文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、「平和を愛し環境を重んじ文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意をもって接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。
また、当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っております。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。
また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の流通・販売を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売促進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っております。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。
また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。
過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。
|
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
売上高営業利益率(%) |
1.6 |
1.0 |
1.1 |
1.3 |
0.8 |
|
ROE(%) |
2.9 |
2.1 |
3.4 |
2.6 |
1.8 |
|
ROA(%) |
1.4 |
1.0 |
1.6 |
1.3 |
0.9 |
(3)経営環境及び対処すべき課題
2020年の紙・板紙の国内需要については、少子高齢化といった構造的な問題に加え、紙媒体のデジタル化の加速や、包装の簡易化等、市場全体は引き続き低調に推移することが見込まれております。さらに、2020年に入って世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本国内においても緊急事態宣言が発令される等、国内外での急速な経済の停滞により、先行きが不透明な状況が続いております。
このような中で、当社グループは、既存事業の強化に加え、新規取り組みへの挑戦、並びにESG経営の強化を課題として取り組んでおります。
①既存事業の強化
昨今、デジタル化・IT化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3W機能の中でも、情報を伝達する(Writing)機能としての紙の需要は縮小傾向が続いております。しかしながら、当社グループは、紙の中でも高付加価値の特殊紙を主力としており、書籍の装丁用途や商品パッケージ等の「Wrapping(包む)」用途、さらには偽造防止技術等の高機能な技術紙については、需要も堅調に推移しており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。加えて、2020年3月期からは、“攻め”の提案営業活動を行うことを重点施策に、当社主力商品の販売拡大に向けて、デザイン・クリエイティブ部門への販売促進活動を強化すると同時に、高機能な技術紙や高級パッケージ用途商品の開発・拡販に努めております。
また、環境意識の高まりから脱プラスチックの流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、高級感のある紙素材に転換する検討が増す潜在的な需要も見込まれており、今後、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。
東京・大阪・名古屋の当社ペーパーボイスに併設するギャラリーでは、2020年3月期においても積極的に展示会活動に取り組み、特に東京にある「ペーパーボイス東京」は、2019年10月に大幅な改装を実施して以降、イベント集客率の向上につながりました。顧客先への積極的な訪問や当社商品をご説明するイベント開催等は、当社の販促活動において着実な手ごたえを得られる施策ではありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で先行き不透明な部分もあるものの、感染症の拡大が収束した際には、再び積極的な営業活動やイベント開催等を通じて、需要の喚起に努めてまいります。
②新規取り組みへの挑戦
2021年3月期の重点施策の柱は、新規取り組みへの挑戦です。新型コロナウイルス感染症拡大防止策も含め、当社を取り巻く事業環境と顧客側の需要が大きく変化を続ける中で、これまでの延長線上で物事を考え行動するのではなく、新しい切り口で事業環境を見直し、新しいやり方や新しい仕事に着手してまいります。すでに、組織体制では市場開発部を新設し、主に東京地区での新規顧客・新規需要の開拓を進めておりますが、今後は、社外の企業・団体とのパートナーシップを通じた連携についても模索してまいります。
これまでの営業活動においても、新規顧客に既存商品を販売する、従来顧客に新しい商品・サービス、新しい仕入先の商品を販売する、新規顧客に今までに使ったことのない全く新しい商品・サービスを提供する等、従来の販売事業においての組み合わせを、1つ以上新しいものに変える試みも実施しています。こうした取り組みを通じて新たな需要の喚起とともに新規顧客の開拓を図ってまいります。
③ESG経営の強化
当社では、紙の流通を担う企業の使命として、「環境と共生できる紙」を『エコロジーペーパー』と位置づけ、再生紙や非木材紙、森林認証紙や間伐材紙、グリーン電力用紙等、さまざまな環境対応紙の開発並びに普及・販売に努めております。また、当社の環境対応紙の主力は森林認証紙であり、今後開発する新商品のほとんどを環境対応紙とすることで、環境対応紙比率をさらに高めるべく取り組んでおります。
