第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」ことを企業理念に掲げ、‘Stride with Challengers(挑戦者達と共に闊歩する)’というコーポレートスローガンを合言葉に、投資・不動産事業を軸に企業活動を展開しております。

子会社11社及び関連会社1社から構成される当社グループとして、国内を含めたアジアの島国(シンガポール・インドネシア・スリランカ)を成長セクターとして捉え、戦略的な事業提携・ベンチャー投資及び事業承継などを推進しており、長期保有という投資基本方針の下、投資実行後は当社で培った経営資源を投入し、多角的、重層的に事業を支援することにより、投資先の企業価値を向上させると共に、当社グループの収益・価値の最大化を目指します。

現在、2030年に向けた「持続可能な開発目標」や、サステナブルな循環型社会への変容に対して、企業として責任ある役割を果たすことが重要になってきていることも踏まえ、不確実で変化が早い時代において、柔軟かつ能動的に適応できる人材の育成や外部人材との連携を強化することで、既存事業のさらなる価値向上と新規事業の創出に努め、上記企業理念を体現できるよう努めてまいります。

 

(2) 経営戦略

不動産事業は、主力事業であるレジデンス事業にて、管理戸数を着実に積み上げ、安定収益基盤を強化することに加え、業界で進んできている紙からデジタルへの推進やシステム連携など強化することにより経営の効率化を進めます。また、売買事業は、不動産市況など外部環境に応じ、金融機関とも連携し、顧客ニーズに的確に対応してまいります。

ホテル事業は、ニューノーマルの新たな観光需要に対応すべく、地域社会との連携を深め、新たな顧客体験価値の創造を進めます。オペレーションに関してはDX化の推進により省力化など工夫をし、収益力の回復に努めます。

海外事業は、インドネシア経済のコロナショックからの回復を見据え、中長期的な経済成長を取り込むべく、新規顧客の開拓や広告以外の事業展開も強化します。また、投資事業については、アジアの島国を中心に毎年、一定の投資を実行し、ノウハウとネットワークを積み重ねるとともに、ファンド運営や手数料ビジネスの展開も進めるほか、国内においては、既存投資先のバリューアップを進めるとともに、グループ外との連携により、付加価値の最大化を狙います。

 

(3) 経営環境

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の急激な落ち込みから回復に転じ、持ち直しの動きがみられたものの、感染の再拡大による短期的な下振れ懸念が出てきています。また、アジア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の封じ込みに成功した中国、台湾、ベトナム等で、経済回復の動きがみられる一方、新規感染増に歯止めのかからないインドをはじめ、インドネシア、タイ等、感染抑制に苦戦する諸国では経済への打撃が長期化しています。

このような中、当社グループの主力事業である不動産事業に関しては、東京都区下を中心として首都圏を地盤とするレジデンス事業において、懸念された新型コロナウイルス感染症の影響はさほど大きくないものの、デジタル化等、個人オーナーの新たなニーズへの対応が競争条件に与える影響が大きくなっています。他方、売買事業においては、新型コロナウイルスの感染再拡大による経済の下振れ懸念の影響から投資家の動意に陰りがみられます。

ホテル事業に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響による訪日外国人観光需要の回復には依然として長い時間を要するものの、国内の観光需要については、ワクチン接種の普及に伴い、比較的早期に一定の回復が見込めるものと考えています。また、海外事業に関しては、日系企業向け広告代理店業務を展開するインドネシアにおける広告需要の回復には依然として予断を許しませんが、南アジアや東南アジア地域における、ニューノーマルな経済社会への変革を見据えた新たな起業活動は活発であり、新規投資を継続していくことは十分可能と考えています。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① グループ管理体制の強化

機動的な事業展開を可能にするために、11社の連結子会社より構成されたグループ会社の経営状況の適時な把握に努めるほか、グループの経営管理を強化すべく、事業執行権限の見直しと業務報告体制の整備を実施してまいります。また、グループ間の資金管理を一元化等することで、より効率的な事業基盤を確立してまいります。

② 内部経営資源の有効活用

迅速かつ効果的な経営判断をする為に、グループ情報の共有化や幹部間による情報交換等、グループ間のコミュニケーション体制を確保してまいります。また、社員研修等によるグループ共通人材の育成に注力することにより、グループ間の連携強化とグループシナジーを追求してまいります。

