第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境に改善傾向が見られるものの、中国をはじめとす
る新興国の景気減速、英国のEU離脱や米国の政権交代などの影響もあり、先行き不透明な状況が続きました。
 当ファッション業界においては、EC(電子商取引)による消費者の購買が拡大するものの、個人消費の節約
志向は依然として根強く、店舗販売は厳しい環境が続きました。

このような経営環境の中、当社グループでは、前期(2016年3月期)より3ヵ年に亘り、抜本的な構造改革に取
り組んでいます。構造改革2年目が終了した当期においても、限られた「投資(商品・設備)」と「経費」を大前
提として利益の最大化を図りました。

 

国内ブランド事業においては、前期に集中して実施した構造改革による不採算事業の撤退、不採算店舗・低収
益店舗の退店により直営店舗数は減少しましたが、収益性の向上を重点課題として、商品力と販売力の強化による
既存ブランド・既存店舗の再成長に取り組みました。商品力については、百貨店、駅・ファッションビル、ショッ
ピングセンターなどそれぞれのマーケットにおいて差別化された提案を強化するため、ブランドらしさを明確にし
た付加価値の高い商品企画に注力しました。販売力については、株式会社ワールドストアパートナーズにおいて、
人事制度を刷新して雇用環境を整えると共に、販売戦力の更なる定着化を目指して、新卒採用を大幅に増やすなど
店頭販売力の強化に取り組みました。

 

成長を続けるEC事業においては、ブランド独自の公式サイトの強化やネットとリアル店舗を融合したオムニ
チャネル化を推進することで成長性を高めました。また、ネイバーフッド型ショッピングセンター(NSC)やコ
ミュニティ型ショッピングセンター(CSC)を中心とする地方小商圏マーケットにおいては、直営店舗に加え株
式会社ワールドフランチャイズシステムズが運営するフランチャイズ店舗を出店し、堅調に推移しました。

 

国際ブランド事業においては、中国、台湾、韓国での販売事業に加え、2016年11月にタイの大手企業グルー
プ、SAHA GROUP(サハグループ)と合弁会社World Saha Fashion Co.,Ltd. (ワールド サハ ファッション)を設
立し、2017年3月、バンコクに「タケオキクチ」を初出店しました。

 

また、2016年12月、千葉県船橋市に自社物流センター「ワールドディストリビューションセンター(WD
C)」を開設し、物流拠点の集約を進め、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の最適化を図りました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、構造改革による店舗数およびブランド数の減少の影響により、売上収
益は2,575億37百万円(前年同期比 7.4%減)となりましたが、営業利益は販売効率の改善が進んだことで粗利率
が良化し、144億63百万円(前年同期比24.0%増)と増益となりました。また、事業利益は120億66百万円(前年同
期比 237.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は81億50百万円(前年同期比996.8%増)と大幅な増益となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

167億23百万円の収入(前年同期比24億32百万円 収入増)となりました。

収入増加の主な要因は、税引前当期利益の増加75億88百万円、仕入債務及びその他の債務の減少による支出の減少16億17百万円、法人所得税の支払額の減少14億77百万円によるものであります。また、収入減少の主な要因は、棚卸資産の減少による収入の減少83億42百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

203億79百万円の支出(前年同期比301億49百万円 支出増)となりました。

支出増加の主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加234億15百万円、有形固定資産の売却による収入の減少54億3百万円、差入保証金の減少による収入の減少12億95百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

32億84百万円の支出(前年同期比81億62百万円 支出減)となりました。

支出減少の主な要因は、借入による収入(純額)の増加67億55百万円、その他の金融負債の返済による支出の減少17億7百万円によるものであります。

 

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より70億22百万円減少して、211億48百万円となりました。

 

(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

(のれんの償却に関する事項)

(のれんの償却に関する事項)

 日本基準において、のれんはその効果の発現する期間を個別に見積り、償却期間を決定した上で均等償却することとしておりましたが、IFRSにより作成した連結財務諸表においては、IFRS移行日以降の償却を停止しております。

 尚、この結果、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が4,167百万円減少しております

 日本基準において、のれんはその効果の発現する期間を個別に見積り、償却期間を決定した上で均等償却することとしておりましたが、IFRSにより作成した連結財務諸表においては、IFRS移行日以降の償却を停止しております。

 尚、この結果、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が4,167百万円減少しております

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、衣料品販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

