第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は不動産事業、ホテル事業を軸にしている会社でありますが、グループ全体の発展のために、事業投資を行っております。その事業投資はキャピタルゲインだけを目的としておりません。投資するビジネスがどれだけ社会に貢献し、夢のある未来社会の実現に関われるかを考慮して決定を行います。

また、投資形態としては、子会社の設立、パートナーやファンドとの共同出資、企業買収による経営参画や連結子会社化など、それぞれの事業特性に合わせてもっとも適した方法を採用します。投資は長期保有を原則とし、投資実行後は、当社で培った経営資源を投入し、多角的、重層的に事業展開を支援します。

これにより投資先企業の企業価値を向上させると共に、当社グループ収益の最大化も目指します。

 

(2)経営戦略

日本国内外において未来型社会の動向を先取りして、事業価値の継続的な成長が予見できる投資先に集中的に投資します。また、競争力が劣位にある企業については、市場での競争力の回復が可能と判断した場合に経営支援や資金支援を行い、高い投下資本利益率を実現できるよう事業の再編を図っていきます。

また、海外投資においては、各国の実情や経済発展の状況に合わせながら、当社の経験値をベースに成長産業に投資してまいります。

 

(3)経営環境

当連結会計年度における我が国経済は、輸出が引き続き弱含むなかで製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種経済政策の効果もあり、年度半ばにかけては概ね緩やかな回復基調にありました。しかし、年度後半は消費増税により景気に弱い動きが見られる中で、新型コロナウイルス感染症の影響でさらに大きく下押し圧力がかかり、大変厳しい状況にあります。このような中、当社の主力事業である不動産事業においては、首都圏の賃貸用不動産の供給過多が懸念されるほか、ホテル業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、増加を続けていた訪日外国人観光客の需要が激減するなど大変厳しい状況となっております。

海外経済につきましても、米中間の通商問題を巡る動向や影響等により、景気が更に下振れするリスクがあるなか、東南アジア及び南アジア諸国においては概ね景気回復基調にありましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、今後の見通しは極めて厳しい状況にあります。海外事業において、日系企業向け広告代理店業務を展開するインドネシアは経済成長のポテンシャルはあるものの地政学的リスクや管理面などの内的なリスクがあり、新型コロナウイルス感染症の影響を含めると経営環境は不透明な状況となっております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①グループ管理体制の強化

機動的な事業展開を可能にするために、11社の連結子会社より構成されたグループ会社の経営状況の適時な把握に努めるほか、グループの経営管理を強化すべく、事業執行権限の見直しと業務報告体制の整備を実施してまいります。また、グループ間の資金管理を一元化等することで、より効率的な事業基盤を確立してまいります。

②内部経営資源の有効活用

迅速かつ効果的な経営判断をする為に、グループ情報の共有化や幹部間による情報交換等、グループ間のコミュニケーション体制を確保してまいります。また、社員研修等によるグループ共通人材の育成に注力することにより、グループ間の連携強化とグループシナジーを追求してまいります。

③外部経営資源の積極的な活用

当社グループの発展のために、当社の企業理念等に相応したM&Aやエクイティ投資のほか、幅広く内外の企業との提携等を積極的に実施してまいります。

④内部管理・コンプライアンス体制の構築

会社法・金融商品取引法を踏まえた内部統制の整備については、グループ各社において、業務プロセスの文書化、可視化によるルール整備を進めております。また、コンプライアンスにつきましても、当社グループの企業行動憲章や社員行動規範等をグループ内で周知徹底するとともに、社員研修等による教育を実施しております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)不動産事業に関するリスク

① 法的規制等に関するリスクについて

当社グループの不動産事業については、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが不動産事業者として、「宅地建物取引業法」及び「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等に基づく免許を受け、事業展開しており、当該法令の法的規制等を受けております。当社グループではこれらの法的規制等を遵守するよう努めておりますが、法令違反が発生した場合や今後、これらの法令の改廃や新たな法的規制等が設けられる場合には、事業活動が制約を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競争環境の激化

当社グループの不動産事業については、新規参入等により競合他社が他業種と比べ多く存在し、不動産テックを活用した新しいサービスが次々に開発されるなど、技術革新も進んでいます。当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズにおいても、こうした競合環境の中、新しい取り組みを進め、顧客満足を高めるサービスを展開しておりますが、競争激化により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 賃料収入の減少

当社グループの不動産事業では、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが不動産オーナーから借上げた賃貸不動産を入居者へ転貸し、入居者から得られる賃料収入を収入源としております。賃貸不動産に対するニーズは景気の変動に影響を受けやすく、今後、新型コロナウイルス感染症等の影響も含め、経済情勢が悪化し、入居率が低下した場合、賃料収入が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 礼金・敷引金・更新料制度の変更・廃止