③ 外部経営資源の積極的な活用

当社グループの発展のために、当社の企業理念等に相応したM&Aやエクイティ投資のほか、幅広く内外の企業及び専門家との提携等を積極的に実施してまいります。

④ 内部管理・コンプライアンス体制の構築

会社法・金融商品取引法を踏まえた内部統制の整備については、グループ各社において、業務プロセスの文書化、可視化によるルール整備を進めております。また、コンプライアンスにつきましても、当社グループの企業行動憲章や社員行動規範等をグループ内で周知徹底するとともに、社員研修等による教育を実施しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 不動産事業に関するリスク

① 法的規制等に関するリスクについて

当社グループの不動産事業については、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが不動産事業者として、「宅地建物取引業法」及び「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等に基づく免許を受け、事業展開しており、当該法令の法的規制等を受けております。当社グループではこれらの法的規制等を遵守するよう努めておりますが、法令違反が発生した場合や今後、これらの法令の改廃や新たな法的規制等が設けられる場合には、事業活動が制約を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競争環境の激化

当社グループの不動産事業については、新規参入等により競合他社が他業種と比べ多く存在し、IT技術を不動産分野に応用した新しいサービスが次々に開発されるなど、技術革新も進んでいます。当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズにおいても、こうした競合環境の中、新しい取り組みを進め、顧客満足を高めるサービスを展開しておりますが、競争激化により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 賃料収入の減少

当社グループの不動産事業では、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが不動産オーナーから借上げた賃貸不動産を入居者へ転貸し、入居者から得られる賃料収入を収入源としております。賃貸不動産に対するニーズは景気の変動に影響を受けやすく、今後、新型コロナウイルス感染症等の影響も含め、経済情勢の悪化や都心部からの人口流出などにより、入居率が低下した場合、賃料収入が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 礼金・敷引金・更新料制度の変更・廃止

当社グループの不動産事業では、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが、賃貸不動産入居者との賃貸借契約において、新規入居時に礼金や敷引金を、契約更新時に更新料を設定し、礼金・敷引金・更新料を受領しています。これは不動産業界の一般的な慣行であり、最高裁判所の判決では一定の条件のもとで更新料の有効性等が認められておりますが、仮に上記金銭を返還しなければならなくなった場合、もしくは将来、これら金銭を受領することができなくなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 不動産市況の悪化

当社グループの不動産事業において、不動産に関連する税制改正や金融機関の融資姿勢の変化など、不動産投資にマイナスの影響が出る事象が発生し、不動産取引が低迷した場合、不動産売買事業における販売額・件数等が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) ホテル事業に関するリスク

① 新型コロナウイルスの影響長期化及びその他の流行性疾患の発生

当社グループのホテル事業については、新型コロナウイルス感染症の影響により、遠距離移動や団体行動の制限が続くことが見込まれ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

成田ゲートウェイホテルについては、千葉県からの要請に基づき、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者の一時的な宿泊施設として提供しておりますが、世界的な新型コロナウイルス感染症収束の推移が見通せないなか、インバウンド中心のホテルとしての正常化には時間がかかるものと予想しております。また、倉敷ロイヤルアートホテルにつきましては、営業基盤が国内顧客中心となっているため、正常化への道程は比較的短いものと想定しておりますが、冷え込んだ観光需要の回復にはなお時間がかかるものと懸念します。

なお、新型コロナウイルス感染症以外の流行性疾患が発生した場合には、同様に遠距離移動や団体行動の制限が予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食中毒等、食の安全性に関する問題

当社グループのホテル事業では、レストラン、宴会場等において食事や飲料を提供しており、衛生管理に係るマニュアルの整備や従業員に対する教育指導の徹底等、衛生管理体制の強化に努めておりますが、万が一、食中毒や食品衛生上の問題が発生した場合、一定期間の営業停止等の処分を受ける可能性がある他、イメージの低下等により顧客離れが起こり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人手不足等による人件費の増加

当社グループのホテル事業では、使用人数の半数程度がパート及び嘱託社員となっておりますが、人手不足、働き方改革の進展、社会保険や労働条件等の労務環境の変化、同一労働同一賃金制度の導入等により、人件費が上昇し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害

当社グループのホテル事業において、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外事業に関するリスク

① 特定の広告主との取引集中

当社グループの海外事業では、インドネシアにおいてPT. CITRA SURYA KOMUNIKASIが主に日系企業向けの広告代理店業務を行っておりますが、売上に占める特定の広告主の割合が高く、新型コロナウイルス感染症等の影響を含め、経済情勢の変化等により、広告主の業績悪化やコスト削減等が進んだ場合、報酬の切り下げや取引の停止が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新・メディアの構造変化への対応

