円(前期は178百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入292百万円によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動による資金の減少は1,368百万円(前期は1,194百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払い875百万円、自己株式の取得による支出875百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
a.生産実績
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報ソリューション |
28,472 |
10.5 |
|
製品開発製造 |
1,824 |
△6.8 |
|
合計 |
30,296 |
9.2 |
b.受注実績
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報ソリューション |
63,969 |
9.1 |
14,137 |
26.5 |
|
製品開発製造 |
2,170 |
△4.5 |
101 |
△45.3 |
|
合計 |
66,139 |
8.6 |
14,238 |
25.3 |
c.販売実績
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報ソリューション |
63,273 |
12.1 |
|
製品開発製造 |
2,344 |
△3.8 |
|
合計 |
65,618 |
11.4 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 生産実績におきましては、金額は製造原価によって表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、業界及び市場の動向、取引先の動向があげられます。
業界及び市場の動向につきましては、ITに関する技術が日進月歩で発展し、クラウドコンピューティングによるサービスの提供、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した新たなビジネスモデル等が社会・経済を支えるインフラとして急速に浸透しております。これらの新しいビジネスモデルの対応に遅れると、市場での企業間競争力の低下を招き、当社グループの業績が影響を受けることになります。そのため、企業グループとして勝ち残り成長していくため、既存ビジネスの変革や成長分野への取り組みによるビジネスの伸長に加え、次世代の先進技術研究への積極的な取り組みや更なる事業の選択と集中、収益力向上施策による財務基盤の強化を図りつつ、企業統治・業務執行体制を充実してまいります。
取引先の動向につきましては、当社グループは企業向けシステム等のサービス提供をビジネスの柱としており、その取引先は創業以来2万社に上り、その業種は多岐に渡っております。取引先の業績悪化による受注の減少や、当社グループの提供可能なサービス範囲を超える要求を反映した不採算リスクの高い案件の獲得等が積み重なれば、当社グループの業績が影響を受けることになります。そのため、取引先に対する与信管理の強化や取引先の業界動向調査、取引先に対するサービス提案やプロジェクト管理体制を整備しております。
なお、新型コロナウイルス感染症により、とりわけヘルスケア事業(電子カルテ等病院向けシステムの提供)、集合研修を行う人財育成サービス事業、中国における現地法人等が影響を受けております。また、その他事業においても、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発出とそれに伴う経済活動の停滞等により取引先によるIT投資計画の延期や見合わせ、景気が後退局面に入る可能性も懸念されます。新型コロナウイルス感染症の収束が長引いた場合や感染拡大の第2波の規模によっては、当社の業績にも直接的・間接的にさらに大きな影響が出てくる可能性があります。一方、お客様企業においては、今回のパンデミックを教訓として、テレワークやペーパーレス化のためのIT環境の整備を加速する動きも見られ、このことは当社グループにとってはビジネスチャンスとなります。当社グループも含め、働き方や処遇制度は大きく変容していくものと予想しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、売上高及び営業利益の目標値を置くとともに、売上総利益率や営業利益率についても常に注意を払って経営を行っております。また、資本効率を高め企業価値の向上を図っていくため、株主資本利益率(ROE)についても重要な指標として位置付けております。当連結会計年度におけるROEは12.4%と、昨年度に続き10%を超え、2期連続で過去最高のROEを達成することが出来ました。引き続き資本効率の向上にも努めてまいります。
