第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、英国のEU離脱の決定と米国新大統領の選出によって円為替相場が乱高下いたしましたが、全般的には緩やかな回復基調にあったといえます。一方の世界経済は、米国においては雇用状況の改善が見られましたが、中国・新興国経済が減速したことに加えて、前述した英国のEU離脱の決定と米国新大統領の選出もあって、先行きが不透明の中で推移いたしました。

このような状況のもと、当社グループでは「事業の選択と捨象」「稼ぐ活動に集中」というスローガンのもと実直な足元固めを進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は38,431百万円(前期比9.2%減)、営業利益は286百万円(前期は386百万円の営業損失)、経常損失は167百万円(前期は782百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は164百万円(前期は902百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

モビリティ

自動車メーカー及び自動車部品メーカーに対して、電子制御関連部品を核とした樹脂成形品及び同組立品を国内外で製造・販売しております。

当該事業の業績は、メキシコ工場と広島工場の先行投資費用を負担しつつも、バンコク・ジャカルタをはじめとする既存工場の収益が改善しました。

この結果、当連結会計年度における当セグメントの売上高は12,611百万円(前期比3.6%増)、全社費用配賦前のセグメント利益は309百万円(前期は15百万円のセグメント利益)、配賦後のセグメント利益は142百万円(前期は106百万円のセグメント損失)となりました。

 

エレクトロニクス

電子部品及びクリーンエネルギー関連のメーカーに対して、専門商社として高機能材料、部品、治具及び機器等を国内外で販売しております。

当該事業の業績は、燃料電池用部材の取引が終息したことによって減収とはなりましたが、スマートフォン向けの電子部品用部材や、民生機器向けの配線板材料が好調に推移しました。

この結果、当連結会計年度における当セグメントの売上高は13,182百万円(前期比22.6%減)、全社費用配賦前のセグメント利益は521百万円(前期比2.0%減)、配賦後のセグメント利益は93百万円(前期比115.6%増)となりました。

 

精密機器

オフィスオートメーション、デジタルイメージング、医療機器等の関連メーカーに対して、樹脂成形品の製造及び販売を国内外で展開しております。

当該事業の業績は、医療機器部品は好調に推移しましたが、プリンター・デジカメ関連の需要減速を補えきれませんでした。

この結果、当連結会計年度における当セグメントの売上高は7,261百万円(前期比8.2%減)、全社費用配賦前のセグメント損失は11百万円(前期は239百万円のセグメント損失)、配賦後のセグメント損失は58百万円(前期は286百万円のセグメント損失)となりました。

 

住宅設備

住宅設備の関連メーカーに対して、専門商社として、またファブレスメーカーとして、樹脂成形品、ブラインド・介護用ベッドのコントロールユニット、高機能材料並びに機器等を国内外で販売しております。

当該事業の業績は、次世代住宅向けの発電装置部品と高効率給湯器向けの配管部品が堅調に推移しました。

この結果、当連結会計年度における当セグメントの売上高は3,461百万円(前期比12.0%増)、全社費用配賦前のセグメント利益は188百万円(前期比26.4%増)、配賦後のセグメント利益は20百万円(前期は10百万円のセグメント損失)となりました。

 

その他

報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、RFID等を含んでおります。

当該事業の業績は、RFID事業におけるアミューズメント関連商材の需要が減速し減収となりましたが、国内関係会社の収益改善が寄与しました。

当連結会計年度におけるその他の売上高は2,184百万円(前期比7.9%減)、全社費用配賦前のセグメント利益は233百万円(前期比50.4%増)、配賦後のセグメント利益は112百万円(前期比239.7%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて782百万円の増加となり4,381百万円となりました。
 

当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により増加した資金は、1,105百万円(前期は27百万円の増加)となりました。

これは売上債権の増減額により960百万円減少したものの、減価償却費による1,311百万円、仕入債務の増減額により725百万円の増加があったことなどが主な要因となっております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により減少した資金は、1,058百万円(前期は1,061百万円の減少)となりました。

これは投資有価証券の売却による収入により200百万円の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出により1,334百万円減少したことなどが主な要因となっております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により増加した資金は、775百万円(前期は573百万円の減少)となりました。