 当社グループの不動産事業では、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが、賃貸不動産入居者との賃貸借契約において、新規入居時に礼金や敷引金を、契約更新時に更新料を設定し、礼金・敷引金・更新料を受領しています。これは不動産業界の一般的な慣行であり、最高裁判所の判決では一定の条件のもとで更新料の有効性等が認められておりますが、仮に上記金銭を返還しなければならなくなった場合、もしくは将来、これら金銭を受領することができなくなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 不動産市況の悪化

当社グループの不動産事業において、不動産に関連する税制改正や金融機関の融資姿勢の変化など、不動産投資にマイナスの影響が出る事象が発生し、不動産取引が低迷した場合、不動産売買事業における販売額・件数等が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)ホテル事業に関するリスク

① 新型コロナウイルスの影響長期化及びその他の流行性疾患の発生

当社グループのホテル事業については、新型コロナウイルス感染症の影響により、遠距離移動や団体行動の制限が続くことが見込まれ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

成田ゲートウェイホテルについては、千葉県からの要請に基づき、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者の一時的な宿泊施設として提供しておりますが、世界的な新型コロナウイルス感染症収束の推移が見通せないなか、インバウンド中心のホテルとしての正常化には時間がかかるものと予想しております。また、倉敷ロイヤルアートホテルにつきましては、営業基盤が国内顧客中心となっているため、非常事態宣言解除後の正常化への道程は比較的短いものと想定しておりますが、冷え込んだ観光需要の回復にはなお時間がかかるものと懸念します。

なお、新型コロナウイルス感染症以外の流行性疾患が発生した場合には、同様に遠距離移動や団体行動の制限が予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食中毒等、食の安全性に関する問題

当社グループのホテル事業では、レストラン、宴会場等において食事や飲料を提供しており、衛生管理に係るマニュアルの整備や従業員に対する教育指導の徹底等、衛生管理体制の強化に努めておりますが、万が一、食中毒や食品衛生上の問題が発生した場合、一定期間の営業停止等の処分を受ける可能性がある他、イメージの低下等により顧客離れが起こり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人手不足等による人件費の増加

当社グループのホテル事業では、使用人数の半数程度がパート及び嘱託社員となっておりますが、人手不足、働き方改革の進展、社会保険や労働条件等の労務環境の変化、同一労働同一賃金制度の導入等により、人件費が上昇し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害

当社グループのホテル事業において、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外事業に関するリスク

① 特定の広告主との取引集中

当社グループの海外事業では、インドネシアにおいてPT. CITRA SURYA KOMUNIKASIが主に日系企業向けの広告代理店業務を行っておりますが、売上に占める特定の広告主の割合が高く、新型コロナウイルス感染症等の影響を含め、経済情勢の変化等により、広告主の業績悪化やコスト削減等が進んだ場合、報酬の切り下げや取引の停止が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新・メディアの構造変化への対応

インドネシアにおいてもスマートフォンに代表されるICT技術の進化・普及等により、新たな広告メディアの進展が著しく、多様な広告手法が生み出されており、これまで展開してきた従来型の手法では広告主のニーズを満たすことができない状況となっています。PT. CITRA SURYA KOMUNIKASIにおいても、こうした環境の変化に合わせて、新たな展開を進めていますが、その取り組みが十分でない場合、顧客離れが進み、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外特有のリスク

当社グループの海外事業においては次に掲げる特有のリスクが考えられ、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

イ.経済情勢や競合他社の活動状況

ロ.予測しえない法律や規則の施行・制定、税制の変更

ハ.テロ、デモ、戦争、疾病等による社会的混乱

ニ.不利な政治的要因の発生

ホ.通貨価値の変動、為替相場の変動

 

(4)その他のリスク

① 事業投資に関連したリスク

当社グループは、グループ全体の発展のために事業投資を行っており、さまざまな投資形態を採用し、国内外で上場・未上場問わず投資対象を選定します。そのため、国内外の経済情勢の影響を受け、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、投資先企業に対して派遣した当社役職員が損害賠償請求等をされた場合、当社グループに使用者責任及び当該賠償金額を負担する義務が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 風評被害

当社グループの事業に対して、悪質なデマや誹謗中傷がSNSなどインターネットをはじめとする情報媒体等を通じてなされた場合、当社グループ全体の健全な事業活動に支障を来たし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新株予約権による株式の希薄化リスク

当社グループは役職員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。新株予約権の権利行使が行われた場合、当社株式が新たに発行され、当社株式価値が希薄化する可能性があります。

 

