文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「企業の永続繁栄」「企業の存在価値」「企業の環境責任」を経営上の基本方針として捉え、業界地位の向上に取組んでおります。「お客様第一」の基本姿勢のもと、多様化するユーザーニーズに合ったサービスの提供をモットーとして、お客様に信頼される機械工具専門商社を目指すべく、「商品力」「価格力」「営業力」「財務力」の体質強化をキーワードに、企業体質の改善・収益基盤の拡大に努めてまいります。
(2) 経営戦略
経営環境は、企業間競争が激化し、今後とも極めて厳しい状況が続くものと思われますが、危機管理体制強化の観点から先行管理に徹し、発生する諸々の経営課題に積極的に取組み信頼される企業として、更なる発展に努め一層高い経営基盤の確立を目指してまいります。
具体的には、収益重視型経営の実現に向けての営業基盤・財務基盤の確立と将来を展望しての人材育成の強化を施策の重点テーマとして、企業の永久発展の礎を創ってまいりたいと考えます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性の高い経営基盤の確立を目指しており、特に、売上総利益率の改善、仕入改革・経費の節減などによる営業利益の創造、或いは経常利益の向上など、損益分岐点重視の経営を主眼に、財務体質の強化を図りバランスの取れた企業への成長を目指しております。
モノづくりにおける顧客の持続的成長発展を支えることを理念に掲げ、2023年3月期から2026年3月期までの4ヶ年中期経営計画を策定いたしました。その中期経営計画2年目の2024年3月期の目標値は、売上高6,550百万円、営業利益48百万円、経常利益114百万円、当期純利益78百万円であります。
(4) 経営環境
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の分類見直しによる制限緩和などで、従前の経済活動への回復が期待されております。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー資源や原材料価格の更なる高騰、急速な為替相場の変動の懸念等により、日本経済の先行きについては依然として不透明な状況で推移すると思われます。
当社が属する機械工具業界においては、自動車のEV化などで新車販売台数は増加する可能性があり、半導体関係など一部資材の入荷遅れも徐々に解消される見込みで製造業の設備投資意欲も底堅く改善傾向が続くものと予想されます。また、カーボンニュートラル・EV化の流れが新たなビジネスチャンスを生み出し、AI・IoTなどでデジタル化の加速はモノづくりの構造を変え、SDGsなど社会環境の変化は企業としての社会的責任を求められており、当社を取り巻く経営環境は大きく変化しております。
当社の事業基盤は東北地方における製造業のお客様が占める割合が高く、年々企業間競争が激化しております。お客様のニーズを的確に捉え、ライバル企業との差別化を明確にし優位性を高めてまいります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
・中期経営計画2年目の目標達成
当社は「中期経営計画 モノづくりにおける持続的成長発展を支える(2023年3月期~2026年3月期)」2年目に当たる2024年3月期の基本目標数値を上方修正しました。
2024年3月期通期目標につきましては、売上高6,550百万円(前期比1.5%増)、営業利益48百万円(前期比37.1%増)、経常利益114百万円(前期比9.6%増)、当期純利益78百万円(前期比100.0%増)といたします。
・SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献と植松商会の取組について
当社は、社会課題解決と事業の両立が企業の絶対的な命題になるという認識のもと、「私たちは、地域とモノづくりに貢献し、100年企業を実現して、未来の形を提案します。」をコミットメントとして、特に重視する6つの重要課題を設定しました。
・会社の基礎をより強固にします。
・商社として、お客様に未来を提案します。
・将来のビジョンを見通した、職場環境をつくります。
・個性が活きる会社にします。
・環境活動を通じて、SDGs普及に貢献します。
・絆ネットワークで、地産地商を広げます。
これら6つの重要課題に資する事業活動を展開し、SDGs達成への貢献と当社の企業価値向上の同時実現を果たす所存です。
当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 景気変動リスク
当社は、機械・工具類の専門商社を追求しておりますが、一般的に景況の先行指数とされる設備投資動向と密接な関係があります。
従いまして、設備関連需要の下降局面では、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2) 債権管理リスク
東北5県、関東1都2県に跨る取引先構成はリスク分散になっておりますが、設備投資に関連する分野での景気の影響を受けやすく、潜在的に与信リスクの可能性を有しております。
従いまして、国内景気の動向によっては、貸倒引当金積み増しの事態が生じる可能性があります。
なお、債権管理においては、より一層信用状態を継続的に把握するなど不良債権の発生防止には万全を期しております。
(3) 在庫品リスク
需要の厳しい変化に伴い、商品の短命化、コスト削減に伴う設計変更、リードタイムの短縮、購買方針の変更等により、当社の在庫商品の動きが緩慢になり滞留化することが考えられます。
このことは、在庫処分の処置を講ずることとなり収益性に影響を与える可能性がありますので、当社の在庫管理規程を遵守し滞留在庫の発生防止に努めてまいります。
(4) 自然災害、感染症等に係るリスク