婦人服

8,387

△17.8

紳士服

217

△10.0

雑貨

△100.0

合計

8,604

△17.6

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)仕入実績

 当社グループは、衣料品販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

婦人服

64,465

△6.8

紳士服

11,300

△5.0

子供服

3,630

+21.7

雑 貨

29,741

+45.5

その他

657

+69.7

小計

109,792

+4.7

IFRS調整(注)2

△3,785

合計

106,007

+5.2

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

      2 IFRS調整は、原材料売上及び為替予約における調整金額を記載しております。

 

(3)販売実績

 当社グループは、衣料品販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

① 品目別売上状況

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

婦人服

165,932

△6.6

紳士服

26,178

△9.4

子供服

6,005

△21.4

雑 貨

62,983

△8.0

その他

1,273

+18.5

小計

262,371

△7.5

IFRS調整(注)3

△4,834

合計

257,537

△7.4

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記金額は、商品売上高の他に原材料売上、ロイヤリティ収入及び飲食売上等を含んだ金額で記載しております。

3 IFRS調整は、ポイント付与及び原材料売上における調整金額を記載しております。

 

② 販路別売上状況

地域

販路

業態

屋号

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内

直営店

 

アンタイトル

16,780

△0.9

 

 

 

インディヴィ

10,194

△1.5

 

 

 

タケオキクチ

9,808

△5.6

 

 

 

その他(注)2

28,867

△12.4

 

 

百貨店SPA業態合計

65,649

△7.1

 

 

バイイングSPA業態合計

8,506

△38.8

 

 

 

ザ ショップ ティーケー

13,767

+6.6

 

 

 

ハッシュアッシュ

8,797

△11.7

 

 

 

その他(注)2

36,575

△19.1

 

 

コモディティ業態合計

59,139

△13.1

 

 

 

シューラルー

18,536

△2.4

 

 

 

オペーク ドット クリップ

13,213

△1.8

 

 

 

その他(注)2

14,286

△12.3

 

 

ストア業態合計

46,036

△5.6

 

 

 

イッツデモ

9,373

+12.8

 

 

 

ワンズテラス

9,239

+12.0

 

 

 

ネクストドア

8,525

△3.7

 

 

 

その他(注)2

3,059

△81.9

 

 

その他合計

30,197

+1.1

 

 

直営店合計

209,525

△9.4

 

EC

29,620

+19.9

 

8,640

△8.4

 

その他(注)3

9,639

△28.9

海外

4,947

+1.8

IFRS調整(注)6

△4,834

合計

257,537

△7.4

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 各業態のその他の合計は約70屋号になります。

3 原材料売上、ロイヤリティ収入及び飲食売上等が該当します。

4 各業態とは、展開チャネルや商品特性によって異なる収益構造毎に、事業を大きく区分したものであります。

5 業態変更があった屋号については、前年も修正して前年同期比を算出しております。

6 IFRS調整は、ポイント付与及び原材料売上における調整金額を記載しております。

 

(参考)

 当社グループの主な販路であります国内直営店の地域別売上は以下のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

期末店舗数(店)

東京都

37,268

△12.5

17.8

380

大阪府

21,074

△9.3

10.1

245

神奈川県

15,392

△11.8

7.3

189

愛知県

13,850

△7.7

6.6

147

兵庫県

12,310

△12.6

5.9

140

埼玉県

10,821

△10.0

5.2

140

千葉県

10,352

△12.0

4.9

140

福岡県

8,739

△9.1

4.2

107

北海道

6,204

△8.3

3.0

85

広島県

5,464

△7.7

2.6

76

その他

68,052

△6.5

32.4

761

合計

209,525

△9.4

100.0

2,410

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 尚、「受注状況」につきましては、該当事項はありません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、企業としての永続性を軸に、生活文化に貢献し、社会から信頼される企業グループであることを創業からの変わらぬ理念としております。そして、全ての発想の原点を「顧客満足」におき、顧客にとって常に最適なファッションを提案し続け、顧客価値・人材価値・事業価値・財務価値・企業価値を高めていく『価値創造企業グループ』を目指してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、1992年、顧客価値と生産性の最大化を目的に、消費者を起点に店頭から生産までを一気通貫させ、ロス・無駄を価値に変える「スパークス(SPARCS)構想」を発表いたしました。ファッション産業においてこれまで分断されていたビジネスプロセスをつなぎ、在庫ロスと機会ロスを最小化すると同時に、当社グループにおいてコアとなる生産系、開発系、マーチャンダイジング系、店舗運営系のそれぞれの業務において再現性のある仕組みをプラットフォーム化することで競争優位性を高め、進化する顧客ニーズにスピーディーに応えることを可能にする「スパークス(SPARCS)モデル」の構築を目指してまいります。