2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する当社の8つの取り組みを公表しました。環境配慮型の紙の開発並びに普及・販売や、森林の活性化を通じて「陸の豊かさを守る」ことはもちろん、脱プラスチックの流れの中で、紙製品で代替できる分野を訴求することによって「海の豊かさを守る」ことも含めております。社会的な側面においても、ジェンダーの平等や社員の働きやすさの追求等にも、より一層踏み込んで推進してまいります。
また、一企業市民として、各種コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの構築・強化にも努めております。特にコーポレート・ガバナンスに関しては、形式的な部分ではまだ完全にはコーポレートガバナンス・コードの要求を満たしきれてはいないものの、その求めるところの本質的な考え方に沿って、当社の企業規模に合った形で有効となりうる企業運営を追求しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関するリスクのうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限るものではありません。また、必ずしも以下のリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)紙需要及び市況の変動リスク
当社グループは、特殊紙を中心とする紙の販売を主要事業としております。当社グループの売上高の約95%は国内売上高が占めており、国内景気の大幅な後退や需要構造の変化等によって国内需要の減少が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。
また、出版業界や広告業界等、さまざまな業界において、従来の紙媒体からインターネットを媒体としたオンラインでの情報伝達・サービス等へと移行が進んでおります。これは、長期間のデフレ進行による消費需要の低迷、少子・高齢化に伴う消費者ニーズの変化、デジタル化、IT技術の進展及び通信のメガバンド化等によるメディアの多様化といったさまざまな要因によるものと考えられます。日本製紙連合会の試算する紙・板紙の内需予測によると、2020年も紙・板紙合計で前年から2%程度の縮小が見込まれておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響、さらにはそれに伴うテレワークの普及等により、紙全体の需要動向が急速に、あるいは著しく縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、製紙メーカーが大きく影響を受ける古紙等の主要原燃料購入価格が製品販売価格に変動を与える可能性があり、流通を担う当社グループの経営成績及び財政状態等にも影響を与える可能性があります。
(2)固定資産や商品在庫の減損リスク
当社グループは、事務所及び倉庫として、土地をはじめとする固定資産を東京・大阪・名古屋に保有しております。また、紙の流通事業者の中でも、当社は、ファンシーペーパー等の特殊紙を小ロットで供給することを強みとし、幅広い顧客に支持されていることから、多品種の紙の在庫を倉庫に保有しており、2020年3月31日末現在で当社の商品在庫は38億6百万円と、総資産全体の約23%を占めております。
自社開発商品も含め、在庫を多く持つことは当社の強みを発揮していくための重要戦略の一つでもあり、そうしたビジネスモデルでの展開は新規参入障壁にもなっております。その一方で、多品種を揃えることによってある一定の不動商品が出るリスクがあり、また、販売に応じた在庫を適正に保つことが重要であるとの考えから、在庫の中身の入れ替えにも注力しております。その結果、不動商品が当社の想定以上に増加した場合、評価替えや減損等によって、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(3)自然災害等のリスク
当社グループは、東京・大阪・名古屋をはじめ全国7拠点に販売・物流網を有し、静岡県富士市にも各拠点の中心となる物流拠点を構えることで事業活動は地域的に分散されており、売上高も地域的な偏在は大きく見られません。しかし、販売・物流拠点の周辺で、大規模な地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、戦争、情報セキュリティの欠陥、未知の感染症の伝染、テロ攻撃及び国際紛争等が発生し、さらには事業所や倉庫等の物流インフラが被害を受けた場合、復旧のための費用、販売機会損失、商品等への損害等により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
また、これらの自然災害または有事等により、当社グループのITシステムに障害等が生じた場合、インターネット関連でのサービス提供が困難となり、当社グループの顧客満足度が低下し、当社グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループの顧客事業の中断並びにイベント活動及び日常消費活動の萎縮等の二次的影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(4)カントリーリスク
当社グループは、香港に子会社の平和紙業(香港)有限公司を有しており、香港の政治・経済・社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止等のカントリーリスクを有しております。このようなリスクが顕在化した場合には、債権回収や事業遂行の遅延・不能等が起こる可能性があり、当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)資金調達リスク
