第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に設備投資や雇用・所得環境の改善傾向が継続するなど景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、海外においては、欧米やアジア新興国における政治や経済動向に加え、朝鮮半島情勢の問題などにより、世界経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当機械工具業界におきましては、スマートフォンや自動車、半導体関連業種の製造業での生産活動は活況を維持し、全体として堅調に推移しました。

 このような状況の中で当社は、「お客様第一主義」を基本とし、繋ぐ・削る・挑む経営をスタンスとして市場シェアの拡大に努め、横浜営業所を神奈川県座間市に移転し、東京都大田区の旧事務所を横浜営業所東京オフィスとして残し2拠点体制で営業基盤の拡大・強化を進めてまいりました。一方、経費の見直しや更なる業務効率の向上等コスト削減に取り組んでまいりました。

 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高7,125百万円(前年同期比14.6%増)の増収となりました。利益につきましては、賃金制度の見直しや業績に応じた賞与支給等により人件費が増加となり経費全体として前年を上回りましたが、営業利益92百万円(前年同期比127.1%増)、経常利益146百万円(前年同期比60.9%増)の増益となりました。

 特別利益での投資有価証券売却益が13百万円発生しましたが、前年同期と比べ71百万円の減少となったため当期純利益は92百万円(前年同期比5.4%減)となりました。

主要セグメントについては下記のとおりであります。

 当社は、機械、工具及び産業機械・器具等の販売事業の単一セグメントであるため、記載しておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ263百万円減少し、当事業年度末に319百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果使用した資金は、130百万円(前年同期は199百万円の取得)となりました。主な要因は、税引前当期純利益153百万円、仕入債務の増加額380百万円等が資金取得要因となりましたが、一方で、売上債権の増加550百万円、たな卸資産の増加76百万円及び法人税等の支払額100百万円等があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、73百万円(前年同期比233.2%増)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入328百万円等が資金取得要因となりましたが、一方で、投資有価証券の取得による支出416百万円等の使用があったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、59百万円(前年同期比62.1%増)となりました。主な要因は、配当金の支払額46百万円とファイナンス・リース債務の返済による支出13百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)商品仕入実績

区分

第64期

(自 平成29年3月21日

至 平成30年3月20日)

前期比(%)

機械(千円)

743,344

111.9

工具(千円)

1,523,910

119.9

産機(千円)

2,953,757

126.5

伝導機器(千円)

536,272

103.2

その他(千円)

418,277

78.3

計(千円)

6,175,562

116.0

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

 該当事項はありません。

(3)販売実績

区分

第64期

(自 平成29年3月21日

至 平成30年3月20日)

前期比(%)

機械(千円)

848,095

112.6

工具(千円)

1,721,066

119.2

産機(千円)

3,218,239

115.4

伝導機器(千円)

632,691

102.4

その他(千円)

705,676

114.8

合計(千円)

7,125,767

114.6

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、「企業の永続繁栄」「企業の存在価値」「企業の環境責任」を経営上の基本方針として捉え、業界地位の向上に取組んでおります。「お客様第一」の基本姿勢のもと、多様化するユーザーニーズに合ったサービスの提供をモットーとして、お客様に信頼される機械工具専門商社を目指すべく、「商品力」「価格力」「営業力」「財務力」の体質強化をキーワードに、企業体質の改善・収益基盤の拡大に努めてまいります。

 

(2) 経営戦略

 経営環境は、企業間競争が激化し、今後とも極めて厳しい状況が続くものと思われますが、危機管理体制強化の観点から先行管理に徹し、発生する諸々の経営課題に積極的に取組み信頼される企業として、更なる発展に努め一層高い経営基盤の確立を目指してまいります。

 具体的には、収益重視型経営の実現に向けての営業基盤・財務基盤の確立と将来を展望しての人材育成の強化を施策の重点テーマとして、企業の永久発展の礎を創ってまいりたいと考えます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、収益性の高い経営基盤の確立を目指しており、特に、売上総利益率の改善、仕入改革・経費の節減などによる営業利益の創造、或いは経常利益の向上など、損益分岐点重視の経営を主眼に、財務体質の強化を図りバランスの取れた企業への成長を目指しております。

