第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、年初からの海外経済の不透明感に起因する円高の進行により企業収益の改善に足踏みが見られる状況が続きましたものの、輸出の持ち直しや米国大統領選挙の影響による円安への転換により、年度後半は緩やかな回復基調が続いております。一方で、世界の経済情勢は、米国経済の景気回復が続く中、依然として続く新政権への不信感、新興国経済の減速、英国のEU離脱問題など依然として先行きに不透明感を残す状況で推移しました。

 当機械工具業界におきましては、不安定な世界経済に起因した円高などの影響により、国内製造業の生産活動は弱含みとなりましたものの、自動車関連向け部品・工具等で堅調に推移するほか、はん用・生産用機械工業では半導体製造装置に顕著な伸びがあるなど、設備投資需要も維持・更新を中心に底堅く全体として持ち直しの動きとなって推移しました。

 このような状況の中で当社は、当期の経営スローガン「創成 勝ち抜く進化と成長」に基づき、お客様の多様なニーズを捉えた営業活動を展開し、新たな需要の掘り起こしや新規と深耕を継続的に推進し、市場シェア拡大に努めました。また、経費コストの削減に努め利益体質への改善、企業価値の向上を目指し取組んでまいりました。

 商品別売上高につきましては、設備投資関連の「ものづくり補助金」の効果もあり「機械」753百万円(前年同期比50.1%増)、「産機」2,788百万円(前年同期比3.4%増)、部品・消耗品である「工具」1,443百万円(前年同期比4.9%増)、「その他」614百万円(前年同期比17.1%増)となりましたが、「伝導機器」は617百万円(前年同期比5.6%減)となりました。

 以上の結果、当事業年度の業績につきましては、売上高6,217百万円(前年同期比8.0%増)となりました。利益につきましても増収に伴い、営業利益40百万円(前年同期は159千円)、経常利益90百万円(前年同期比81.2%増)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益84百万円を計上したことにより当期純利益は97百万円(前年同期比73.7%増)となりました。

主要セグメントについては下記のとおりであります。

 当社は、機械、工具及び産業機械・器具等の販売事業の単一セグメントであるため、記載しておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ140百万円増加し、当事業年度末に583百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、199百万円(前年同期は63百万円の使用)となりました。主な要因は、投資有価証券売却損益80百万円、受取利息及び受取配当金13百万円、売上債権の増加額12百万円が減少要因となりましたが、一方で、税引前当期純利益170百万円、たな卸資産の減少額58百万円及び未払消費税等の増加額30百万円が増加要因となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、21百万円(前年同期は51百万円の取得)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入1,501百万円及び有価証券の償還による収入100百万円が増加要因となりましたが、一方で、投資有価証券の取得による支出1,617百万円が減少要因となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、36百万円(前年同期比23.1%減)となりました。主な要因は、配当金の支払額23百万円とファイナンス・リース債務の返済による支出13百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)商品仕入実績

区分

第63期

(自 平成28年3月21日

至 平成29年3月20日)

前期比(%)

機械(千円)

664,233

150.8

工具(千円)

1,270,709

103.7

産機(千円)

2,335,684

97.8

伝導機器(千円)

519,546

95.1

その他(千円)

534,405

114.6

計(千円)

5,324,579

105.1

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

 該当事項はありません。

(3)販売実績

区分

第63期

(自 平成28年3月21日

至 平成29年3月20日)

前期比(%)

機械(千円)

753,326

150.1

工具(千円)

1,443,390

104.9

産機(千円)

2,788,874

103.4

伝導機器(千円)

617,744

94.4

その他(千円)

614,511

117.1

合計(千円)

6,217,845

108.0

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社は、東北における生産財の供給商社として、地域の産業開発と生活文化の向上のため、モノづくりを支える努力と挑戦を続けてまいりました。こうした基本姿勢を今後も堅持しながら、いかなる環境変化にも対応出来る筋肉質の企業体質を目指すべく、以下の対処すべき課題に取組んでまいります。

 (1) 利益体質への改善

部門の採算管理、収益構造の見直しなど、経営効率の向上施策について積極的に取組んでまいります。

 

 (2) 企業価値の拡大

上場企業としてのガバナンスの強化、メセナ活動などを通じた社会貢献、各種IR活動の展開などにより企業価値を高め、社会やステークホルダーの皆様からも信頼される企業を目指してまいります。

 

 (3) 人材の確保と育成

人材が最も重要な経営資源と捉えており、優秀な人材の確保・教育が今後の当社の成長戦略には欠かせないものと考えております。社員一人一人の能力を最大限に引き出す職場環境を実現することは、企業にとって従来以上に重要になっておりますことから、教育・研修の強化に向けた環境作りや研修制度の充実を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 景気変動リスク

 当社は、機械・工具類の専門商社を追求しておりますが、一般的に景況の先行指数とされる設備投資動向と密接な関係があります。

 従いまして、設備関連需要の下降局面では、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 債権管理リスク

 東北4県、関東1都2県に跨る取引先構成はリスク分散になっておりますが、設備投資に関連する分野での景気の影響を受けやすく、潜在的に与信リスクの可能性を有しております。

 従いまして、国内景気の動向によっては、貸倒引当金積み増しの事態が生じる可能性があります。

 なお、債権管理においては、より一層信用状態を継続的に把握するなど不良債権の発生防止には万全を期しております。

 