また、常に消費者の嗜好、マーケットやチャネルの変化を見極めながら、新たな業態開発、ブランド開発、店舗開発、商品開発を行うことで、永続的な成長を目指してまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

消費者のライフスタイルの変化やニーズの多様化に加え、気象状況や季節要因等の影響を受けやすいファッションビジネスにおいては、顧客の消費行動、マーケットやチャネルの変化を把握し、さらにコンペティターの動向も認識しながら、絶えず価値を提供し続ける企業グループであることが求められます。

そのため、それぞれの業務において価値を測るものさしを明確にし、「仮説・実行・検証・修正」のマネジメントサイクルを組み込むことで、商品・店舗・サービスにおいて更なる価値の向上に努め、顧客に継続的、持続的に価値を提供してまいります。

当社グループの経営ミッションは、「ファッションビジネスにおいて、顧客満足の最大化を実現できる持続可能な産業モデルの構築」であり、理想の産業生態系の構築に向けて、「長期的・持続的な企業価値の最大化」を実現していきたいと考えています。そのためにも、新規事業と既存事業との投資バランスを図り、業態及びブランド開発の方向性、店舗開発の精度を更に向上させ、永続的に企業として成長していきたいと考えております。

また、当社では企業の社会的責任(CSR)の重要性を強く認識しており、今後も透明で誠実な企業経営を推進し、コーポレート・ガバナンスの維持、及びコンプライアンス体制の充実を図ってまいります。

 

当社では、社外取締役が過半数を占める「監査等委員会」を設置することにより、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図り、取締役会の監督機能を強化するとともに、監督と業務執行を分離し迅速な意思決定を行うことで、企業価値の更なる向上を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 尚、当社グループは、これらのリスクに関する網羅的な評価を実施し、発生の可能性及び影響度をできる限り認識し、発生の未然防止を図るとともに、発生した場合の早期解決及び構造的課題への対策に努める所存であります。

 

(1)消費者の嗜好の変化等に関するリスク

  当社グループでは、「スパークス(SPARCS)モデル」の構築及び推進により、急速に進化する消費者ニーズにスピーディーに対応すべく日々取り組みを行っております。しかし、当社グループが取り扱う衣料品、服飾・生活雑貨を中心としたファッション事業は、景気の変動による個人消費の低迷や他社との競合に伴う市場の変化といった要因に加えて、ファッショントレンドの移り変わりによる消費者嗜好が変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)新規事業に関するリスク

  当社グループでは、長期的・持続的な企業価値の向上を目指すために、常に消費者ニーズの動向やマーケット・チャネルの変化を的確に捉えるべく、新たな価値を生み出すための業態開発やブランド開発に積極的に取り組み続けております。新規事業を開発、推進して行く過程において事業投資を行う際には、十分な調査・研究を行った上で最終的な判断を下すよう留意しておりますが、市場環境が急速に変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)M&Aに関するリスク

 当社グループでは、グループ企業価値の最大化を目的に、M&Aによる設備や技術・ノウハウ等を保有する企業をグループに迎えて事業の拡大を行っております。しかし、当初期待した収益や効果が得られず目的が達成できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)出店に関するリスク

 当社グループでは、アパレルと小売の機能を融合したSPA業態を開発し、百貨店、ショッピングセンター、駅ビル、ファッションビル等のチャネルへ展開を広げています。しかし、出店における好立地は競争も激しいため、計画どおり出店が行えなかった場合や、マーケット・チャネルの変化により想定した売上を確保できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)商品・生産に関するリスク

  当社グループでは、事業の多様化にともない、衣料品・雑貨以外の食品や化粧品、インテリアといった品目にまで取り扱いが広がっておりますが、衣料品・雑貨・食品等の品質管理に関する社内規程・基準を設け、適切に対応しております。

 このように社内の管理体制を継続した強化により整えているにも関わらず、自社または仕入先等に起因した事由による商品の製造物責任に関わる事故が発生した場合には、企業・ブランドイメージ・社会的信用度の低下や多額の損害賠償の請求等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの取り扱う商品・サービスの提供にあたっては、販売時や媒体掲載時の表示等について不当景品類及び不当表示防止法等による法的な定めがあります。商品の仕入れにあたっては独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法等の規制により取引先との公正な取引が強く要請されております。

