第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは住宅資材の流通業を主要事業とし、「快適で豊かな住環境の創造」という企業理念の下、より良い住宅資材を、適正価格で、お客様の要望される場所へタイムリーにお届けすることを目標に営業活動を展開しております。また、単にモノを販売するだけでなく、お取引先である建材販売店や工務店などに住宅建築関連の様々なサービスを提供するほか、企業経営ノウハウを提供することで、お取引先との共存共栄を図る仕組みづくりにも取り組んでおります。

純粋持株会社である当社がグループの戦略立案機能及び経営管理機能を一段と強化し、事業展開の判断の迅速化と経営の透明性の向上に努めるとともに、グループ各社が連携して高い総合力を発揮できる企業グループを形成し、株主価値の更なる向上を目指したグループ経営を推進してまいります。

 

(2)経営戦略等<中期経営計画(2022年度~2024年度)の取り組み>

前中期経営計画“Breakthrough 21”において当社グループは、その対象とする2019年度から2021年度の3ヵ年を“既成概念を打ち破り、新たな挑戦に取り組む期間”と位置づけ、①新たな価値の創造、②強くしなやかな組織造り、③企業プレゼンスの向上を経営目標に掲げ、様々な施策を展開してまいりました。

この成果を踏まえ、当社グループは、2022年度からの3ヵ年を対象とする新たな中期経営計画を策定いたしました。これからの3ヵ年は、新型コロナウイルス感染症の収束とワクチン接種の進展により、個人消費を中心に景気回復基調に復帰するものと期待される一方、足元においては緊迫したウクライナ情勢及びエネルギー価格高騰によるコストプッシュ型インフレの進行など、極めて不透明な経営環境が継続するものと予測されます。

このような認識の下、当社グループは引き続き成長拡大路線を堅持しつつ、突発的な事象への高い機動力と柔靱さを持って対応するとともに、2030年度をより魅力ある企業グループへと生まれ変わるターゲットイヤーとした長期ビジョン『Brand-New JKHD 2030』を掲げました。その上で、最初の3ヵ年を対象とする新たな中期経営計画を策定し、更なる成長への第一歩とするという想いを込め、そのスローガンを『Further Growth 24』としました。

以上の認識と基本的な考え方をもとに、中期経営計画の取り組みとして次の3本の柱を打ち立て、各々の柱ごとに諸施策を展開してまいります。

① 持続的成長を目指した連結経営基盤強化

短期的経営環境、社会環境へ柔軟に対応しつつ、次世代においてもより力強い組織体であることを目指し、経営基盤として中核を担う人財、ITへの投資を行うと同時に、より効率的な事業運営を可能とするポートフォリオマネジメントを実施します。

・次世代人材育成

・ダイバーシティ・インクルージョン推進

・ポートフォリオマネジメント

・グループ共通基盤の構築を目指したIT投資

・コーポレートガバナンス・コンプライアンス強化

② コア事業における競争力強化

建材卸売事業におけるDXを活用した物流効率化を主軸に、各セグメントにおけるコア事業の強化を行い、既存マーケットにおけるプレゼンス拡大を目指します。

・DXを活用した物流効率化

・M&A・事業承継を通じた拠点整備

・取引先様へのサービス深化・高度化

③ 社会課題解決型ビジネスの推進

2050年におけるカーボンニュートラルを見据えた循環型社会構築に向けた取り組みを加速し、建築業界を取り巻く様々な社会課題に対するソリューションの提供を通じて新規事業の取り込みを行います。

・循環型社会の構築に向けた取り組み

・職人不足・高齢化への対応

・後継者不在・経営者高齢化へのサポート

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、成長拡大路線を維持することにしておりますので、経営指標としては、第一に対前年比売上高成長率を重視しております。また、質的な成長を図る指標としては、各段階の利益率、とりわけ各利益のベースとなる売上高総利益率の向上を重視しております。

 

 