当社は営業所を東北地方及び関東地方の一部に分散して設けておりますが、地震等の自然災害により被害を受ける可能性があります。これらの設備等に甚大な損害が生じた場合や、仕入先が被害を受け納期等で商品供給に影響を受けた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による今後の企業活動の低迷等の影響により、当社の経営成績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和等により、社会経済活動の正常化に向けた動きが見られ、景気は緩やかな持ち直しの動きで推移いたしました。しかしながら、ロシアのウクライナ侵攻により顕在化した地政学リスクの長期化の懸念や円安等の為替変動を背景に、エネルギー価格や原材料価格は上昇を続けており、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
当機械工具業界におきましては、自動車関連で生産調整などのマイナス要因がありましたが、半導体・電子部品関連を中心とした製造は好調が続いております。また、企業の設備投資姿勢は積極性を維持しており、底堅く推移しました。
このような状況のもと、当社は、「中期経営計画 モノづくりにおける持続的成長発展を支える(2023年3月期~2026年3月期)」の初年度として、重点施策である収益力の向上と企業価値の向上に努めてまいりました。4月には成長戦略の一環として新たな営業拠点、郡山オフィス(福島県郡山市)を開設し、ユーザーの新規・深耕に努めてまいりました。また、将来への基盤づくりとして、優秀な人材確保と育成に取り組んでおります。下期にはSDGs委員会を発足し次年度からの宣言と推進のための準備を進めております。さらに、Webサイトのリニューアルを実施しており、価値ある情報を提供し、より一層充実したコンテンツをお届けできるよう取り組んでまいります。
その結果、当事業年度の業績は、売上高につきましては、設備関連の機械、産機の売上が増加して6,455百万円(前年同期比5.5%増)となりました。利益面につきましては、人件費の増加とガソリン価格・電気料金等の物価上昇により販売費及び一般管理費は前年同期比4.0%増加となりましたが増収効果により、営業利益 35百万円(前年同期比104.2%増)、経常利益 104百万円(前年同期比19.5%増)となりました。特別損失には保有有価証券のうち、時価が著しく下落したものについて減損処理を行い投資有価証券評価損17百万円を計上しました。これにより当期純利益は39百万円(前年同期比24.7%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を、当事業年度の期首から適用しており、当期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。対前年同期増減率は、当該会計基準等適用前の前事業年度業績と比較し増減率を計算しております。
詳細は、「注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
セグメント情報について当社は、機械、工具及び産業機械・器具等の販売事業の単一セグメントであるため、記載しておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ137百万円減少して、356百万円(前年同期比27.9%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は61百万円(前年同期は28百万円の取得)となりました。その主な要因は、税引前当期純利益87百万円、投資有価証券評価損17百万円、売上債権の減少額99百万円等の資金増加要因がありましたが、一方で、棚卸資産の増加額62百万円、仕入債務の減少額142百万円、法人税等の支払額60百万円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は23百万円(前年同期比79.3%減)となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は52百万円(前年同期比191.8%増)となりました。その主な要因は、配当金の支払額45百万円とファイナンス・リース債務の返済による支出7百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
|
区分 |
第69期 (自 2022年3月21日 至 2023年3月20日) |
前期比(%) |
|
機械(千円) |
431,455 |
143.6 |
|
工具(千円) |
1,255,975 |
94.1 |
|
産機(千円) |
2,773,748 |
107.1 |
|
伝導機器(千円) |
610,822 |
115.6 |
|
その他(千円) |
538,850 |
104.1 |
|
合計(千円) |
5,610,852 |
106.4 |
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
|
区分 |
第69期 (自 2022年3月21日 至 2023年3月20日) |
前期比(%) |
|
機械(千円) |
493,683 |
147.5 |
|
工具(千円) |
1,446,281 |
94.1 |
|
産機(千円) |
3,187,399 |
105.9 |
|
伝導機器(千円) |
711,178 |
110.6 |
|
その他(千円) |
617,295 |
104.0 |
|
合計(千円) |
6,455,836 |
105.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、期末時点の資産、負債、偶発債務の報告金額、及び期中の収益、費用の報告金額に影響を与える見積りや判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報を継続的に検証し、見積り及び判断の基礎としております。しかしながら、これらの見積りや判断及び仮定はしばしば不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社の経営陣が、見積りや判断及び仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下の通りであります。