 当社グループでは、商品・生産に関するコンプライアンスの重要性について社員教育を徹底し、また、内部統制の取り組みを高めて行く活動によりリスクの発生を未然に防止する対策を講じておりますが、巧妙な違法行為や取引先等に起因する事由により、違反の効果的な防止が伴わない可能性もあり、これらの問題が発生した場合には、当社グループの社会的信用度を低下させ、当社グループの活動が制限され、損害賠償の責任を負うこと等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)情報に関するリスク

  当社グループは、直営店舗やWEBによる通信販売における顧客、従業員等の個人情報及び経営戦略上の優先施策、製品開発等に関する重要な機密情報を多数保有しております。

 これら個人情報及び機密情報の取り扱いについては、情報管理者を選任し、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステム、紙情報の保管管理等の改善を常に図り、情報の利用・保管等に関する社内規程・基準を設け、情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、牽制システムの構築等、情報管理体制を整えておりますが、コンピュータシステムの予期せぬトラブルによる情報流出や犯罪行為による情報漏洩が発生する可能性があります。その場合、当社グループの社会的信用度を低下させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材に関するリスク

  当社グループでは、人材は企業の競争力の源泉であり、企業は個人の自己実現の「媒体」であるという考えから、「人中心経営」の発展に日々努めております。人材価値の向上は非常に重要であり、継続して雇用管理体制を整備しておりますが、突発的な業務遂行時の交通事故等不可測の外的要因や地震・津波等自然災害に起因した労働災害の発生、或いは予期せぬ雇用環境の急激な変化により、必要な人材の確保・育成が想定どおりに進まなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)取引先に関するリスク

  当社グループでは、取引先の経営状況についての信用度を把握するための管理体制を整えております。しかし、取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒れリスクや商品調達リスクが顕在化する事や、出店先である大型商業施設の予期せぬ経営破綻等により、当社グループの債権回収に遅滞が生じたり、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合があることから、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産権に関するリスク

  当社グループでは、特許権、商標権等の知的財産権を所有しており、法令の定め及び社内規程に則って管理体制を整えております。このように社内体制を整えているにも関わらず、第三者による当社グループの権利に対する侵害等により、企業・ブランドイメージの低下や商品開発への悪影響等を招いた場合や、当社グループが誤って第三者の権利を侵害したことにより、第三者に対する損害賠償責任等を負担した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)ハザードに関するリスク

  当社グループが取り扱うファッション商品は、気象状況によって売上に影響するケースがあるため、短サイクルの生産体制を整える等の対応をしております。しかし、異常気象や地球温暖化等の影響による天候不順、台風や集中豪雨等の予測できない気象状況の変化が起きた場合、売上の低迷や在庫の処分、評価損等を通じて、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、地震及び地震に起因する津波、電力不足等・風水害・落雷等不測の自然災害や新型インフルエンザ等の感染拡大、突発的な事故や火災により、事業の一部中断や取引先(仕入先等)に被害が生じた場合、売上が減少する可能性があることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)海外に関するリスク

  当社グループは、中国を中心に台湾、韓国、タイ等アジアマーケットでの販売事業と中国での生産管理及び貿易業務を行っております。当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は現時点では軽微ですが、海外で販売・生産の両面を進める上において、現地における自然災害や感染症、テロや戦争、政変や経済情勢の悪化、為替レートの変動、現地従業員との雇用問題、地政学的問題等の社会情勢、知的財産権訴訟、制度や法律の変更といったリスクが内在しております。その場合には、海外店舗の売上低迷が生じたり、自社生産工場及び取引工場の操業が一時的に困難になる事により、日本国内への商品供給体制(仕入活動)に支障が出る等の問題が発生する可能性があることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(重要な資産の取得)

 当社は、2017年2月14日開催の取締役会において、固定資産(信託受益権)の取得を決議し、2017年3月7日付で契約いたしました。

(1)取得の理由

 当社は、賃借料の低減を図るため、下記の固定資産(信託受益権)について取得することといたしました。

 