(4)経営環境

当社グループを巡る経営環境は、新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻が今後どのように推移し、いつ収束するのか未だはっきりとした見通しは立たず、状況如何によってはコストプッシュ型インフレの懸念も想定されるなど、不透明な経営環境が継続するものと認識しております。当社グループが取り扱う住宅資材につきましても、その需給バランスの回復にはもう少し時間を要する見込みです。

このような環境下、当社グループは足元、グループの総合力を遺憾なく発揮することでサプライヤーとしての責務を果たしてまいります。また、新型コロナウイルスの状況に留意しつつ展示会の開催など営業活動の活発化を模索するとともに、テレワーク(在宅勤務)や変則スライド勤務等の環境整備やBCP(事業継続計画)の実践などこの1年間の経験を活かし、適時適切に環境変化に対応してまいります。

並行して中期経営計画“Further Growth 24”の各施策を実施に移し、成長拡大路線は維持しつつ、各分野での新機軸にチャレンジするとともに、次代に備えた体質改善にも注力してまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

<新型コロナウイルス感染症への取り組み>

この2年間、当社グループは、従業員やお取引先への新型コロナウイルス感染を未然に防止すること、それと同時にお取引先への住宅建築資材の供給を円滑に行うこと、これら二点を最重要課題と認識しています。このため、既に構築済みのBCP(事業継続計画)を発動するとともに、テレワーク(在宅勤務)や変則スライド勤務等の対策を打ってまいりました。

ウィズコロナの今後においても、引き続き従業員及びお取引先の安全確保を最優先とした上で、お取引先への住宅建築資材の供給責任を果たすため、グループの知恵と工夫を結集してまいります。また、今般の経験を活かし、今後はBCPの充実強化を継続するとともに、より柔軟な働き方や組織のあり方を実現すべく環境整備に努めてまいります。

 

<供給制約への取り組み>

合板等の素材や住宅機器の供給制約に対しては、木質系建材流通の川上から川下までを一気通貫で手掛け、また、製造加工部門や海外部門も有するなどの当社グループの総合力を最大限に発揮するとともに、木質系建材卸トップ企業として築いたメーカーとの強固な関係を活かし、木材及び木質系建材、住宅機器等住宅資材全般にわたる供給責任を果たすべく、引き続き量の確保や代替材の調達、生産に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)新設住宅着工戸数が業績に与える影響について

住宅関連業界の業績は、新設住宅着工戸数の増減に大きく左右されます。なかでも当社グループは、木造戸建住宅関連の商品が取扱いの中心であることから、新設住宅のうち持ち家部門の増減の影響を大きく受けます。

当社グループといたしましては、建て替え需要を含む新設住宅需要の掘り起こしに努めるとともに、住宅リフォーム市場や木質系非住宅市場での販路拡大に注力し、木造戸建住宅の新築に依存しない経営体質造りに努めております。しかし、現時点では、業績面での木造戸建住宅の新築依存は相対的に大きく、住宅資材の高騰、住宅ローン金利の上昇、住宅ローン減税制度の縮小・廃止、消費税率の引き上げ等により新設住宅着工戸数が大幅に減少するような状況が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響について

一昨年来の新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績に与える影響はこれまでのところ限定的です。しかし、新たな変異の発生などもありその影響がいつ収束するのか、未だはっきりとした見通しが立っておりません。当社グループとしては、感染の未然防止に向けた様々な対策を打つのと同時に、感染者が出た場合には、その拡大の封じ込めを図りつつ事業を継続するためにBCPを発動するなどの態勢を整えておりますが、クラスターの同時発生など想定を上回る事態となった場合には、一時的かつ局所的に事業継続が困難となる可能性があります。

 

(3)「ウッドショック」やウクライナ情勢が業績に与える影響について

昨年来の「ウッドショック」により木材需給は逼迫し価格の高騰が続いているところ、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、需給及び価格がいつどのような水準に落ち着くのか、先行きがさらに見通しづらくなっています。

これに対して当社グループは、木質系建材流通の川上から川下まで手掛け、また、製造部門や海外拠点も有するなどのグループ総合力を活かし、引き続き十分な量の木材調達に努めるほか、代替材の調達や生産などにより供給責任を果たす所存であります。