また、年間配当額につきましては、前期比で1株当たり4円の増配を行っており、過去最高の配当となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因は、次の通りであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高については、前連結会計年度と比べ6,718百万円増加し、65,618百万円(前期比11.4%増)となりました。戦略的注力分野の伸長およびSI・ITSビジネスの堅調な推移、さらにはWindows10更新に関わる特別な需要もあり、2桁成長を達成いたしました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益については、前連結会計年度と比べ1,492百万円増加し、18,464百万円(前期比8.8%増)となりました。Windous10更新ビジネスの伸長により、売上総利益額は前期比で増加していますが、売上総利益率の低いPC販売が増えたことに伴い、売上総利益率については28.1%と、前連結会計年度と比べ0.7ポイント低下いたしました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、前連結会計年度と比べ662百万円増加し15,003百万円(前期比4.6%増)となりました。販管費抑制の効果もあり、売上高販管費率は22.9%となり、前連結会計年度と比べ1.4ポイント低下いたしました。売上総利益率の低下に比べ、販管費率はそれを上回る率で抑制しております。
(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
収益構造の変革に伴い、高付加価値ビジネスへ集中したことで売上総利益が増加し、当連結会計年度の営業利益については、前連結会計年度と比べ830百万円増加し3,461百万円(前期比31.6%増)となりました。営業利益率は5.3%となり前連結会計年度と比べ0.8ポイント上昇いたしました。経常利益については、前連結会計年度と比べ868百万円増加し3,606百万円(前期比31.7%増)となりました。経常利益率は5.5%となり前連結会計年度と比べ0.9ポイント上昇しております。親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度と比べ169百万円増加し1,951百万円(前期比9.5%増)となりました。当期純利益率は3.0%となり、前連結会計年度と比べ同水準となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容は、次の通りであります。
[情報ソリューション]
情報ソリューション分野では、企業の情報システムの構築及び運用保守サービス等を行っており、売上高は63,273百万円(前期比12.1%増)となりました。
SI及びITSの受注状況は極めて堅調であり、当連結会計年度における受注高及び受注残高は、前連結会計年度に続き好調に推移しております。加えて中期経営計画における注力分野である付加価値の高い「WILD7」のビジネス領域についても、クラウドサービス、セキュリティサービス、NewSIを中心に着実に成長しております。
SIについては、引き続きNewSIへの注力を行い、超高速開発案件やサイボウズ社のクラウド型開発プラットフォーム(kintone)を活用した脱紙・脱EXCELを実現する業務改善アプリケーション開発等のクラウドネイティブ案件が伸長いたしました。とりわけ、JBCCアジャイル開発(注1)の手法による超高速開発案件において、お客様の基幹システムに関連する開発案件が着実に増えてきております。
サービスについては、インフラ基盤の構築・運用サービスを提供しているITSが堅調に推移するとともに、「WILD7」のビジネス領域であるセキュリティサービス及びクラウドサービスが順調に伸長し、当連結会計年度における新規契約高は着実に積みあがってきております。セキュリティサービスについては、日々多様化・高度化するサイバー攻撃へのセキュリティ対策のニーズ増加に伴い、エンドポイントセキュリティ(注2)をはじめとする各種セキュリティサービスのビジネスが好調に推移しております。また、クラウドサービスにおいても新規契約高が着実に積み上がってきていることに加え、RPA(Robotic Process Automation)による業務の自動化案件や、AIによるチャットボット(注3)案件にも注力いたしました。
システムについては、前年度に続き特別な需要としてのWindows10更新関連のビジネスが当初計画に対し極めて好調に推移し、ビジネス拡大に寄与いたしました。
(注1)アジャイル開発とは、小単位で実装テストを繰り返し、システムやソフトウェア開発を進めていく小規模開発向けの開発手法の
こと。開発期間が短縮されるためアジャイル(俊敏な)と呼ばれる。当社グループのJBCC株式会社では、高速開発ツールを利用
する等の独自手法を取り入れ、大規模開発や基幹システム開発にもアジャイルを適用することを可能にし、大型案件の開発納期
短縮を実現している。
(注2)ネットワークに接続されている端末機器(PC、タブレット、スマートフォン等)に対するサイバー攻撃から守るセキュリティ対
策のこと。近年、働き方改革の一環として在宅勤務等のテレワークが進み、社外から社内ネットワークへ接続する機会が多くな
り、ウイルス感染した端末機器による社内ネットワークへの拡散事例も増えているため、このエンドポイントを守るセキュリテ
ィ対策の需要が高まっている。
(注3)対話(chat)とロボット(bot)を組み合わせた言葉で、AIを活用した自動会話プログラムのこと。音声やメール等のテキスト
文章による各種問い合わせに対し、ロボットやコンピューターが人間に代わり回答するため、業務の効率化を図ることができ
る。
[製品開発製造]
製品開発製造分野では、当社グループ独自のソフトウェア及びプリンター等の情報機器の開発・製造・販売を行っており、売上高は2,344百万円(前期比3.8%減)となりました。