固定資産の減損
当社では、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、経営環境等の前提条件の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態
当事業年度末の資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりです。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、4,504百万円となり前事業年度末に比べ、200百万円減少しました。この主な要因は、流動資産において、電子記録債権18百万円、商品62百万円等の増加要因がありましたものの、一方で、現金及び預金137百万円、受取手形35百万円、売掛金82百万円の減少となりました。有形固定資産と無形固定資産については、リース資産の増加が8百万円ありましたが減価償却により3百万円の減少となりました。投資その他の資産については、投資有価証券は新規取得や再投資による増加が30百万円ありましたが時価評価の下落等により35百万円の減少となりました。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、1,674百万円となり前事業年度末に比べ、168百万円減少しました。この主な要因は、流動負債において、電子記録債務が54百万円増加しましたが、一方で支払手形18百万円、買掛金178百万円、未払法人税等20百万円、未払消費税等20百万円等が減少となりました。固定負債については、繰延税金負債が11百万円の減少となりましたが、退職給付引当金、役員退職給付引当金、リース債務の増加により12百万円の増加となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、2,830百万円となり前事業年度末に比べ、31百万円減少しました。主な要因は、当期純利益の計上が39百万円ありましたものの、配当金の支払い45百万円と、その他有価証券評価差額金は25百万円の減少となりました。
なお、当事業年度末における自己資本比率は62.8%となり、前事業年度末に比べ2.00%上昇しております。
2) 経営成績
当事業年度における売上高は6,455百万円(前年同期比5.5%増)となり、前年同期と比べ337百万円の増収となりました。要因としては、自動車関連業種で生産調整などのマイナス要因がありましたが、半導体・電子部品関連を中心とした製造は好調が続いております。また、企業の設備投資姿勢は積極性を維持しており、底堅く推移しました。商品分類別の売上高を見ますと、生産設備関係の「機械」493百万円(前年同期比47.5%増)、「産機」3,187百万円(同5.9%増)、消耗品関係の「工具」1,446百万円(同5.9%減)、「伝導機器」711百万円(同10.6%増)、「その他」617百万円(同4.0%増)となり工具以外の分類で増加となりました。
売上総利益は、利益率が14.1%となり前年と比べ0.1%増加し、907百万円(同6.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費は賞与支給額の増加等により増加となりました。また、ガソリン価格・電気料金等物価上昇によりその他の経費も増加となり経費合計は872百万円(同4.0%増)となりましたが、増収効果により、営業利益は35百万円(同104.2%増)となりました。
営業外収益は、「仕入割引」、「雑収入」が減少しましたが、「受取配当金」の増加により、営業外収益合計は76百万円(同2.1%増)となりました。営業外費用は、「為替差損」が増加となり、営業外費用合計は6百万円(同60.4%増)となりました。以上の結果、経常利益は104百万円(同19.5%増)となりました。
特別利益の発生はありませんでした。
特別損失には、保有有価証券のうち、時価が著しく下落したものについて減損処理を行い投資有価証券評価損17百万円を計上しました。
以上の結果、税引前当期純利益87百万円(同9.4%減)となり、法人税等合計が47百万円(同9.2%増)で、当期純利益は39百万円(同24.7%減)となりました。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 資本の財源及び資金の流動性について
当社のキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金及び設備投資資金は、原則として自己資金を原資としております。今後も適切な資金確保、流動性の維持及び財務体質の健全性を堅持してまいります。
d. 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(2023年3月期から2026年3月まで)1年目である2023年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
|
指標 |
2023年3月期(計画) |
2023年3月期(実績) |
2023年3月期(計画比) |
|
売上高 |
6,200百万円 |
6,455百万円 |
255百万円増(4.1%増) |
|
営業利益 |
25百万円 |
35百万円 |
10百万円増(40.0%増) |
|
経常利益 |
80百万円 |
104百万円 |
24百万円増(30.0%増) |
|
当期純利益 |
54百万円 |
39百万円 |
15百万円減(27.8%減) |
当社は、収益性の高い経営基盤の確立を目指しておりますことから、売上総利益率の改善、事業活動の成果を示す営業利益、経常利益を重要な経営指標と位置づけております。
当事業年度における売上総利益率は14.1%で前事業年度に比べ0.1%上昇しました。また、営業利益、経常利益については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
引き続き、これら経営指標の改善ができるよう取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。