その一方、「ウッドショック」等による住宅資材の需給の逼迫や価格の高騰が収束するまでに相当の時間を要することになれば、わが国の新設住宅着工戸数の減少につながる懸念があり、その場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)市況商品である合板の価格変動リスクについて

当社グループの主力販売商品である合板は市況商品であり、価格が大きく変動することがあります。

国内の合板市場は、数量ベースで国産品、輸入品各々半々の構成比となっています。国産品は着工戸数等と生産量の需給バランスにより、また、輸入品はこれに加えて原木生産国や製品輸出国の国内事情あるいは製品輸入国の需要動向などから販売量及び価格が大きく左右される可能性があります。

以上のような、価格、数量に対する様々な変動要因によるリスクを軽減するため、国内にあっては、製造子会社における生産調整や販売子会社による仕入れの調整を機動的に実施しています。海外にあっては、マレーシア(ミリ)及びインドネシア(ジャカルタ)ほかASEAN諸国数ヶ所に駐在員を派遣、現地メーカー等と常にコンタクトを取り情報収集を行うことにより、価格の安定化や利益の確保に努めております。しかし、国産、輸入いずれにおいても、急激かつ大幅な市況変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)リベート等の変動によるリスクについて

当社グループの主たる事業である総合建材卸売事業の売上総利益の主な構成は、販売価格と仕入価格の差である売買差益と、一定期間の仕入金額や販売金額に応じて建材メーカーや商社から支払われる割戻金及び販売奨励金からなります。今後、当社グループの仕入・販売金額の減少や、建材メーカー等の価格政策の見直しによる取引条件の変更が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)信用リスクについて

中核企業であるジャパン建材株式会社のお取引先は全国約1万先に及ぶなど、グループ各社は、多数のお取引先に企業間信用を供与しています。このため、グループ全体での与信管理体制を逐年強化しており、当連結会計年度におきましても、新規不良債権発生額は予算を大幅に下回りました。

引き続き与信の分散化に努めるとともに、グループ全体での与信管理のシステム化や動態観察の重視等、きめ細かい管理と早期対応により、不良債権発生の抑制に努める所存でありますが、想定の範囲を超える不良債権が発生いたしますと、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、また、「ウッドショック」による木材価格の急騰や品不足が進展する昨今、信用リスク管理には従来以上に取り組みを強化しておりますが、今後、住宅業界において倒産が大きく増えることも懸念され、想定を超える不良債権が発生する場合には当社グループの業績も大きく影響を受ける可能性があります。

 

(7)為替リスク及びカントリーリスクについて

当社グループの主力商品である合板については、その材料となる単板、製品を問わず、輸入価格は為替相場の変動及びカントリーリスクの顕在化による影響を受けます。

中核企業であるジャパン建材株式会社は、合板販売総額の約3割程度を直接輸入しており、為替相場の変動に対しては契約額の50%以上を先物為替予約でヘッジする方針で対応し、為替相場の変動が経営成績に及ぼす影響を軽減するよう努めておりますが、急激かつ大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、合板以外にも、製材品や原材料としての木質系素材を輸入している子会社も複数あり、これらの子会社も、為替リスクのみならず、輸入国のカントリーリスクも負っています。実際、現に発生しているロシアへの経済制裁により、同国産の製材品や木質系素材の調達が困難となっており、代替材での対応を迫られています。

 

(8)企業買収等にかかるリスクについて

当社グループが所属する住宅関連業界は、中長期的な市場規模の縮小が予想されるなか、今後も業界再編等が進むものと見込まれます。当社グループにおきましても、営業基盤の拡充・強化を図る観点から、企業買収等を積極的に推進しています。個別の企業買収等の際には適切なデュー・デリジェンスを実施しますが、買収した企業の価値が大幅に減少するような状況が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)自然災害・事故等にかかるリスクについて

当社グループは、大規模な自然災害や事故、感染症のパンデミック等が発生した場合、営業・製造拠点や本社、サプライチェーン、従業員等が深刻な被害を被る可能性があります。このような事態に備え、当社グループは事業継続計画(BCP)を定めておりますが、その想定を超える被害を被った場合は、当社グループの業績に甚大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)サイバー攻撃にかかるリスクについて