当社グループでは、運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本に、設備投資の調達については自己資金を基本としていますが、今後、M&Aの検討等も含め、一部資金を金融機関からの長期借り入れや社債の発行等により調達する可能性があります。そうなった場合、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。
また、金融機関からの借り入れや社債等には各種のコベナンツ(融資取引における情報開示や財務等の特約事項)が規定されている場合もあり、当社グループの経営成績、財政状態または信用力の悪化等の要因で、いずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引き上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。これらの要因により、当社グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。
(6)訴訟等のリスク
当社グループは、特殊紙を中心とする紙の流通・販売事業を営んでおり、業務の遂行に当たっては、法令順守等コンプライアンス経営に努めておりますが、その事業活動の遂行過程において、当社グループは、お客様、仕入先及び競合他社その他の関係者から、当社グループが提供する商品・サービスの不備、社員の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩または知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起される恐れがあります。また、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続きに関連して多額の費用を支出した場合には、事業活動に支障をきたす恐れがあります。かかる法的手続きは長期かつ多額となることがあり、また、結果の予測が困難となる場合があり、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(7)商品の品質等に関するリスク
当社グループは、販売する商品の特性に応じた最適な品質を確保できるよう、各商品のメーカーに厳格な品質管理を要請していますが、予期せぬメーカーの事業により大規模なリコール等に発展する品質問題が発生する場合があります。大規模なリコールや商品の欠陥・品質不良は、その処理に多額のコストが発生し、当社グループの販売商品の信用に重大な影響を与えることとなり、これにより需要が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)コスト上昇リスク
当社は、サプライチェーンの一環で物流業務を外部の専門業者に委託しておりますが、原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰した場合や、車両・ドライバー不足や物流業界内での働きやすい環境の構築等により物流コストがさらに上昇する可能性があります。物流コストの上昇分は、お客様にご理解いただき、値上げ対応させていただく場合もございますが、これまで通りのサービスレベルでの納品が難しく、顧客満足度が低下した場合は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
<経営成績>
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度後半まで堅調な内需と高水準の企業収益による雇用・所得環境の改善のもとに緩やかに回復してきましたが、2月に入り新型コロナウイルス感染症拡大の急激な影響により、足下で大幅に下押しされ一転厳しい状況となりました。
紙パルプ業界におきましては、5月の大型連休や夏場の天候不順、印刷物のデジタル化等による需要減、メーカーの操業トラブルによる供給力低下等の影響のうえに、2月以降の新型コロナウイルス感染症による各方面での活動自粛等の影響が重なり、紙・板紙合計での国内出荷量は前期実績を下回りました。
このような環境の中で、当社グループは主力としている高付加価値特殊紙の販売拡大に向けて、デザイン・クリエイティブ部門への販売促進活動を強化、高機能な技術紙や高級パッケージ用途商品の開発と拡販、新規顧客の開拓に注力いたしました。また、SDGs・脱プラスチック等の社会ニーズに向けた新規提案、商品開発に努めるとともに、事業における高効率ローコストオペレーションの推進を図っております。これにより、商品区分のうちファインボードと技術紙において前期実績を上回りましたが、消費税増税及び新型コロナウイルス感染症拡大による急速な需要冷え込みの影響を受け、主力のファンシーペーパーや高級印刷紙等が伸び悩み、全体の実績では前期実績を下回りました。
この結果、売上高は183億62百万円(前期比3.9%減)となりました。利益面では経常利益が2億49百万円(前期比26.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億54百万円(前期比31.5%減)となりました。
<財政状態>
[資産]
資産合計は、164億42百万円(前期比12億74百万円減)となりました。
流動資産の減少(前期比11億87百万円減)は、商品1億16百万円が増加しましたが、現金及び預金の減少20百万円、受取手形及び売掛金の減少10億72百万円、電子記録債権の減少1億96百万円が主な要因となっております。
固定資産の減少(前期比86百万円減)は、有形固定資産22百万円、無形固定資産7百万円が増加しましたが、投資その他の資産の減少1億17百万円が主な要因となっております。
[負債]
負債合計は、78億49百万円(前期比11億65百万円減)となりました。
流動負債の減少(前期比11億80百万円減)は、支払手形及び買掛金の減少10億45百万円、未払法人税等の減少79百万円、賞与引当金の減少56百万円が主な要因となっております。