これは長期借入金の返済による支出により780百万円、リース債務の返済による支出により223百万円減少したものの、短期借入金の純増減額により746百万円、長期借入れによる収入により1,025百万円増加したことなどが、主な要因となっております。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

(千円)

前年同期比(%)

モビリティ

8,617,454

△1.2

精密機器

6,043,565

△11.7

その他

812,879

1.2

合計

15,473,899

△5.5

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

モビリティ

12,646,784

3.9

759,440

5.2

エレクトロニクス

12,854,025

△23.8

1,060,017

△23.7

精密機器

7,156,623

△9.9

439,265

△12.6

住宅設備

3,491,717

13.4

286,845

11.9

その他

1,943,286

△9.4

132,353

△10.2

合計

38,092,438

△9.7

2,677,920

△11.2

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

(千円)

前年同期比(%)

モビリティ

12,609,170

3.6

エレクトロニクス

13,182,571

△22.6

精密機器

7,219,990

△8.3

住宅設備

3,461,243

12.0

その他

1,958,269

△8.8

合計

38,431,245

△9.2

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

3  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度は、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度
(自 平成27年4月1日 
 至 平成28年3月31日)

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三洋電機株式会社

4,597,248

10.9

 

4  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、常に新しい価値を創造し、広くこれを販売する事によって、取引先様の信頼を集め、株主様、取引先様からの支持を受け続ける企業づくりを目指しております。

また、企業活動を通じての地球環境の保全に積極的に貢献することが、企業の社会的責任であると考え、その実践に努めております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、財務の安定性と投下資本の効率性を重視しており、目標とする経営指標として、ROE (自己資本利益率)5%を目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「テクニカルイノベーター」として、「技術シーズ」と「お客様のニーズ」を融合させ、「イノベーション」を創り出すことを事業アイデンティティとしております。いつでも、どこでも最高の商品・製品・サービスを提供し続ける「力」を当社グループの存在価値と定め、当社グループならではの付加価値を材料・部品・ユニット・製品・サービスにプラスした企画・開発・製造・販売を行ってまいります。

向こう3ヵ年の経営戦略は、「成長領域と安定・成熟領域の事業リバランス」、「赤字事業の撤退・縮小」、「強みづくり」を掲げ、高収益体質への転換を図るとともに、自動車市場・精密医療機器市場・エレクトロニクス市場を成長領域と定め、成長領域にマッチングする商材の開発に注力していきます。

 

(4)会社の対処すべき課題

平成29年4月を初年度とする「新中期経営計画(3ヵ年)」を達成するためには、「企業体質の改善」と「人材育成」が重要な課題となります。「社員の存在が強みだといわれる会社」「利益と効率にこだわる会社」「社員が一流の仕事をする会社」をビジョンに掲げて、これらの課題に挑戦してまいります。 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項でも、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項について、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

なお、本項の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)自然災害等のリスクについて

当社グループは、モビリティ及び精密機器等においてプラスチック成形・組立等を行う工場を有しております。これらの設備のいずれかが地震等の災害により壊滅的な損害を被った場合、操業が中断し生産及び出荷が遅延することにより売上高は低下し、さらに製造拠点等の修復または代替のために巨額な費用を要することとなる可能性があります。

 

(2)為替変動リスクについて

当社グループは、外貨建の資産及び負債を有しております。また、在外連結子会社の財務諸表は、外貨で作成されております。これらを連結財務諸表へ取り込むに当たり、為替相場の変動は日本円換算額に影響を与える可能性があります。

 

(3)競合によるリスクについて

当社グループは、事業を展開する多くの市場において競合他社との激しい価格競争にさらされております。得意先に密着し、スピードと柔軟性をもって活動を行っておりますが、競合他社との価格競争による市場価格の変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(4)国際情勢等の影響に伴うリスクについて

当社グループは、東南アジア、中国、メキシコで事業を展開しており、それらの事業は予期せぬ法令の変更、自然災害、疾病、戦争、テロ、ストライキ等に影響されやすく、これらの事象が発生した地域においては、原材料や部品の購入、生産、製品の販売及び物流やサービスの提供などに遅延や停止が生じる可能性があります。これらの遅延や停止が起こり、それが長引くようであれば、当社グループの経営成績等に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)品質保証のリスクについて