当社グループは、生産、販売、会計、人事その他業務全般をITシステムにより管理しております。また、当社グループは、お取引先の個人情報や営業秘密情報など、業務に必要な重要情報を取り扱っております。

一方、様々なサイバー攻撃が世界中で活発化しており、当社グループのITシステムもその攻撃対象となり得ることを認識しております。このため、社内ネットワーク上で異常が検知された場合は、直ちにアラームを発するとともに必要な対応を行う仕組みの導入、各種データの定期的なバックアップの実行、各種端末へのセキュリティソフトの導入、セキュリティに関する社員教育等適切に対策することによってリスクの低減に努めております。

しかしながら、想定を超えるレベルで攻撃を受けた場合には、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩等による事業の中断、損害賠償請求やセキュリティ対策コストの増加等により、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が収束せず、サプライチェーンの乱れから様々な資材の調達に支障を来し、価格も高騰するなど厳しい状況が続いていたところ、年明け以降は、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、この混乱をさらに助長する状況となっています。当社グループが属する住宅業界もその例外ではなく、木材や木質系素材の品不足が拡大し、価格面もかつてない程激しく高騰するなど、「ウッドショック」と称される様相を呈しているほか、半導体をはじめ様々な産業に向けた部品等の供給不足から、一部の住宅機器にも調達面での混乱が生じ、未だ収束に至っておりません。

一方、新設住宅着工戸数は、前年同期比では、全体でも、当社グループが主力とする持ち家でも6~7%程度の増加と堅調です。

このような状況下、当社グループは、新型コロナウイルスへの感染防止のための様々な手立てを講じながら慎重に営業活動を進めました。また、並行して2019~2021年度を対象とする中期経営計画 “Breakthrough 21”の最終年度として、その重点施策を実行に移し、次代を視野に入れた態勢整備を進めています。「ウッドショック」や住宅機器の供給制約に対しては、木質系建材流通の川上から川下までを一気通貫で手掛け、また、製造加工部門や海外部門も有するなどの当社グループの総合力を最大限に発揮するとともに、木質系建材卸トップ企業として築いたメーカーとの強固な関係を活かし、木材及び木質系建材、住宅機器等住宅資材全般にわたる供給責任を果たすべく、量の確保や代替材の調達、生産に努めました。

この結果、当連結会計年度における業績は以下のとおりとなりました。

売上高は3,761億20百万円(前期比9.6%増)と新設住宅着工戸数全体の伸び(同6.6%増)を大きく上回りました。なお、今期から新たな収益認識に関する会計基準を導入しており、この影響(169億94百万円)を考慮すると売上高は3,931億14百万円(同14.5%増)と、二桁の伸びとなっています。利益面では、一昨年春稼働開始した株式会社キーテック山梨合板工場が順調に稼働率を上げていることや、量質両面にわたる仕入・販売のきめ細かいコントロールによりグループ全体の粗利益率が向上したことなどが寄与し、営業利益は124億75百万円(同129.7%増)、経常利益は131億11百万円(同151.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億7百万円(同202.0%増)とかつてない大幅な増益となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

 (総合建材卸売事業)

「ウッドショック」の影響から、特に合板等素材商品の調達面の確保が難しい状況でしたが、取扱商品全般、特に合板等素材商品を主体に利益率は大きく改善しました。

この結果、当事業の売上高は3,104億51百万円(前期比6.6%増)、営業利益は73億1百万円(同46.0%増)とともに大きく増加しました。

 (合板製造・木材加工事業)

当事業の中核を占める株式会社キーテックは、主力のキーラム(LVL)事業が代替材としての需要拡大を受けて増収増益となったほか、一昨年稼働を開始した山梨合板工場の稼働率向上から増収増益となりました。また、ティンバラム株式会社をはじめ当事業に属するほとんどの子会社が黒字転換を伴う増収増益を果たしました。

