文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、「平和を愛し環境を重んじ文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意をもって接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。
当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っております。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。
また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の流通・販売を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売促進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っております。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。
また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。
過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
売上高営業利益率(%) |
1.0 |
1.1 |
1.3 |
1.0 |
0.1 |
|
ROE(%) |
2.1 |
3.4 |
2.6 |
1.8 |
△0.4 |
|
ROA(%) |
1.0 |
1.6 |
1.3 |
0.9 |
△0.2 |
(注)2021年3月期より表示方法の変更を行っており、2020年3月期の指標について、変更の内容を反映させた組替え後の数値を記載しております。
(3)経営環境及び対処すべき課題
2021年の紙・板紙の国内需要については、従来からの少子高齢化といった構造的な問題に加え、世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴う人流の抑制、イベント等の社会活動の自粛・縮小・停止といった流れは依然続いており、紙媒体のデジタル化はさらに加速するとともに、インバウンド需要の消滅に伴う観光用途でのパッケージ用紙等を中心に、市場全体の需要は引き続き低調に推移することが見込まれております。WHOによる新型コロナウイルスのパンデミック宣言から1年が経った2021年に入っても、日本国内でまん延防止等重点措置の適用にとどまらず、再び緊急事態宣言が発令される等、国内外での急速な経済の停滞により、先行きが不透明な状況が続いております。
このような厳しい事業環境の中、当社グループは、外部環境の大きな変化への対応と、中長期的な成長の視点から、危機を危機のまま捉えるのではなく、むしろ仕組みやターゲットの大幅な変革を試みることで新たな機会、チャンスへと転換すべく、「危機を機会に変えていく」「能動的に変えていく」を2022年3月期の経営方針に掲げています。そして引き続き、本業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めると同時に、新規取り組みへの挑戦、並びにESG経営の強化を課題として取り組んでまいります。
①既存事業の強化
昨今、デジタル化・IT化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は縮小傾向が続いております。当社グループは紙の中でも、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、書籍の装丁や商品パッケージ等の「Wrapping」用途、さらには偽造防止技術等の高機能な技術紙については、比較的安定した需要が見込まれており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2022年3月期からは、高級パッケージや機能紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けて、商品シフトを加速していきます。販売促進活動においても、従来どおりお客様との直接のコミュニケーションを大切にしながら、紙についての決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化にしていきます。またコロナ禍で対面でのマーケティングや市場開拓が難しい中、SNS等のデジタル領域を活用した情報発信も効果的に進めていきます。
環境意識の高まりから脱プラスチックの流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、高級感のある紙素材に転換する需要が増してきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。
付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があります。コロナ禍での影響で先行き不透明な部分もあるものの、東京・大阪・名古屋のギャラリーでのイベントや顧客への説明は、しっかりと感染予防対策を講じた上で実施しつつ、コロナ禍の終息を見据えた需要の喚起にも努めてまいります。
②新規取り組みへの挑戦
コロナ禍もあり当社を取り巻く事業環境と顧客側の需要が大きく変化を続ける中で、これまでの延長線上で物事を考え行動するのではなく、新しい切り口で事業環境を見直し、新しいやり方や新しい仕事に着手してまいりました。当社内で新しい取り組みを進めると同時に、M&Aによる成長機会についても引き続き検討をしてまいります。具体的には、紙販売に近い領域になりますが、手元資金の水準を見ながら、当社の持続的成長に資する案件が出てきた際には、積極的に検討しながら、事業基盤を拡充してまいります。
2021年3月期より新たにセグメント化した不動産賃貸業においても、大阪、名古屋の遊休不動産の収益化や、好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図ってまいります。
③ESG経営の強化