[純資産]
純資産合計は、85億93百万円(前期比1億8百万円減)となりました。
利益剰余金が58百万円増加しましたが、その他有価証券評価差額金の減少1億62百万円が主な要因となっております。
<当社の商品別の概況>
当社グループは、和洋紙の販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであり、当社の和洋紙卸売業の売上高は連結売上高の90%超を占めるため、当社の商品別の概況を記載しております。
|
品目別 |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減率(%) |
||
|
金額(百万円) |
構成比 (%) |
金額(百万円) |
構成比 (%) |
||
|
ファンシーペーパー |
4,586 |
25.5 |
4,055 |
23.4 |
△11.6 |
|
ファインボード |
2,008 |
11.1 |
2,012 |
11.6 |
0.2 |
|
高級印刷紙 |
4,114 |
22.8 |
3,989 |
23.0 |
△3.0 |
|
ベーシックペーパー |
5,088 |
28.2 |
5,066 |
29.2 |
△0.4 |
|
技術紙 |
2,015 |
11.2 |
2,045 |
11.8 |
1.5 |
|
その他 |
199 |
1.2 |
199 |
1.0 |
△0.1 |
|
合計 |
18,014 |
100.0 |
17,368 |
100.0 |
△3.6 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
[ファンシーペーパー]
多様な色、表面性、風合いを持つ高付加価値特殊紙のファンシーペーパーは、デザイン・クリエイティブ部門への継続的な提案活動や各種商品説明会等開催の結果、高級パッケージや製袋用途等が堅調に推移しましたが、商業印刷用途や東アジア向けの輸出が減少し、売上高は40億55百万円、前期比11.6%の減少となりました。
[ファインボード]
ファンシーペーパーの厚物(板紙)であるファインボードは、紙製品や書籍装丁用途が減少しましたが、医薬化粧品及び食品、和洋菓子等の高級パッケージ向けの販売量が増加し、売上高は20億12百万円、前期比0.2%の微増となりました。
[高級印刷紙]
独自の風合いを持ち、通常の印刷用紙より高価格帯の高級印刷紙は、パンフレット等の商業印刷物やパッケージ用途が堅調に推移しましたが、名刺・封筒等の紙製品や書籍装丁用途の販売量が伸び悩み、売上高は39億89百万円、前期比3.0%の減少となりました。
[ベーシックペーパー]
上質紙、塗工紙、色上質紙の印刷用紙、包装用紙、各種板紙等で構成されるベーシックペーパーは、商業印刷物、書籍、紙製品、医療品パッケージ用途の販売が堅調に推移しましたが、一般パッケージや製袋用途等が減少し、売上高は50億66百万円、前期比0.4%の減少となりました。
[技術紙]
通常の紙にはない特殊機能が付与されている技術紙は、合成紙や耐水撥水性機能紙が低調に推移しましたが、各種工業品製造用工程紙や偽造防止用紙等の販売量が増加し、売上高は20億45百万円、前期比1.5%の増加となりました。
[その他]
家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等で構成される当区分では、ペーパータオル等家庭紙の販売量は増加しましたが、製紙関連資材や各種紙加工製品の販売量が減少し、売上高は1億99百万円、前期比0.1%の減少となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて20百万円減少し、29億53百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億76百万円(前期比29.66%減)となりました。これは主に、売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億2百万円(前期比106.71%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は94百万円(前期比72.11%減)となりました。これは主に、 配当金の支払額によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは商社であるため、生産活動はしておりません。
当社グループは、和洋紙の販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであります。
このため、販売の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」における経営成績の説明の中で説明しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループが採用している重要な会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載)のうち、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
(a)たな卸資産
当社グループの保有するたな卸資産は市況商品であり、需給関係の変化による価格変動リスクに晒されております。当社グループは過去の売上実績を基礎としてたな卸資産の正味売却価額を見積り、取得価額と時価を比較して評価減を検討しております。実際の需給関係が見積りよりも悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
(b)貸倒引当金
当社グループの保有する債権に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積もり、引当金を計上しておりますが、将来、債務者の財務状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