この結果、当事業の売上高は180億81百万円(前期比55.7%増)の大幅増収、営業利益は42億14百万円(前期は5億65百万円の営業損失)と黒字転換しました。

 (総合建材小売事業)

総合建材小売業につきましては、2021年4月に、株式会社ティエフウッドを株式会社ブルケン・マルタマに、四辻製材株式会社を株式会社ハウス・デポ関西に各々吸収合併し、2021年9月には、サッシ等の販売及び施工を手掛けるハラコートーヨー住器株式会社(現 株式会社ハラコー)を新たに子会社とし、2021年10月には、株式会社タムラ建材を新たに連結子会社とする一方、井田商事株式会社を株式会社KEY BOARDに吸収合併しました。第4四半期連結会計期間には、株式会社ダイエイ及び株式会社三栄社を新たに連結子会社とする一方、INTERRA Japan株式会社を清算しました。このように、総合建材小売事業セグメントでは、積極的なM&Aを推進しつつ、グループ内再編をダイナミックに進めています。

この結果、当事業の売上高は442億50百万円(前期比17.3%増)、営業利益は7億95百万円(同69.0%増)増収増益となりました。

 

 (その他)

その他には、建材小売店の経営指導を中心にフランチャイズ事業を展開している株式会社ハウス・デポ・ジャパンのほか、建設工事業の子会社4社、物流関係等の子会社5社及び純粋持株会社でありますJKホールディングス株式会社の一部事業等を区分しております。2021年9月には、ハラコートーヨー住器株式会社(現 株式会社ハラコー)の子会社で、インターネットによるサッシ・エクステリア製品等の施工販売を手掛けるハッピーコーポレーション株式会社を新たに子会社としました。これらの子会社のうち建設工事業を手掛けるJKホーム株式会社及び株式会社ティンバースケープに対する新型コロナウイルス感染症の影響は依然大きく、これら2社は引き続き売上、利益両面で苦戦を強いられています。

この結果、当事業の売上高は33億36百万円(前期比18.9%増)、営業利益は96百万円(同74.6%減)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は2,249億32百万円となり、前連結会計年度末に比べて186億43百万円増加いたしました。増減の内訳としては、現金及び預金が29億円増加、受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権の合計額が127億53百万円、棚卸資産が26億65百万円増加し、流動資産が190億4百万円増加いたしました。

固定資産は、無形固定資産が3億45百万円増加した一方、有形固定資産が6億32百万円減少、投資その他の資産が74百万円減少したことにより、固定資産合計では3億61百万円減少いたしました。

負債は1,716億52百万円となり、前連結会計年度末に比べて105億39百万円増加いたしました。増減の内訳としては、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計額が136億46百万円増加した一方、短期借入金が5億47百万円減少したことなどにより流動負債が122億46百万円増加いたしました。

一方、固定負債は、長期借入金が14億78百万円減少したことを主因として、固定負債合計では17億7百万円減少いたしました。

純資産は532億79百万円となり、前連結会計年度末に比べて81億3百万円増加いたしました。利益剰余金が82億23百万円増加したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ27億35百万円増加し、387億94百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は81億82百万円(前期は88億46百万円の獲得)となりました。税金等調整前当期純利益130億64百万円、減価償却費24億21百万円といった資金獲得要因がありましたが、一方で棚卸資産の増減額が25億41百万円及び法人税等の支払額22億57百万円の資金使用要因があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は18億55百万円(前期は25億23百万円の使用)となりました。固定資産の取得と売却の差額14億90百万円の資金使用要因があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は35億91百万円(前期は27億79百万円の使用)となりました。長期借入金の純減額19億29百万円、短期借入金の純減額5億47百万円、配当金の支払額7億45百万円といった資金使用要因があったこと等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

総合建材卸売事業

(百万円)

合板製造・木材加工事業

(百万円)

19,003

154.6

総合建材小売事業

(百万円)

報告セグメント計

(百万円)

19,003

154.6

その他

(百万円)

合計

(百万円)

19,003

154.6

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

総合建材卸売事業

(百万円)

291,658

109.0

合板製造・木材加工事業

(百万円)

