第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、「企業の永続繁栄」「企業の存在価値」「企業の環境責任」を経営上の基本方針として捉え、業界地位の向上に取組んでおります。「お客様第一」の基本姿勢のもと、多様化するユーザーニーズに合ったサービスの提供をモットーとして、お客様に信頼される機械工具専門商社を目指すべく、「商品力」「価格力」「営業力」「財務力」の体質強化をキーワードに、企業体質の改善・収益基盤の拡大に努めてまいります。

 

(2) 経営戦略

 経営環境は、企業間競争が激化し、今後とも極めて厳しい状況が続くものと思われますが、危機管理体制強化の観点から先行管理に徹し、発生する諸々の経営課題に積極的に取組み信頼される企業として、更なる発展に努め一層高い経営基盤の確立を目指してまいります。

 具体的には、収益重視型経営の実現に向けての営業基盤・財務基盤の確立と将来を展望しての人材育成の強化を施策の重点テーマとして、企業の永久発展の礎を創ってまいりたいと考えます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、収益性の高い経営基盤の確立を目指しており、特に、売上総利益率の改善、仕入改革・経費の節減などによる営業利益の創造、或いは経常利益の向上など、損益分岐点重視の経営を主眼に、財務体質の強化を図りバランスの取れた企業への成長を目指しております。

 

(4) 経営環境

 今後の当社を取り巻く市場環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的感染の広がりや収束が国内外の社会・経済活動の停滞や景気の先行きを左右するほか、2021年への東京五輪の延期など、不確実性の高まりが先行きに対する懸念材料となっており、2020年3月期とは全く異なる経営環境の様相を呈してきております。

 当社が属する機械工具業界においても、主要取引先である自動車関連、半導体関連の製造業における新型コロナウイルス感染症の影響による生産活動の停滞等、当社業績への影響が懸念されます。

 さらに、当社の事業基盤は東北地方に占める割合が高いことから、人口減少・少子高齢化に伴う人手不足が問題となっており、中長期的な需要減少が想定されます。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は、東北における生産財の供給商社として、地域の産業開発と生活文化の向上のため、モノづくりを支える努力と挑戦を続けてまいりました。上記「(4)経営環境」に記載の状況のもと当社は、今年5月に創業70周年を迎えることが出来ました。これもひとえに株主の皆様をはじめ、関係各位の長年にわたるご支援の賜物と心より感謝申し上げます。ここからは創業100年、永遠企業への土台創りとして、あらゆる時代の変化に対応し勝ち残ることができる強靭な企業体質の構築の実現を目指し、以下の対処すべき課題に取組んでまいります。

①新型コロナウイルスへの対応

 従業員及び関係者の健康・安全を守ることを最優先として、勤務形態、通勤方法等の見直し、感染予防対策、発生時の対応等について「新型コロナウイルス感染予防マニュアル」として周知徹底し、感染リスクの低減及び事業活動の継続に取組んでおります。なお、新型コロナウイルスの終息時期の見通しは不透明であり、業績への影響が拡大するリスクがあるものと認識しております。今後の動向を見極めつつ、対応等を検討してまいります。

 

②人材の確保と育成

 人材が最も重要な経営資源と捉えており、優秀な人材の確保・教育が今後の当社の成長戦略には欠かせないものと考えております。社員一人ひとりの成長と会社の持続的な発展を目指し、個々の能力を最大限に引き出せる職場環境の整備や教育・研修制度の整備を進めてまいります。

 

③利益体質の強化

 今後予想される厳しい経営環境の中で勝ち残るためには、強みを追求し付加価値を高めて利益率の改善に努め、部門の採算管理、収益構造の見直し、無駄の排除など労働生産性を高めるための施策について積極的に取組んでまいります。

 

④企業価値の向上

 社会的に必要とされる企業が本当に価値のある企業ととらえており、上場企業としてのガバナンス強化、社会貢献活動、各種IR活動の展開に積極的に取組んでおります。近年、事業を取り巻く変化は速く、災害や景気変動の様々なリスクに立ち向かう中で、企業として強くなることが求められており、社会やステークホルダーの皆様からも信頼される企業を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1) 景気変動リスク

 当社は、機械・工具類の専門商社を追求しておりますが、一般的に景況の先行指数とされる設備投資動向と密接な関係があります。

 従いまして、設備関連需要の下降局面では、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 債権管理リスク

 東北5県、関東1都2県に跨る取引先構成はリスク分散になっておりますが、設備投資に関連する分野での景気の影響を受けやすく、潜在的に与信リスクの可能性を有しております。