 

(4) 経営環境

 当社を取り巻く環境は、国内経済は緩やかな景気回復基調の継続が期待されるものの、世界経済においては、米国の政策動向や中国等の新興国の海外経済への影響等により先行きの不透明感は続くものと思われます。

 当社が属する機械工具業界においては、設備案件である工作機械受注の伸び悩みや一部調達部材の需要逼迫による影響などが懸念されております。

 さらに、当社の事業基盤は東北地方に占める割合が高いことから、人口減少・少子高齢化に伴う人手不足が問題となっており、中長期的な需要減少が想定されます。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は、東北における生産財の供給商社として、地域の産業開発と生活文化の向上のため、モノづくりを支える努力と挑戦を続けてまいりました。こうした基本姿勢を今後も堅持しながら、いかなる環境変化にも対応出来る筋肉質の企業体質を目指すべく、以下の対処すべき課題に取組んでまいります。

① 人材の確保と育成

人材が最も重要な経営資源と捉えており、優秀な人材の確保・教育が今後の当社の成長戦略には欠かせないものと考えております。社員一人ひとりの能力を最大限に引き出す職場環境を実現することは、企業にとって従来以上に重要になっておりますことから、教育・研修の強化に向けた環境作りや研修制度の充実を図ってまいります。

② 利益体質への改善

部門の採算管理、収益構造の見直しなど、経営効率の向上施策について積極的に取組んでまいります。

③企業価値の拡大

上場企業としてのガバナンスの強化、メセナ活動などを通じた社会貢献、各種IR活動の展開などにより企業価値を高め、社会やステークホルダーの皆様からも信頼される企業を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 景気変動リスク

 当社は、機械・工具類の専門商社を追求しておりますが、一般的に景況の先行指数とされる設備投資動向と密接な関係があります。

 従いまして、設備関連需要の下降局面では、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 債権管理リスク

 東北4県、関東1都2県に跨る取引先構成はリスク分散になっておりますが、設備投資に関連する分野での景気の影響を受けやすく、潜在的に与信リスクの可能性を有しております。

 従いまして、国内景気の動向によっては、貸倒引当金積み増しの事態が生じる可能性があります。

 なお、債権管理においては、より一層信用状態を継続的に把握するなど不良債権の発生防止には万全を期しております。

 

(3) 在庫品リスク

 需要の厳しい変化に伴い、商品の短命化、コスト削減に伴う設計変更、リードタイムの短縮、購買方針の変更等により、当社の在庫商品の動きが緩慢になり滞留化することが考えられます。

 このことは、在庫処分の処置を講ずることとなり収益性に影響を与える可能性がありますので、当社の在庫管理規程を遵守し滞留在庫の発生防止に努めてまいります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、期末時点の資産、負債、偶発債務の報告金額、及び期中の収益、費用の報告金額に影響を与える見積りや判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報を継続的に検証し、見積り及び判断の基礎としております。しかしながら、これらの見積りや判断及び仮定はしばしば不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 当社の経営陣が、見積りや判断及び仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下の通りであります。

① 貸倒引当金

 当社の財務諸表において、売掛金・受取手形及び電子記録債権等の営業債権の残高は多額であるため、債権の評価に対する会計上の見積りは重要な要素となっております。

 当社では、債務者からの債権回収状況、債務者の財務内容及び過去の貸倒実績率などを総合的に判断した上で債権の回収可能性を見積り、貸倒引当金を計上しております。

 当社の経営陣は、これらの貸倒引当金の見積りは合理的であると判断しておりますが、債務者の財政状態の悪化等の場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

② 固定資産の減損

 当社では、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、経営環境等の前提条件の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