1,315

118.3

総合建材小売事業

(百万円)

13,970

147.1

報告セグメント計

(百万円)

306,944

110.3

その他

(百万円)

536

138.4

合計

(百万円)

307,480

110.4

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

総合建材卸売事業

合板製造・木材加工事業

5,345

143.6

234

197.9

総合建材小売事業

報告セグメント計

5,345

143.6

234

197.9

その他

2,000

109.9

801

85.4

 合計

7,346

132.6

1,035

98.0

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

総合建材卸売事業

(百万円)

310,451

106.6

合板製造・木材加工事業

(百万円)

18,081

155.7

総合建材小売事業

(百万円)

44,250

117.3

報告セグメント計

(百万円)

372,784

109.5

その他

(百万円)

3,336

118.9

合計

(百万円)

376,120

109.6

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における財政状態及び経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

当連結会計年度においては、売上高は3,761億20百万円と収益認識基準の変更を考慮した実質ベースで前期比498億60百万円増(14.5%増)となりました。このように前期比二桁の増収となった背景には、住宅取得を巡る金利、税制などの優遇政策が継続していることに加え、在宅勤務の浸透によるライフスタイルの変化などを受け、住宅への関心が高まるのとともに戸建て住宅への需要が増加し、新設住宅着工戸数が前期比6.6%増加するなど需要が堅調であったことが挙げられます。また、新型コロナウイルス感染症の影響から、生産及び物流の面で住宅資材全般について供給制約が生じ需給がタイトになったことから、住宅資材全般の価格が上昇したことがもう一つの要因です。このような状況は特に木質系建材の流通に強く表れており、「ウッドショック」と称されるほどになっています。

利益面においても「ウッドショック」の影響は大きく、売上高総利益率が12.3%と前期比1.4%ポイント増加し(収益認識基準の変更を考慮した実質ベース)、売上総利益は483億74百万円と前期比110億37百万円増(29.6%増)の大幅な増益となりました。「ウッドショック」のプラスの影響をセグメント別に分析しますと、リードタイムの長い流通の上流ほど影響が強く表れており、合板製造・木材加工業>総合建材卸売業>総合建材小売業の順に増収増益の幅が大きくなっています。

なお、当連結会計年度における増収増益の要因は以上のような環境要因だけではありません。まず、供給制約に対しては、木質系建材流通の川上から川下までを一気通貫で手掛け、また、製造加工部門や海外部門も有するなどの当社グループの総合力を最大限に発揮するとともに、木質系建材卸トップ企業として築いたメーカーとの強固な関係を活かし、木材及び木質系建材、住宅機器等住宅資材全般にわたる供給責任を果たすべく、量の確保や代替材の調達、生産に努めたことが挙げられます。また、数年来取り組んできた利益率の向上に向けた意識改革と、その実現のための努力の積み重ねが実を結んだものと認識しています。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金は、グループ内の資金を効率的に活用することによって賄うことを基本とし、不足額や緊急に必要となる資金については、当座借越枠、CP枠、中核企業であるジャパン建材株式会社の手形流動化枠等にて対応しております。運転資金以外の資金需要の主なものは、製造子会社の機械等の設備資金や販売子会社の事務所・倉庫等の営業用不動産への投資のほか、M&Aによる会社の取得資金など持株会社である当社の投資に要する資金です。この投資資金については、自己資金を充てることを基本に不足額を銀行借入によって調達しております。銀行借入については、半期ごとに長期資金の調達計画を立て、計画的に調達しております。

当連結会計年度においては、子会社の事務所・倉庫・機械の新増設や補修等の設備投資を行っておりますが、その規模は減価償却の範囲にとどまる一方、グループ各社の業況が順調であり、グループ内金融が返済超過となったことから、グループ全体の借入金も減少しました。

 

③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や現状等を勘案して、合理的と考えられる方法により会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

以下の事項については、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢及びウッドショックの影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、現時点で入手可能な情報を基に、2023年3月期の一定期間にわたり継続するとの仮定のもと見積りを行っております。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度において、研究開発活動はありません。