第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策を背景に企業収益や雇用情勢の改善傾向が続き、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、年明け以降からの円高・株安の進行に加え、中国をはじめとする新興国経済の減速傾向や英国のEU離脱問題などに伴う世界経済の下振れ懸念などにより、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループの係わる電線業界におきましては、電線の主材料である銅の価格が、1トン当たり期中平均567千円と前期平均748千円に比べ24.2%下落いたしました(銅価格の推移、1トン当たり期初680千円、安値510千円(平成28年8月)、高値680千円(平成27年11月)、期末530千円)。また、建設・電販向けの出荷量は、前期に比べ減少基調で推移いたしました。

 このような情勢のもとで当社グループは、提案型営業の推進、配送体制の強化、新規得意先の開拓及び既存得意先の深耕、新商品の拡販など積極的な営業展開を図りました。また、平成28年1月にグローバル展開の強化を図るため、台湾に台湾泉秀有限公司を設立いたしました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、銅価格の下落による販売価格の低下に加え、建設向けの売上が減少したため売上高は67,666百万円(前期比11.1%減)となりましたが、民間設備投資向け電線の需要が底堅く推移し、営業利益は2,802百万円(前期比19.5%増)、経常利益は2,978百万円(前期比8.7%増)となりました。また、連結子会社である太洋通信工業株式会社におけるのれんの減損損失187百万円を特別損失として計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,585百万円(前期比0.9%増)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 また、当社グループは、電線・ケーブル事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、15,412百万円で前連結会計年度に比べて2,141百万円の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、3,232百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,796百万円、減価償却費436百万円、のれんの減損損失187百万円及び売上債権の減少3,471百万円等の収入に対し、仕入債務の減少3,585百万円、法人税等の支払1,081百万円等の支出によるものであります(前連結会計年度は資金の増加2,403百万円)。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は、9百万円となりました。これは主に有価証券及び投資有価証券の取得による支出353百万円、有形固定資産の取得による支出158百万円等の支出に対し、投資有価証券の売却による収入275百万円、保険積立金の解約による収入230百万円等の収入によるものであります(前連結会計年度は資金の減少895百万円)。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、983百万円となりました。これは主に自己株式の取得による支出456百万円、配当金の支払390百万円等によるものであります(前連結会計年度は資金の減少711百万円)。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、「電線・ケーブル」のみの単一セグメントのため、単一セグメントで表示しております。

 

 当社グループは、卸商社でありますので生産及び受注の状況は記載しておりません。

販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

前年同期比(%)

電線・ケーブル(百万円)

67,666

88.9

合計(百万円)

67,666

88.9

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.電線の主材料である銅の期中平均価格は、前期に比べ24.2%下落しております。

 

3【対処すべき課題】

 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、景気は緩やかに回復していくことが期待されるものの、米国経済の動向や新興国経済の減速などもあり、先行き不透明な状況で推移するものと思われます。

 当社グループといたしましては、こうした状況下で、以下施策を実行してまいります。

 ユーザーニーズに対応するため、当社の強みである即納体制を更に充実させ、提案型営業を推進し、営業拠点の整備、拡充を行い、オリジナル商品、新商品の開発、拡販に加え、グローバル展開の強化を図り、受注の拡大に努めるとともに、経費削減を行い、業績の向上に鋭意努力する所存でございます。

 また、ISO9001とISO14001の活動をより推進し、引き続き環境問題へ配慮をしつつ、これまで以上に継続的な業務改善とサービス向上に努めるとともに、更なる品質管理体制の強化を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。

 なお、本項目に含まれる将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 経済情勢・需要変動等について

 当社グループの商品需要は国内の経済情勢及び景気動向の影響を受け、特に主要取扱商品である電線・ケーブルは設備投資向けであるため、建設需要の動向、企業の設備投資動向の程度によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 銅価格の変動について

 当社グループの主要取扱商品である電線・ケーブルは主材料が銅であるため、銅の国際相場の変動により仕入価格が大きく変動することがあります。販売価格も銅の価格にスライドする慣習となっておりますが、仕入価格がすぐに販売価格に転嫁できない場合は損益に影響を及ぼす可能性があります。また、損益には影響がない場合でも売上高は大きく変動する可能性があります。

 

(3) 保有有価証券の時価下落について

 当社グループは企業間取引の維持・強化のため、取引先の株式を保有しており、また資金運用のため一定額の有価証券を保有しており急激な株式市況の悪化により、損益を悪化させ、また、純資産を減少させる可能性があります。

 

(4) 事業内容悪化による減損について

 当社グループは各事業所用地を自社で所有しておりますが、取得価額に比べて時価の下落しているものもあり、個々の事業所の収益力が悪化した場合は減損損失が発生する可能性があります。

 

 

(5) 取扱商品の品質について

 当社グループの取扱商品に品質不良等が発生した場合、原則製造元が当該商品の原因調査及び代替品の提供を行うことになっておりますが、当社グループが顧客より訴訟等の方法で損害賠償請求等を受ける可能性があります。