 従いまして、国内景気の動向によっては、貸倒引当金積み増しの事態が生じる可能性があります。

 なお、債権管理においては、より一層信用状態を継続的に把握するなど不良債権の発生防止には万全を期しております。

 

(3) 在庫品リスク

 需要の厳しい変化に伴い、商品の短命化、コスト削減に伴う設計変更、リードタイムの短縮、購買方針の変更等により、当社の在庫商品の動きが緩慢になり滞留化することが考えられます。

 このことは、在庫処分の処置を講ずることとなり収益性に影響を与える可能性がありますので、当社の在庫管理規程を遵守し滞留在庫の発生防止に努めてまいります。

 

(4) 自然災害、感染症等に係るリスク

 当社は営業所を東北地方及び関東地方の一部に分散して設けておりますが、地震等の自然災害により被害を受ける可能性があります。これらの設備等に甚大な損害が生じた場合や、仕入先が被害を受け納期等で商品供給に影響を受けた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新型コロナウイルス感染症の拡大による今後の企業活動の低迷等の影響により、当社の経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢・所得環境の改善が継続するものの、一方で長期化する米中貿易摩擦の影響や消費増税の影響による個人消費の落ち込み、自動車や機械などの輸出低迷により景気後退感が強まりました。また、年明け以降、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に及ぼす懸念も徐々に高まりを見せており、今後留意が必要な状況となっております。

 当機械工具業界におきましては、内需及び外需が低迷する中で自動車の販売量や産業機械の出荷量が減少したことを背景に、主力取引先である製造業で景況感の悪化が続き、厳しい経営環境となりました。

 このような状況のもと、当社は「お客様第一主義」を基本として、同業他社との差別化による得意先への取引深耕に努める一方、ムダ・ムリ・ムラの排除によるコストの削減など、競争力の強化と経営の効率化に取り組んでまいりました。

 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高6,477百万円(前年同期比9.5%減)となりました。

 利益については、人件費の上昇や、期末での株式市場の乱高下による年金資産残高の減少による負担増など経費増加の要因もありましたが、広告宣伝費や運搬費等のコスト削減効果から販売費及び一般管理費は前年同期比0.3%の減少となり、営業利益17百万円(前年同期比77.9%減)、経常利益72百万円(前年同期比47.2%減)となりました。

 特別利益には、投資有価証券売却益78百万円を計上しました。特別損失として、固定資産の減損損失9百万円と台風19号の災害による損失2百万円を計上したこと等により、当期純利益は81百万円(前年同期比19.9%減)となりました。

主要セグメントについては下記のとおりであります。

 当社は、機械、工具及び産業機械・器具等の販売事業の単一セグメントであるため、記載しておりません。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ165百万円増加して、313百万円となりました。

 当事業期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は242百万円(前年同期は106百万円の使用)となりました。その主な要因は、仕入債務の減少額248百万円、法人税等の支払額40百万円等資金の減少要因がありましたが、一方で、税引前当期純利益139百万円の計上と売上債権の減少額378百万円等の増加要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は18百万円(前年同期は21百万円の取得)となりました。その主な要因は、投資有価証券の売却による収入835百万円等の増加要因がありましたが、投資有価証券の取得による支出881百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は58百万円(前年同期比32.1%減)となりました。その主な要因は、配当金の支払額45百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出12百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.商品仕入実績

区分

第66期

(自 2019年3月21日

至 2020年3月20日)

前期比(%)

機械(千円)

446,386

67.4

工具(千円)

1,461,862

93.8

産機(千円)

2,503,528

84.4

伝導機器(千円)

515,845

90.6

その他(千円)

602,970

130.8

計(千円)

5,530,594

88.9

 (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

区分

第66期

(自 2019年3月21日

至 2020年3月20日)

前期比(%)

機械(千円)

508,516

68.7

工具(千円)

1,653,582

93.6

産機(千円)

3,026,737

91.0

伝導機器(千円)

591,955

89.9

その他(千円)

696,367

104.4

合計(千円)

6,477,157

90.5

 (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、期末時点の資産、負債、偶発債務の報告金額、及び期中の収益、費用の報告金額に影響を与える見積りや判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報を継続的に検証し、見積り及び判断の基礎としております。しかしながら、これらの見積りや判断及び仮定はしばしば不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 当社の経営陣が、見積りや判断及び仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下の通りであります。

a. 貸倒引当金

 当社の財務諸表において、売掛金・受取手形及び電子記録債権等の営業債権の残高は多額であるため、債権の評価に対する会計上の見積りは重要な要素となっております。

 当社では、債務者からの債権回収状況、債務者の財務内容及び過去の貸倒実績率などを総合的に判断した上で債権の回収可能性を見積り、貸倒引当金を計上しております。

 当社の経営陣は、これらの貸倒引当金の見積りは合理的であると判断しておりますが、債務者の財政状態の悪化等の場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

b. 固定資産の減損

 当社では、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、経営環境等の前提条件の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

c. 有価証券の減損

 当社では、債券、投資信託及び業務上の関連を有する取引先企業の株式を有しております。

 当社は、市場性のある有価証券について、時価が取得価額の一定水準を下回った場合に、回復の可能性を検討し可能性がないと判断した場合には、有価証券の減損を計上しております。