インドネシアにおいてもスマートフォンに代表されるICT技術の進化・普及等により、新たな広告メディアの進展が著しく、多様な広告手法が生み出されており、これまで展開してきた従来型の手法では広告主のニーズを満たすことができない状況となっています。PT. CITRA SURYA KOMUNIKASIにおいても、こうした環境の変化に合わせて、新たな展開を進めていますが、その取り組みが十分でない場合、顧客離れが進み、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外特有のリスク

当社グループの海外事業においては次に掲げる特有のリスクが考えられ、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

イ.経済情勢や競合他社の活動状況

ロ.予測しえない法律や規則の施行・制定、税制の変更

ハ.テロ、デモ、戦争、疾病等による社会的混乱

ニ.不利な政治的要因の発生

ホ.通貨価値の変動、為替相場の変動

 

(4) その他のリスク

① 事業投資に関連したリスク

当社グループは、グループ全体の発展のために事業投資を行っており、さまざまな投資形態を採用し、国内外で上場・未上場問わず投資対象を選定します。そのため、国内外の経済情勢の影響を受け、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、投資先企業に対して派遣した当社役職員が損害賠償請求等をされた場合、当社グループに使用者責任及び当該賠償金額を負担する義務が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 風評被害

当社グループの事業に対して、悪質なデマや誹謗中傷がSNSなどインターネットをはじめとする情報媒体等を通じてなされた場合、当社グループ全体の健全な事業活動に支障を来たし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新株予約権による株式の希薄化リスク

当社グループは役職員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。新株予約権の権利行使が行われた場合、当社株式が新たに発行され、当社株式価値が希薄化する可能性があります。

 

④ 個人情報漏洩のリスク

当社グループは、個人情報保護法により定められた個人情報の漏洩防止に努めるべく、個人情報の管理体制を整備しております。しかしながら、情報化社会における昨今の個人情報を取り巻く環境は年々複雑さを増しており、予期せぬ事態により個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の低下や当該漏洩事件に対応するため発生する費用等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況に関する認識

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の急激な落ち込みから回復に転じ、持ち直しの動きがみられたものの、感染の再拡大による短期的な下振れ懸念が出てきています。また、アジア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の封じ込みに成功した中国、台湾、ベトナム等で、経済回復の動きがみられる一方、新規感染増に歯止めのかからないインドをはじめ、インドネシア、タイ等、感染抑制に苦戦する諸国では経済への打撃が長期化しています。

このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、引き続き、国内外における新規投資機会の獲得活動を継続する一方、既存事業における経営の効率化、ニューノーマルの社会に適応すべく事業戦略の検討等に取り組んでまいりました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテル事業や海外事業で需要減の動きが継続していること、不動産売買取引が対前年同期比で大きく減少したことにより、売上高と営業利益の減少を余儀なくされましたが、雇用調整助成金等、政府・自治体の政策による下支え効果もあり、経常利益と純利益では減少幅を縮小する結果となり、当連結会計年度の業績は売上高10,482百万円(前年同期比21.0%減)、営業利益114百万円(前年同期比55.3%減)、経常利益228百万円(前年同期比10.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円(前年同期比24.5%減)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<不動産事業>

不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、並びにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を営んでおります。新型コロナウイルス感染症の影響としては、レジデンス事業においては既往賃貸借契約の更新率や賃料水準は引き続き維持されており、また、管理戸数も引き続き高水準を維持しましたが、不動産売買事業における取引が対前年同期比で大きく減少したことから、当連結会計年度の不動産事業の売上高は8,706百万円(前年同期比16.6%減)、営業利益は299百万円(前年同期比2.9%増)となりました。

 

<ホテル事業>

ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田ゲートウェイホテルは、新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者向け療養施設として、2020年4月18日から千葉県に貸し出し、以降、一般の利用者を受け入れていないことに加え、倉敷ロイヤルアートホテルでは、ホテル宿泊者数が対前年同期比で大きく減少する等、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けましたが、昨秋の第3四半期連結会計期間には政府や自治体による観光業支援政策の効果が大きく、また、緊急事態宣言が再び発出された第4四半期連結会計期間においても一定の需要回復が認められたことから、当連結会計年度のホテル事業の売上高は954百万円(前年同期比30.7%減)、営業利益は37百万円(前年同期比56.9%減)となりました。