 当社グループでは、このような事態が生じないように、PL保険の加入及び製造元の管理を含め品質管理体制の整備に注力しておりますが、予測を超えた事象により、取扱商品に品質不良等が生じた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 海外事業について

 当社グループの海外拠点は中国・東南アジア地区に設立しており、当該地区における経済動向や政治・社会情勢等の変化、法律や規制の変更等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報管理について

 当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」のもと、情報流出の防止、外部からのシステム侵入への対応に努めております。しかしながら予期せぬ事態により情報システムの停止や情報流出等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害等について

 大規模な地震やその他の自然災害等が発生した場合、当社グループの事業拠点が被害を受けた場合及び顧客に対する商品供給遅延等により、一時的に当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

 

(2) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産につきましては、資産合計は56,837百万円で前連結会計年度末に比べて3,001百万円の減少となりました。

① 資産の部

 流動資産は39,063百万円で売上債権が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて2,435百万円の減少となり、固定資産は17,774百万円でのれんが減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて565百万円の減少となりました。

② 負債の部

 負債につきましては、負債合計は22,110百万円で前連結会計年度末に比べて3,338百万円の減少となりました。流動負債は19,562百万円で仕入債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて3,602百万円の減少となり、固定負債は2,547百万円で退職給付に係る負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて264百万円の増加となりました。

③ 純資産の部

 純資産につきましては、純資産合計は34,727百万円で前連結会計年度末に比べて336百万円の増加となりました。増加の主な要因は、自己株式の取得による減少があったものの、利益の内部留保により利益剰余金が増加したことなどによります。

 

 なお、キャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(3) 経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は67,666百万円(前期比11.1%減少)となり、営業利益は2,802百万円(前期比19.5%増)、経常利益は2,978百万円(前期比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,585百万円(前期比0.9%増)となりました。

① 売上高

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しております。

② 営業利益、経常利益

営業利益及び経常利益につきましては、銅価格の下落による販売価格の低下などにより売上高が減少したものの、民間設備投資向け電線の需要が底堅く推移したことなどにより売上総利益は、前連結会計年度に比べて734百万円(6.8%)の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて277百万円(3.3%)増加しましたが、営業利益は前連結会計年度に比べて456百万円(19.5%)の増加となりました。営業利益に営業外損益を加えた経常利益は、前連結会計年度に比べて238百万円(8.7%)の増加となりました。

③ 親会社株主に帰属する当期純利益

経常利益に特別損益を加えた税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて75百万円(2.8%)の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて14百万円(0.9%)の増加となりました。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

 ますます進展する経済の国際化に伴う競争の激化や企業のグローバル化など、企業を取り巻く環境は厳しさを増しております。

  当社は100年企業を目指すため、設立70周年(2019年11月)を通過点とする2021年までの5ヵ年を更なる飛躍を目指す期間と位置付け、収益の長期安定化と持続的成長を継続していくために、以下経営戦略を実行し、企業価値の向上に努めてまいります。

  第一に、技術商社としてメーカーと共同で新たなオリジナル商品の開発を進めて行くとともに、加工部門の強化を図り、ユーザーニーズに応えていきます。

  第二に、各営業拠点の営業・物流機能を拡充し、ジャスト・イン・タイム体制を充実させることにより、今後もより一層スピーディでタイムリーな商品提供を行ってまいります。

  第三に、中長期的に需要の増加が見込まれる産業機械向けFAケーブル等の売上構成比を高め、利益率の向上を図ってまいります。

  第四に、全国における電線・ケーブル需要の3分の1を占める関東・東京地区での営業強化及び東京オリンピック関連需要の受注活動を図るとともに、その他地区においてもシェア拡大を目指してまいります。

 第五に、非電線の新商品開発、拡販及び新分野の開拓に積極的に取り組み、当社自社ブランドによる販売など銅価格の変動に左右されない安定した売上の確保に取り組んでまいります。

  第六に、海外での収益拡大のため、海外連結子会社との連携を強化し、海外市場の販路拡大をはじめとするグローバル展開の強化を図ってまいります。

  第七に、ISO9001とISO14001の活動をより推進するためISO2015年版への移行準備を行い、引き続き環境問題へ配慮をしつつ、これまで以上に継続的な業務改善とサービス向上に努めるとともに、更なる品質管理体制の強化を図ってまいります。

  第八に、利益体質を強化し、競争力を高め、更なる成長を遂げることを目的として、仕入、物流、人事、商品開発の第二次構造改革を推進するとともに、継続的なコスト削減を実施してまいります。

  第九に、企業として求められる社会的責任を遂行するためコンプライアンスの徹底と内部管理体制の強化を図るとともに、危機管理体制を継続的に整備してまいります。

 第十に、当社及び連結子会社11社(国内6社・海外5社)の特性を生かしてシナジー効果を高め、当社グループの収益力の向上に取り組んでまいります。