当社では、紙の流通を担う企業の使命として、「環境と共生できる紙」を『エコロジーペーパー』と位置づけ、再生紙や非木材紙、森林認証紙や間伐材紙、グリーン電力用紙等、さまざまな環境対応紙の開発並びに普及・販売に努めております。また、当社の環境対応紙の主力は森林認証紙であり、今後開発する新商品のほとんどを環境対応紙とすることで、環境対応紙比率をさらに高めるべく取り組んでおります。
2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する当社の8つの取り組みを公表しました。環境配慮型の紙の開発並びに普及・販売や、森林の活性化を通じて「陸の豊かさを守る」ことはもちろん、脱プラスチックの流れの中で、紙製品で代替できる分野を訴求することによって「海の豊かさを守る」ことも含めております。社会的な側面においても、ジェンダーの平等や社員の働きやすさの追求等にも、より一層踏み込んで推進してまいります。
また、一企業市民として、各種コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの構築・強化にも努めております。特にコーポレート・ガバナンスに関しては、形式的な部分ではまだ完全にはコーポレートガバナンス・コードの要求を満たしきれてはいないものの、その求めるところの本質的な考え方に沿って、当社の企業規模に合った形で有効となりうる企業運営を追求しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関するリスクのうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限られるものではありません。また、必ずしも以下のリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)紙需要及び市況の変動リスク
当社グループは、特殊紙を中心とする紙の販売を主要事業としております。当社グループの売上高の約95%は国内売上高が占めており、国内景気の大幅な後退や需要構造の変化等によって国内需要の減少が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
また、出版業界や広告業界等、さまざまな業界において、従来の紙媒体からインターネットを媒体としたオンラインでの情報伝達・サービス等へと移行が進んでおります。これは、長期間のデフレ進行による消費需要の低迷、少子・高齢化に伴う消費者ニーズの変化、デジタル化、IT技術の進展及び通信のメガバンド化等によるメディアの多様化といったさまざまな要因によるものと考えられます。日本製紙連合会の試算によると、紙・板紙の内需は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて2020年には紙・板紙合計で前年から9.6%減とこれまでの縮小ペースが加速しています。2021年には、コロナ禍からの反動増や脱プラスチックによる紙化の動きへの期待はあるものの、デジタル化等の構造要因による下押し圧力は継続すると予測されています。紙全体の需要動向が急速に、あるいは著しく縮小した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
加えて、製紙メーカーが大きく影響を受ける古紙等の主要原燃料購入価格が製品販売価格に変動を与える可能性があり、流通を担う当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(2)固定資産や商品在庫の減損リスク
当社グループは、事務所及び倉庫として、土地をはじめとする固定資産を東京・大阪・名古屋に保有しております。また、紙の流通事業者の中でも、当社は、ファンシーペーパー等の特殊紙を小ロットで供給することを強みとし、幅広い顧客に支持されていることから、多品種の紙の在庫を倉庫に保有しており、2021年3月31日末現在で当社グループの商品在庫は35億30百万円と、総資産全体の約22%を占めております。
自社開発商品も含め、在庫を多く持つことは当社の強みを発揮していくための重要戦略の一つでもあり、そうしたビジネスモデルでの展開は新規参入障壁にもなっております。その一方で、多品種を揃えることによってある一定の不動商品が出るリスクがあり、また、販売に応じた在庫を適正に保つことが重要であるとの考えから、在庫の中身の入れ替えにも注力しております。その結果、不動商品が当社の想定以上に増加した場合、評価替えや減損等によって、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(3)新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるリスク
当社グループは、お客様、お取引先及び社員の健康と安全を第一に考え、さらなる感染拡大を防ぐため、WHO及び日本の保健行政の指針に従った感染防止策を徹底すると同時に、社員の体調管理、テレワークや時差勤務の導入、出張・会議の制限等の対応を各事業所・部門にて実施しています。2021年3月期は、感染症拡大防止の観点から、各種イベントの中止や人の移動の制限等から、インバウンド需要に連動した観光用途でのパッケージ用紙の需要が減少する等、当社グループの経営成績にも大きな影響を及ぼしました。今後、感染症のさらなる拡大や、感染症拡大防止の観点から社会活動が制約される期間が長期化すれば、さらなる販売数量の減少、原材料価格の高騰、または原材料確保の困難、物流機能の低下等によって、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(4)自然災害等のリスク
当社グループは、東京・大阪・名古屋をはじめ全国7拠点に販売・物流網を有し、静岡県富士市にも各拠点の中心となる物流拠点を構えることで事業活動は地域的に分散されており、売上高も地域的な偏在は大きく見られません。しかし、販売・物流拠点の周辺で、大規模な地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、戦争、情報セキュリティの欠陥、未知の感染症の伝染、テロ攻撃及び国際紛争等が発生し、さらには事業所や倉庫等の物流インフラが被害を受けた場合、復旧のための費用、販売機会損失、商品等への損害等により経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
