第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループを取り巻く環境は、新しい産業の発展による、新製品、新技術の開発が行われ、精密機器・精密工業等、機械工業販売業界に対するニーズも増大しており、情報化社会の発達とともに、ますます迅速に高性能化や省力化等多種多様な対応が求められております。

当社グループといたしましては、グループ各社の個々の強みを生かしつつあらゆる産業のニーズに対応すべく、社員の専門知識の向上や新規ブランド(商材)の投入に努めると同時に、グループ内での情報の共有化、合理化、業務体制の一層の効率化を進めるため、様々な技術を積極的に取り入れ、業務の改善とスピード化を目指しております。
 また、商圏の拡大を目指し新規営業所及び連絡所の開設とともに他社との差別化を図るべく、若手人材の確保と育成により、地域密着型の提案営業を徹底してまいります。
 当社グループは、2021年に100周年を迎え、『MOOVING ONE~100年の感謝を未来へつなぐ~』というスローガンのもと、次に目指す200周年に向けて、積極的な事業展開を図り、企業価値の向上を目指します。第三次中期経営計画『MOOVING ONE』では、5つの方針を定めます。大きく変化する環境のもと、顧客の視点に立ち、グループ一致団結しチャレンジし続け、経営計画の達成に取り組みます。

 

5つの方針

 ① 事業戦略

   ・新規商材・サービス・重点商品の拡大と販売領域の拡張

   ・積極的なM&A戦略

   ・特定ブランドに特化した、販売の強化

 ② 新規市場開発

    ・全国にまたがる社内ネットワークをより活用し、事業領域の拡大を狙う

 ③ IT分野への投資

    ・ECサイトの構築・WEB商品データの作成・マスターの整備

    ・ERPを念頭に置きながら、基幹システムの刷新やSFA・RPA等を導入し、業務自動化の強力な推進

    ・ガバナンスを強化するためのシステムの構築

 ④ 人材育成への取組み

    ・人事・採用・研修制度を見直し、未来に向けた人材育成の注力

    ・専門職・スペシャリストの幅広い登用

 ⑤ 環境問題への取組み

    ・自動車EV化への市場対応や、省エネ商材の開発と開拓

    ・SDGsの推進

目標とする経営指標

第3次中期経営計画『MOOVING ONE』において掲げた経営数値目標(連結)の中で、「経常利益」を経営指標として経営に注力してまいります。

(単位:百万円)

 

第96期
 (2021年3月期)(実績)

 第97期
 (2022年3月期)

(計画)

第98期
 (2023年3月期)(計画)

 第99期
 (2024年3月期)

(計画)

経常利益

2,523

2,585

2,780

3,260

 

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開上のリスクの要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める所存であります。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

 

(1) 主に製造業業績(国内設備投資及び工場の稼働率)の影響

当社グループは、景気動向、主に鉱工業生産指数や製造業稼働率指数及び機械受注等の統計資料で示される分野に比較的影響を受けやすい業種に属しています。その原因は、当社の取扱商品の最終消費者は主として国内の工場向けであり機械及び機器・工具類が、産業機械、工作機械、自動車、電気、半導体、電子部品等の設備投資及び製造過程に最も多く使用・消費されているからであり、各々が経済成長率に影響を与えるほどすそ野が広い分野であるからです。
 当社グループといたしましては、販売先の属する業種の多角化、分野流通過程の見直しによる販売ルートの開拓、新規商品の開拓、新規出店による商圏の拡大等の営業努力を行っておりますが、自動車関連、弱電関連、半導体関連等の国内製造現場での設備投資、工場稼働率が下降した場合には、当社グループの業績が直接的に多大な影響を受ける可能性があります。

 

(2) 人材の確保及び教育

当社グループの経営に係る基本的な方針は、「顧客満足度の向上」であり、当該方針を実現できる人材の確保と育成を重要な経営課題として捉えております。今後においても、業績拡大や積極的な出店を継続していくためには、従来以上に注力する必要があります。
 当社グループといたしましては、新市場開拓のために積極的に人材確保を行いながら、情報提供、技術提供といった提案型営業のできる人材育成と技術的専門知識をもったセールスエンジニアを育成し他社と差別化を図り、新規出店、業容拡大に向け努力しております。
 しかしながら、業容拡大・新規出店を担える人材の確保及び育成ができない場合には、間接的かつ緩やかではありますが、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 自然災害等

地震、大雨や洪水に加え感染症の拡大など自然災害等により、営業施設、物流体制や情報インフラに加え人的損害等が発生した場合、当該事業の継続が困難になる事態が想定されます。当社営業網は、ほぼ全国に展開し、物流も全国3拠点体制を整備してあることから、事業全体が一斉に継続困難に至る事態は想定できません。しかし、情報インフラは本社に集中しており、本社に損害が発生した場合は、事業全体に影響が出る懸念はありましたが、2020年9月にバックアップ設備を東京に構築し、その懸念も減少しております。