(3) 在庫品リスク

 需要の厳しい変化に伴い、商品の短命化、コスト削減に伴う設計変更、リードタイムの短縮、購買方針の変更等により、当社の在庫商品の動きが緩慢になり滞留化することが考えられます。

 このことは、在庫処分の処置を講ずることとなり収益性に影響を与える可能性がありますので、当社の在庫管理規程を遵守し滞留在庫の発生防止に努めてまいります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、期末時点の資産、負債、偶発債務の報告金額、及び期中の収益、費用の報告金額に影響を与える見積りや判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報を継続的に検証し、見積り及び判断の基礎としております。しかしながら、これらの見積りや判断及び仮定はしばしば不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 当社の経営陣が、見積りや判断及び仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下の通りであります。

① 貸倒引当金

 当社の財務諸表において、売掛金・受取手形及び電子記録債権等の営業債権の残高は多額であるため、債権の評価に対する会計上の見積りは重要な要素となっております。

 当社では、債務者からの債権回収状況、債務者の財務内容及び過去の貸倒実績率などを総合的に判断した上で債権の回収可能性を見積り、貸倒引当金を計上しております。

 当社の経営陣は、これらの貸倒引当金の見積りは合理的であると判断しておりますが、債務者の財政状態の悪化等の場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

② 固定資産の減損

 当社では、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、経営環境等の前提条件の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

③ 有価証券の減損

 当社では、債券、投資信託及び業務上の関連を有する取引先企業の株式を有しております。

 当社は、市場性のある有価証券について、時価が取得価額の一定水準を下回った場合に、回復の可能性を検討し可能性がないと判断した場合には、有価証券の減損を計上しております。

 また、市場性のない有価証券については、純資産の下落幅、投資先の財政状態及び将来の業績見通し等を総合的に判断した上で減損計上の要否を決定しております。なお、将来の市況の悪化又は投資先の業績不振により、減損の追加計上が必要となる可能性があります。

 (2) 財政状態の分析

(流動資産)

 流動資産は、前事業年度末に比べ、4百万円減少し、2,925百万円(前年同期比0.1%減)となりました。主なものは、現金及び預金140百万円、受取手形11百万円、電子記録債権170百万円がそれぞれ増加となりましたが、売掛金169百万円、有価証券100百万円及び商品58百万円の減少となりました。

(固定資産)

 固定資産は、前事業年度末に比べ、312百万円増加し、1,826百万円(前年同期比20.7%増)となりました。主なものは、有形固定資産及び無形固定資産は減価償却による減少となりましたが、投資有価証券が取得及び時価評価差額金の増加により322百万円増加となりました。

 この結果、当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ、308百万円増加し、4,751百万円(前年同期比6.9%増)となりました。

(流動負債)

 流動負債は、前事業年度末に比べ、108百万円増加し、1,656百万円(前年同期比7.0%増)となりました。主なものは、買掛金16百万円の減少となりましたが、支払手形21百万円、未払法人税等59百万円及び未払消費税等25百万円とそれぞれ増加となりました。

(固定負債)

 固定負債は、前事業年度末に比べ、34百万円増加し、177百万円(前年同期比24.2%増)となりました。主なものは、繰延税金負債が35百万円増加となりました。

 この結果、当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ、143百万円増加し、1,833百万円(前年同期比8.5%増)となりました。

(純資産)

 純資産は、前事業年度末に比べ、165百万円増加し、2,917百万円(前年同期比6.0%増)となりました。主なものは、前期末配当金の支払23百万円がありましたものの、当期純利益97百万円の計上により株主資本合計が74百万円増加となり、また、その他有価証券評価差額金が90百万円増加となりました。

 なお、当事業年度末における自己資本比率は61.4%となり、前事業年度末に比べ0.6ポイント下降しております。

 (3) 経営成績の分析

 当事業年度における売上高は6,217百万円となり前年同期と比べ462百万円(前年同期比8.0%増)の増収となりました。主な要因としては、政府の経済政策である「ものづくり補助金」を利用した設備投資需要や自動車関連向け部品・工具等の受注が堅調に推移しました。

 販売費及び一般管理費は、経費削減に努めてまいりましたものの、人件費、広告宣伝費及び人材採用経費等が増加となり、前年同期と比べ22百万円増加の794百万円(前年同期比2.9%増)となり、営業利益は40百万円(前年同期は0.1百万円)となりました。

 営業外収益は56百万円(前年同期比1.4%増)で前年同期と比べ0.7百万円増加し、営業外費用は6百万円(前年同期比8.1%増)の前年同期と比べ0.4百万円増加となりました。

 以上により、経常利益は90百万円(前年同期比81.2%増)で前年同期と比べ40百万円の増益となりました。

 特別利益に、投資有価証券売却益84百万円を計上いたしました結果、税引前当期純利益において170百万円(前年同期比106.5%増)となり、法人税等合計で72百万円(前年同期比177.1%増)となり、当期純利益97百万円(前年同期比73.7%増)前年同期と比べ41百万円の増益となりました。

 (4) 市場動向と今後の見通し

 今後の見通しにつきましては、わが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善により、景気の緩やかな回復基調が見込まれます。一方、世界経済においては、米国の新政権による政策動向や英国のEU離脱問題など先行き不透明な要素はあるものの、全般に景気は緩やかな回復基調が見込まれております。

 このような状況下、当社は「お客様第一主義」を基本とし、繋ぐ・削る・挑む、をスタンスとして市場シェアの拡大を図り、業績と企業価値の向上に努めてまいります。