 

<海外事業>

海外事業につきましては、インドネシア共和国においてPT. Citra Surya Komunikasiが主として日系企業向けに広告代理店事業を行うほか、シンガポールにおいてStriders Global Investment Pte. Ltd.が投資事業を行っております。PT. Citra Surya Komunikasiにおいては、連結決算上の取り込みが3か月遅れの2020年1月~12月の実績となりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、既存顧客等との大幅な取引減少が継続しました。投資事業では、インドネシアの不動産テックベンチャー企業への戦略的投資を実行しましたが、過去の投資案件含め売上・利益への貢献は来期以降を予定しており、当連結会計年度の海外事業の売上高は435百万円(前年同期比50.4%減)、営業損失は40百万円(前年同期は営業利益28百万円)となりました。

 

 

<その他>

その他につきましては、モバイルリンク株式会社において、車載端末システムの開発、販売を、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において、M&Aに関するコンサルティング業務を、有限会社増田製麺において、中華麺等の製造販売を行っております。また、株式会社みらい知的財産技術研究所については、持分法適用関連会社として損益の一部を取り込んでいますが、持分法投資損益となるため、営業損益には含まれておりません。

モバイルリンク株式会社及び有限会社増田製麺において新型コロナウイルス感染症の影響から受注が減少した結果、当連結会計年度のその他の売上高は386百万円(前年同期比33.8%減)、営業利益は19百万円(前年同期比67.1%減)となりました。

 

② 財政状態の状況に関する認識

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は3,367百万円となり、前連結会計年度末に比べ440百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が694百万円増加した一方で、売掛金が119百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は1,862百万円となり、前連結会計年度末に比べ210百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券が72百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円増加しました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は1,051百万円となり、前連結会計年度末に比べ266百万円減少しました。主な要因は、買掛金が102百万円、短期借入金が86百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は1,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ308百万円増加しました。主な要因は、長期借入金が379百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は2,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加しました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、2,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円を計上したこと等によるものであります。

この結果、自己資本比率は、43.4%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,682百万円となり、前連結会計年度末に比べ692百万円増加しました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は297百万円(前年同期は311百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益258百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は107百万円(前年同期は144百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入95百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は289百万円(前年同期は8百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入529百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出158百万円があったこと等によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

その他の一部で生産活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。

 

b.受注実績

その他の一部で受注販売活動を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

不動産事業(千円)

8,706,397

△16.6

ホテル事業(千円)

954,998

△30.7

海外事業(千円)

435,124

△50.4

報告セグメント計(千円)

10,096,520

△20.5

その他(千円)

386,192

△33.8

合計(千円)

10,482,713

△21.1

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容

前述した当連結会計年度における経営成績の状況に関する認識を踏まえ、今後の見通しについては、世界的な新型コロナウイルス感染症収束の推移が依然として見通せないなか、ホテル事業及び、その他のセグメントについても内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がありますが、新型コロナウイルスを対象としたワクチン接種の普及に伴い、政府・自治体による行動規制は収束していくものと想定しております。

不動産事業においては、主力のレジデンス事業は当連結会計年度と同様、その受ける影響は大きくないものの、不動産売買事業は取引数の減少傾向が継続することを想定しております。

ホテル事業においては、成田ゲートウェイホテルは、千葉県からの要請に基づき、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者の一時的な宿泊施設として提供しておりますが、政府・自治体による行動規制の収束と軌を一にして、その提供は終了するものの、インバウンド中心のホテルとしての正常化には更に一定の時間がかかるものと予想しております。また、倉敷ロイヤルアートホテルは、営業基盤が国内顧客中心となっているため、政府・自治体による行動規制が収束した後の正常化への道程は比較的短いものと想定しておりますが、「コロナ禍」後の新たな観光需要に対応すべく、ホテル運営を刷新していくことで、その収益力を早期回復させることは可能と考えております。

海外事業においては、インドネシアにおける広告代理店事業は、同国経済のコロナショックからの回復を見据え、中長期的な経済成長を取り込むべく、新規顧客の開拓や広告以外の事業展開も強化する一方、投資事業については、特にスリランカとインドネシアにおいて新規事業への投資を継続していきます。育成期のため、現時点では収益は出ておりませんが、投資事業の管理体制の見直しやシナジー効果の期待できる事業提携等を積み重ね、投資事業を早期に軌道に乗せていくことが大きな課題であると認識しております。