なお、新型コロナウイルス感染拡大により企業業績への影響は深刻さを増し、設備投資の中止・延期や生産活動量の低下が顕著となってきております。また、当社社員の営業活動も著しく制限されております。

上記(1)のとおり、国内設備投資及び工場の稼働率低下は当社業績に直接影響を及ぼします。また、顧客への直接接触の自粛や社員のテレワーク等は、業務効率の低下を招き、ひいては当社業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(4) 販売ルートの変化

直近、大規模な情報システム、物流センターを整備した競合企業がIT技術を駆使して、汎用(規格)品を中心にインターネット経由での販売を増やしております。またユーザー側でもIT技術を活用した集中購買の動きも増えてきました。当社の商圏においてもその動きは顕著で当社への影響も大きなものがあります。当社としても、インターネット経由の販売にも対応していく方針で現在構築中でありますが、先行する他社と同じ土俵で勝負するのではなく、当社の強みである顧客とのリレーションの緊密化により「対面営業、課題解決型の提案営業の充実・拡大を図る」ことで競合他社との競争に打ち勝っていきたいと考えております。

 

 

 

(5) システム障害・情報セキュリティ

現在、企業間の通信や決済手段、企業内の業務フローにおいて、ICT技術の利用は必要不可欠であります。システムの脆弱性による障害発生、外部からのマルウェア等による攻撃があった場合、その対応、復旧に時間を要した場合、事業活動が阻害されると同時に、機密情報などの流出による信用失墜等当社業績に直接間接的に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社としては、情報セキュリティシステムの強化、従業員の情報リテラシーの向上、基幹システム・データベースのバックアップ体制の整備等の施策を実施していますが、リスクを完全に排除することは難しいものと考えております。

 

(6) カーボンゼロ・気候変動リスク

地球温暖化等の気候変動リスクに対する全世界的な動きに鑑み、カーボンゼロへの積極的かつ早急な対応が企業に対しても求められています。温室効果ガスの排出量削減にむけた法的規制の強化や産業構造や企業活動の変化が、当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積もり 

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 経営成績 

当社グループは当連結会計年度においては、売上高403億65百万円(前年同期比8.0%減)、営業利益20億70百万円(前年同期比18.1%減)、経常利益25億23百万円(前年同期比13.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益17億21百万円(前年同期比9.1%減)となりました。

 第2次中期経営計画『Sincerity to 100』3年目の当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大に対して「感染拡大抑止最優先」により経済活動が制限され、大幅なマイナス成長に至った最悪期を脱しつつあるものの、感染再拡大への懸念から下押し圧力は残っており、景気回復のペースは緩やかなものにとどまっています。一方、海外では欧州を中心に依然として新型コロナウイルスの拡大が続き、経済活動に大きな影響を与えています。その中で中国においては、景気持ち直しの動きが見受けられるようになりました。

国内では、観光業、飲食業を中心とする非製造業は苦戦が続くものの、当社の主要な取引先である製造業、特に自動車、電子部品関連業の生産・輸出活動は中国や米国向けを中心に回復への動きが顕著に見受けられました。他方、設備投資に関しては、新型コロナウイルスを巡る不透明感が依然として高く、おしなべて慎重な姿勢が続いています。

2020年初よりのコロナウイルス感染拡大に伴う企業の設備投資や生産活動の下押しによる当社業績への影響は、当連結会計年度は、比較的軽微に留まり、2020年9月18日発表の業績予想に対して、売上高達成率101.9%、営業利益達成率111.9%、経常利益達成率115.7%、親会社株主に帰属する当期純利益達成率119.6%と達成することができました。しかしながら、第2次中期経営計画の3年間をとおしてみれば、その影響は極めて甚大であり、当初の目標比では大幅な未達の結果に終わりました。新型コロナウイルス感染拡大は、依然として収束の目途が立たず、企業業績への悪影響は、継続するものと想定されます。設備投資の中止・延期や生産活動の低下は不可避の状況が続くのと思われます。当社グループとしても当面の間、感染リスク対策に万全を尽くしながら、その中でも取引先のニーズに最大限応える努力を行うとともに、コスト削減や感染収束後の回復に向けた準備を実施してまいります。このような経済環境の中、慎重に検討を重ねた結果、次の200周年に向けた第3次中期経営計画『MOOVING ONE』を策定しました。引き続き対面営業、課題解決型の提案営業の充実・拡大を図ると同時に顧客の業務効率化ニーズにも対応出来る インフラを整備・活用することで、更なる企業価値の向上を目指します。

中期経営計画につきましては下記Webアドレスにて開示済みであります。

https://www.sugi-net.co.jp/for_investors/material.html

 

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

(東部)