(2)資産の内容

  現況:事務所ビル

  所在地:東京都港区北青山三丁目71番地2  土地 1,878.22㎡

                       建物 1階 684.50㎡ 2階 677.00㎡ 3階 969.32㎡

                          4階 929.72㎡ 5階 929.72㎡ 6階 969.32㎡

                          7階 929.72㎡ 8階 929.72㎡ 9階 929.72㎡

                          10階 934.67㎡ 11階 934.67㎡ 12階 969.32㎡

                          13階 934.67㎡ 14階 845.57㎡ 15階 344.58㎡

                          地下1階 1,369.11㎡

 

 

(持株会社体制への移行)

 当社は、2017年2月14日開催の取締役会において、持株会社体制に移行することを目的に、吸収分割契約を締結することについて決議し、同日付で契約いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

 特記すべき重要な事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。

 連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績

① 概要

 当連結会計年度における業績に関する概要につきましては、1 業績等の概要(1)業績に記載のとおりであります。

 

② 売上収益

 売上収益は、前年同期比7.4%減少し、2,575億37百万円となりました。

 主には、ワールド単独で、前年同期に集中して実施した構造改革による不採算事業の撤退、不採算店舗・低収益店舗の退店により減少となりましたが、子会社においては、株式会社イッツデモ、株式会社ワールドリビングスタイル、株式会社ファッション・コ・ラボ等が増加しております。

 

③ 売上総利益

 売上総利益は、前年同期比6.2%減少し、1,462億15百万円となりました。

 主には、売上収益の減少により減少となりましたが、販売効率の改善が進んだことで粗利率は良化しております。

 

④ 営業利益

 営業利益は、前年同期比24.0%増加し、144億63百万円となりました。

 売上総利益が減少したものの、従業員給付費用、荷造運搬費、賃借料、歩率家賃等の販売費及び一般管理費が124億92百万円減少し、営業利益は前年同期比27億95百万円の増加となりました。

 

⑤ 当期利益

 当期利益(親会社の所有者に帰属)は、前年同期比996.8%増加し、81億50百万円となりました。

 これは、主として前年同期は不採算事業の撤退及び不採算店舗・低収益店舗の退店等を行ったことによる構造改革費用があったことによるものであり、当期利益(親会社の所有者に所属)は大幅な増加となりました。

 

(3)財政状態に関する分析

(資産)

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて85億38百万円減少し、705億38百万円となりました。

 これは主に、現金及び現金同等物が70億22百万円、売上債権及びその他の債権が16億79百万円それぞれ減少した
こと等によるものであります。

 非流動資産は、前連結会計年度末に比べて174億44百万円増加し、1,232億32百万円となりました。

 これは主に、有形固定資産が198億87百万円増加したこと等によるものであります。

 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて89億6百万円増加し、1,937億70百万円となりました。

 

(負債)

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて166億83百万円増加し、850億99百万円となりました。

 これは主に、借入金が191億17百万円増加したこと等によるものであります。

 非流動負債は、前連結会計年度末に比べて155億46百万円減少し、879億87百万円となりました。

 これは主に、借入金が168億87百万円減少したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11億38百万円増加し、1,730億87百万円となりました。

 

(資本)

 資本合計は、前連結会計年度末に比べて77億68百万円増加し、206億83百万円となりました。

 これは主に、利益剰余金が81億50百万円増加したこと等によるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

167億23百万円の収入(前年同期比24億32百万円 収入増)となりました。

収入増加の主な要因は、税引前当期利益の増加75億88百万円、仕入債務及びその他の債務の減少による支出の減少16億17百万円、法人所得税の支払額の減少14億77百万円によるものであります。また、収入減少の主な要因は、棚卸資産の減少による収入の減少83億42百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

203億79百万円の支出(前年同期比301億49百万円 支出増)となりました。

支出増加の主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加234億15百万円、有形固定資産の売却による収入の減少54億3百万円、差入保証金の減少による収入の減少12億95百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

32億84百万円の支出(前年同期比81億62百万円 支出減)となりました。

支出減少の主な要因は、借入による収入(純額)の増加67億55百万円、その他の金融負債の返済による支出の減少17億7百万円によるものであります。

 

 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より70億22百万円減少して、211億48百万円となりました。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社経営陣が承知している限り、経営者及び内部統制上重要な権限を有している従業員による不正行為、法令・定款違反行為及び不当行為はありません。また、取締役の競業取引、取締役と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与、子会社又は株主との通例的でない取引並びに自己株式の取得及び処分等について取締役の義務違反はありません。