文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「新しい価値を創造して、能力を発揮し、社業の発展に努め、社会に貢献するとともに、株主に報い、従業員の福利厚生を図る」との経営理念のもと、これまで培った経験、知識、技術をもとに新たな発想と積極的な行動により、絶えず変化する市場ニーズに適合した商品、サービスの提供を行うとともに地球環境の保全に取り組み、社会にとって価値ある企業であり続けるサステナビリティ経営を基本方針としております。
また、経営理念を根幹として事業を展開する中、地球環境の負荷低減(環境:E)、電線ケーブルの供給責任(社会:S)、経営の公正性と透明性の確保(ガバナンス:G)等、ESG経営への取り組みを強化しており、これらの取り組みは、国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)と一貫したものと位置付けております。
当社グループは、社会への貢献を継続的に果たしていくためにも、事業活動の基盤である地球環境の持続性確保は最重要課題であり、特に人類共通の課題である気候変動問題の解決は国際社会の要請であると認識しております。再生可能エネルギーの活用や新規技術の積極的な導入によりカーボンニュートラル実現への取り組みを着実に進め、脱炭素社会の実現による気候変動問題の解決に積極的に取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは2021年12月8日公表の2024年10月期を最終年度とする「泉州電業グループ中期経営計画」を策定し各種施策に取り組んでおりましたが、2年前倒しで目標を達成したため、新たに2025年10月期を最終年度とする「泉州電業グループ中期経営計画」を策定し、2022年12月8日に公表いたしました。経営数値目標は連結売上高1,250億円、経常利益85億円、ROE(自己資本利益率)10%以上を2025年10月期までに達成することといたしました。
(3)経営環境
今後のわが国経済は、ウィズコロナの状況下での各種政策の効果により、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等の影響による海外景気の下振れリスク、物価上昇、供給面での制約及び金融資本市場の変動等によって、先行き不透明な状況で推移するものと思われます。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ますます進展する経済の国際化に伴う競争の激化や企業のグローバル化など、企業を取り巻く環境は厳しさを増しております。
当社は100年企業を目指し、収益の長期安定化と持続的成長を継続していくために、以下経営戦略を実行し、企業価値の向上に努めてまいります。
第一に、技術商社としてメーカーと共同で新たなオリジナル商品の開発を進めて行くとともに、加工部門の強化を図り、ユーザーニーズに応えてまいります。
第二に、各営業拠点の営業・物流機能を拡充し、ジャスト・イン・タイム体制を充実させることにより、今後もより一層スピーディでタイムリーな商品提供を行ってまいります。
第三に、中長期的に需要の増加が見込まれる産業機械向けFAケーブル等の売上構成比を高め、利益率の向上を図ってまいります。
第四に、全国における電線・ケーブル需要の3分の1を占める関東・東京地区での営業強化を図るとともに、その他地区においてもシェア拡大を目指してまいります。
第五に、非電線の新商品開発、拡販及び新分野の開拓に積極的に取り組み、当社自社ブランドによる販売など銅価格の変動に左右されない安定した売上の確保に取り組んでまいります。
第六に、海外での収益拡大のため、海外連結子会社との連携を強化し、海外市場の販路拡大をはじめとするグローバル展開の強化を図ってまいります。
第七に、社会課題の解決を起点とした新たなビジネスを創出し、ESG経営及びSDGsを含めたサステナビリティへの貢献を通じて、企業価値を高めてまいります。
第八に、利益体質を強化し、競争力を高め、更なる成長を遂げることを目的として、仕入、物流、人事、商品開発の第二次構造改革を推進するとともに、継続的なコスト削減を実施してまいります。
第九に、企業として求められる社会的責任を遂行するためコンプライアンスの徹底と内部管理体制の強化を図るとともに、危機管理体制を継続的に整備してまいります。
第十に、当社及び連結子会社14社(国内7社・海外7社)の特性を生かしてシナジー効果を高め、当社グループの収益力の向上に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
なお、本項目に含まれる将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経済情勢・需要変動等について
当社グループの商品需要は国内の経済情勢及び景気動向の影響を受け、特に主要取扱商品である電線・ケーブルは設備投資向けであるため、建設需要の動向、企業の設備投資動向の程度によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 銅価格の変動について
当社グループの主要取扱商品である電線・ケーブルは主材料が銅であるため、銅の国際相場の変動により仕入価格が大きく変動することがあります。販売価格も銅の価格にスライドする慣習となっておりますが、仕入価格がすぐに販売価格に転嫁できない場合は損益に影響を及ぼす可能性があります。また、損益には影響がない場合でも売上高は大きく変動する可能性があります。
(3) 保有有価証券の時価下落について