東部では、鉄鋼業界で一部の炉を停止させるなど生産調整に入っております。一方で化学業界では値上げが功を奏し、設備投資が盛んに行われております。電子部品・半導体業界も全体的な改善の兆しが見え、受注増につながりつつあります。また、北米向けに小型建機も回復するなど全体的に明るい兆しが見えつつあるものの、新型コロナウイルス感染状況次第の所があり、一進一退を繰り返して全体としては低調な推移となりました。
 この結果、当セグメントの売上高は96億74百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益は4億94百万円(前年同期比13.1%減)となりました。

 

 

(中部)

中部では、電子部品・半導体業界での設備投資は活況でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響もあり、自動車業界、鉄鋼業界、工作機械業界。航空業界での生産活動の縮小と設備投資の抑制の影響を大きく受けました。逆に環境問題、自動車のEV化への設備投資は、広がりを見せつつありますが、先行きの不透明感もあり全体的に低調に推移いたしました。
 この結果、当セグメントの売上高は110億60百万円(前年同期比9.1%減)、セグメント利益は5億6百万円(前年同期比24.8%減)となりました。

 

(西部)

西部では、電子部品・半導体業界において動きが見られたものの、自動車業界、鉄鋼業界、住宅業界、産業機械業界と幅広く生産活動が停滞し、当社売上にも大きく影響しました。年度後半から少しずつ改善の兆しが見られ、一部設備投資へ動き出した面もありましたが全体としては低調な推移となりました。
 この結果、当セグメントの売上高は186億3百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント利益は9億84百万円(前年同期比18.6%減)となりました。

 

(海外)

海外では、対米ドルの為替が年明けから円安水準で安定して推移したこともあり、日本からの輸出も堅調に推移しております。新型コロナウイルスの影響で厳しい状況で推移していた世界経済も、主力のアジア地域では半導体企業を筆頭に回復の動きが顕著になってきておりますが、全体としては低調に推移いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は10億26百万円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益は84百万円(前年同期比11.2%増)となりました。

 

市場規模が大きく成長余力が大きいにもかかわらず、まだ、占有率が低い東部へ経営資源を投入するのと併行して、自動車鉄鋼工作機械等の従来の主要な得意先業種以外の新型コロナウイルス感染拡大による影響が少ない、または逆にプラスの影響がでている業種へ得意先の幅を広げる努力により、売上利益とも拡大を図る方針です。

 

(注) 上記の金額は消費税等を含んでおりません。

 

販売及び仕入の状況は次のとおりであります。

① 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

東部

7,546,581

89.5

中部

8,698,114

88.9

西部

15,460,056

93.3

海外

608,883

80.8

合計

32,313,636

90.9

 

(注) 1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額は消費税等を含んでおりません。

 

② 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

東部

9,674,427

91.8

中部

11,060,910

90.9

西部

18,603,198

92.4

海外

1,026,911

97.8

合計

40,365,447

92.0

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額は消費税等を含んでおりません。

 

(3) 財政状態 

当連結会計年度末における総資産は378億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億83百万円増加しております。主な内訳は、現金及び預金が16億39百万円、ソフトウエア仮勘定が1億46百万円及び投資有価証券が7億32百万円増加する一方、受取手形及び売掛金が10億1百万円、商品が2億77百万円、建設仮勘定が1億3百万円減少したためであります。
 当連結会計年度末における負債は58億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億46百万円増加しております。主な内訳は、未払金が1億10百万円、繰延税金負債が2億15百万円増加したためであります。

当連結会計年度末における純資産は319億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億37百万円増加しております。主な内訳は、その他有価証券評価差額金が5億円増加、利益剰余金が9億82百万円増加する一方、自己株式の取得による増加が7億19百万円となっております。この結果、自己資本比率は84.4%となりました。

 

(4) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資産」という。)は、92億79百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動より得られた資金は33億25百万円(前年同期は31億77百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益25億21百万円、減価償却費3億52百万円、売上債権の減少6億77百万円、棚卸資産の減少2億77百万円の収入に対して法人税等の支払額8億23百万円の支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動に使用した資金は2億25百万円(前年同期は11億52百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得1億54百万円、無形固定資産の取得1億12百万円の支出に対して、有形固定資産の売却による収入60

百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動に使用した資金は14億64百万円(前年同期は18億86百万円の支出)となりました。これは自己株式の取得7億19百万円、配当金の支払7億44百万円の支出によるものであります。

 

従来より投資活動・財務活動に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローにて賄っており健全な財務体質を維持しております。新型コロナウイルス感染拡大により、業績が悪化した場合にも現金同等物を月間平均仕入額の2ケ月相当分確保しており、当面の資金繰りには問題ないと考えております。

一方、換金容易な純投資目的の投資有価証券を単体で18億60百万円保有しております。また、連結ベースで各取引金融機関と当座貸越限度を総額42億円契約しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。