当社グループ独自のソフトウェアであるJBソフトウェアについては、戦略パートナー様とのビジネスに注力し、売上が伸長いたしました。また、今後のクラウド環境におけるデータ連携の活発化を見据え、当社グループのJBアドバンスト・テクノロジー株式会社が開発・運用するデータ連携クラウド基盤である「Qanat Universe」を活用する形で株式会社オービックビジネスコンサルタント様と協業し、2019年10月より「奉行クラウドApp Connect」の提供を始めました。
製造業様向け生産管理システム「R-PiCS」については、バージョンアップビジネスが伸長いたしました。
一方、インパクトプリンターを中心とするハードウェアについては、企業ニーズの減少により、計画通りの減少となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・ フローの状況」に記載の通りであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金より充当し、不足が生じた場合には短期借入金により調達しております。また、複数の取引銀行との間で総額14,550百万円の貸出コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これにより、安定的な運転資金を確保するとともに、M&Aの実施の際の機動的な資金調達やマーケット環境の一時的な変化等不測の事態への対応にも備えております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、設備投資は主としてパソコン・サーバー等の社内使用設備や事務所関連設備が大半であり、長期借入金による設備資金の調達は現在のところ必要ではない状況となっております。なお、2019年度については株主還元及び資本施策の一環として自己株式の取得を行いました。
今後につきましても、当社グループにシナジーをもたらすM&A等の投資や次世代の先進技術研究への投資、加えて株主の皆さまへの還元もしくは資本施策の一環としての自己株式の取得等、財務状況や株価の動向を考慮しながら必要に応じ機動的に実施してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されている通りであります。
なお、当期の連結財務諸表の作成にあたって、2020年度上期に新型コロナウイルス感染症の影響が継続するものとして見通せる影響を会計上の見積り及び仮定の設定において検討しておりますが、現時点において重要な影響を与えるものではないと判断しております。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
(提出会社)
(1) 経営指導等に関する契約
当社は、グループ企業各社との間で、当社が各社に対して行う経営全般にわたる指導・支援等に関して、「経営指導契約」を締結しております。
(連結子会社)
(1) 株式譲渡契約
当社の連結子会社である株式会社シーアイエスは2020年2月27日開催の取締役会において、株式会社フィニティの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループでは、経営や業務に関するIT課題を抱えるお客様に最適かつ最新のソリューションをご提供するため、情報ソリューション分野及び製品開発製造分野におきまして研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発費金額は
(1) 情報ソリューション分野
当社グループの情報ソリューション分野は、IT活用に関するトータルサービス(コンサルティング、アプリケーション開発、システムインテグレーション、運用、保守、監視、アウトソーシング等)を提供しております。今後ますます重要となるクラウドコンピューティングの技術を取り入れ、様々な業種・業態に応じたクラウドサービスの製品化や様々な適用ケースでの人工知能(AI)の活用に関する研究開発、また今後ニーズが高まるクラウドセキュリティ分野やSI(システム開発)の開発生産性を高めるコンテナ技術に関する技術力の強化、動画解析技術に関する調査研究を進めるとともに、製品のバージョンアップに伴う機能強化や各種オプションサービスの充実に関する研究開発を行っております。また、当社グループの中核となるJBCC株式会社においては、「未来ラボ」を設置し、急速に進歩する新たなテクノロジーや手法を取り込み、デジタル・トランスフォーメーション(DX)によるお客様との新たなビジネスモデルの共創をめざした活動を展開しております。
なお、情報ソリューション分野の研究開発活動の金額は
(2) 製品開発製造分野
製品開発製造分野は、当社グループのオリジナルソフトウェアである、情報連携支援ソリューション、意志決定支援ソリューション、プリンティング支援ソリューション、ユーザー支援ソリューションを提供しております。そのサービスのほとんどにおいて、新製品開発及び機能強化に関する研究開発を進めております。クラウドサービスを前提に「お客様のICT環境のすべてを“つなぐ”プラットフォーム」をコンセプトにした「Qanat Universe」、サイボウズ社のクラウド型開発プラットフォーム(kintone)のプラグイン機能をパッケージ化した「ATTAZoo+」、データメンテナンスの自動化を実現する「デジピタ!」等の開発及び機能強化を行い、その製品ラインナップを充実させております。また、当社グループのオリジナル・ソフトウェア(JBソフトウェア)の開発を担うJBアドバンスト・テクノロジー株式会社においては「先進技術研究所」を設置し、近年技術革新が著しいAIやIoT関連技術の活用のための研究開発や全く新しい発想での新製品及びサービスを開発するために必要な最先端の技術情報の調査・研究についても積極的に取り組んでおります。
なお、製品開発製造分野の研究開発活動の金額は