第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

  (1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績に関する説明

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調で推移しておりますが、一方でウクライナ情勢・中東情勢の長期化、原燃料価格や物価の高騰、海外経済の減速懸念等の影響により、景気全般の先行きは不透明な状況が続いております。

 紙パルプ業界におきましては、印刷・情報用紙の構造的な需要減少や原燃料高騰に伴う価格改定による需要の冷え込みは依然として続いており、紙・板紙での国内出荷量(日本製紙連合会発表の速報値による)は、前年同期実績を下回りました。

 このような中で当社グループは、主力である高付加価値特殊紙の販売強化、需要の見込める高級パッケージや各種機能紙分野への注力を進めました。紙素材が、木材由来のカーボンニュートラル性を持つバイオマスであり、脱炭素、脱プラ、SDGs等の社会要請に合致するという優位性を生かし、該当分野での新規商材開発を進めるとともに、展示会、商品説明会、SNS等での情報発信に注力し、ブランドの認知拡大と新規需要、顧客の掘り起こしを強化しています。また、今年度より紙や素材の新たな価値創造や市場開拓を目的とした事業開発部門を創設、新規の顧客及び需要の獲得に動いています。その中で強みである特殊紙販売での知見を活かし、紙周辺の特殊素材への展開を視野に入れ、事業エリアの拡大を図りました。

 この結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高77億16百万円(前年同期比0.9%減)、経常利益80百万円(前年同期比5.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は38百万円(前年同期比4.2%増)となりました。

 

 当中間連結会計期間におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去前となっております。詳細は、「第4 経理の状況 1.中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。

 

<和洋紙卸売業>

 和洋紙卸売業は、個人消費の低迷や、印刷・情報用紙分野での情報伝達媒体のデジタルシフトによる構造的な需要縮減の影響が大きく、全体としての販売数量は減少しました。販売単価の上昇や各種事業推進施策により、主力である高付加価値特殊紙の販売金額は堅調に推移しましたが、全体での販売数量の減少をカバーできず、売上高は80億30百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は34百万円(前年同期比16.3%減)となりました。

 

<不動産賃貸業>

 不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介で構成される不動産賃貸業は、子会社の平和興産㈱が倉庫業務を新規に受託したことにより賃料収入が増加し、売上高は12百万円(前年同期比30.2%増)、営業利益は10百万円(前年同期比34.8%増)となりました。

 

 

(参考)

 当社単体の和洋紙卸売業の営業成績

品目別

前中間会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

当中間会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年9月30日)

 増減率(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

ファンシーペーパー

1,613

22.2

1,661

23.0

2.9

ファインボード

968

13.3

952

13.2

△1.7

高級印刷紙

1,703

23.4

1,699

23.5

△0.2

ベーシックペーパー

1,974

27.1

1,835

25.4

△7.1

技術紙

928

12.8

992

13.7

6.8

その他

94

1.2

81

1.2

△13.6

合計

7,284

100.0

7,222

100.0

△0.9

 

[ファンシーペーパー]

 多様な色、表面性、風合いを持つ高付加価値特殊紙のファンシーペーパーは、販売促進活動の継続効果もあり、パッケージや商業印刷、出版用途が堅調に推移したことにより、売上高は16億61百万円、前年同期比2.9%の増加となりました。

[ファインボード]

 ファンシーペーパーの厚物(板紙)であるファインボードは、菓子食品・化粧品等の高級パッケージ向けの販売は増加しましたが、商業印刷用途が減少し、売上高は9億52百万円、前年同期比1.7%の減少となりました。

[高級印刷紙]

 独自の風合いを持ち、通常の印刷用紙より高価格帯の高級印刷紙は、紙製品用途が堅調に推移しましたが、商業印刷用途や書籍向けの販売がわずかに減少し、売上高は16億99百万円、前年同期比0.2%の減少となりました。

[ベーシックペーパー]

 上質紙、塗工紙、色上質紙等の印刷用紙、包装用紙、各種パッケージ向け板紙等で構成されるベーシックペーパーは、紙器用途が堅調に推移しましたが、書籍向けや商業印刷用途が減少したことで、売上高は18億35百万円、前年同期比7.1%の減少となりました。

[技術紙]

 通常の紙にはない特殊機能が付与されている技術紙は、偽造防止用途や耐水撥水性機能紙の販売が減少しましたが、選挙需要等もあり合成紙の販売が堅調に推移したことで、売上高は9億92百万円、前年同期比6.8%の増加となりました。

[その他]

 家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等で構成される当区分では、ペーパータオル等家庭紙の販売及び製紙関連資材、紙加工品の販売が減少し、売上高は81百万円、前年同期比13.6%の減少となりました。

 

② 財政状態に関する説明

(資産)

 当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて10億68百万円減少して、177億66百万円となりました。主な要因は、有形固定資産3億15百万円が増加したものの、現金及び預金4億35百万円、受取手形及び売掛金4億57百万円、電子記録債権3億57百万円、投資有価証券86百万円が減少したことによるものであります。

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べて9億49百万円減少して、77億86百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金7億33百万円、電子記録債務49百万円、賞与引当金74百万円が減少したことによるものであります。

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末に比べて1億18百万円減少して、99億79百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金72百万円、為替換算調整勘定28百万円が減少したことによるものであります。

 

  (2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて4億35百万円減少し、24億3百万円となりました。

 

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において営業活動の結果獲得した資金は58百万円(前年同期は2億13百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少及び仕入債務の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において投資活動の結果使用した資金は3億96百万円(前年同期は37百万円の獲得)となりました。これは主に 有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間において財務活動の結果使用した資金は94百万円(前年同期比42.1%の減少)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。

 

  (3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

  (4)経営方針・経営戦略等

  当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

  (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

  (6)研究開発活動

  該当事項はありません。

 

  (7)経営成績に重要な影響を与える要因

  当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。