 また、市場性のない有価証券については、純資産の下落幅、投資先の財政状態及び将来の業績見通し等を総合的に判断した上で減損計上の要否を決定しております。なお、将来の市況の悪化又は投資先の業績不振により、減損の追加計上が必要となる可能性があります。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績等

1) 財政状態

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。

(資産)

 当事業年度末の総資産は、4,555百万円となり前事業年度末に比べ、479百万円減少しました。この主な要因は、流動資産の現金及び預金が165百万円の増加となりましたが、一方で、売掛金259百万円、受取手形81百万円、電子記録債権37百万円の減少となりました。また、投資その他の資産では投資有価証券が含み損の増加等により207百万円の減少となりました。

(負債)

 負債合計は、1,780百万円となり前事業年度末に比べ、299百万円減少しました。この主な要因は、流動負債で電子記録債務133百万円、支払手形76百万円、買掛金38百万円の減少となり、固定負債では繰延税金負債が72百万円減少となりました。

(純資産)

 純資産は、2,775百万円となり前事業年度末に比べ、179百万円減少しました。主な要因は、利益剰余金は前期末配当金の支払45百万円と当期純利益の計上81百万円により35百万円の増加となりましたが、その他有価証券評価差額金が215百万円の減少となりました。

 なお、当事業年度末における自己資本比率は60.9%となり、前事業年度末に比べ2.2ポイント上昇しております。

 

2) 経営成績

 当事業年度における売上高は6,477百万円(前年同期比9.5%減)となり前年同期と比べ679百万円の減収となりました。主な要因としては、内需及び外需が低迷する中で自動車の販売量や産業機械の出荷量が減少したことを背景に、主力取引先である製造業で景況感の悪化が続き、厳しい経営環境となりました。取扱商品別の売上高を見ますと、設備関連の「機械」は508百万円(前年同期比31.3%減)、「伝導機器」591百万円(前年同期比10.1%減)、「産機」3,026百万円(前年同期比9.0%減)、消耗品となる「工具」1,653百万円(前年同期比6.4%減)、「その他」696百万円(前年同期比4.4%増)となり、その他以外の分類全てが減少となりました。

 営業利益については、売上総利益率は前年同期と比べ0.4ポイント上昇し14.0%となりました。また、販売費及び一般管理費は、中途採用者の増加及び定年退職者の増加による人件費の増加、修繕費等の増加要因がありましたものの、業務の効率化等による時間外手当の削減や運搬費、広告宣伝費等の削減により、経費合計は889百万円(前年同期比0.3%減)となり前事業年度と比べ2百万円の削減となりましたが、売上の減少による粗利益の減少が大きく、営業利益は17百万円(前年同期比77.9%減)となりました。

 経常利益は、営業外収益が63百万円で前事業年度と比べ3百万円減少しました。主なものは、仕入割引が減少しました。営業外費用は9百万円となり前事業年度に比べ1百万円の減少となりまして、経常利益72百万円(前年同期比47.2%減)となりました。

 特別利益には、投資有価証券売却益78百万円を計上しました。

 特別損失には、固定資産の減損損失9百万円、台風19号の災害による損失2百万円を計上しております。

 以上の結果、税引前当期純利益139百万円(前年同期比6.8%減)となり、法人税等合計が57百万円(前年同期比21.0%増)で、当期純利益は81百万円(前年同期比19.9%減)前年同期と比べ20百万円の減益となりました。

b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

c. 資本の財源及び資金の流動性について

 当社のキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の運転資金及び設備投資資金は、原則として自己資金を原資としております。今後も適切な資金確保、流動性の維持及び財務体質の健全性を堅持してまいります。

d. 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、現状においては具体的な指標の設定はございませんが、収益性の高い経営基盤の確立を目指しておりますことから、売上総利益率の改善、事業活動の成果を示す営業利益、経常利益を重要な経営指標と位置づけております。

 当事業年度における売上総利益率は14.0%で前事業年度に比べ0.4ポイント上昇しました。また、営業利益、経常利益については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 引き続き、これら経営指標の改善ができるよう取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。