また、これらの自然災害または有事等により、当社グループのITシステムに障害等が生じた場合、インターネット関連でのサービス提供が困難となり、当社グループの顧客満足度が低下し、当社グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループの顧客事業の中断並びにイベント活動及び日常消費活動の萎縮等の二次的影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(5)カントリーリスク
当社グループは、香港に子会社の平和紙業(香港)有限公司を有しており、香港の政治・経済・社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止等のカントリーリスクを有しております。このようなリスクが顕在化した場合には、債権回収や事業遂行の遅延・不能等が起こる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(6)資金調達リスク
当社グループでは、運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本に、設備投資の調達については自己資金を基本としていますが、今後、M&Aの検討等も含め、一部資金を金融機関からの長期借り入れや社債の発行等により調達する可能性があります。そのようになった場合、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。
また、金融機関からの借り入れや社債等には各種のコベナンツ(融資取引における情報開示や財務等の特約事項)が規定されている場合もあり、当社グループの経営成績、財政状態または信用力の低下等の要因で、いずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引き上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。これらの要因により、当社グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(7)訴訟等のリスク
当社グループは、特殊紙を中心とする紙の流通・販売事業を主に営んでおり、業務の遂行に当たっては、法令順守等コンプライアンス経営に努めておりますが、その事業活動の遂行過程において、当社グループは、お客様、仕入先及び競合他社その他の関係者から、当社グループが提供する商品・サービスの不備、社員の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩または知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起される恐れがあります。また、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続きに関連して多額の費用を支出した場合には、事業活動に支障をきたす恐れがあります。かかる法的手続きは長期かつ多額となることがあり、また結果の予測が困難となる場合があり、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(8)商品の品質等に関するリスク
当社グループは、販売する商品の特性に応じた最適な品質を確保できるよう、各商品の仕入先・メーカーに厳格な品質管理を要請していますが、予期せぬ仕入先・メーカーの事業により大規模なリコール等に発展する品質問題が発生する場合があります。大規模なリコールや商品の欠陥・品質不良は、その処理に多額のコストが発生し、当社グループの販売商品の信用に重大な影響を与えることとなり、これにより需要が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(9)コスト上昇リスク
当社は、サプライチェーンの一環で物流業務を外部の専門業者に委託しておりますが、原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰した場合や、車両・ドライバー不足や物流業界内での働きやすい環境の構築等により物流コストがさらに上昇する可能性があります。物流コストの上昇分は、お客様にご理解いただき、値上げ対応させていただく場合もございますが、これまで通りのサービスレベルでの納品が難しく、顧客満足度が低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
<経営成績>
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて経済活動が大幅に抑制され、企業収益が減少する等の厳しい状況が続きました。先行きに関しても回復傾向は鈍く、不透明な状況が予測されています。
紙パルプ業界においても、情報伝達媒体のデジタルシフトによる印刷情報用紙の構造的な需要減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減退が継続しており、紙・板紙合計での国内出荷量は前年実績を下回りました。
当社グループは、各種感染症対策を実施し、オンライン等非接触での販売、商談、提案活動に注力、商品供給と事業の安定した継続維持を図りました。また、需要伸長が見込める領域における高付加価値特殊紙の開発と営業活動強化、SDGs、脱プラスチック等の社会ニーズに向けた開発提案、感染症関連商品の開発と販売に注力しました。それと同時に、高効率ローコストオペレーションに向けた事業の改善を進め、業務効率化による販売管理費の低減、需要の伸長する領域に向けた商品在庫の集中拡充と、在庫内容の見直しと改善を強化しています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による需要の減少が大きく影響し、2020年度後半には販売の低下に歯止めがかかり緩やかな回復基調が見られたものの、通期では主力である和洋紙販売セグメントにおいて前期実績を下回りました。
当連結会計年度の業績は、売上高146億11百万円(前期比20.5%減)、経常損失19百万円(前期は経常利益2億49百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失34百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1億54百万円)となりました。
