第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

  (1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績に関する説明

 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れ、インバウンド需要がコロナ禍以前の水準に近づく等、経済活動の正常化が進んでいることから、景気は緩やかに持ち直しています。しかしながら、長期化するウクライナ情勢や中近東情勢に伴う原燃料価格の高騰、海外経済の下振れや円安に伴う物価上昇で消費マインドが低下するリスクは続いており、景気の先行きは不透明な状況にあります。

 紙パルプ業界におきましては、印刷・情報用紙の構造的な需要減少や原燃料高騰に伴う価格改定による需要の冷え込みが続いており、紙・板紙での国内出荷量は、前年同四半期実績を下回りました(「日本製紙連合会」統計資料より)。

 このような中で当社グループは、事業の高付加価値化と需要伸長分野への深耕をターゲットとし、主力である高付加価値特殊紙の販売強化、観光、インバウンドやリオープン消費の需要が見込める高級パッケージや各種機能紙分野への注力、新規需要、新規顧客の獲得を推進しました。製紙メーカーの事業再構築に伴う抄造設備の停機等による商品再構築局面での商品の高付加価値化も進行し、顧客満足度向上と収益性の改善を図っています。また、脱炭素、脱プラスチック、SDGs等の社会ニーズに応える商材の開発や提案を進め、展示会、SNS等による継続的な情報発信による新規顧客及び新規需要の獲得を進めています。原燃料の高騰による価格改定に伴う需要減退の影響を受け、販売数量は前年同四半期実績を下回りましたが、販売単価の上昇もあり、売上高は前年同四半期実績を上回りました。

 なお、前第2四半期連結累計期間においては、固定資産売却益11億33百万円を計上していますが、当第2四半期連結累計期間は同様の特別利益がありませんので、前年同四半期比で親会社株主に帰属する四半期純利益が大きく減少しております。

 この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高77億87百万円(前年同四半期比1.0%増)、経常利益84百万円(前年同四半期比68.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は36百万円(前年同四半期比95.2%減)となりました。

 

 当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去前となっております。

 

<和洋紙卸売業>

 和洋紙卸売業は、構造的な情報伝達媒体のデジタルシフト、価格改定による需要減退の影響が続き、販売数量は減少しました。しかしながら、販売単価の上昇と経済活動の正常化による観光イベント事業等の国内需要の緩やかな回復が続いたことから、ファインボードと高級印刷紙の販売が堅調に推移し、売上高は80億83百万円(前年同四半期比0.9%増)、営業利益は41百万円(前年同四半期比71.1%増)となりました。

 

<不動産賃貸業>

 不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介で構成される不動産賃貸業は、概ね前年同四半期と同水準で、売上高は9百万円(前年同四半期比0.7%増)、営業利益は7百万円(前年同四半期比1.3%増)となりました。

 

 

(参考)

 当社単体の和洋紙卸売業の営業成績

品目別

前第2四半期累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年9月30日)

当第2四半期累計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

 増減率(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

ファンシーペーパー

1,639

22.8

1,613

22.2

△1.5

ファインボード

859

12.0

968

13.3

12.7

高級印刷紙

1,642

22.9

1,703

23.4

3.7

ベーシックペーパー

1,981

27.6

1,974

27.1

△0.4

技術紙

943

13.1

928

12.8

△1.6

その他

113

1.6

94

1.2

△16.3

合計

7,179

100.0

7,284

100.0

1.5

 

[ファンシーペーパー]

 多様な色、表面性、風合いを持つ高付加価値特殊紙のファンシーペーパーは、コロナ禍の影響が縮減し、書籍装丁用途や東アジア向けの輸出が堅調に推移しましたが、商業印刷物や紙袋用途が減少し、売上高は16億13百万円、前年同四半期比1.5%の減少となりました。

[ファインボード]

 ファンシーペーパーの厚物(板紙)であるファインボードは、各種観光イベント事業の再開に伴い、菓子食品・化粧品等の高級パッケージ向けの販売が回復し、売上高は9億68百万円、前年同四半期比12.7%の増加となりました。

[高級印刷紙]

 独自の風合いを持ち、通常の印刷用紙より高価格帯の高級印刷紙は、商業印刷物用途の販売が安定し、出版物や紙製品用途が増加したことで、売上高は17億3百万円、前年同四半期比3.7%の増加となりました。

[ベーシックペーパー]

 上質紙、塗工紙、色上質紙等の印刷用紙、包装用紙、各種パッケージ向け板紙等で構成されるベーシックペーパーは、書籍向けや医療品・化粧品パッケージ用途が堅調に推移しましたが、商業印刷物及び紙製品用途、東アジア向け輸出の販売が減少し、売上高は19億74百万円、前年同四半期比0.4%の減少となりました。

[技術紙]

 通常の紙にはない特殊機能が付与されている技術紙は、各種工業品製造用工程紙や耐水撥水性機能紙、合成紙の販売が堅調に推移しましたが、偽造防止用途の販売が減少し、売上高は9億28百万円、前年同四半期比1.6%の減少となりました。

[その他]

 家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等で構成される当区分では、ペーパータオル等家庭紙の販売が堅調に推移しましたが、製紙関連資材、紙加工品の販売が減少し、売上高は94百万円、前年同四半期比16.3%の減少となりました。

 

② 財政状態に関する説明

(資産)

 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3億42百万円増加して、179億8百万円となりました。主な要因は、現金及び預金3億39百万円が減少したものの、電子記録債権3億3百万円、投資有価証券3億56百万円が増加したことによるものであります。

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べて47百万円増加して、82億3百万円となりました。主な要因は、未払法人税等1億11百万円が減少したものの、支払手形及び買掛金1億53百万円が増加したことによるものであります。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末に比べて2億95百万円増加して、97億5百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金2億49百万円が増加したことによるものであります。

 

  (2)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて3億39百万円減少し、27億33百万円となりました。

 

 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は2億13百万円(前年同四半期比10.4%の増加)となりました。これは主に売上債権の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果獲得した資金は37百万円(前年同四半期は93百万円の使用)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は1億63百万円(前年同四半期は1億79百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少によるものであります。

 

  (3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

  (4)経営方針・経営戦略等

  当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

  (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

  (6)研究開発活動

  該当事項はありません。

 

  (7)経営成績に重要な影響を与える要因

  当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。