(c)有価証券の減損処理
当社グループの保有する株式については、時価のある有価証券、時価のない有価証券ともに、合理的な判断基準を設定の上、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
(d)固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。将来、経済環境の著しい悪化や市場価格の著しい下落の発生如何によっては、減損損失を計上する可能性があります。
(e)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<経営成績等>
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況 経営成績」で説明しております。
<経営成績に重要な影響を与える要因>
当社グループは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、経営環境、事業の内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制及び内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切な対応を行ってまいります。
<資本の財源及び資金の流動性>
(a)資本の財源
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備投資を目的とした資金需要は、主に倉庫などにおける機械装置等の固定資産購入によるものであります。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金の調達につきましては、自己資金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は22億2百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は29億53百万円となっております。
(b)資本政策
当社グループが創出したフリー・キャッシュ・フローについては、有事の際に機動的な対応がとれるよう備えつつも、平時においては手元資金の適正な範囲内で、成長投資と株主還元とをバランスよく保ちながら、分配することとしております。
株主還元につきましては、安定的な配当として中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益の状態である場合を除き、1株当たり10円(中間配当5円、期末配当5円)の年間配当金を目処に、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。また、業績が好転した際には、増配の可能性についても積極的に検討してまいります。
成長投資については、経営状況を判断しながら、さまざまな施策の優先順位を検討してまいります。現在、大阪・名古屋に保有している事務所用の土地の有効活用を検討すると同時に、保有ビルの老朽化対応も兼ねながら収益物件として投資をすることも検討しております。また、特殊紙を中心とする紙の販売・流通を軸としたオーガニックな成長に加え、M&A等による成長機会に関しては、常時、情報を収集し、案件次第で検討してまいります。その際には、当社の事業領域との親和性に加え、事業成長性を重視した上で、成長投資としてキャッシュを一定量振り向ける準備もしてまいります。
当社グループにおいては、引き続き利益成長を図りながらキャッシュの創出力を高め、資本コストと財務の柔軟性のバランスを考慮した適切な資本構成を維持していく考えです。
<経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等>
当社グループは、安定的な収益基盤を構築するため、売上高、営業利益及び収益性を判断する観点から売上高営業利益率を重視しております。また、株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置付け、総資産利益率(ROA)も意識しております。
当連結会計年度においては、売上高194億円、営業利益2億60百万円を目標として達成に努めてまいりました。しかしながら、売上高は、消費税増税及び新型コロナウイルス感染症拡大による急速な需要冷え込みの影響を受け、主力のファンシーペーパーや高級印刷紙等が伸び悩み、183億62百万円、計画比10億37百万円減(5.3%減)となりました。利益面につきましても、販管費の削減に努めましたが、ファンシーペーパーや高級印刷紙等の当社の中心となる商品の販売量が減少しており、営業利益については1億51百万円、計画比1億8百万円減(41.9%減)となりました。
<セグメントごとの財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容>
当社グループは、和洋紙の販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであり当社の和洋紙卸売業の売上高は連結売上高の90%超を占めるため、記載を省略しております。当社の商品別の概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況 当社の商品別の概況」で説明しております。
該当事項はありません。
当社グループは、高級紙・特殊紙の専門商社として、社会のニーズを先取りした商品の企画提案・開発販売をおこなっています。
当連結会計年度は、帆布(HANP)のような穏やかな表情と、飽きのこない白さを兼ね備えた印刷用紙及びFSC®森林認証紙(FSC®C005596)の「グラフィーハンプF」をメーカーと共同開発いたしました。
なお、これらの商品開発にかかわる費用は発生しておりません。また、和洋紙卸売業以外の分野では、研究開発活動はおこなっておりません。