④ 個人情報漏洩のリスク

当社グループは、個人情報保護法により定められた個人情報の漏洩防止に努めるべく、個人情報の管理体制を整備しております。しかしながら、情報化社会における昨今の個人情報を取り巻く環境は年々複雑さを増しており、予期せぬ事態により個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の低下や当該漏洩事件に対応するため発生する費用等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、輸出が引き続き弱含むなかで製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種経済政策の効果もあり、年度半ばにかけては概ね緩やかな回復基調にありました。しかし、年度後半は消費増税により景気に弱い動きが見られる中で、新型コロナウイルス感染症の影響でさらに大きく下押し圧力がかかり、大変厳しい状況にあります。

また、海外経済につきましても、米中間の通商問題を巡る動向や影響等により、景気が更に下振れするリスクがあるなか、東南アジア及び南アジア諸国においては概ね景気回復基調にありましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、今後の見通しは極めて厳しい状況にあります。

このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、引き続き、国内外における新規投資及び機会創造に努める一方、既存事業における収益の増大、経営の効率化に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は売上高13,276百万円(前年同期比44.0%増)、営業利益256百万円(前年同期比18.6%増)、経常利益254百万円(前年同期比10.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益151百万円(前年同期比96.5%増)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に評価管理するため、セグメント間取引の調整方法を見直し、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。なお、前年同期比較は変更後の算定方法に基づいております。

 

<不動産事業>

不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、並びにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を営んでおります。レジデンス事業における管理戸数が引き続き高水準を維持したこと、不動産売買事業における取引が対前年同期比で増加したことから、当連結会計年度の不動産事業の売上高は10,442百万円(前年同期比59.2%増)、営業利益は290百万円(前年同期比40.2%増)となりました。

 

<ホテル事業>

ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田では主としてインバウンド需要の取り込みに奏功したこと、倉敷では近隣競合ホテルの改修等の影響があり、売上高・営業利益とも年度終盤まで好調に推移しましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響を受けたため、当連結会計年度のホテル事業の売上高は1,378百万円(前年同期比4%減)、営業利益は86百万円(前年同期比45.4%減)となりました。

 

<海外事業>

海外事業につきましては、インドネシア共和国においてPT. Citra Surya Komunikasiが主として日系企業向けに広告代理店業務を行っております。売上高は概ね前年度並みを維持しましたが、主要顧客の粗利率が全般的に低下したため、当連結会計年度の海外事業の売上高は876百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は28百万円(前年同期比38.3%減)となりました。

 

<その他>

その他につきましては、モバイルリンク株式会社において、車載端末システムの開発、販売を、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において、M&Aに関するコンサルティング業務を、有限会社増田製麺において、中華麺等の製造販売を行っております。

モバイルリンク株式会社において車載端末システムの既存顧客取引が順調に進捗したことから、当連結会計年度のその他の売上高は583百万円(前年同期比73.7%増)、営業利益は58百万円(前年同期は営業損失2百万円)となりました。

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,990百万円となり、前連結会計年度末に比べ176百万円増加しました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は311百万円(前年同期は414百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益262百万円、減価償却費110百万円があった一方で、たな卸資産の増加119百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は144百万円(前年同期は423百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出149百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は8百万円(前年同期は160百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入200百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出252百万円があったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

その他の一部で生産活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。

 

b.受注実績

その他の一部で受注販売活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

不動産事業(千円)

10,442,042

59.2

ホテル事業(千円)

1,377,978

△4.1

海外事業  (千円)

873,006

△1.3

報告セグメント計(千円)

12,693,027

42.9

その他    (千円)

583,065

73.7

  合計(千円)

13,276,092

44.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、増収増益となりました。増収の主な要因は不動産事業において、レジデンス事業における管理戸数が高水準を維持するとともに、不動産売買事業における取引が増加したことであります。一方、増益の要因は不動産事業が好調だったことに加え、前連結会計年度において計上した投資有価証券評価損(18百万円)、繰延税金資産の一部取崩しによる法人税等調整額(57百万円)などが減少したことにあります。

来期以降につきましては、不動産事業は効率化をさらに進め、利益率の向上を目指していきます。また、ホテル事業は新型コロナウイルス感染症の影響により、訪日外国人客の集客難等、厳しい状況が続くと考えております。また、海外事業では、PT. CITRA SURYA KOMUNIKASIが、インドネシアにおいて主に日系企業向けの広告代理店事業を展開しておりますが、同国のGDP成長率は堅調に推移しており、特にデジタル広告事業分野の需要はますます増えるものと考えております。その需要の取り込みが大きな課題であるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響についても注視する必要があります。