当社グループは、品質不良によるリスクを最小限に抑えるべく、品質管理体制の強化に努めておりますが、全ての商品・製品について品質の不具合がなく、将来において品質問題が発生しないという保証はありません。品質管理には万全を期しておりますが、当社グループの商品・製品に販売後の不具合が発生した場合、当該不良の内容によっては、販売先で発生したリコール費用等について、応分の賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの経営成績等に悪影響を与える可能性があります。

 

(6)原材料価格の変動について

当社グループが生産・販売を行うプラスチック成形品の原材料(プラスチック樹脂材料)について、プラスチック樹脂材料のもととなる原油価格が急激に上昇し、当社グループ仕切価格の上昇に即応した販売ができなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)特定の仕入先への依存について

当社グループは、日立化成株式会社とビジネスパートナー契約を締結し、電気・電子材料、部品等の仕入を行っております。

当社グループの総仕入高に占める日立化成株式会社からの仕入高の割合は、約4割となっています。長年に亘る取引の中で深い信頼関係があり継続性について問題は無いと思われますが、日立化成株式会社の事業方針の変更等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)特定の業界への依存について

当社グループは自動車業界及び電子部品業界を中心に取引を行っておりますが、自動車メーカー及び電子部品製造メーカー全般の生産動向及び販売動向によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)法的規制について

当社グループは国内外で事業展開を行っているため、各国の法的規制の適用を受けております。また、将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。

したがって、これらの法的規制等を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)固定資産の減損に関するリスクについて

当社グループが保有する固定資産について、資産の収益性低下等により投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。これに伴い「固定資産の減損に係る会計基準」に規定される減損損失を認識するに至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは素材・原料・部品・機器等商事機能での多品種、他業に亘る取引があるため、様々な業種・業界から材料・部品・工法等の多種の情報が集まり易いという特徴に加え、顧客のニーズも集まり易い性格があり、既存事業の他、複数のアイテムを次の事業として育てるために技術開発・商品企画及びマーケット開発を行っております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は46,202千円であります。

 

セグメントの研究開発活動を示しますと、次のとおりであります。

モビリティ

自動車業界向け製品を中心に、研究開発活動を実施しており、当連結会計年度の研究開発費は45,077千円であります。

 

その他

次の事業として複数のアイテム開発を中心に研究開発活動を実施しており、当連結会計年度の研究開発費は1,125千円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。

 

(3) 戦略的現状と見通し

当社グループは、不倒不滅の会社作りを念頭におき、「お客様のニーズを形にする機能製品のグローバルな製造、販売企業」を実践し、社会に役立つ商品・サービスを提供している企業へ、当社グループならではの付加価値をプラスした材料・部品・ユニット・製品・サービスの企画・開発・製造・販売を行ってまいります。

 

 

(4) 財政状態の分析

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,775百万円増加し14,513百万円となりました。これは現金及び預金が786百万円、受取手形及び売掛金が675百万円、電子記録債権が199百万円増加したことなどが主な要因となっております。

 

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べて311百万円減少し12,895百万円となりました。これは投資有価証券が136百万円増加したものの、有形固定資産合計が416百万円減少したことなどが主な要因となっております。

 

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて1,464百万円増加し27,409百万円となりました。

 

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,612百万円増加し11,849百万円となりました。これは短期借入金が711百万円、支払手形及び買掛金が633百万円、1年内返済予定の長期借入金が108百万円増加したことなどが主な要因となっております。

 

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べて40百万円増加し5,678百万円となりました。これはリース債務が96百万円減少したものの、長期借入金が131百万円、退職給付に係る負債が85百万円増加したことなどが主な要因となっております。

 

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて1,652百万円増加し17,528百万円となりました。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて188百万円減少し9,880百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益を164百万円計上したものの、為替換算調整勘定が284百万円減少したことが主な要因となっております。

 

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.1ポイント減少の35.3%となりました。

 

(5) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。