なお、当連結会計年度より、不動産賃貸業を主要な事業の一つとして位置づけ、不動産賃貸収入が安定的な収益源であるとの認識のもと、不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用については「営業外収益」、「販売費及び一般管理費」及び「営業外費用」に計上していたものを、当連結会計年度より「売上高」及び「売上原価」に計上する方法に変更いたしました。また、この変更に伴い、従来「和洋紙の販売並びにこれらの付随業務」の単一セグメントとしていたものを、当連結会計年度より「和洋紙卸売業」と「不動産賃貸業」の区分に変更いたしました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。
[和洋紙卸売業]
和洋紙卸売業は、新型コロナウイルス感染症の影響による消費及び需要の低迷が継続していることから、売上高は151億54百万円(前期比20.6%減)、営業損失は15百万円(前期は営業利益1億68百万円)となりました。
[不動産賃貸業]
不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介で構成される不動産賃貸業は、一部施設の賃料改定により不動産賃貸収入が増加し、売上高は28百万円(前期比1.9%増)、営業利益は22百万円(前期比3.8%増)となりました。
<財政状態>
[資産]
資産合計は、159億19百万円(前期比5億23百万円減)となりました。
流動資産の減少(前期比5億76百万円減)は、現金及び預金2億65百万円、有価証券50百万円が増加しましたが、受取手形及び売掛金の減少2億15百万円、電子記録債権の減少4億48百万円、商品の減少2億76百万円が主な要因となっております。
固定資産の増加(前期比53百万円増)は、有形固定資産42百万円、無形固定資産18百万円が減少しましたが、投資その他の資産の増加1億14百万円が主な要因となっております。
[負債]
負債合計は、72億3百万円(前期比6億45百万円減)となりました。
流動負債の減少(前期比6億93百万円減)は、支払手形及び買掛金の減少5億85百万円、未払法人税等の減少24百万円、賞与引当金の減少20百万円が主な要因となっております。
固定負債の増加(前期比48百万円増)は、繰延税金負債の増加58百万円が主な要因となっております。
[純資産]
純資産合計は、87億15百万円(前期比1億22百万円増)となりました。
利益剰余金が82百万円減少しましたが、その他有価証券評価差額金の増加1億97百万円が主な要因となっております。
(参考)
当社単体の和洋紙卸売業の商品別の営業成績
|
品目別 |
前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
増減率(%) |
||
|
金額(百万円) |
構成比 (%) |
金額(百万円) |
構成比 (%) |
||
|
ファンシーペーパー |
4,055 |
23.4 |
3,148 |
22.7 |
△22.4 |
|
ファインボード |
2,012 |
11.6 |
1,564 |
11.3 |
△22.3 |
|
高級印刷紙 |
3,989 |
23.0 |
3,000 |
21.6 |
△24.8 |
|
ベーシックペーパー |
5,066 |
29.2 |
4,159 |
29.9 |
△17.9 |
|
技術紙 |
2,045 |
11.8 |
1,850 |
13.3 |
△9.5 |
|
その他 |
199 |
1.0 |
176 |
1.2 |
△11.8 |
|
合計 |
17,368 |
100.0 |
13,898 |
100.0 |
△20.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
[ファンシーペーパー]
多様な色、表面性、風合いを持つ高付加価値特殊紙のファンシーペーパーは、新型コロナウイルス感染症の長期化による大幅な需要減少の影響が大きく、デザイン企画部門への販売促進活動を継続したものの、商業印刷物用途や紙製品の販売量が大きく減少、書籍等出版用途は安定的に推移したものの、売上高は31億48百万円、前期比22.4%の減少となりました。
[ファインボード]
ファンシーペーパーの厚物(板紙)であるファインボードは、観光及びインバウンド需要や各種イベント需要の大幅な減少が継続、商業印刷物用途や、化粧品・和洋菓子等の高級パッケージ向けの販売量が伸び悩み、売上高は15億64百万円、前期比22.3%の減少となりました。
[高級印刷紙]
独自の風合いを持ち、通常の印刷用紙より高価格帯の高級印刷紙は、エンターテイメント関連用途が堅調に推移しましたが、商業印刷物用途、名刺・封筒等の紙製品需要が減少し、売上高は30億円、前期比24.8%の減少となりました。
[ベーシックペーパー]
上質紙、塗工紙、色上質紙等の印刷用紙、包装用紙、各種板紙等で構成されるベーシックペーパーは、新型コロナウイルス感染症の影響もあり医薬品包材用途は増加したものの、商業印刷物用途の需要減退継続が影響し、売上高は41億59百万円、前期比17.9%の減少となりました。
[技術紙]
通常の紙にはない特殊機能が付与されている技術紙は、感染症関連需要も伴い医療包材及び偽造防止用紙が増加、工業品製造用工程紙も堅調でしたが、合成紙、耐水撥水性機能紙の販売が伸び悩み、売上高は18億50百万円、前期比9.5%の減少となりました。
[その他]
家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等で構成される当区分は、家庭紙においてペーパータオル等の感染症対策需要もあり堅調でしたが、各種紙加工製品等が盛り上がりに欠け、売上高は1億76百万円、前期比11.8%の減少となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2億65百万円増加し、32億19百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3億14百万円(前期比13.52%増)となりました。これは主に、売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は36百万円(前期は2億2百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は85百万円(前期比8.99%減)となりました。これは主に、配当金の支払額によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比(%) |