当社グループは企業間取引の維持・強化のため、取引先の株式を保有しており、また資金運用のため一定額の有価証券を保有しており急激な株式市況の悪化により、損益を悪化させ、また、純資産を減少させる可能性があります。
(4) 事業内容悪化による減損について
当社グループは各事業所用地を自社で所有しておりますが、取得価額に比べて時価の下落しているものもあり、個々の事業所の収益力が悪化した場合は減損損失が発生する可能性があります。
(5) 取扱商品の品質について
当社グループの取扱商品に品質不良等が発生した場合、原則製造元が当該商品の原因調査及び代替品の提供を行うことになっておりますが、当社グループが顧客より訴訟等の方法で損害賠償請求等を受ける可能性があります。
当社グループでは、このような事態が生じないように、PL保険の加入及び製造元の管理を含め品質管理体制の整備に注力しておりますが、予測を超えた事象により、取扱商品に品質不良等が生じた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 海外事業について
当社グループの海外拠点は中国、東南アジア及び北米地区に設立しており、当該地区における経済動向や政治・社会情勢等の変化、法律や規制の変更等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報管理について
当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」のもと、情報流出の防止、外部からのシステム侵入への対応に努めております。しかしながら予期せぬ事態により情報システムの停止や情報流出等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害等について
大規模な地震やその他の自然災害及び感染症等が発生し、当社グループの事業拠点が人的・物的被害を受けた場合は、営業活動や顧客に対する商品供給の停止・遅延等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これにより、前連結会計年度と収益認識に関する会計処理が異なっておりますが、当該会計基準適用による影響は軽微なため、前連結会計年度との比較・分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進み、各種政策の効果によって景気に持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢や世界的な金融引締め等による海外景気の下振れリスク、急激な円安、物価上昇及び供給面での制約等によって、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの係わる電線業界におきましては、電線の主材料である銅の価格が、1トン当たり期中平均1,195千円と前期平均1,012千円に比べ18.1%上昇いたしました(銅価格の推移、1トン当たり期初1,170千円、高値1,370千円(2022年4月)、安値1,050千円(2022年7月)、期末1,200千円)。また、建設・電販向けの出荷量は、前期に比べおおむね横ばいで推移いたしました。
このような情勢のもとで当社グループは、提案型営業の推進、配送体制の強化、新規得意先の開拓及び既存得意先の深耕、新商品の拡販など積極的な営業展開を図りました。また、更なる事業拡大を目的に、株式会社北越電研を2022年3月に完全子会社化いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産につきましては、資産合計は95,381百万円で前連結会計年度末に比べて11,390百万円の増加となりました。
流動資産は67,910百万円で売上債権及び棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて7,577百万円の増加となり、固定資産は27,471百万円で長期預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて3,813百万円の増加となりました。
(負債の部)
負債につきましては、負債合計は48,982百万円で前連結会計年度末に比べて7,877百万円の増加となりました。流動負債は45,922百万円で仕入債務が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて7,496百万円の増加となり、固定負債は3,059百万円で前連結会計年度末に比べて380百万円の増加となりました。
(純資産の部)
純資産につきましては、純資産合計は46,399百万円で前連結会計年度末に比べて3,513百万円の増加となりました。増加の主な要因は、自己株式の消却により資本剰余金が減少したものの、利益の内部留保により利益剰余金が増加したことなどによります。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、半導体製造装置向け需要の増大、自動車・工作機械向け需要の回復、銅価格の上昇に伴う建設・電販向け売上の増加等により、売上高は113,633百万円(前期比22.9%増)、営業利益は7,464百万円(前期比57.4%増)、経常利益は7,894百万円(前期比57.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,314百万円(前期比48.3%増)となりました。
(売上高)
上記要因により、増収となりました。
(営業利益、経常利益)