③ 有価証券の減損

 当社では、債券、投資信託及び業務上の関連を有する取引先企業の株式を有しております。

 当社は、市場性のある有価証券について、時価が取得価額の一定水準を下回った場合に、回復の可能性を検討し可能性がないと判断した場合には、有価証券の減損を計上しております。

 また、市場性のない有価証券については、純資産の下落幅、投資先の財政状態及び将来の業績見通し等を総合的に判断した上で減損計上の要否を決定しております。なお、将来の市況の悪化又は投資先の業績不振により、減損の追加計上が必要となる可能性があります。

 (2) 財政状態の分析

(流動資産)

 流動資産は、前事業年度末に比べ、369百万円増加し、3,294百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が263百万円減少しましたが、一方で、受取手形128百万円、電子記録債権180百万円及び売掛金240百万円、商品76百万円増加したこと等によります。

(固定資産)

 固定資産は、前事業年度末と比べ、125百万円増加し、1,951百万円となりました。主な要因は、投資等で投資有価証券が新たな取得と時価評価の差額の増加により130百万円増加したこと等によります。

 この結果資産合計は、前事業年度末と比べ、494百万円増加し、5,245百万円となりました。

(流動負債)

 流動負債は、前事業年度末と比べ、379百万円増加し、2,035百万円となりました。主な要因は、支払手形123百万円、未払法人税等が39百万円減少しましたが、一方で、電子記録債務496百万円、未払金29百万円の増加等によります。

(固定負債)

 固定負債は、前事業年度末と比べ、26百万円増加し、203百万円となりました。主な要因は、役員退職慰労引当金6百万円及び繰延税金負債19百万円の増加等によります。

 この結果負債合計は、前事業年度末と比べ、405百万円増加し、2,239百万円となりました。

(純資産)

 純資産合計は、前事業年度末と比べ88百万円増加し、3,006百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が46百万円、その他有価証券評価差額金が42百万円増加したこと等によります。

 なお、当事業年度末における自己資本比率は57.3%となり、前事業年度末に比べ4.1ポイント低下しております。

 (3) 経営成績の分析

 当事業年度における売上高は7,125百万円となり前年同期と比べ907百万円(前年同期比14.6%増)の増収となりました。主な要因としては、国内における自動車、半導体、電子部品関連を中心に旺盛な需要が継続したことに加え、幅広い業種において設備投資需要が見られ受注が堅調に推移しました。

 販売費及び一般管理費は、賃金制度の見直しや業績に応じた賞与支給等従業員への還元により人件費が増加となり、経費全体は前年同期と比べ140百万円増加の934百万円(前年同期比17.6%増)となりましたが、粗利益率の改善等により営業利益は92百万円(前年同期比127.1%増)となりました。

 営業外収益は62百万円(前年同期比10.3%増)で前年同期と比べ5百万円増加し、営業外費用は8百万円(前年同期比32.1%増)の前年同期と比べ2百万円増加となりました。

 以上により、経常利益は146百万円(前年同期比60.9%増)で前年同期と比べ55百万円の増益となりました。

 特別利益に、投資有価証券売却益13百万円を計上いたしましたが特別利益は前年同期と比べ71百万円減少しました。以上の結果、税引前当期純利益は153百万円(前年同期比9.9%減)となり、法人税等合計で60百万円(前年同期比16.0%減)となりまして、当期純利益92百万円(前年同期比5.4%減)前年同期と比べ5百万円の減益となりました。

 (4) 市場動向と今後の見通し

 今後の見通しにつきましては、国内経済は緩やかな景気回復基調の継続が期待されるものの、世界経済においては、米国の政策動向や中国等の新興国の海外経済への影響等により先行きの不透明感は続くものと思われます。

 このような状況のもと、当社は「お客様第一主義」を基本とし、持続的な事業の拡大と中長期的な企業価値の向上を実現するために、「働き方改革」「儲け方改革」「勝ち残り改革」、を主な重点改革と位置付け、これらを実行してまいります。