海外、特にスリランカにおいては新規事業への投資を行っております。育成期のため、現時点では収益は出ておりませんが、投資事業の管理体制の見直しやシナジー効果の期待できる事業提携等を積み重ね、投資事業を早期に軌道に乗せていくことが大きな課題であると認識しております。

なお、当連結会計年度においては国内上場企業(株式会社エコノス、株式会社アマガサ)が発行する新株予約権の一部を引き受け、株式会社アマガサは2020年4月28日より持分法適用会社となっております。今後、国内においても、企業再生や資金調達支援の観点からの投資事業を強化し、海外における投資事業と同様に、収益の柱に育ててまいります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、原則として当社がグループ全体の資金需要を把握、管理し、各子会社の余剰資金を配当金等で当社に資金を還元することに加え、必要に応じて金融機関からの資金調達を実施しております。金融機関については、主力取引行との長年の取引関係があり、十分なコミュニケーションが取れています。今後は、調達先の分散化、長期化などもさらに進めてまいります。

また、投資案件についてはその都度プロジェクト内容を評価し、自己資金又は金融機関から資金を調達して実行しております。今後は、事業規模の拡大や投資案件の増加に備え、証券化等、調達手段の多様化・分散化も検討事項となっております。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等については、事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。

a.自己資本比率について

当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は41.9%となり、前連結会計年度末の44.5%より、2.6ポイント減少しました。これは、不動産売買取引の増加に伴い期末時点での販売用不動産や経過勘定が増加したことや足許の金融環境を踏まえ、前倒しでの資金調達に努めた結果、純資産の増加に比し、資産及び負債が増加したことによるものです。

当社グループとしては、今後も経営環境の変化に応じ、資産の効率性にも留意しながら、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。

 

b.デットエクイティレシオについて

当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は、0.64倍となり、前連結会計年度末の0.59倍より、0.05ポイント増加しました。今後とも投資環境と金融環境を見据えながら、1倍程度を目安に調達を拡大させる余地があるものと考えておりますが、資産の効率性にも留意し、慎重に判断をしてまいります。

 

c.自己資本利益率(ROE)について

当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率(ROE※)は7.3%となり、前連結会計年度末の3.8%より3.5ポイント改善いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度と比べ大幅に増加したこと、自己株式の取得等により株主資本が減少し、純資産の増加が相対的に小幅に留まったことによるものです。

当社グループとしては、これまで自己資本利益率(ROE)の目安等について示すことはございませんでしたが、昨今のガバナンス改革・投資家の期待リターン等を踏まえ、7~8%を当面の目安として、中長期的な方向性を考えてまいります。※親会社株主に帰属する当期純利益を元に算出

 

 財政状態に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(資産)

  当連結会計年度末における流動資産は2,927百万円となり、前連結会計年度末に比べ296百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が176百万円、売掛金が86百万円増加したこと等によるものであります。

 固定資産は2,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円増加しました。主な要因は、投資有価証券が57百万円増加したこと等によるものであります。

 この結果、総資産は5,000百万円となり、前連結会計年度末に比べ344百万円増加しました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,317百万円となり、前連結会計年度末に比べ222百万円増加しました。主な要因は、買掛金が133百万円、1年内償還予定の社債が40百万円増加したこと等によるものであります。

 固定負債は1,548百万円となり、前連結会計年度末に比べ76百万円増加しました。主な要因は、社債が140百万円増加した一方で、長期借入金が50百万円減少したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は2,866百万円となり、前連結会計年度末に比べ298百万円増加しました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、2,133百万円となり、前連結会計年度末に比べ45百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益151百万円を計上した一方で、自己株式が123百万円増加したこと等によるものであります。

 この結果、自己資本比率は、41.9%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、キャッシュ・インとして仕入債務の増加、社債発行による資金調達があり、キャッシュ・アウトとして投資有価証券の取得、長期借入金の返済があり、前期に比べてキャッシュが176百万円増加しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、原則として当社がグループ全体の資金需要を把握、管理し、必要に応じて金融機関からの資金調達や、各子会社の余剰資金を配当金等で当社に資金を還元しております。また、投資案件についてはその都度プロジェクト内容を評価し、自己資金又は金融機関からの資金を調達して実行しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要になります。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループが採用しております重要な会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載)のうち、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。

a.固定資産の減損処理

当社グループが保有しております固定資産につきましては、四半期決算ごと及び帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合には減損の検討を実施しております。帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを上回っていた場合には、帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを超過する金額について減損を認識しております。当社は、これらの見積りが合理的であると考えておりますが、実際の業績と異なる可能性があります。

 

b.のれんの減損処理

当社グループののれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、収益性が低下し、減損損失が発生する可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発活動について、特記すべき事項はありません。