売上総利益は17,093百万円で前連結会計年度に比べて3,172百万円(前期比22.8%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は9,629百万円で売上高の増加により人件費等が増加したことなどにより前連結会計年度に比べて451百万円(前期比4.9%)の増加となりました。営業利益は7,464百万円で販売費及び一般管理費が増加したものの、売上高が大幅に増加したことにより前連結会計年度に比べて2,720百万円(前期比57.4%)の増加となりました。営業利益に営業外損益を加えた経常利益は7,894百万円で前連結会計年度に比べて2,890百万円(前期比57.8%)の増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益に特別損益を加えた税金等調整前当期純利益は7,878百万円で前連結会計年度に比べて2,769百万円(前期比54.2%)の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5,314百万円で前連結会計年度に比べて1,731百万円(前期比48.3%)の増加となりました。
なお、当社グループは、「電線・ケーブル」の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、26,181百万円で前連結会計年度に比べて685百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6,335百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益7,878百万円、仕入債務の増加5,331百万円、減価償却費547百万円、未払消費税等の増加133百万円等の収入に対し、売上債権の増加4,110百万円、棚卸資産の増加1,635百万円、法人税等の支払1,779百万円等の支出によるものであります(前連結会計年度は資金の増加9,397百万円)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,727百万円となりました。これは主に定期預金の払戻による収入845百万円、保険積立金の解約による収入307百万円等の収入に対し、定期預金の預入による支出3,966百万円、有形固定資産の取得による支出413百万円、保険積立金の積立による支出266百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出208百万円等の支出によるものであります(前連結会計年度は資金の増加63百万円)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,091百万円となりました。これは主に自己株式の取得による支出1,028百万円、配当金の支払988百万円等の支出によるものであります(前連結会計年度は資金の減少1,742百万円)。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、「電線・ケーブル」の単一セグメントのため、単一セグメントで表示しております。
当社グループは、卸商社でありますので生産及び受注の状況は記載しておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
前年同期比(%) |
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電線・ケーブル(百万円) |
113,633 |
122.9 |
|
合計(百万円) |
113,633 |
122.9 |
(注)電線の主材料である銅の期中平均価格は、前期に比べ18.1%上昇しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは2021年12月8日公表の2024年10月期を最終年度とする「泉州電業グループ中期経営計画」を策定し各種施策に取り組んでおりましたが、2年前倒しで目標を達成したため、新たに2025年10月期を最終年度とする「泉州電業グループ中期経営計画」を策定し、2022年12月8日に公表いたしました。経営数値目標は連結売上高1,250億円、経常利益85億円、ROE(自己資本利益率)10%以上を2025年10月期までに達成することといたしました。
当中期経営計画は2023年10月期からの経営数値目標でありますが、ご参考として当連結会計年度の進捗率は、売上高113,633百万円(進捗率90.9%)、経常利益7,894百万円(進捗率92.9%)、ROEは12.0%(進捗率120.0%)となっております。
今後も収益の長期安定化と継続的成長に向け、経営数値目標の達成に取組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的として資金需要のうち主なものは、設備の新設のための設備投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金、必要に応じて取引銀行からの借入等により資金を調達しております。なお、設備投資額及び設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
資金の流動性につきましては、現金及び現金同等物に加え、取引銀行との間で当座貸越契約を締結しており、事業活動のために必要な資金の確保と流動性を維持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。