 

財政状態の状況に関しましては、キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容において後述いたしますとおり、現金及び預金の増加と有価証券、投資有価証券の減少を主因として、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円増加する一方、財政状態の状況に関する認識において前述したとおり、負債合計は2,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円増加した結果、当連結会計年度末における純資産は、2,321百万円と、前連結会計年度末に比べ187百万円増加しております。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上額が114百万円であったことに加え、連結損益計算書上、営業外費用として計上した持分法による投資損失60百万円のうち、第3四半期連結会計期間末から株式会社アマガサを持分法適用の範囲より除外した結果、持分法の適用範囲の変動として株主資本が51百万円増加したことが反映された結果とも分析できるものと考えております。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等については、事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。

a.自己資本比率について

当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は43.4%となり、前連結会計年度末の41.9%より、1.5ポイント増加しました。これは、財政状態の状況に関して前述したとおり、当連結会計年度末における純資産が2,321百万円と、前連結会計年度末に比べ187百万円増加した一方、総資産は5,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ229百万円の増加に留まったことによります。当社グループとしては、今後も経営環境の変化に応じ、資産の効率性にも留意しながら、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。

 

b.デットエクイティレシオについて

当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は、0.68倍となり、前連結会計年度末の0.64倍より、0.04ポイント増加しました。今後とも投資環境と金融環境を見据えながら、1倍程度を目安に調達を拡大させる余地があるものと考えておりますが、資産の効率性にも留意し、慎重に判断をしてまいります。

 

 

c.自己資本利益率(ROE)について

当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率(ROE※)は5.2%となり、前連結会計年度末の7.3%より2.1ポイント低下いたしました。これは、経営成績の状況に関して前述したとおり、新型コロナウイルス感染症による影響を主因として親会社株主に帰属する当期純利益が114百万円(前年同期比24.5%減)に留まったことによりますが、財政状態の状況に関して前述したとおり、純資産の前連結会計年度末からの増加額が親会社株主に帰属する当期純利益の計上額を上回ったことも若干ながら影響しています。

当社グループとしては、昨今のガバナンス改革・投資家の期待リターン等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による影響が収束したのちには、7~8%を目安として、中長期的な方向性を考えてまいります。※親会社株主に帰属する当期純利益を元に算出

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症による影響を主因として減少した営業損益ベースでのキャッシュ・インを助成金の受取により補完とした結果、前連結会計年度比で14百万円の減少に留まった営業活動によるキャッシュ・フロー、過去に実施した投資を回収した一方で新規投資を抑制した結果、前連結会計年度比で251百万円増加した投資活動によるキャッシュ・フロー、当連結会計年度においては自己株式の取得を実施しなかったことを主因として、前連結会計年度比で281百万円増加した財務活動によるキャッシュ・フローを合算した結果として、現金及び現金同等物の増減額が前連結会計年度比で692百万円増加しております。

これは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界経済の不透明感が拡がるなか、当社グループとして投資事業を抑制的に運営する一方で、新型コロナウイルス感染症の収束後に想定される国内外の新規投資機会獲得の備えとしてのキャッシュポジションの厚みを拡大することを選好した結果であります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、原則として当社がグループ全体の資金需要を把握、管理し、各子会社の余剰資金を配当金等で当社に資金を還元することに加え、必要に応じて金融機関からの資金調達を実施しております。金融機関については、主力取引行との長年の取引関係があり、十分なコミュニケーションが取れています。今後は、調達先の分散化、長期化などもさらに進めてまいります。

また、投資案件についてはその都度プロジェクト内容を評価し、自己資金又は金融機関から資金を調達して実行しております。今後は、事業規模の拡大や投資案件の増加に備え、証券化等、調達手段の多様化・分散化も検討事項となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要になります。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループが採用しております重要な会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載)のうち、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。

a.固定資産の減損処理

当社グループが保有しております固定資産につきましては、四半期決算ごと及び帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合には減損の検討を実施しております。帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを上回っていた場合には、帳簿価額が割引前将来見積キャッシュ・フローを超過する金額について減損を認識しております。当社は、これらの見積りが合理的であると考えておりますが、実際の業績と異なる可能性があります。

 

b.のれんの減損処理

当社グループののれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、収益性が低下し、減損損失が発生する可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発活動について、特記すべき事項はありません。