|
和洋紙卸売業(千円) |
14,585,583 |
79.4 |
|
不動産賃貸業(千円) |
25,844 |
102.1 |
|
合計(千円) |
14,611,427 |
79.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容>
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
<経営成績に重要な影響を与える要因>
当社グループは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、経営環境、事業の内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制及び内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切な対応を行ってまいります。
<セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容>
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
<経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等>
当社グループは、安定的な収益基盤を構築するため、売上高、営業利益及び収益性を判断する観点から売上高営業利益率を重視しております。また、株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけ、総資産利益率(ROA)も意識しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響で先行きが不透明な中、当初は通期業績予想を未定としておりましたが、第2四半期連結累計期間の決算を公表した2020年11月12日の時点で、売上高が前期比19.5%減の148億円、営業利益が同70.7%減の56百万円とし、その達成に努めてまいりました。しかしながら、2021年1月以降11都府県に緊急事態宣言発出となる等の事態を受け、想定を下回る需要状況となり、当社の主力である和洋紙卸売業における売上高が減少し、売上高は146億11百万円、計画比1億88百万円減(1.3%減)となりました。利益面につきましても、販管費の削減を継続したものの営業利益については8百万円、計画比47百万円減(84.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
<キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容>
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
<資本の財源及び資金の流動性>
(a)資本の財源
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備投資を目的とした資金需要は、主に倉庫等における機械装置等の固定資産購入によるものであります。運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金の調達につきましては、自己資金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は21億69百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は32億19百万円となっております。
(b)資本政策
当社グループが創出したフリー・キャッシュ・フローについては、有事の際に機動的な対応がとれるよう備えつつも、平時においては手元資金の適正な範囲内で、成長投資と株主還元とをバランスよく保ちながら、分配することとしております。
株主還元につきましては安定的な配当として中間配当と期末配当の年2回を基本方針としております。原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益の状態である場合を除き、1株当たり10円(中間配当5円、期末配当5円)の年間配当金を目処に、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。なお、2021年3月期第2四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上する等、厳しい業績結果となりました。第2四半期連結累計期間以降の見通しを総合的に勘案し、遺憾ながら中間配当を無配、期末配当につきましては、2021年3月期の連結業績を踏まえ、1株当たり5円とさせていただきました。今後の市場の回復傾向や、それに伴う業績の見通しが好転した際には、復配、増配の可能性についても積極的に検討してまいります。
成長投資については、経営状況を判断しながら、さまざまな施策の優先順位を検討してまいります。現在、大阪・名古屋に保有している事務所用の土地の有効活用を検討すると同時に、保有ビルの老朽化対応も兼ねながら収益物件として投資をすることも検討しております。また、特殊紙を中心とする紙の販売・流通を軸としたオーガニックな成長に加え、M&A等による成長機会に関しては、常時、情報を収集し、案件次第で検討してまいります。その際には、当社の事業領域との親和性に加え、事業成長性を重視した上で、成長投資としてキャッシュを一定量振り向ける準備もしてまいります。当社グループにおいては、引き続き利益成長を図りながらキャッシュの創出力を高め、資本コストと財務の柔軟性のバランスを考慮した適切な資本構成を維持していく考えです。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、高級紙・特殊紙の専門商社として、社会のニーズを先取りした商品の企画提案・開発販売をおこなっています。
当連結会計年度は、紙表面に無機系抗菌剤を塗布し、高い抗菌効果を持たせた印刷用紙及びFSC®森林認証紙(FSC®C005596)の「HSK抗菌ケントCoC」をメーカーと共同開発いたしました。
なお、これらの商品開発にかかわる費用は発生しておりません。また、和洋紙卸売業以外の分野では、研究開発活動はおこなっておりません。